モンゴル横綱が気に入らないならば,日本相撲協会は純ジャパ力士だけで運営すればよい,ハーフ(ダブル)力士はすでに何人もいるが

横綱審議会はモンゴル横綱が嫌い? やはり日本人横綱がいてほしいのか,えこひいきもはなはだしい前委員長北村正任が吐いていた感想や意見 
                   (2019年1月31日)

 

  要点:1 日本相撲協会は力士の陣容では大いに国際化してきた伝統の国技を本当に維持・発展させえているのか?

  要点:2 横綱審議委員会は,稀勢の里(日本人横綱)は大好きだったが,白鵬鶴竜(外国人のモンゴル力士横綱)などは大嫌い(?)なのか?

  要点:3 前横審委員長・北村正任は,主情的な見解に感性的にもたれかかりながら,みずからの非国際性を剥き出しにしていた「反・理性」の立場にあった

 

 「前  論」  本日〔2020年1月7日〕の相撲に関する「話題」については,先にとりあげておきたい「この本日」における記事があった。この記事を,後段に復活・再掲される「2019年1月31日」に記述していた「本論」の前哨に位置づけるかたちで紹介しておきたい。

 本日『朝日新聞』朝刊のスポーツ欄(15面)につぎの記事が出ていた。読んでのとおりの内容ではあるが,最近における白鵬の心境にかかわる “なにか” が控えているようにもうかがえた。つまり,白鵬の立場において「なんらかの意地を秘めているかのような態度」が,この「横綱審議委員会の稽古総見」の場で披露されていたのか,などと感じる。    

 この記事に関しては,たとえば『スポニチ』は,つぎの写真をかかげて報道していた。

 

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    白鵬,横審稽古総見で “ワンマンショー” 北の富士『無視したな,理事長を』
  =『スポニチ』2020年1月7日 05:30,https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2020/01/07/kiji/20200106s00005000457000c.html

 

 日本相撲協会の諮問機関,横綱審議委員会(横審)による稽古総見が〔1月〕6日,東京都墨田区両国国技館でおこなわれ,横綱白鵬(34歳)が “ワンマンショー” を展開した。最強横綱は「(先場所)唯一,負けた(相手)。いろいろ試したかった」と新小結・大栄翔を指名。かねて横審が批判しているエルボー気味のかち上げや,強烈な張り手をさく裂させ,相手得意の突き押しを封じる厳しい立ちあいで12戦全勝とした。「不思議と体が動いていた。冬巡業も体を動かしてきましたから」とご満悦だった。

 

 同じ相手と続けて相撲をとる三番稽古で,八角理事長(元横綱北勝海)は関脇に転落した高安にも相撲をとるよううながした。大栄翔が負けたタイミングで何度か土俵に足を踏み入れようとしたが,それを受けつけなかった白鵬は「年だから。今年35歳だよ。関取では一番兄弟子。いじめないで」とおどけて説明。そんな姿に,相撲解説者の北の富士勝昭氏は「無視したな,理事長を。マイペースだな,相変わらず。ワンマンショーをみせつけられた」と苦笑いした。

 

 初場所(12日初日,両国国技館)へ順調な仕上がりをみせた白鵬。前夜は東京ドームに足を運びプロレス観戦して「場所も近いので刺激をもらいました」とリフレッシュ。8日には出稽古も予定しており,さらにペースを上げていく。わが道を突き進む横綱は「出るからには千秋楽までうまくとり切れればというのはある。がんばります」と2場所連続優勝へ意欲満々だった。 

 

 《今後も「みていく」》 稽古を見守った横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)はエルボーのような肘打ちを繰り出した白鵬の相撲に言及。前回の定例会合で批判しただけに「それ(かち上げ)らしいのが一番だけあった。(今後も)ちゃんとみていきたい」と話した。一方,反則ではないため協会に注意する考えはない。八角理事長(元横綱北勝海)は大栄翔ら若手について「もっと,もっといかないと。みんなおとなしい」と奮起を促した。

 

