大阪市立大学『商経講座』2018年10月の講師「徐龍達の講義レジュメ」の一部を勝手に削除した大学当局「恣意行為の背景」

大阪市立大学「表現の不自由」事件,徐 龍達担当の市大『商経講座』2018年10月「日本の国際化へのわが3段飛びの人生」講義レジメの結論部分を,事前承認もなく無断で削除した件について

 

 【要 点】 大阪市立大学当局,関係者はなにを懸念あるいは恐怖して,徐 龍達の講義レジメを当人の許諾もなしに削除したのか

 

  徐 龍達の人物紹介

 ウィキペディアには徐 龍達(ソ・ヨンダル,1933年-)は韓国の経営学者で,桃山学院大学名誉教授だと書いてあるが,これは完全に不正確な説明である。徐は韓国の釜山で生まれ,1942年,9歳の時に来日していた。このときは,韓国人(朝鮮人)も大日本帝国臣民であった。

 正確にいえば徐は在日韓国人の1世であり,日本の経営学者である。ところで,ここまで説明してもなお,ウィキペディアは重ねて間違いを書いている。徐は実は,経営学者ではなく会計学者である。この程度の事実は,彼の著作一覧をみればすぐに分かる。

 徐の経歴に戻る。1957年大阪市立大学商学部を卒業し,1963年神戸大学大学院経営学研究科博士課程を修了,1963年に桃山学院大学で全国初の外国〔籍〕人専任講師として教鞭をとり,1971年教授,2003年定年退職。桃山学院大学は1973年に経営学部(経営学科)設置していたが,徐はこの学部に定年まで勤務した。

 教職の傍ら,外国籍の研究者が国公立の大学に採用のために市民運動を展開。1982年の「外国人教員任用法」の成立に尽力し,3300人を超える国公立大の外国人教員の採用に道筋を付けた。また,外国籍を理由に奨学金を受けとれなかったみずからの経験を踏まえ,「在日韓国奨学会」を設立。

 同会は,返済義務のない給付型奨学金を約60年間支給してきた。いまでは日本人学生も対象とし,これまでに1000人以上を支援してきた。 2017年9月,長年の在日韓国人の人権擁護と法的地位向上に貢献したことを認められ,在日韓国人学者・研究者として初めて,国民勲章の第一等である無窮花章を受章した。             


 『民団新聞』2018年10月31日に報道された徐 龍達

  ◆ 徐 龍達名誉教授,母校で半生語る…「無窮花章」受章記念 ◆ 

【大阪】 桃山学院大学の徐 龍達名誉教授(86歳,奈良県)が〔2018年10月〕25日,母校の大阪市立大学田中記念館で「日本の国際化へのわが三段跳び人生-差別克服がもたらした韓国勲一等受章の社会的意義」と題して語った。同大の2018年度「産業政策特殊講義1」のなかの一つ。

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 「ホップ」で語ったのは大阪市大4回生のときにみずから設立にかかわり,今日まで61〔63〕年間継続している育英事業「在日韓国奨学会」。きっかけは在学中,奨学金を申しこんだ日本育英会から国籍を理由に断わられたため。

 「ステップ」は日本の国公立大学外国人教員任用運動。日高六郎,飯沼二郎教授らも支援して「定住外国人の大学教員任用を促進する会」が発足,1982年には「国公立大学外国人教員任用法」を獲得した(成立させた)。国公立大学の外国人教授採用数はゼロから約3400人に増えた(2017年12月現在)。

 「ジャンプ」では道半ばの「定住外国人地方参政権獲得運動」について触れ,最後に持論の「アジア市民」社会へのビジョンを語った。

 徐さんはこの間の業績が認められ昨〔2017〕年,韓国政府から国民勲章「無窮花章」を受章した。学者出身としては初めての栄誉だった。講義を終え「受講した約250人の日本の学生たちに在日韓国人の置かれた状況を少しでも理解させたかった」と久しぶりに教壇に復帰した動機を語った。(引用終わり)

