立ち腐れ状態になった安倍晋三長期政権,世襲政治家の弊害・無益が突出する「日本の政治」の後進的末期性

    なんでもござれの末期的症状が顕著な安倍政権の醜悪

                   (2019年11月5日)


 要点:1 不快・奇怪ばかりがめだつ「お子さま風:オトモダチ的私物化政府」のアベ・末期的な現状

 要点:2 世襲政治態勢を除去できない日本の政治は,何世紀も昔風の「エセ・民主主義」国家体制


 「炎上した沖縄の首里城沖縄県民への見せしめとして安倍内閣による放火と自作自演の疑いが強い」(投稿者・海野雄吉『阿修羅掲示板http://www.asyura2.com/19/senkyo267/msg/121.html,2019年11月02日 22:04:44: Kg/AGhESWTs4c ikOW7JdZi2c)とまで推理されてしまた現政権の醜態的現状

 

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 沖縄の首里城が焼け落ちたニュースは,とても悲しいものであるが,基地移転問題で政府に抵抗した沖縄県民に対して,アベ内閣がみせしめのために実行した,日本版の9・11事件だという噂が流れている。
 註記)https://www.youtube.com/watch?v=hyfU10A7Vg0 ⇒「〈2019/10/31 にライブ配信首里城 正殿など3棟全焼 “沖縄のシンボル” がなぜ? 沖縄テレビ報道特番」

 補注)2019年10月31日未明に発生した火災により,世界遺産にも登録されている沖縄のシンボル首里城の大部分が焼失する甚大な被害が発生していた。

 言論弾圧やメディア操作に明け暮れている安倍内閣ならば,当然ありうるプロットであり,ヒトラーの国会議事堂放火事件を思い出してしまう。
 註記)https://matome.naver.jp/odai/2154908529287599601

 ナチスの手口を参考にしろといった麻生〔太郎〕もいることから,自作自演と疑う必要がありそうだ。それに安倍は「炎の行者」の狂信者でもある。(『阿修羅掲示板』引用終わり)

 こうした「いいぶん:指摘」をいかほど信憑性を置いて聞くかどうか判断に苦しむところであるが,いままで安倍晋三自身が記録してきた身辺関連の過去帳をある程度しる者であれば,あながち全面否定できない〈問題点〉かもしれない。

 ともかく,前段で首里城炎上の写真を借りた『沖縄タイムス』は,つぎの記事のように関連する事情を報じていた。   

 「『中国・韓国人による放火』『プロ市民の仕業』 首里城火災でネットにデマ相次ぐ」(2019年11月1日 08:27,https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/491968

 首里城火災をめぐり,インターネット上には「在日朝鮮人の仕業」「中国人か韓国人による放火」などのヘイト投稿や,「プロ市民の仕業」「パヨクの陰謀」といった根拠のないデマが相次いだ。専門家は「不確定情報は拡散しないで」と呼びかけている。

 韓国出張中の玉城デニー知事に関し「韓国に避難している。(知事が)指示したかも」という中傷も。動画投稿サイトには「犯人は僕です」との投稿があり,炎上して削除された。

 インターネット上のデマやフェイク問題に詳しいスマートフォンアドバイザーのモバイルプリンスこと島袋コウさんは「大きな事件などが起きると差別意識や偏見が表面化し,似た考えの人が集まって共通の敵や特定の原因をつくってしまう傾向がある」と指摘。

 「そういったグループは攻撃を目的としているので根拠はない。不確定な情報を目にしたときは拡散せず,自分が差別を拡散する立場になるかもしれないという緊張感を持って扱うべきだ」と話した。

 

 「安倍首相はなぜ,嘘をつくのか? -肥大化した“自己愛”の悲劇」(『白坂和哉デイウォッチ』2019/7/16,https://k-shirasaka.com/why-abe-liar/


 Introduction:日本とロシアが協議を進めてきた北方領土問題について,舞いこんできた衝撃的なニュースは,安倍首相を語るうえで象徴的です。

 日本は,1956年の日ソ共同宣言にもとづく「歯舞」「色丹」の2島先行引き渡しの方向に舵を切っていましたが,ロシアはその協議すら審議入りを拒否していたことが〔2019年〕7月14日に明らかになったのです。

 安倍首相はこれまで,ロシア・プーチン大統領との個人的な親密ぶりを謳ってきましたが,今回のロシアの動向を見るに,いったい“外交の安倍”の成果とはなんだったのか(?)と各方面から疑問の声が上がっています。

 安倍首相は嘘をついて,我々国民を騙してきたのではないでしょうか? だとしたら,なぜ,安倍首相はこうも嘘をつくのでしょうか?