 補注)「反則(禁じ手)ではない」から「協会に注意する考えはない」白鵬の「かち上げ」という技の使用そのものについて,このように神経質にまでなって話題にする(批判する〔?〕材料にとりあげる)ことじたいが,もともとおかしいはずである。ところが,スポーツ新聞にかぎらず一般紙のスポーツ欄(紙面)においては,いまなお話題にとりあげられていて,「白鵬のかち上げだから……,……」だとデンデン(云々)されている。奇妙なやりとりである。


 「横審,ご意見番果たせているか 大相撲」朝日新聞2019年1月30日朝刊23面「スポーツ」

 本ブログ筆者はつい最近の記述のなかで,それほど外国人力士(モンゴル勢が中心)が気に入らないのであれば,外国人力士と日本人力士とを分割して「本場所の取組を編成すればいい」などといってみた。ところが,公益財団法人日本相撲協会横綱審議会とやらのその委員長が,今回におけるつぎのような発言をしたと批判されていた。さもありなんであるが,実に主観的な感情をむき出しにする “馬鹿正直” な意見表明であった。 

 --稀勢の里の引退が話題となり,玉鷲の初優勝で幕を閉じた大相撲初場所後の横綱審議委員会(1月28日)で残念な発言が出た。任期満了で退任する北村正任委員長(きたむら・まさとう,毎日新聞社名誉顧問)が会見で白鵬鶴竜の両横綱の〔2019年初場所〕途中休場について「大けがをしたようにはみえない」などと不満を示した。

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 2人とも横綱として満足のいく相撲がとれないと判断したのだろう。ただ「いま,それをいうのか」という気持が強い。なぜなら,負傷当初はともかく,横綱最多の8場所連続休場した稀勢の里のときは擁護ばかり。この日も「ファンのためにあれだけがんばった」とかばったのだから。

 補注)なお,2019年初場所優勝した「玉鷲一朗」は,モンゴル国ウランバートル市出身で片男波部屋所属。

 退任に当たり「実は稀勢の里のときから考えてはいた」なら分かる。だが,応援する力士がいなくなった途端,手のひらを返したように懐疑的になるとは,とても各横綱を公平にみていると思えない。以前の横審といえば好角家の集まりで,外国出身の曙が横綱だったさい,日本出身の横綱を望む相撲協会が後の貴乃花を推挙した時に「時期尚早」と押し返したこともある。現在の横審が,角界ご意見番の役目を果たせているのか。疑問を感じてしまう。(引用終わり)

 以上の記事を一言でまとめれば,日本相撲協会横綱審議会」も,日本流国粋のポピュリズムにどっぷり漬かったかのような雰囲気を正直に醸してきたと受けとられるほかあるまい。横審の委員長北村正任が「白鵬鶴竜の両横綱の途中休場」に対する不満,具体的には「大けがをしたようにはみえない」などと表現した苦情は,はたして,関連する事情・背景を周知のうえで提示されたものか,いったん立ちどまりよく考えてみる余地がある。

 

 横綱休場の歴史的多さ,しかし・・・」『jiro-sumo-iのブログ』2018-11-08 20:47:01,https://ameblo.jp/jiro-sumo-i/entry-12417687505.html  参照

 a) 1年納めの九州場所〔2018年11月〕の開幕が間近になったが,残念なことに先場所全勝優勝した白鵬鶴竜の両横綱が初日から休場となった。白鵬は今〔2018〕年4場所目の休場。鶴竜は昨〔2017〕年の5場所に続き今年も2場所,つまり2年間12場所で7場所の休場。

 名古屋場所まで続いた “稀勢の里の8場所連続休場” の影に隠れて目立たなかったが,2人とも進退を問われても仕方のない休場の多さであった。大関以下であれば「休場は負けと同じあつかい」となり,その分番付は降下するが,横綱は休んでも番付はそのままであり,ただ,その先の身の処し方は自分で決めるしかない。

 b) そもそも横綱の休場は,過去どれくらいの頻度か。年6場所制が定着した1958年から今年9月場所まで61年間,全横綱の「休場率」〔=(在位場所-皆勤場所)÷ 在位場所〕)を調べたところ,26.7%であった。1年6場所だから,1年間で1~2場所休場した平均になる。

