安倍晋三のやりたい放題政権,オトモダチも悪をし放題のこの国だから,平野貞夫が「安倍晋三の内乱予備罪」を告発していた

カルロス・ゴーンの国外逃亡事件で日本の検察庁東京地検特捜部など)の前近代的体質・国策捜査手法が免罪されることはない,その前に「モリ・かけ・桜の安倍晋三君」自身とこの周辺にワンサと固まって居る国家議員たちが背負っているはずの「重罪案件」を追及しなければならず,なかでも国家反逆罪(平野貞夫がとくに告発したのが「安倍晋三の内乱予備罪」)が早急に裁かれることが必須の問題


  要点:1 カルロス・ゴーンの海外逃亡劇でメンツを失った日本側の関係当局は「日産の救世主」となっていた前会長を,このたびは手のひらを返して,全面的に「悪の権化」に塗りつぶしたい意向

  要点:2 検察庁東京地検特捜部の本質的な問題点(痼疾)を,ほとんで理解できていない国民たちは,ゴーンは不法出国した悪い奴という紋切型の印象しかもてないでいる。けれども,日本側が「単なる形式犯」でしかありえない彼を長期間拘留したうえで,故意に有罪にするために共謀していた点が,まったく理解されていないのは,問題である。この点は,元東京地検特捜部に勤務した経験のある郷原信郎弁護士が明快に解説してきた

  要点:3 法務大臣の森 雅子が刑法上の常識である「推定無罪」を完全に間違えて,「推定有罪」なのだからゴーン被告のほうで「無罪を証明しなければならない」などとSNS上でいいはなち,しかも弁護士資格をもつこの大臣がその点を当たりまえのように発言していた。それゆえ,ゴーン側の弁護士側からは「お宅らの国では刑事犯」をそのように,刑法上の被疑者は初めから “有罪であるべきの犯人” として処遇することが常識なのかと,たっぷり皮肉をこめて反論されていた

  ★「司法認識の間違え理解」 ゴーン被告の弁護士が声明 森〔雅子〕法相へ皮肉
    =『毎日新聞』2020年1月11日夕刊 =

 

 ゴーン被告の代理人弁護士は〔1月〕10日、森雅子法相が「ゴーン被告は司法の場で無罪を証明すべきだ」と発言したことについて声明を発表し、「有罪を証明するのは検察であり、無罪を証明するのは被告ではない。ただ、あなたの国の司法制度はこうした原則を無視しているのだから、あなたが間違えたのは理解できる」などと皮肉をこめて批判した。この代理人弁護士は、フランスの元人権担当大使のフランソワ・ジムレ氏。

 補注)森法務大臣の発言は日本側司法のホンネであると,まともな欧米先進国の側では受けとられてしまい,それでは「ゴーンが昨年末,大晦日から正月にかけて日本を大騒ぎさせた “海外逃亡劇” を起こすのも,仕方ないよね」といった反応を起こす始末であった。マコトにお粗末のきわみめであった……。


  カルロス・ゴーンを「悪者観・一色」に染めたがり,東京地検特捜部の本質的な問題性を認識したがらない日本のマスコミ側の視野狭窄

 

 本日〔2020年1月13日〕『日本経済新聞』朝刊5面に掲載された記事が,今回のゴーン前日産会長(ここに来て元会長と報道する記事となっている点が不思議だが)の日本脱出作戦の成功を,不法出国したという違法行為にだけせまく注目したかっこうで,ただ非難する主張をおこなっていた。以下に引用するが,さきにことわっておくと,非難をおこなう相手に対して批判を繰り出すための視点が近視眼的であり,かつ狭隘であった。執筆者は日経編集委員の安西 巧。

  ◆ 経営の視点  リーダーに問われる「人格」 モラル軽視は高くつく ◆

 経営者のモラル感覚を疑われる出来事が相次いでいる。企業はコンプライアンス(法令順守)重視の旗印をかかげ,ガバナンス(統治)体制を強化してきたにもかかわらず,あきれるようなスキャンダルがなぜなくならないのか。