  ※-1 子どものころも嘘つきだった

  “外交の安倍” の破綻については,アメリカのトランプ大統領に対してもいえることで,蜜月ぶりをアピールしておきながら,たとえば,現在進行中のイラン問題にもみられるように,安倍首相はトランプ大統領によって外交的危機に陥れられています。

 同様に,先般のG20の前後からトランプ大統領日米安保の見直しについて言及しており,日本政府はアメリカの総意ではないとしつつも,実はこの話は半年前から安倍首相に伝えられていたことをトランプ大統領みずから暴露し,最後に安倍首相もこれを認めざるをえなくなりました。

 ここでも,安倍首相は国民に嘘をついているわけです。なぜ,安倍首相は嘘つきなのかといえば,実は子供のころから嘘つきであったようです。

 古くから安倍家に仕えていた「久保ウメ」さんという方がいらっしゃいます。大正14〔1925〕年生まれのウメさんは40年以上も岸家,安倍家に仕え,安倍首相の乳母兼養育係だった方です。

 そのウメさんは,安倍首相が子どものころ,いつも宿題を代わりにやっていたことを告白しています。日々の宿題や,夏休みの宿題なども「宿題は済ませたか?」と聞くと,いつも「済ませた」と嘘をついていました。

 仕方がないのでウメさんが(大人がやったとバレないように) “左手” で宿題を肩代わりし,疲れると母親の洋子(岸 信介の娘)が宿題をやはり “左手” で仕上げていたというのです。

 そういった “だらしない” 態度をいくら叱責しても,まったく悪びれもせず,また「宿題を済ませた」と平気で嘘をつく。大変な宿題はみな大人たちが肩代わりしてくれることが常態化した環境で,子供のころの安倍首相は育ったわけです。

  ※-2 肥大化する “自己愛” と “自己防衛本能”

 児童心理学を学んだ経験もあるというウメさんの言葉を借りれば,両親不在の家庭で幼少期を過ごした結果,芽生えた〈自己愛〉が人一倍強くなっていき,安倍さんをして結果的に〈自己防衛本能〉から虚言とみられるような言動や,上から目線の振る舞いをもさせることになったのではないか。
 註記)望月衣塑子『「安倍晋三」大研究』KKベストセラーズ,2015年5月参照。

 東京新聞 社会部記者・望月衣塑子氏による『「安倍晋三」大研究』では,ジャーナリスト・野上忠興のがみ ただおき)氏との興味深い対談も掲載されている。そのなかで野上氏は,上述したような幼少期の両親不在がもたらした,安倍首相特有の心理状態について,久保ウメさんの見解を紹介している。

 さらに野上氏は,安倍首相みずから語った “勉強しなかったことによる,学歴コンプレックス” から,その裏返しとして,安倍首相は過剰なまでに自身を大きくみせようとするタイプではないかと分析している。

 そのひとつの現われが,政策実績を語るさいに出る「過去最高」「今世紀初めて」「歴史上初めて」といった大仰な〈冠言葉〉だったりするわけである。

 また,厳しい質問や突っこみに対して口をつく「私が最高責任者だ」「私が行政府のトップだ」「私が国家だ」といった言葉も,同様に安倍首相の “コンプレックス” が根底にあるのだろうと野上氏はみている。

 こうしてみると,安倍首相は一般の成年男子と比べると,きわめて幼い心理状態のまま成長し,未成熟な精神による〈自己愛〉や〈自己防衛本能〉により, 還暦を過ぎたいまでも平気で嘘をつくキャラクターへと変貌を遂げたと推察できる。