 ところが,昨〔2017〕年と今〔2018〕年はこの61年間でみても,横綱の休場の多さは歴史的に高い水準となっていた。そこで,年毎にその年の横綱の「総休場率」を調べてみた。たとえば,横綱が年間を通じて2人いて,2人の1年間(6場所)の合計の休場場所数が4場所だった場合は,以下の計算ができる。

   2人 × 6場所=12 (※1)

   2人の合計の休場場所数=4 (※2)

   「※2」 ÷ 「※1」 = 33.3%(総休場率)

 昨〔2017〕年の場合,1月場所の横綱は3人,3月場所以降5場所は4人。4人の総休場場所は13であり,総休場率は 13 ÷(3 + 4 × 5)= 56.5% であって,つまり,横綱が皆勤したのは半分以下であった。

 そして,今〔2018〕年は九州場所で2人の横綱の休場が決まり,仮に稀勢の里が皆勤した場合でも,総休場率は55.6%。結果,2年連続で横綱の総休場率が50%を超えた。

 c) このように,総休場率が50%以上となったのは,61年間の中で9年あった。しかし,これが2年続いたのは今回で3回目,過去2回の例をみると,九州場所休場する白鵬鶴竜にはきわめて厳しい現実が突き付けられている。

   1991年の総休場率: 52.6%
   1992年の総休場率: 100 %

 1991年1月時点の横綱は,千代の富士旭富士大乃国北勝海の4人。その後,同年中に千代の富士大乃国が,1992年中には旭富士北勝海も引退。

   2002年の総休場率: 58.3%
   2003年の総休場率: 66.7%

 2002年1月時点の横綱武蔵丸貴乃花の2人。その後,2003年に貴乃花,翌,2004年1月に武蔵丸が引退。

   2017年の総休場率: 56.5%
   2018年の総休場率: 55.6%

 2017年1月時点の横綱鶴竜日馬富士白鵬の3人。その後,同年中に日馬富士が引退。

 d) このように,総休場率50%以上が2年続いた過去2回に関しては,当時在位していた横綱たちはほぼその2年間のうちに引退していた。つまり,それは間違いなく,横綱に衰えが出てきた「過渡期の現象」だったといえる。

 ところが,今回のケースで過去2回と異なる点があった。「優勝」のことである。過去2回とも,総休場率が2年続いたその2年目においては,1年目の1月時点で在位していた横綱は誰も優勝していなかった。ところが,今〔2018〕年は,5場所中鶴竜が2場所,白鵬が1場所を優勝しており,この2人で半分以上の場所を優勝していた。

 これは,一方で〈休場の多さ〉に目立ってきた〈横綱の衰え〉に対して,他方でそれに〈とって代わる力士〉が現われてこなかったという,日本相撲協会の力士養成面における “きわめてさみしい現実” を表わしている。過去の例からみても,いまはまさに時代の過渡期。もちろん,白鵬鶴竜にもまだまだがんばって欲しいと思う反面,その地位を脅かす力士の成長が遅々として進まないことは残念である。(引用終わり)

    ★ 大相撲,新弟子検査申し込みゼロ  11年ぶり2度目の “異常事態” ★
  =『SANSPO.COM』2018.6.28 05:01,
https://www.sanspo.com/sports/news/
20180628/sum18062805010002-n1.html =

 

 大相撲の〔2018年〕7月の名古屋場所(8日初日,ドルフィンズアリーナ)の新弟子検査が27日,とりやめとなった。新弟子検査は年6度の本場所前におこなわれ,名古屋場所では場所前の7月2日に実施される予定だった。

 

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 日本相撲協会によると,26日に締め切られた新弟子検査の申しこみに,応募者がいなかったという。同検査への応募がなかったのは平成19〔2007〕年の同じ名古屋場所以来11年ぶり。史上2度目となる。

 さきほどに言及した「本場所における優勝の回数」も考慮した「昨今・横綱論」は,その論じ方・とりあげ方に関してみるに,賛否の違いや異論の有無も含めて,それなりに興味ある議論が披露されている。だが,今回における横綱審議会委員長北村正任が「モンゴル勢横綱の勤務ぶり」に対して発した苦言は,前段(直前)に参照したブログが論じていたごとき中身,つまり具体的な資料・統計にもとづいていわれた意見だったかといえば,そうではなかった。

