原発は「核燃料という悪魔の火」を焚く電力生産方式,事故を起こすまでもなく,経済計算にはなじまない技術特性

原発という施設・装置の本質は,その技術経済的な限界が悪魔の火である事実に求められる,いまどきこれほど効率が悪い発電装置もないが,原発を背負った電力会社と日本政府は未来永劫に始末できかねる厄介ものと抱きあっている。

 

 要点:1 経済計算(収支管理)などおぼつかなくなっている原発の技術経済的な特性
 要点:2 東電福島第1原発事故にまだ本当には懲りていない原子力村:マフィアの住民たち,この地球を人間が住めない環境にしていくつもりか

 

 「〈ニュースな科学〉東北電女川2号機が『合格』 再稼働,他原発の今後左右  福島第1と同型 / 地元同意が鍵」日本経済新聞』2019年12月27日朝刊33面「NEWSな科学」


 全国の原子力発電所のなかで,2011年の東日本大震災震源にもっとも近い東北電力女川原発宮城県女川町,石巻市)の2号機が〔2019年〕11月,原子力規制委員会の安全審査に事実上合格した。高さ約13メートルの津波や激しい揺れに襲われても,事前の設計が奏功して事故を免れた。ただ,被災した建物の健全性評価などに時間がかかり,審査に約6年を費やした。大昔からたびたび津波地震に襲われてきた「三陸地方に立地する同原発のあり方」は,他原発の行く末にも影響する。 

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 大震災後に定期検査などで止まった原発は,炉心溶融メルトダウン)に至った東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえてできた新規制基準に合格しないかぎり再稼働できない。女川原発が新規制基準にもとづく審査に正式に合格すれば,9原発16基目となる。被災した原発では日本原子力発電の東海第2原発茨城県東海村)に続いて2基目だ。 

 大震災では女川など主に4つの原発津波が襲った。事故を起こした福島第1,事故を免れた福島第2,東海第2だ。福島第2や東海第2に襲来した津波の高さは10メートルに満たなかったが,震源から約130キロメートルの牡鹿半島に位置する女川原発には,福島第1に匹敵する約13メートルの津波が押し寄せた。

 補注)福島第1原発を襲った津波の波高は,東電自身がつぎのように記録していた。それゆえ「福島第1に匹敵する約13メートルの津波が押し寄せた」と表現するのは,過小申告である。約3メートル近い差が残っているゆえ。

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 出所)「原発事故前の大津波予測可能性、『長期評価』の信頼性が鍵 東電旧経営陣に〔2019年9月〕19日判決」『河北新報』2019年09月18日,https://photo.kahoku.co.jp/graph/2019/09/18/01_20190918_63015/001.html

 

 1) 津波は敷地越えず

 福島第1と明暗を分けた主な要因の一つは敷地の高さだ。海抜10メートル弱だった福島第1に対し,女川は14.8メートル。東北電によると,1号機の設計時に歴史的な津波災害を踏まえて敷地の高さを決めたという。三陸地方は869年の貞観地震,1611年の慶長三陸地震に伴う津波などで多大な被害を受けてきたためだ。

 補注)旧東電の幹部3名が現在審理中である裁判では,こうした大津波の襲来予測の問題がひとつの争点になっている。この幹部たちは,東北電力に少しでもみならっているべきであった。貞観地震慶長三陸地震などの過去の記録を参照することは当然であった。また最近では,東日本大震災震源地につらなる震源地群の危険性が予測されてもいる。

 こうした日本列島周辺の地質学的な特性をまともに事前評価しようとしていれば,おそらく「3・11」の直後,東電福島第1原発事故で3基もの原発が大事故(炉心溶融)を起こすことまで,深刻・重大な事故にはならなかったはずである。

 要は,自然を舐めていた,あるいは営利主義のために津波対策の問題を先送りするか,もしくは当初から無視しておく経営判断しかしていなかった彼らは,原発を建造するに当たって,国家側とむすばれた契約条項にもとづいて,いとも簡単にその責任を逃れえていた。

 いまとなっては「後悔先に立たず」というほかない「3・11」の原発大事故について,彼らはまるで他人事のような態度を露骨に表示しながら裁判に応じ,争っている。あの大事故のせいでいまも,日本列島がどのくらい放射性物質の汚染に見舞われているかは,のちほど言及する。