 確かに,安倍首相をみていると,彼は批判されることに我慢ならないようで,顔色変えて反論する様はとても子供っぽく思われる。(引用終わり)

 本ホームページの筆者にいわせると,安倍晋三はいつも「すっかり子どもである総理大臣ぶりを,あらためて披露(露呈というか暴露)させつづけてきた」。いいかえれば「幼稚で傲慢」「暗愚で無知」「欺瞞と粗暴」に満ちた「世襲3代目の大▼カ政治屋」であるほかない事実を,みずから無意識的にもさらしつづけてきている。彼は悲しいことに,非常に残念なのだが「この国をますます壊していくことしかできない人材(人罪?)」であった。

 すでに有名になっている話題があった。安倍首相の出身学部である法学部で当時,教鞭をとり,安倍首相も授業を受けていたはずの加藤 節名誉教授は,こんなきびしい言葉を投げかける。

 「大学の4年間などを通して,安倍君は自分自身を知的に鍛えることがなかったんでしょう。いまの政権の最大の問題点は,二つの意味の『ムチ』に集約されていると私は思っています」。

 そのうえで,加藤名誉教授はふたつの “ムチ” とは

   ignorant    (無知)と  
   shameless(無恥)

のことだと説明する。母校の恩師とは思えない手厳しさだが,加藤名誉教授の批判はそれだけに止まらない。安倍首相が2013年3月の参院予算委員会憲法の最高権威である故・芦部信喜氏を「しらない」といい放ったことを挙げて,さらにこう指摘している。

 「(晋三氏は)政治学科ですし,憲法もしっかり勉強しなかったんでしょうね。しかし,改革を訴えているのに,(芦部を)『しらない』なんていうべきではない。まさに無知であることをまったく恥じていない」。
 註記)https://lite-ra.com/2016/06/post-2310.html 

 補注)以上を読んで不思議に感じることがある。成蹊大学はその程度の学生でしかなかった安倍晋三君に対して,難なく「卒業に必要な単位を出し」,そして,いわゆるトコロテン式に「卒業させていた」。この事実に関する疑問が,前後する話題:記述をめぐっては,なにかが変で奇妙だと指摘されるまでもなく,どうしても残る。

 「安倍でんでんソーリは成蹊大学を裏口から入り,裏口から出たそうです」と指摘されていた。「安倍晋三氏は必修だった政治学の授業に一度も出席しなかった。だから不可を付けたが気が付いたら卒業していた」というのである。

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 補注)こうなっていたとしたら,成蹊大学側にも「安倍晋三・卒業」に関しては,なんらの忖度的な考慮が手厚く与えられていたと観察されて,なにもおかしいことはない。

 成蹊小学校からもち上がりで進学し,成蹊大学法学部政治学科を卒業したが,ご覧のとおりであった「知性ぶり」を,いままで発揮してきた。安倍晋三は幼少のころから不正という字がつく「入学・卒業・選挙・当選・支持率・・・」で周辺を武装してきたのであり,いわば,ウソと不正で塗り固められた人生をこれまで歩んできた。

 「徳仁が令和の天皇になった『即位礼正殿の儀で恥を晒し続けた安倍夫妻-日本人としての品格がない理由-』」(『白坂和哉デイウォッチ』2019/10/25,https://k-shirasaka.com/the-coronation-court-abe-no-dignity/という記述について,ここではくわしく紹介しないが,この「世襲3代目の大▼カ政治屋」が長期間,日本国の総理大臣を務めてきたのだから,この国が悪くならないわけがなかった。


  世襲政治がまかり通る日本の民主主義は「後進国性 丸出し」で「未熟」そのもの


 「『次期首相」小泉氏が首位 トップ3顔ぶれ変わらず」という囲み記事が,『日本経済新聞』 2019年10月28日朝刊2面「総合・政治」に出ていた。ここに登場する主に自民党政治家の「政治品質」は,深く考える余地もなく,いささかならず落胆させられた。変わりばえのしない,単に世襲的な後継者たちがずらりと多く並んでいた。