 要するに北村正任は,モンゴル勢横綱に対する意見だったからなのか,いささかならず感情に駆られて発したごとき「ことば」を残していた。つまり,北村はそこまで断定してみたけれども,稀勢の里における〈横綱としての勤務状態〉のほうについても,事実にもとづいて客観的に必要かつ十分に比較したうえで,そのように発言していたのかといえば,けっしてそうとは受けとれなかった。

 稀勢の里横綱に昇進してから記録した星取りの状況,その負け星や休場の多さについては,以前の記述でとりあげ言及してみたが,モンゴル勢の横綱も含めて「史上(?)最悪の成績」になっていた。

 

  日本の大相撲愛好家を代表して日本人横綱に愛情を送り,モンゴル勢の横綱には苦言を呈しただけの横審委員長北村正任のいちじるしい「偏向・恣意」

 ところで,「退任の北村氏『稀勢の里とともに歩んだ2年間だった』 」横審,新委員長に矢野氏が就任」(『SANSPO.COM』2019.1.28 20:44,https://www.sanspo.com/sports/news/20190128/sum19012820440010-n1.html)が,つぎのように報じていた。

 東京都墨田区両国国技館で〔1月〕28日,日本相撲協会の諮問機関,横綱審議委員会(横審)の定例会合が開かれ,矢野弘典委員(78歳,画像)=産業雇用安定センター会長=を新委員長に選出した。

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 横審は番付最高位の横綱への「お目付け役」とされる。2012年7月から委員を務める矢野新委員長は「横綱は相撲界の象徴。土俵外でも品格,言動など模範となり,引っぱる自覚をもってほしい」と述べた。

 北村正任委員長は5期10年の任期満了で退任。委員長を務めた2年間は,元幕内貴ノ岩に対する傷害事件を起こした元横綱日馬富士らへの対応に追われたほか,元横綱稀勢の里(現荒磯親方)へ初の「激励」決議を下すなどした。「稀勢の里とともに歩んだ2年間だった。なんで私が委員長の時にこんなに(いろいろあるのか)と思うが,ほっとしている」と語った。(引用終わり)

 この記事を読んで誰でも感じるのは,「おや,あなたが横審委員長を務めていた期間中,モンゴル勢の横綱は存在していなかったのですか?」といった表現を使い,指摘してみたらいいような,とても「素朴な疑問」であった。稀勢の里だけのことしか,上の記事では触れられていない。「激励」決議を特定の力士に送ったら,この力士が特別に力を発揮させて白星を増やせるとも考えたのか。

 いわゆる「横綱の品格論」= 「横綱は相撲界の象徴」であるから,「土俵外でも品格,言動など模範となり,引っぱる自覚をもってほしい」という期待が前面に置かれている。これに関していえば,この20年近く,モンゴル勢の横綱は「どういう存在だった」のかという点に注目が向けられて当然だ,という話になってくる。

 たしかに,その外国人力士に関する問題は,たいそう重要なことがらでありつづけてきたかもしれない。だが,稀勢の里の場合はそれ以前の問題として,「横綱に昇進後:この在位中の成績」が話にならないほどひどかった。

 だからだったのか,横審委員長である北村正任委員長が現役のときの稀勢の里に対して, “初の「激励」決議を下す” といったたいそう特異な,いいかえれば「日本人横綱としてガンバレ!」という声援を送っていた。北村いわく「稀勢の里とともに歩んだ2年間だった」と。

 モンゴル勢の横綱では「元幕内貴ノ岩に対する傷害事件を起こした元横綱日馬富士」がいたが,この日馬富士は間もなく周囲から引退に追いこまれていった。事件の経緯も絡んで日馬富士は,日本国籍取得を諦める結果にもなっていた。

 いずれにせよ,現役横綱のとき「稀勢の里(現荒磯親方)に対する初の『激励』決議を下すなどした」ことじたいが,19年ぶりに登場した日本人横綱に対する横審委員長北村正任のエコヒイキぶりを露骨に表現する態度であった。すなわち,誰から観ても北村は,日本人横綱である力士に対しては,過剰な表現になる思い入れというか,ある意味では特別な期待を寄せていた,と批判されて少しもおかしくはなかった。