〔記事に戻る→〕 大震災の津波は敷地を越えることはなかった。国際原子力機関IAEA)は調査報告書で「小さなダメージはあったが,構造物は驚くほど損傷を受けていない。設計時に十分な裕度があったことを示している」と評価した。

 だが,大震災でなにも起きなかったわけではない。震災時,1,3号機は営業運転中,2号機は定期検査中で原子炉の起動を始めたばかりだった。震度6弱,最大で567.5ガル(ガルは加速度の単位)の揺れに見舞われて,原子炉は自動停止した。

 原子炉を冷やすための非常用電源は使えたが,外部電源の一部を失った。地震の影響で1号機の一部設備が損傷した。津波の影響で重油をためるタンクが倒壊したほか,取水口を経由して2号機の一部建屋が浸水した。こうした事態も踏まえて,新規制基準に伴って津波地震動の想定を引き上げた。総延長800メートル,海抜約29メートルの防潮堤を築き,耐震性を強化する工事を実施している。

 補注)この段落は当たりまえであったとみなせる「対策の問題」をとりあげている。原発でなくとも一般の建造物や公共施設(インフラ全体)が,「3・11」のためにどのくらいひどく被害を受けたを配慮すれば,いくら原発がきびしい基準を適用して大地震に備えていたところで,なにも被害が発生しないということなどありえない(「想定」できない)。

 東電福島第1原発事故現場の場合,関連するユーチューブ動画記事もあるが,敷地が約30メートルの標高があった場所を,わざわざ海水を冷却水に取り入れやすいようにゼロ・メートルにまで近づけるように掘削していた。東北電力女川原発は,そのような「いまからみれば愚かなことはしなかった」方針を採っていたことで,大地震と大津波の被害をなんとか逃れえていたのである。

 東電と東北電力のこの技術的な対応に記録された大きな差は,原発の特性(冷却水の確保)にかかわる問題であったにせよ,「技術と経済を均衡させる要所」を,いったいどのように考えていたのかという論点を,より明確に説明している。

 被災した原発だったことも規制委の審査を長引かせた。2号機の建屋で1100カ所以上の小さなひび割れがあったことから,今後起きる地震にも耐えうるかどうかを試験なども実施して確認した。

 津波対策のために設ける防潮堤は別の懸念につながった。敷地内の地下水が防潮堤の地下構造物にせき止められて水位が上昇する恐れがあった。地下水をくみ上げる井戸について,原子炉を冷やす装置などと同様に安全上重要な施設と位置づけたことで審査が厳しくなった。

 

 2) 安全審査に6年

 被災した原発として最初に安全審査を申請したものの,審査に約6年かかった。事故を起こした福島第1と同型の原発としても東京電力柏崎刈羽6,7号機(新潟県),日本原電東海第2に遅れた。規制委によると,東北電は他社に先駆けてまで審査を急ぐ様子はなかったという。原子力規制委員長の更田豊志さんは「ガツガツしておらず,非常に慎重だった。堅実,確実なのは良いことだ」と一定の評価をする。

 今後の焦点は再稼働の時期だ。規制委の審査に合格済みでも再稼働できていない原発が全国に6基ある。東北電が2020年度に終えるとしている安全対策工事にくわえて,地元同意が重要な鍵を握る。

 震災直後,女川原発には最大364人の被災者が避難した。エネルギー産業に詳しい東京理科大学教授の橘川武郎さんは「地震津波に耐えて避難所にもなったということもあり地元との関係は良好だ」として,ほかの原発に比べれば地元同意をえやすいとみている。実際に地元との信頼関係が築けているかはこれからの同意手続きで試される。信頼関係は一朝一夕には築けない。他原発にも重い教訓だ。(引用終わり)


 ところで,東北電力女川原発が「原子力規制委員会の安全審査」のために6年間もの年月を費やしてきた点,いいかえれば,2011年3月に発生した東日本大震災震源にもっとも近い立地にあるこの女川原発宮城県女川町,石巻市)の2号機に関する安全審査が合格したのが,この2019年11月だという話になっていた。

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 だが,付表(この上に出してみた)の「女川原発を巡る動き」の年表中身をみると,こういう点が読みとれる。同原発の2号機は1995年に運転を開始し,2011年「3・11」以降,停止していた。その間,稼働できず電力の生産からは外れていた。2019年になるまで,1995年から24年が経過したわけだが,2011年以降において未稼働であった状態の期間は9年にも達することになる(こちらは2020年までを計算しての話)。