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 --日本経済新聞社世論調査で,つぎの政権の首相にふさわしいのは誰かを聞いたところ,小泉進次郎環境相が20%と最多だった。9月の内閣改造直後に実施した緊急世論調査と順位もポイントも変わらなかった。2位は石破 茂氏の18%,3位は安倍晋三首相(自民党総裁)の16%だった。過去5回の同様の調査からトップ3の顔ぶれは変わらなかった。

 補注)その後における首相候補に関する世論調査では,小泉進次郎の人気がガタ落ちになっていた。その原因はここではくわしく触れられないが,要は「頭のなかがカラッポである世襲政治家の本体」がバレたためであった。配偶者となった滝川クリステルの「効果」は,全然なかった模様でもあった。 

 最新の調査については,つぎの画像の結果を紹介しておく。「12月ロイター企業調査:次期首相候補,石破氏支持が躍進」『REUTERS』2019年12月6日 / 11:04 から借りたものである。

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  出所)https://jp.reuters.com/article/japan-coprpsurvey-politics-idJPKBN1YA05X


〔日経記事に戻る→〕 10人の中から1人を選択してもらった。4位は河野太郎防衛相の8%,5位は菅 義偉官房長官の6%が続いた。「いえない・わからない」は22%だった。菅氏は2017~18年に実施した調査では1~2%だったが,元号「令和」を発表したあとの2019年5月以降の調査では6~7%を維持している。 

 補注)さきに「10人の中から1人を選択してもらった」と断わられていたゆえ,それでなくともミーハー的な判断しかできていない庶民的な感覚から出てくる答えは,あおの「セクシー問答男:小泉進次郎」や「亡国の首相:安倍晋三」,「駐日韓国大使を罵倒した河野太郎」,「元号の令和をかかげた貧相な官房長官:菅 義偉」など,政治家そのものとしてみればいずれもが,まともには1流とはとうてい格付けできないような「面々」が順番にその氏名を連ねている。まことにお寒い光景であった。

 内閣支持層では安倍首相が26%ともっとも多く,小泉氏(20%)は1位だった。一方,内閣不支持層では石破氏が27%でトップだった。

 年代別でみると若年層に安倍首相の支持が多く,石破氏の支持が少ない傾向がみえる。39歳以下の1位は安倍首相の255で2位は小泉氏の24%,3位は河野氏の13%だった。石破氏は39歳以下では5%で,60歳以上では23%上った。

 男性では小泉氏,石破氏,安倍首相がともに18%で並んだ。女性では1位が小泉氏の23%,2位が石破氏の17%,3位が安倍首相の13%だった。(日経の引用終わり)

 世襲の点に再度触れておくと,こういう事実があった。枝野幸男立憲民主党(代表)である以外,全員が自民党

   小泉進次郎 3代目
   石破 茂  3代目
   安倍晋三  3代目
   河野太郎  3代目
   菅 義偉 
   岸田文雄  3代目
   枝野幸男 
   小渕優子  3代目
   加藤勝信  2代目(岳父が政治家)

 率直にいわせてもらえば実にくだらなくなっていた「首相候補・好感度」に関する記事であった。それにしても日本経済新聞は,本当に面白くもなんともない,それもこの程度になる「世襲議員中心(以上の記述のなかで自民党の非世襲議員は菅 義偉だけ)の記事作り」をしていて,少しは “こっぱずかしい” とは感じていなかったのか? 

 体制派新聞紙の日経にそうした期待じたいすることが無理なのは承知のうえで,あえて苦言を突きつけてみた。このような記事を読者に提供したところで,日本の民主主義じたいに関連させられうる問題意識と提起をすることをしないで,なんの「社会の木鐸」か?