 会社法違反(特別背任)や金融商品取引法違反の罪に問われていた日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告の海外逃亡。世界中が驚いた日本脱出劇の詳細が語られることもなく,〔1月〕8日にレバノンベイルートで開かれた記者会見は稚拙な自己弁護に終始し聞いていて退屈だった。

 「私は貪欲な独裁者ではない」というのが元会長の最大の論点。確かに政治色の濃い「疑獄」と呼ばれる贈収賄の摘発を主な仕事としてきた東京地検特捜部が果たして手がけるような事件だったのか,いまさらながら首をかしげたくなった。

 補注)ここまでゴーン前日産会長の事件の「事件性」を理解できているならば,つまり,元東京地検特捜部に勤務したことがある郷原信郎弁護士が以前からなんども指摘しているように,ゴーン逮捕・拘留の犯罪性は実は「形式犯」であり,通常であれば今回のように取りあげられる事件ではないと明言していた点は,この記事の執筆者も理解していたことになる。

 その点がこの「東京地検特捜部が果たして手がけるような事件だったのか,いまさらながら首をかしげたくなった」という感想である。ところが,日本におけるゴーンに対するとりあげ方は,まるで重大な疑獄事件並みに大騒ぎするかたちを採っていた。いったい,誰がなぜ,そのようなおおげさな事件として展示させる必要があったのかといえば,それはすでに分かりきっている事情・背景があった。

 ゴーン前日産会長の「事件の構図」に関していえば,「政府中枢と経済産業省」⇔「日産の西川広人などの特定の幹部5~6名(司法取引あり)」⇔『東京地検特捜部』という連携プレーが機能する舞台が,事前に準備されていた。しかもゴーンに対する疑惑は,郷原信郎弁護士が断言してもいるように,通常であれば重大事件化などには至らない「形式犯」に留まる性格のものであった。

 それでも「今回の事件」おいてはゴーンが極悪人のように形容・処遇されたあげく,だからコイツは血祭りにされて当然だと騒ぎ立てるための「脚本」が,事前に用意されていた。まさしく前段の「⇔」でつなげて表現した「連中」の輪のなかで,その共同作戦が実行されていた。

 要は 1999年当時,まさしく沈没寸前だった「日産」丸に新しい船長として乗りこんできて,みごとに再生させていたゴーンは,逮捕・拘留された2018年11月までには,「日本の会社としての NISSAN としてはすでに用済みの邪魔者だ」とみなされ,あいつがこの会社をV字回復させたといっても,なんといってもやはり「日産は日本の会社なんだよね」という点にこだわる連中(安倍晋三政権の中枢部と日産の日本人幹部)が,東京地検特捜部とは司法取引をしたうえで,今回のゴーン追放劇が計画され実行させていた。

 さて現状はとみれば,すでにゴーンはレバノンに逃亡・避難している。だが,日本側にとってみれば,いまさら「もうコイツの裁判はしなくて済むし,身柄はないといえ,実質的に体よく厄介払いできたも同然」だから,万々歳とはいえないまでも,かなり好ましい結果が生まれている。

 ともかく,ゴーンの不法出国という違法行為を,なんでもかんでもいいから針小棒大にいいつのっている。とりわけ,自分たちの「ゴーンに対する〈推定有罪〉」観,「無罪は自分で証明しろ」といった「刑法思想としてはトンデモなくデタラメ・無知そのもの」が,恥じらいもなく披露されていた。法律観における「人権無視・蹂躙の日本的な立場」を,みずから暴露させてしまったという恥ずかしい事実が,それも法務大臣の立場から明示されていた。

 その発言は,日本は先進国の仮面をかぶっているけれども,本当はひどい人権後進国だという評判を,わざわざ国際政治方面に向けて宣言・暴露する顛末になっていた。

〔日経の記事に戻る→〕 「17年間も日産と日本のために身をささげてきたのになぜ」という気持は十分理解できる。ただローマ五賢帝の一人マルクス・アウレリウスほどの賢者でなくとも,自省の習慣があれば,役員陣の裏切り者を名指しする前に,自分がいかに「裸の王様」だったかを察すべきだった。