 

 3) 原発の定期点検の特徴

 さらに東北電力のホームページに説明されている。女川原発「◎2号機定期検査実績」(「女川原子力発電所〈データファイル〉定期点検」『東北電力』)は,関連する事技術面の事情を,こう説明している。なお※1と※2の註記の内容は,ここでは引用しないでおく(記述に支障はない)。

 原子力発電所では,核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下,「原子炉等規制法」という。)に基づき,約1年に1回原子炉を止めて施設定期検査(以下,「定期検査」という。)を行います。

 定期検査は,発電所の設備を健全な状態に維持し,トラブルの未然防止や発電所の安全運転を図ることを目的として行うものです。あわせて,定期事業者検査※1を実施するとともに,定期安全管理審査※2を受審いたします。

 現在我が国の原子力発電所の定期検査期間は,標準的には約3ヶ月程度となっています。
 註記)https://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/data/4_d.html

 要は,1年のうち3ヶ月はともかく「定期検査」を要するので運転中止,未稼働の状態になるというのだから,4年の期間に合わせていってみれば,そのうちの1年は定期検査のために停止状態を強いられる装置・機械が原発だということになる。

 こういった原発の「定期検査」と比較するための話もしておきたい。

 「自動車の車検」にかかる日数の目安は1日~2日で済むという。

 「鉄道車両」の場合,「全般検査」という「定期検査としてはもっとも大がかりな方法」について説明すると,車体の修繕と台車や機器類などの分解・検査・整備のほか,車体の再塗装などや内装のリフレッシュ等も同時におこなうゆえ,ほぼ新車の状態にすることになる(いわゆるオーバーホール)。そのために要する期間は,東京周辺の通勤電車の場合でおよそ10日から2週間程度であるという。

 なお,蒸気機関車の場合,現在では半年近くの時間を要することがほとんどであるが,こちらは比較の対象にはならない。

 原発という装置・機械そのものが1基としては大規模であるから,以上の自動車の車検や鉄道車両(電車)をただちに,単純に比較することは不都合がある。とはいえ,原発の場合,放射性物質をとりあつかう関係があって,より複雑な特徴を有する。それにしても,「定期検査」のために,1年の4分の1の期間に相当する約3ヵ月も休止(操業停止:未稼働)の状態に置かねばならないというのは,これじたいが,かなり不利な条件だといわざるをえない。

 ともかくそれでは,女川原発2号機のこれまでの実質的な稼働期間は,1995年から2010年(「3・11」発生の前年)までにおいて実際に稼働していた時間は

   「15年 ✕ 0.75〔9ヵ月〕」= 「11年と3ヵ月」

となる。また,2011年3月以降は停止を余儀なくされてきたのだから,事後は未稼働である。

 すると,こまかい点はさておき,1995年から2019年まで24年間で稼働できていた操業率(均してみた平均)は,

   「11年3ヵ月」÷ 24年 = 46.88%

となる。

 「定期点検」は設備管理のために必要となる基本的な要件である。だが,東北電力女川原発2号機のこの稼働率:半分以下で,はたして採算の問題は「問題がなかったのか?」という疑問が,当然のように出てくる。

 東北電力が2011年3月期および2012年3月期の決算で赤字を計上したことは事実である。「3・11」の発生によって,女川原発で稼働していた2号機・3号機は,事後停止した状態を続けていた。けれども,その状態のなかで,2013年3月期以降における業績は黒字を計上していた。
 註記)「過去の決算短信」『東北電力https://www.tohoku-epco.co.jp/ir/report/statement/archive.html 参照。

 原発というシロモノ(=『悪魔の火』を焚いて電力をえるための怪物)を保有していなくとも,日本における電力需給関係はなんとか都合がつくという点は,「3・11」を契機にしてかえって “反転的に” 実証されていた事実であった。

 

 「3・11」後の「汚染地図」

 「いま,爆発的に売れている放射能汚染地図がこれだ!」(『半歩前へ』2018年12月23日 https://85280384.at.webry.info/201812/article_238.html)という記述がある。これを紹介する前に,つぎのように議論しておく。

 「3・11」の大地震・大津波によって発生した東電福島第1原発の「溶融」事故は,もしも不幸にも4号機の燃料プールから冷却用水を奪っていたら,東日本全体がアウトだといわれる大災害に至っていたはずだといわれていた。だが,そういう事態が起こらなかったのは,まったくもって幸運であった。だが,爆発事故まで起こした1号機,3号機も含めて,ともかく全基が事故を起こした原発になっていた。