 結局,横審委員長の立場にあった北村正任みずからが,日本人横綱稀勢の里に対して「贔屓の引き倒し」をする発言をしていた。それは「聞かされるほうの立場」にしてみれば,あまり人聞きのいい光景ではなかった。もちろん,なかには北村のその発言に対して同調する相撲愛好者もいる。

 しかしながら,日本大相撲協会にも押し寄せていた「国際化の大波」を上手に乗り切るために,最低限必要とされる日本人自身の側における「精神的な雅量」,相撲でいえば『前さばき』(相手の得意の攻めを許さず先手をとって有利になるために,立ちあいに両力士がたがいに相手の手をはね返して争うこと)が,まったく備わっていない「精神のありか」を,非常に残念なことに,北村正任ははしなくもみずから暴露させていた。

 簡潔にいってしまえば「やはり大相撲の横綱は日本人がいいよね」「モンゴル勢の横綱って,やることがいちいち,はしたないよね」という程度・水準からする “感性的な発想”   “毛嫌い的な反撥” しか,この北村正任の「大相撲に関する観念」のなかには,用意されていなかったのかもしれない。

 

 北村正任の経歴,学歴がすごい! 態度が偉そうで何様との批判も?」『にゃるねこ』2018/11/26,http://nyarunuko.com/archives/1015 参照

 2018年最後の九州場所は小結の貴景勝の優勝で終わった。若手力士の優勝で盛り上がったが,横綱白鵬鶴竜が休場し,稀勢の里も途中休場というちょっと寂しい場所であった。稀勢の里については怪我でまた休場したということで進退問題が出てきていた。

 そうしたなかで横綱審議委員会の委員長である北村正任が,稀勢の里について「激励」の決議をおこなったと会見で披露していた。この激励の決議は異例なことらしい稀勢の里のことも気になったが,個人的には横綱審議委員会の委員長である北村正任がどういう人物か気になり調べてみた。

 a) 北村正任の経歴

 北村正任青森県出身,1941年4月29日生まれの77歳(2020年中には79歳となる)。第15代横綱審議委員会委員長を務めてきた。父親は青森県知事を務めた北村正哉である。北村正任の出身高校「青森県立八戸高等学校」は,県ではトップクラスの進学校であり,偏差値は70。

 北村は東京大学法学部を卒業後,毎日新聞に入社。いまでこそ,新聞会社とかマスコミ関係は人気が下火であるが,昔はかなり人気があった。毎日新聞に入社後は,海外特派員記者としてボン(ドイツ連邦共和国,当時は西ドイツ)支局長などを歴任し,東京本社に戻って外信部長,論説委員長,編集局長,主筆。2004年に社長,2008年には会長。

 さらに,日本記者クラブ理事長,日本新聞協会会長なども歴任し,現在は毎日新聞の名誉顧問である。元来の相撲好きで,2009年に横綱審議委員会委員に就任,2017年1月場所後,第15代横綱審議委員会委員長に就任していた。

 b) 北村正任の態度が偉そうで何様との批判も?

 第15代横綱審議委員会委員長として過去,白鵬の張り手について苦言を呈したこともある。横綱には品格と品性を求めるということで,張り手ばかりをつかう白鵬に注意を促した。たしかに,白鵬の張り手とかかち上げは〔プロレス技の〕エルボーもどきである。このエルボーで相手に脳震盪を起こさせ倒す「技」は,相撲ではなくて格闘「技」であり,ふさわしくないという意見がある。

 補注)日本の大相撲が,それでは「張り手」「かち上げ」という技を禁じ手にしておけばいいはずであった。「張り手」の要領でもって,ボクシングのパンチ・フック・アッパーなどの諸技に近い効果を上げられる場合もある。だから,相撲取りであっても「張り手・かち上げ」を使いたがる。それでも禁止にしていない。

 ともかく,それらは技は,もともと許されている相撲の技であった。その使い方が “悪いうんぬん” と非難するならば,これについて,もっとすっきりした整理(決着)が導ける議論になるようまで,とことん検討したらよいのである。