 補注)ところで日本国にも,一級品の「裸の王様」がいる。こちらの人物に対してまっこうから批判したことが「日経側にあった」かといえば,けっしてそうとはいえない。前後に引用しているこの日経の記事そのものにも,その点は微妙にだが正直に反映されている。要は「顧みて他をいう」になっていないか,ということである。

 福井県高浜町の元助役から金品を受けとっていた事実が露見し,昨年10月に八木 誠会長(当時)と岩根茂樹社長の辞任発表に追いこまれた関西電力。両首脳や原子力事業本部の幹部らが軒並み現金や金貨,金杯,商品券からスーツ仕立券までを受領していたことはもちろん衝撃だったが,なにより驚いたのは両首脳が記者会見で明らかにした返却できなかった理由である。

  岩根氏「相当に厳しい恫喝(どうかつ)をする方だった」。

  八木氏「機嫌を損ねて原発事業に反対されると、地域全体が反対に動くリスクがあると感じた」。
 
 端的にいえば,怖かったから返せなかったということらしい。関西経済界の重鎮の一人は「あの釈明で世間に通用すると思ったことじたい,やはり組織がおかしくなっていたのだろう」と語っている。

 不祥事の対価はそれでなくても大きい。日産はゴーン元会長の逮捕・起訴によるイメージダウンにくわえ,後継首脳陣も1人消え,2人消えという状況だ。求心力回復には程遠い。

 関西電力は岩根社長がすでに辞任を表明したものの,後任が決まらず,レームダック化して久しい。元検事総長但木敬一氏を委員長とする第三者委員会の社内調査が続いているが,それとは別に,原発の安全対策工事の受発注をめぐる不正疑惑なども指摘されている。公共性が高い電気料金を収入源とする企業だけに役員,社員は公務員並みの倫理観と行動を求められる。電力業界の構造問題として不正にメスを入れる動きが出てくる可能性も高い。

 トップのモラル欠如は問題が小さいうちに取り除くにかぎる。稼ぐのに有能であれば「向こう傷は問わない」というのは高度成長期やバブル経済全盛の時代の戦陣訓。京セラ創業者の稲盛和夫氏がいうように「人格を兼ね備えたリーダーでないと企業は統治できない」のである。(引用終わり)

 補注)京セラの稲盛和夫がいかほど立派であったにせよ,また同時にみのがせない問題点もあった事実は,別の記述で述べたところである。ここではその指摘のみしておく。

 以上に参照してみた日経記事の範囲内での議論は, この程度で済ませておけるのかもしれない。けれども,日本の政治じたいが,あの「幼稚で傲慢」「暗愚で無知」「欺瞞と粗暴」を特性とする総理大臣に対して,いつまでも「忖度の政治」をつづけていくだけであり,これをわずかも修正できていない国情にある。この政治の領域における問題点を棚に上げたまま,以上のような経済の領域に関する記事をしあげて報道したところで,いったいいかほどに “論評に値する記事” が提供できたといえるのか?

 安倍晋三君の「機嫌を損ねて」しまうと,この人からは「相当に厳しい恫喝(実際には権力による仕返しそのもの)」が跳ね返ってきた点は,この「世襲3代目の大▼カ政治屋」の個性面に照らしてみても,すでに周知の事実であった。そのせいで,日本の為政「全体」が,国民たちの利害とは「反対に動くリスク」にはまりこんでいた事実は,すでに十全に実証されていた「第2次安倍政権」の大欠陥であった。

 もっとも,この種の「安倍批判」は,すでにさんざん指摘されつくしてきた。その批判陣営側代表者の1人,金子 勝が,あらためて2ヵ月ほど前にくわえていた批判を,つぎの ② で紹介する。

 

 「〈金子  勝の天下の逆襲〉腐ったみかん箱…歴史に残る犯罪者集団となった安倍政権」日刊ゲンダイ』2019/11/06 06:00 更新日:2019/11/06 06:00,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/264227〔~ 264227/2〕
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/