 東電福島第1原発は太平洋から海水を取り入れ,間接的に熱交換過程に循環させて利用する冷却方式を採っている。この方式の関係もあって,また事故発生の季節(3月)における風向きの関係もあってだが,事故によって放出された放射性物質は,東北地方や一部関東地方などに流れるよりも,太平洋の方向に流れた分が多かったと推理されている。この点は,チェルノブイリ原発事故が陸地に囲まれた立地で事故を発生させていた事情とはいちじるしく異なる被害の状況を作っていた。


 さて,東京電力福島第1原発事故による放射能汚染の状況を調べてきた市民グループ「みんなのデータサイト出版」が〔2018〕11月に発行した本『図説17都県 放射能測定マップ+読み解き集』が売れているという。

   

 この本は,青森県から静岡県までの17都県で,延べ約4000人が計約3400カ所で土壌を集め,各地の市民測定所が調べた放射性セシウムの濃度を都県別の地図にした。事故から百年後の2111年まで,濃度がどう推移していくのか広域の予想図も付けていた。

 福島第1原発から放出された膨大な放射性物質が,どんなルートで流れて汚染拡大につながったのか図表付きで解説。各地の市民測定所が,農作物や山菜,魚などの測定結果や国などの公表データを分析したコラムも収録している。

 初版の発行を3000部に増やしたものの,勢いは止まらず。グループのホームページ https://minnanods.net/ や電話による注文で第2版の3000部も完売の見通しとなった。

 メンバーの小山貴弓さんによると,書店に「この本を扱っていないか」との問い合わせが相次いだ。店頭では一冊2500円(税込み)。小山さんは「農協や企業からのまとまった注文や,首都圏の汚染度の高い地域の方々からの注文が増えている。

 原発事故の影響を,市民みずからが多角的に検証した点が評価されているのでは」と,反響の大きさを分析。1万部という目標を「遠からず達成できるのではないか」と話した。

 あらためて説明する。『図説17都県 放射能測定マップ+読み解き集』の「商品の説明:内容紹介」は,つぎのようになっている。なお,本書は「政府がやらないなら市民の力で」と最初にいっていたが,日本政府・安倍晋三政権の東電福島第1原発事故被災地に対する基本姿勢は「調べず・教えず・救わず」であった。この事実を意識して,この本に接する必要がある。

 この本は,2011年3月11日の東日本大震災による福島原発事故後,日本各地で立ち上がった「市民放射能測定室」のネットワーク,「みんなのデータサイト」による6年間の活動の測定結果を集大成としてまとめ,地図化,解説を収録したものです。当初はクラウドファンディングの返礼品として発行されたものが,好評のためつぎつぎと増刷を重ねています。

 

 本書は,市民による市民のためのどこにもない本をめざして,「お母さんから専門家まで」どなたにも読んでいただけるよう,みんなのデータサイト参加測定室のメンバーが力を合わせて,実際の測定数値をもとにして,分析・執筆・編集作業を進めてきました。

 

  第1章・土壌  2014年から3年間かけて,のべ4,000人の市民により,東日本17都県で 3,400地点以上の土壌サンプルを採取し測定した結果を地図にマッピング。県ごとの地図に解説をくわえている。

  第2章・食品  食品のなかでもとくによく聞かれることの多い品目について,みんなのデータサイトの測定結果に厚生労働省の食品検査データを合わせて分析し,解説。牛乳・粉ミルク,米,川魚,海水魚,野生鳥獣肉,野生キノコ,山菜など。一目でわかる出荷制限マップも収録。

  第3章放射能を知ろう  放射能の基礎知識や,ホットスポットの問題,指定廃棄物の問題,チェルノブイリと福島の2つの事故について汚染の濃さ・広がりや,避難・移住の権利の汚染区分比較,甲状腺がんについて,ほか。

 

  また,測定室の独自の活動をコラムで紹介,当時福島に住んでいた方のエッセイ,全国原発稼働状況・モニタリングポスト一覧など,他に類をみない幅広い情報を網羅。

 安倍晋三は,東電福島第1原発事故現場についてなかでも汚染水問題を指して,それも2020東京オリンピックを招致するために「アンダーコントロール」だなどと,例によってお得意の大ウソをついていた。