 ちなみというか,最後につぎのような関連する資料も挙げておく。日本の政治は以前から3流だといわれてきたが,安倍晋三がその水準をさらにみごとに・確実に引き下げてくれた。それでは,いったい何流になってしまったかについては,読者みずからの判定に任せたい。

 安倍晋三の第1次政権「閣僚辞職者・氏名一覧」 

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 安倍晋三の第2次政権「閣僚辞職者・氏名一覧」

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  日本の政治を民主主義から遠ざけている 供託金の問題

 以下の表は,『選挙戦を全力サポートする選挙立候補.com』(https://senkyo-rikkouho.com/rikkouho-hiyou.html)から借りたものであるが,現在においてとくに国会議員になるために金銭的な障害物だと認識:批判されている「供託金」の高さを説明する資料である。

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 供託金とは選挙に「立候補に必要な条件」のひとつであり,立候補者に法律で決められた金額を,一時的に法務局に預けるお金のことである。当選を争う意志のない人,売名などを目的とした無責任な立候補を防ごうという制度で, 選挙の種類別にその額が決められている。この供託金は,一定の得票数を満たすことができれば返却され,規定の得票数に達しなかった場合や,途中で立候補をとりやめた場合などは没収される。           

 この問題は,山本太郎が代表者である「れいわ新選組」が今年(2019年)7月21日に実施された第25回参議院選挙に挑んださい,一般大衆からこの供託金に充てるための寄付を募ったところ,いままでにはないかたちで多額を集めた事実を介して大きな話題になってもいた。

 要は,供託金の問題基盤が世襲議員をいつまでも野放し的に生息させる一番の政治環境条件になっている。いわゆる「地盤・看板・カバン」という世襲議員のための3点セットが定着しているがために,現在では3代目の世襲議員までが大勢のさばる日本の国会議事堂になっている。

 ヨーロッパの先進国では世襲議員がいたずらに輩出されないように手立てが講じられている国もあるのだが,日本はどちらかというと世襲議員でないと,なかなか(とくに国会)にはなれないような伝統が固定化されている。その問題点はつぎの ⑤ がよく解説している。


 「〈時事オピニオン〉世襲議員の横行は政党を死に至らしめる政治の質をおとしめる原因」(野中尚人・学習院大学法学部教授『imidas 情報・知識オ&ピニオン』2010/01/22,https://imidas.jp/jijikaitai/c-40-056-10-01-g353

 国会議員の世襲を禁止せよとの声がある一方で,「職業選択の自由」を侵すといった反論もある。この問題をどう考えればよいのか。

 1)歴史が証明する国家の衰退と繁栄

 世襲の問題を考えるために,300年ほど前のヨーロッパをみてみよう。政治的近代化が本格化する前,近世と呼ばれる時代である。

 絶対主義・王権神授の名のもとに,国王の地位は多くの国で世襲されていた。政府の機構は「家産官僚制」といわれる仕組,つまり,主要な役職がある種の私的な所有物のようになり,親から子へと受けつがれるかたちとなっていた。この仕組がもっとも典型的に発達したのが,ルイ14世を頂点としたブルボン朝のフランスである。

 そして,主要国のなかで,もっとも早くこのパターンから離脱し,議会を軸とする国政運営と,官僚制における人材の競争的な登用の仕組を発達させたのがイギリスである。両国が覇権を争った100年余りの「長い18世紀」の歴史が証明したことは,国土も人口も4倍の規模を誇ったフランスが敗れて大革命へと至り,イギリスは大英帝国の建設に成功したという事実である。

 なにが重要かは明らかであろう。もちろん,イギリスでも土地所有貴族が権力を握り,まさに権力の世襲が大規模にみられた。しかし,イギリス海軍の圧倒的な優秀さと議会下院が示した国家財政を支える力とは,ブルボン朝フランスが象徴するものとは正反対の,競争がもたらす新しい人材,新しい知識,そして新しい産業によって成立していた。古い慣習や社会的身分ではなく,競争こそがその柱であった。つまり,世襲の仕組から競争の仕組に変革すること,これこそが長期的な国家の盛衰に大きな影響を及ぼしたのである。

 2)ハードルが高い日本の選挙参入制度

 現代日本を観てみると,国会議員の世襲が選挙競争に対する深刻な抑圧となってしまっていることは疑いえない。そしてその理由は,要するに,選挙の立候補へのハードルがきわめて高いことであり,さらにその背景には3つの制度的な条件がある。