 

  徐 龍龍から届いたハガキ

 このハガキは拡散されるべき内容であると本ブログ筆者なりに判断した。徐 龍龍もその旨(「公表する決心をした」ことを)を明記している。そこで,徐の個人情報が印刷されている下部からは彼の姓名のほかに,住所(郵便番号)の都市名(部分)だけを残して,このブログの記述で公表することにした。もとのハガキは活字が小さく読みにくかったが,ここではよりみやすくする程度にまで,複写した現物を大きめに表示してある。

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 「レジュメの結論7行約240字が徐の事前承認もなく,無断で削除した」という部分,それも「韓〔国〕朝鮮と琉球の諸問題の解決による『アジア自民』社会構築ビジョン」を書いてあったという文言は,このハガキの文面には具体的に記されてはいない。

 そのように徐が訴えている中身は「戦後レジームからの脱却」どころか,表見的にだけは戦前・戦中体制に似た国家体制のなかに萎縮しながら衰退している,昨今における日本社会(ここではとくに高等教育社会)の知的衰退現象が,関西方面においてもまた具体的に反映されている現状を批判しているはずである。あとは,実際にこのハガキの文面を読んだ人がどう読みとり,感じるかである。

 大阪市立大学の関係部局・関係者は,徐が「日本の国際化へのわが三段跳び人生」という講義内容に関して,活字の案内記録のなかには,なにか「自分たちの立場」にとって都合の悪いものが含まれていると認識し,これを徐には無断で除去していたものと思われる。

 補注)本ブログ筆者の体験では別様に,こういう出来事をいまも鮮明に記憶している。経済・経営系の大手出版社から専門書を公刊したとき,まえがきのなかに「筆者が書いていない一句」を無断で書き入れたり,本文中のある個所をこれまた勝手に削除する手入れ(?)をしていた。

 当時,担当者であった編集者は,筆者になるべく気づかないように考えていたと思うが,筆者の原稿や校正ゲラをすべて自分たち(会社)のほうへ回収するやりとりになってもいたので,おそらく筆者側には結局分かるまいと高をくくっていたものと推察する。

 しかし,「あれから何十何年経っても」,そういう仕事のやりかた,つまり,基本的な作業を軽んじて,最低限の仁義にも反する行為を犯してくれた「彼」のことは,忘れられないでいる。まったくもって悪い見本を教示してくれたものである。

〔徐の話題に戻る→〕 徐のいいぶんに対して大阪市立大学側がどのように応答したのか判然としないが,その姿勢はへっぴり腰である様子をうかがわせている。「彼ら」は多分,最近はやりである「何者かに対する忖度」を発揮していると推測しておく。

 となると,その「何者」とは誰か? おそらく,まず大阪市長松井一郎,つぎに大阪府庁の吉村洋文である。

 ところで,「https://ja.uncyclopedia.info/wiki/安倍晋三」が,松井一郎のことをこう解説している。

 松井一郎は「安倍一強政治を称賛し,安倍を愛し,自民を愛し,そして大阪を愛する自称野党,日本維新の会のトップ。はたしてこれのどこが野党なのだろうか」。

 補注)「維新の会」とは,きっと「野党のとっての野党」⇒ 自民党公明党の補完政党を意味するに違いあるまい。

 徐のハガキのなかに書かれている「暗雲たちこめる大阪市大・府大の合併」とは,つぎのような大阪的な話題の一環である。

 大阪はこの10年間,住吉市民病院,公教育,児童図書館,こどもの家,文楽,公園,地域社会とつぎつぎと維新に破壊されてきた。さらには大阪市を潰そうとする維新。都構想即ち大阪市解体構想は問題だらけ。特別区は財源も権限も大幅に減り,4分割で職員体制も非効率になって市民サービスは確実に低下。目を覚まそう,大阪市民!
 註記)https://twitter.com/fckisn

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