 この国の最高指導者の基本的な姿勢がそうである事実からもやたすく理解できるように,実際における原発事故被災地の対応は,原発事故そのものと,そしてその被害を,できれば「なるべくないもの」にしておきたい,あるいは「あってもできるだけ小さく・少ないもの」にすり替えておきたいという基本路線であった。

 そもそも「3・11」の原発事故は,基本的にはいまだに,十分に解決も始末もできていない。だから,『図説17都県 放射能測定マップ+読み解き集』を発行した組織は,こうも主張していた。

   東京電力福島第1原発事故の概要 ★

 

 2011年3月11日に起きた東日本大震災(日本観測至上最大規模:マグニチュード 9.0)により,福島県に設置された東京電力福島第1原発の原子炉が3基同時にメルトダウンした人類初の原発事故です。IAEA国際原子力機関)が定める原発事故の国際評価尺度(INES)では,最悪レベルの “深刻な事故” を指す「レベル7」とされました。

 

 放射能の総放出量はセシウム137の量で15,000テラベクレルともいわれ,広島原爆と比較して168. 5発分という算定があります(2011年8月26日,原子力安全・保安院)。

 

 原発事故は,日本国内において現在でも非常事態宣言が継続しています。原発から出る汚染水もどんどんたまり,また海へと流れています。いまでも毎日多くの人が事故の後始末のため高線量の現場で作業に従事しています。

 

 安倍首相は福島第1原発について「アンダーコントロール」と世界に向けて発言をしましたが,放射能は毎時48万ベクレル(2017年11月東京電力データ)がいまだに出つづけています。

 

 汚染水は大量に溜まりつづけ,海へと漏洩しており,放射能を封じこめることなどできず,燃料デブリの取り出し方法さえ確立できていません。東北から関東の各地では放射能に汚染したあらゆるものをフレコンバッグに詰め,生活空間や運動場などのすぐ横にも積み上げられています。

 

 2020年のオリンピックの種目によっては,そのような汚染物を一時的に別の場所に移しておこなわれる予定となっているものがあります。

 「3・11」の東日本大震災に起因した「東電の原発事故現場」は,いまだに十全という意味では,関連する肝心な作業には全然とりくめないでいる。すなわち,その「後始末と廃炉のための工程管理」は,いうなれば,それこそ未来永劫的な性質であるほかない様相を呈している。まさしく「いのままの対応・態勢でもって,人間側が,ただ関連する作業をにないつづけていくほかない惨状(運命?)」に留めおかれている。

 したがって,本ブログが先日:2019年12月23日の記述で「〈真山 仁の Perspectives:視線〉8:福島第1原発」『朝日新聞』2019年12月18日朝刊15面「オピニオン」をとりあげて批判したのは,以上のごとき原発事故当時国(同時にこの国は唯一,原爆を投下された国でもあった,2発も……)としての認識が,あまりにも甘すぎる態度を示唆していたからであった。

 「原発事故のツケを人間・人類側は,いったいどこまで,いくらまで払いつづけられる」かと問われても,「原発事故の後始末と廃炉の作業は延々と未来に永続していく」としか答えられないような「現状のなか」に,われわれは放りこまれている。にもかかわらず,真山 仁は,原発そのものがまだ必要だと主張しているようにも受けとれる議論をしていた。

 以上,本日のこの原発問題に関する記述は,保守・点検に関した技術管理の観点からみても,原発はとうてい看過しえないムリを,本来から包蔵した電力生産方式である事実を指摘していた。そのムリ「性」がひとたび,深甚・重大な大事故を起こしたとなれば,放射性物質の汚染問題を拡散させることになり,この地球環境に対して滅相もない甚大で深刻な被害を招来する。

 チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)と東電福島第1原発事故(2011年3月11日)は,いわば文句なしといっていいくらいに,その種の事実を明証する大事故であった。仮にでも第3の同様な大事故が起きてしまい,2つの事故と似たような被害が「2度あることは3度ある」ではないが発生したときには,地球全体の人びとを囲む自然環境はさらに悪化させられる。

 もしかしたらその種の事態が切迫してしまい,われわれの生命の安全が基本から脅かされる状況が襲来するかもしれない。原発事故をこれ以上起こしても大丈夫だといえるような余裕(?)は,この地球環境においてはまったくない。

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