 第1は,公職選挙法である。日本では,公選職の兼任が禁止されているばかりか,立候補に先立って辞職する必要がある(あるいは自動的に失職する)。市長であり国会議員といったかたちで公選職を兼任できるフランスはもちろん,アメリカの大統領選挙でも上院議員州知事が長い期間の予備選挙に参加する場合,彼らの地位は保たれたままである。当選したオバマも対抗馬だったクリントンもマケインも,すべてこの仕組に守られていた。

 第2の制度条件は,公務員法である。日本では,公務員が公職の選挙に立候補する場合には,その前に公務員を最終的に辞職しなければならない。ところがフランスやドイツでは,公務員としての身分を保持したままで立候補することが可能で,当選した場合には身分を維持したままで,一時的に職務を離れるかたちで議員として活動することができる。しかも,ドイツでは市町村の議員と公務員との兼任が可能で,フランスでは,選挙に当選した公務員は派遣身分で国会議員に就き,昇進や昇給,退職年金の権利を十分に確保している。

 第3に,日本では政治家や公務員の世界に限らず,社会全体で観ても終身雇用ルールが強いことである。しかも中選挙区制のもとで,政党間競争ではなく議員の個人後援会の組織力が競われる選挙となっていたことも,きわめて深刻な要素となっていた。これらの条件が重なりあった結果,日本では選挙への参入障壁が他国に比べて圧倒的に高くなってしまったのである。

 選挙は一種の競争市場である。しかし日本では,候補者の供給というサプライサイドがかなり極端な寡占状態に陥り,市場としてはうまく機能しなくなっていた。要するに,政治の世界への人材供給が,さまざまな制度のゆがみの結果として極端に細くなっていたこと,これが世襲問題の本質である。

 3)政党にとって「死に至る病」

 しかし,問題はこの次元にとどまらない。自由民主党内の年功序列型の人事が問題をさらに深刻にしていたのである。自民党では,当選回数に応じた年功昇進が制度化されていた。初当選から約15年間はいわば見習い期間であり,有力者としての活躍はこれを終えてからであった。

 この仕組みのもとでは,初当選時の年齢が決定的な意味をもつ。30歳で初当選した2世議員は,見習い期間を終えた時まだ50歳になっていない。ところが,「たたき上げ」の議員の国会初当選は普通50歳に近づいてからであり,見習い期間の終了は65歳ごろとなる。「いざ勝負」となった時にまだ20年ある世襲議員と,もうほとんど時間切れの議員とは決定的な差がある。 

 補注)ただし,安倍晋三小泉進次郎の場合,かなり若い年齢のときから「親の七光り的な厚遇」がなされ,以上に論じられている事情とは異なった自民党内における「世襲関連の体質変化」が新たに現象している。

 近年,ほぼすべての自民党幹部が世襲議員によって占められていたが,それはある意味当然の帰結だったのである。やや極端にいえば,日本国の総理大臣という地位に到達できるのは,わずか500家系ほどの関係者にすぎない状況に至っていた。これこそが自民党における世襲問題がもたらした究極のゆがみである。

 人間の社会には競争が必要である。しかも,質の高い,実質的な競争こそが大切である。世襲を擁護する人の多くは,「選挙民が自由に選んだ結果だから問題ない」という。しかし,実質的にほとんど独占企業といってもよいほどの支配力をもつ議員とその後援会が,世襲によって既得権のネットワークともども温存されるならば,とても公平な競争があるとはいえない。

 300年前のヨーロッパにおいて,貴族勢力が自己の支配権を永続化させようとして用いた論理となんらの違いもない。自由市場経済の世界になぜ「独占禁止」の考え方が不可欠なのか,考えてみれば明らかである。

 フェアとはいえない選挙で選ばれることをなんとも思わない人たちに,「公的」なものへの関与を語る資格などあるのだろうか。そう,世襲の横行は政党にとって「死に至る病」である。そして,一国の政治の質をおとしめ,政治が未来を語るのではなく,過去に縛られることとなる深刻な原因なのである。(引用終わり)