 だが,そこまで詰めた話しあいは,なぜかいままで,けっしてしてこなかった。それでいて,「張り手」を多用する力士がいるのは「ああだ・こうだ」とか,「かち上げ」をプロレス技に近いかたちで繰り出す力士は「問題がありそうだ」とかいうばかりで,とにかく,ただ断片的にいいつのるばかりであった。

〔記事に戻る→〕 こうした白鵬への苦言などを北村正任さんが話すことについては,偉そうとか何様みたいな感じで否定的にみる人もいる。モンゴル人横綱に対して甘い姿勢が批判されている事情もあった。だが,反対に日馬富士の暴行事件のさいは,貴乃花親方に対しては否定的なことをいい,「言動は非難に値する」みたいな批判をしていた。ということで,この北村正任は横審委員長の立場として「完全に相撲協会側を擁護する姿勢をみせている」せいか,この立場に関しては不審というか理解しづらい面もあった。

 c) 北村正任は左翼?

 北村正任の名前で検索すると関連ワードに「左翼」とあった。毎日新聞社に勤務してきた人物ゆえ,思想はきっと左翼的なのかと思ったが,「北村正任 左翼」で検索してみたところ,具体的に左翼であるとみなせる「情報や左翼的な思想」はない。最近は左翼とかリベラルって人気がない。新聞社も左系のところは部数が減少していて,今後も先細りしていく。

 補注)この段落の記述は,ネットの時代における「ブログ的な素人談義」の悪例的な見本を提供している。毎日新聞社=左翼と決めつけるのは,厳密にいうまでもなく短見が過ぎる。また「新聞社も左系のところは部数が減少していて,今後も先細りしていく」とだけいっていた独自の意見も,事実の片面しかみていない,つまり,視野のせまい〈勝手な判断〉である。中途半端に右(翼)系である新聞社の読売新聞社でも,販売部数を減少させてきている。ネトウヨ的である産経新聞社の場合,2108年11月に「全国紙」の新聞市場から撤退を余儀なくされていた。

 「新聞市場の実態推移」に関する統計・資料・情報・記事などは,いまでは,ネット上からいくらでも入手できる。だが,素人談義を語るほかないブログの書き手は,自分1人の判断(注意力・探索力)でもってのみなる「狭隘な独断」を,いかにも〈見識〉(?)ある主張として披露しがちである。

 ということで,単なる感想的な文章でものを書いているときでも,関連して必要となる「事実の確認」を怠ったり,「判断の基準」を全然明示しなかったりするのはいけない。文章に説得力があるかどうかを問われる以前に,みずからが留意しておくべき事項であった。

〔記事に戻る→〕 以上,今回は第15代横綱審議委員会委員長の北村正任さんについて調べてみた。予想どおりかなりエリートな人物であった。個人的にはもっと厳格に横綱に注意して,白鵬とかの傍若無人なふるまいを抑えてほしい。(引用終わり)

 その「白鵬とかの傍若無人なふるまい」に相当するものが,大相撲界における歴史のなかで「日本人力士側においては」なにもなかったかといったら,大間違いになる。大ありであった。八百長相撲,賭博行為,弟子の殺人事件,力士による暴力事件,暴力団や宗教団体とがかかわった事件の発生など,なんでもありであった。

 ある意味では「実社会の縮図」であり,また別の意味では「世間しらずの相撲取りたち」の洞窟みたいな場所(=これでもいまは公益財団法人)が日本相撲協会だといえなくもない。外国人力士の問題は「そこにくわわっていた,しかもかなり以前から存在していた〈新しい領域〉の問題」を意味する。そう理解しておけばいい。

 だが,北村正任(前横審委員長)がいまさらにように新たに(?)開陳した「日本人横綱〈ひいき〉:好み」は,その露骨な語り口を介して特定の問題をわざわざ浮上させるかっこうになっていた。これはこれで,日本社会の側において「要注意である潜在的な社会意識」が,北村自身に不注意のために露出させられたことになる。要言すると「ある種の特別な老害現象」が発生していたといえなくもない。

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