 

 悪夢の安倍政権の瓦解が始まった。いまや腐ったみかん箱で,腐敗がはびこっている。モリカケ疑惑を抱える首相を検察はほったらかし。証拠隠蔽から公文書改ざんまでなんでもアリになった。

 そんなありさまだから,違法献金がバレた高市〔早苗〕総務相は謝罪して返金したらおとがめナシ。一方,第4次安倍再改造内閣で辞任第1号となった菅原〔一秀〕前経産相,第2号の河井〔克行〕前法相は露骨な公選法違反でいい逃れの余地がなかった。「メロンリスト」の菅原は地元有権者の葬儀で公設秘書が香典を手渡し,河井は7月の参院選で妻の陣営がウグイス嬢に法定上限2倍の日当を払っていたと報じられた。だが,司直の手が伸びるかは分からない。

 安倍首相の盟友の甘利〔明〕元経済再生相は大臣室で現金を授受。小渕〔優子〕元経産相政治資金規正法違反が浮上すると,証拠のフロッピーなどをドリルで破壊した。それでも大臣を辞めれば議員辞職は免れるインチキが常態化。ロッキード事件リクルート事件では首相や官房長官経験者でも検察に容赦なく追及されていたものだが,「巨悪を眠らせない」かつての姿はみる影もない。

 補注)しかし,ゴーンという日産会長であった人物の「形式犯」的な刑法犯罪の場合は,けっして「巨悪を眠らせない」かのような “逮捕劇” が起きていた。前段の記事に登場した自民党の政治家と直接に比較するのもなんであるが,政治家(安倍晋三のご一統)のほうは,実に甘々のあつかいであった。これも多分,安倍晋三君の「機嫌を損ねて」はいけない検察側の立場が大いに反映されているものと「思料する」。

〔記事に戻る→〕 捜査当局の堕落は,関電の原発マネー還流問題がきわめて象徴的だ。郵便不正事件をめぐる大阪地検特捜部の証拠改ざんで懲戒処分を受けた小林 敬弁護士が社内調査委員会の委員長に就き,金品授受を取締役会に報告させなかった。

 菅原の前任者の世耕〔弘成〕元経産相も悪質だ。世耕は2012~15年,福井県高浜町の元助役が相談役を務めていた「柳田産業」から計600万円の献金を受領。当時,高浜原発3,4号機は福井地裁による再稼働差し止めの仮処分中。官房副長官だった世耕は原子力関係閣僚会議のメンバーで,原発を「重要なベースロード電源」とするエネルギー基本計画にかかわっていた。贈収賄の疑いが消えない。

 しかも,関電は2013年と2015年に電気料金値上げを認可された。関電経営陣とともに世耕もキックバックを受けていた構図が浮かんでくる。2016年に経産相就任後は2030年度の原発比率を20~22%とする目標を策定。老朽原発をすべて動かさなければ成立しないトンデモ計画をまとめたのである。

 補注)現時点で判断すると,この「2030年度の原発比率を20~22%とする目標」の実現はとうていムリである。原発でも老朽化した装置・機械を稼働させる危険性は,通常のそれとは次元を異ならせた要素を抱えており,「非常・高度に危険」である。再生エネのより積極的な導入とその高度な利用を普及させる方策のほうが,エネルギー政策としては大事な課題になっている。

 経産省は特別背任の嫌疑がある岩根茂樹社長が指名した検察OBによる第三者委員会の調査を見守るなどと,ヌルい態度をとっている。お手盛り委員会に証拠隠滅を許しているも同然だ。「経産省内閣」と揶揄される安倍政権は歴史に残る犯罪者集団といわれても仕方あるまい。(引用終わり)

 最後に出てきた批判点,「『経産省内閣』と揶揄される安倍政権は歴史に残る犯罪者集団といわれても仕方あるまい」と表現された核心に注目しておく必要があった。すでに論じてきた問題点であったが,とても重要な背景事情なので,ここでも再論しておく。