 安倍晋三の政権とくに2012年12月26日に発足した第2次政権は「世襲の横行は政党にとって『死に至る病』である」事実を,なんというか文字どおりに歩んできた。


 「名づけて『世襲格差内閣』」(『立憲民主党』2017年08月08日,https://www.kou1.info/blog/politics/post-1634

 この記事はあくまで2017年8月時点における内容であるが,いまにでもそのまま妥当する記述であった。⑤ までの記述を補足・充実させるために紹介しておく。

 〔当時の〕内閣改造後の閣僚名簿をみて思いましたが,世襲議員が本当に多いです。安倍改造内閣の閣僚の世襲 / 非世襲リストをつくってみましたのでご覧ください。

   内閣総理大臣  安倍晋三世襲
   財務大臣    麻生太郎世襲
   総務大臣    野田聖子世襲
   法務大臣    上川陽子
   外務大臣    河野太郎世襲

   文部科学大臣  林 芳正(世襲
   厚生労働大臣  加藤勝信世襲
   農林水産大臣  斉藤 健
   国土交通大臣  石井啓一  
   環境大臣    中川雅治

   防衛大臣    小野寺五典  
   内閣官房長官  菅 義偉  
   復興大臣    吉野正芳
   国家公安委員長 小此木八郎世襲
   縄北方大臣   江崎鐵磨(世襲

   一億総活躍大臣 松山政司
   経済再生大臣  茂木敏充
   地方創生大臣  梶山弘志世襲
   東京五輪大臣  鈴木俊一世襲

 19人の大臣のうち,10人の大臣が世襲議員です。過半数世襲議員という内閣です。公明党の閣僚を除けば,自民党の18人の閣僚のうち10人が世襲議員です。単なる「お友だち」というレベルを超えて,「親の代からのお友だち」がけっこういます。現代日本における最大最強の既得権集団は「世襲議員」だと思います。

 地盤・看板・鞄を引きつぎ,選挙で苦労をしたこともなく,出世の階段を順調に登ってきたのでしょう。自民党というのはまさに「世襲格差社会」です。閣僚になるような世襲議員は「世襲格差社会」の勝ち組です。

 自民党が格差問題に冷淡な理由の一端が,ここにもあるように思います。親の七光りで当選したのに,自分の実力だと勘違いしている世襲議員は多いです。幸運を神様に感謝して,ノブレス・オブリージュの感覚をもって,社会に貢献する世襲政治家もなかにはいます。しかし,そうでない人の方が多いと感じます。

 世襲議員の多くは若くして国会議員になり,選挙基盤がしっかりしているため,当選回数が積みあがるのも早いです。当選回数重視の閣僚人事において,世襲議員は圧倒的に有利になります。率直にいって,大手企業や官公庁に就職していたら課長にもなれない程度の能力の世襲議員が大臣になっているケースをたくさんみてきました。当選回数と派閥の力学でそういうことはしばしば起きます。

 いっそのこと,世襲議員は「貴族院」あるいは「華族(家族?)院」を設けて,そっちに集めてほしいくらいです。もちろん英国の貴族院と同じく権限は極力弱くして,貴族院議員は首相にはなれないようにします。そんなの無理でしょうが,そんなことを夢想してしまうほど,世襲議員は永田町で強い力をもっています。

 政治の世界の「世襲格差」は,健全な市民社会ではありえないことだと思います。公職を親から引きついでいいのは,宮内庁の鵜匠くらいだと思います。しかし,日本の政界では厳然たる「世襲格差」が存在しています。世襲議員を選ぶのも有権者(国民)です。国民のレベル以上の政治家は出てきません。

 ちなみに英国には世襲議員がほとんどいません。親が国会議員の場合,子どもは他の選挙区から出ることが多く,いわゆる「世襲」という感じはありません。英国の有権者並みに日本の有権者が真剣に政治のことを考える時代は来るのでしょうか。

 英国では「シチズンシップ教育」といって,市民としての社会参加の方法を子どもたちに教えています。著名な政治学者のバーナード・クリック氏がシチズンシップ教育についての指針のようなものをつくり(この点は引用しないが),実践しています。そういう地道な試みから始めれば,20~30年したら世襲議員は激減しているかもしれません。(引用終わり)

 日本の政治はどうやら間違いなく,何世紀分も遅れている様相を呈している……。伊藤博文は草場の陰でどう思っているか?

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