 『Newsweek 日本版』2010年1月9日の記事は,ゴーン問題に対する基本的な論点をめぐり,つぎのように解説していた。問題の焦点はここにみいだしていくらい,まったく不自然さを感じさせない。

 要は,2018年までに日産の幹部らは日本の経済産業省にいき,ゴーン抜きでも日産の経営はできるとの直訴を受けた政府(安倍晋三首相や菅 義偉官房長官,そして今井尚哉政務秘書官など)は,日産は示しあわせ,ゴーンが役員報酬を過少申告したという話をもとに,詐欺容疑で逮捕されるよう画策した。もちろん東京地検特捜部が全面に出ての “ゴーンは悪党だ・物語の実現” であった。

 このクーデタ劇に一枚噛んでいた「安倍晋三政権の中枢」や「検察庁東京地検特捜部)」が,それこそ正義の味方ならぬ「日産の味方」になっていた。いまはただの取締役に後退しているが,事件当時は代表取締役社長であった西川広人たちのいいぶんを一方的に聞き入れたかたちでもって,しかも「国家の行政」と「司法の支配」の双方の権力をごたまぜにして全面的に応援していた。

 そうとなれば,この日本国はグローバル時代の企業経営,それも自国に出自を有する世界的な大企業に対してだからこそなのか,きわめてお尻の穴の小さい,つまり国際的な基準では通用しない大かがりな支援(ゴーン追放劇)を,恥じることもなく堂々と披露していたことになる。

 補注)なお西川広人は2017年4月1日付で,日産自動車代表取締役社長兼最高経営責任者に就任したが,その後における経過のなかで,2019年9月16日付で,日産自動車代表執行役社長兼最高経営責任者の地位は辞任せざるをえなくなっていた。

 本ブログの2日前〔1月10日〕の記述において触れた点であったが,「安倍首相〔が〕,ゴーン被告逃亡に〔関しては〕『日産内で片付けてもらいたかった』」註記)と漏らしていたというニュースがあった。この事実は,言語道断だと形容されてもいい,「ゴーン事件」の発生に「前後する経緯」であった。そのように非難されて当然である。

 註記)『毎日新聞』2020年1月8日 22時31分,最終更新1月8日 23時25分,https://mainichi.jp/articles/20200108/k00/00m/040/302000c

 しかし,「この国の “あんな首相” 」の痴的水準なりに合わせておこなわれた「ゴーン封じこめ作戦」じたいは,ともかくも「ゴーン追放劇」にまで脱皮していった。当初は「日本国内(拘置所)にゴーンを閉じこめておく」構図が,実にうまく進展させえてきた。だが,1年あまりもゴーンを実質的に囚人化しえていたところで,この人自身が計画した日本脱出劇の実行によって破砕されてしまった。もっとも,ともかく『日産からゴーンを放逐できている点』にかぎっていえば,日産側も政府側もけっして十分とはいえないにせよ,満足できていると推理してもいいのである。


 「【言論アリーナ】ゴーン事件は検察の大失態」アゴラ言論 プラットフォーム』2020年01月10日 21:00,http://agora-web.jp/archives/2043696.html

 

 この池田信夫が主催するアゴラ研究所運営のネット放送「言論アリーナ」は,3日まえの番組として「ゴーン事件は検察の大失態」というこの題名をかかげ,「日産のゴーン元会長が日本を脱出して行なった記者会見が大きな波紋を呼んでいます。彼の主張をどう見るのか。元特捜検事の郷原さんにうかがいます」という趣旨で,ネット動画を放送していた。

 このネット放送については,本ブログ筆者は1月1日の記述「ゴーン前日産会長,日産自動車と日本政府・安倍政権,国策捜査に対する郷原信郎の批判」と題して,「日産会長ゴーンを拘置所に放りこみ,NISSAN を日本のモノにとり戻したい官・民合作『国策捜査』のナショナリズム的危うさは,郷原信郎の批判に応えられるか」(初出は2018年11月28日記述でこの再録・復活)という関連をもって,すでに肝心の論点をとりあげ議論していた。

 ともかくこの「【言論アリーナ】ゴーン事件は検察の大失態」を視聴してみたところ,つぎのように感得できる点があった。

 つまり,郷原信郎(弁護士)が東京地検特捜部のやり口を十分にしっている立場から,「今回のゴーン事件」の「本質的な構図」と「刑事問題としての位置づけ」を明快に説明しているのに対して,池田信夫アゴラ研究所所長)は,まだ一般庶民のミーハー的な認識水準にとどまっている受け答えとしていて,ひたすらゴーンが不法出国した事実にのみこだわる発想に即して,自分の問題理解を述べるだけであった。

 この言論アリーナにおける両名の対話は,そのほとんどが郷原信郎池田信夫側における「無知・無理解」を,テイネイにときほぐすやりとりに終始していた。郷原が以前から強調していたこの「日産におけるゴーン問題(報酬の件)」は,犯罪になりうるとしてもあくまで「形式犯」に留まるという1点にあった。

 ところが,東京地検特捜部が「どなたかへの忖度をした国策捜査」となると,ゴーンは重大犯罪を犯した犯人のあつかいになっていた。特捜部の捜査方法はまず犯人となる人物を逮捕・拘留したまま,これに対して後付け的に犯罪要件を成立させるために「捜査して証拠をみつけだす方法」をとるほかないゆえ,これが人権蹂躙につながる人質司法の方法・行使になるほかない理由だと批判されていた。

 すでに,村木厚子が刑事事件に巻きこまれ被告人にされた1件があったが,これが冤罪であった点は,大阪地検特捜部の一大汚点になっている。そのほかにも,冤罪事件だとみなしていいほどに,つまり,必要もないのに重大犯人あつかいされてきた人物たちがいた。

 補注)村木厚子の場合は,障害者郵便制度悪用事件をでっちあげられ,ひどい目に遭わされていた。村木は当時,厚生労働省障害保健福祉部企画課において,文書の発行権限をもっていた障害保健福祉部企画課長(逮捕時は現職局長)に就いていた。こういう経緯があった。2009年に大阪地方検察庁特別捜査部が,障害者団体向けの郵便料金の割引制度の不正利用があったとして,障害者団体・厚生労働省・ダイレクトメール発行会社・広告代理店・郵便事業会社等の各関係者を摘発したさい,この郵便法違反・虚偽有印公文書作成事件で被告人になった村木は,虚偽の内容の公文書を発行させたとして摘発されていたのである。

 森友学園問題の籠池泰典夫婦や,以前であれば有名な人物としてホリエモン堀江貴文)・鈴木宗男・佐藤 優・植草一秀など,さらにもっと以前になれば福島県知事だった佐藤栄佐久が,権力側が気に入らない人物だとして標的にされ潰されていた。つまりは,政界と財界の一部とが裏側では手を組んだ〈陰謀の構図〉のなかで,特捜部の国策捜査の犠牲:「餌食にされる=血祭りに挙げられる」手法が頻用されていた。

 ロッキード事件で失墜させられた田中角栄がや(殺)られたときでも,なぜ中曽根康弘だけは逃げおおせ,しかものうのうと100歳以上まで長生きできたのかといえば,以上のごとき記述の対象外に置かれていたからである。

 仮想の話をする。もしも,いまの政権が突如ひっくりかえってしまい,強力な「反・アベの政権」が成立・発足したとする。こんども多分また,検察庁東京地検特捜部などがその手先になる点に “変化はないのだ” とひとまず仮定できるとしておけば,安倍晋三様ご一統(の政党・政治家),すなわち,いままで大いに悪ばかり犯していても,全然「お縄ちょうだい」になっていなかった「この自民党の政治家たち」が,一挙に大量に「小菅拘置所」に放りこまれるという事態が生じないともかぎらない。

 なにせ,法務大臣たる国会議員森 雅子(この人は弁護士資格あり)も,「ゴーン事件」に関して最初は躊躇なく明言していたように,この国は「推定有罪」の刑法思想を抱く “前近代的な無法治国家」であったゆえ……。

 ------------------

※ 以下の画像には Amazon 広告へのリンクあり ※