「コロナウイルス検査体制に後れがあった」日本国内では,これからが新型コロナウイルスの感染拡大が始まる時期か,オリンピックをどうしても自分のために開催したい安倍晋三首相

いまごろにもなって急に「コロナウイルス検査体制に後れがある」などと報道しだした『日本経済新聞』,いまに始まった事実ではなく,1カ月以上も前から周知の事態であったが,ずいぶん後れてから,いいわけするための記事作りか

 

  要点:1 これから新型コロナウイルスの感染拡大「オーバーシュート」を覚悟しろ,その理解だけはよくしておけ,とでもいいたい『日本経済新聞』の記事だが,いまごろ,当たりまえの事実をニュースにしたところで「新しく聞く:NEWS」にはなりえまい

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  要点:2 いったい,誰のための新聞紙を制作し,発行しているのか,疑問ありの日本経済新聞社

  要点:3 2020年の東京オリンピック「開催」にまとわりつく無限の空しさ 

  言】

「◐オーバーシュート◑」を懸念し,予想する情報
    -安倍政権の脳天気な新型コロナウイルス対策では,もう追いつかない状態が近づいている-

 

 1)「すでに始動している日本のオーバーシュート,危機認識・検査拡大・経済対策即時実施が不可欠」『植草一秀の「知られざる真実」』2020年4月1日,http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-a5e034.html から。

 

 感染拡大を抑止するには検査を全面的に広げる必要がある。軽症,無症状の感染者が多数存在すると考えられる。検査を広げなければ,この感染者を確認できない。感染を確認しないから感染拡大が促進されている。

 

 2月3日に帰港したダイヤモンド・プリンセスの乗客・乗員に対して安倍内閣はPCR検査を渋り抜いた。それから2ヵ月の時間が経過するのに,いまなおPCR検査妨害を続けている。万死に値する愚行というほかない。加藤勝信厚労相の責任は重大だ。

 

 2)「クラスター対策班代表の西浦博教授が敗北宣言か 『戦争状態になっても冷静でいられる気持ちの準備を』」『見たくない未来が』」『情報速報ドットコム』2020.04.01 21:00,https://johosokuhou.com/2020/04/01/28572/(全文)

 

 厚生労働省クラスター対策班代表・西浦 博教授が新型コロナウイルスの感染爆発阻止はきびしいとして,国民全員に戦争状態となっても冷静な対応をするように呼びかけました。

 

 西浦教授は自身のツイッターで,「戦争状態になっても冷静でいられる気持の準備をしてください。みたくない未来が待っているかもしれません。僕と僕の好きな若手たちがいままでできたことは結果論として可能なかぎりの時間稼ぎ,というだけになるかもしれません。これまで日本でみられなかったレベルの流行になりえます」と述べ,日本でも欧米のような感染爆発が起きる恐れがあると指摘。

 

 これからの感染爆発によって事実上の戦争状態に突入する可能性があるとして,「皆さん,たとえ流行があっても冷静に受け止めて乗り越えましょう。皆さんとならできると信じてます。僕は最後まで流行抑止をあきらめませんが,皆といっしょにがんばりたい。乗り越えよう」と呼びかけていました。

 

 西浦教授の話だと,数ヶ月間に及ぶ厳しい外出自粛が出される可能性もあり,いままでのライフスタイル全般が変わることを考えて動く必要があるとしています。

 

 新型コロナウイルスの驚異についても「助けてほしいのに病院が溢れる。助けたい医師や看護師も数多く感染する。近しい親族や好きな人の安全が守れない。そんな事態が十分に想定されます」と触れ,ネット上では事実上の敗北宣言だとして注目を集めているところです。

 

 3) やまもといちろう稿「対コロナ緊急事態宣言を出して欲しいと思ってたら,マスク2枚が配られる件」『BLOGOS』2020年04月01日 22:37,https://blogos.com/article/447452/ から

 

 日本医師会 VS. 安倍総理官邸の譲れない戦いが勃発!? 医療クラスタの方はめちゃくちゃ怒ってます。 https://youtu.be/xAmafCDlSII

 

【速報】「『医療が危機的状況』宣言 日本医師会 緊急事態宣言を」,https://www.fnn.jp/articles/-/27490

    「日本医師会,緊急事態宣言を要望…『油断すると欧米と同じような状況に』読売新聞オンライン,https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200401-OYT1T50228/

 

 専門家会議では,厚労省クラスター班で北海道大学教授の西浦博さんが上手いいいまわしで「緩やかな感染拡大が認められる」という発言とともに,約2.5日で2倍の感染者が確認できる状況になっているという話をされています。

 

 このまま東京が感染者数の拡大ペースを落とさずに増えていくようなことがあれば,間違いなくいままで効果を挙げてきたクラスター対策では追いつかなくなります。感染経路不明の感染者数が拡大することや,輸入感染者の問題は重大で,「良く分からんけど感染した」という感染者の増大こそ「次のフェーズの課題」であることは間違いないのです。

 

 ここまで来ると,山中伸弥先生が提言されているように,医療クラスタへの資源投入を進めたうえで徹底的なPCR検査をおこなう方向へとフェーズは変わっていくのではないかと思います。医療機関への負担を押さえながら,やや精度に劣るPCR検査もしっかりと実施していって実数を把握しながら国民の外出をコントロールする方向にシフトしていかなければならないでしょう。

 

 だからこそ,日本医師会も政府に対して非常事態宣言を行うべきタイミングであると強く申し入れをする一方,国民に対して強制力のない外出自粛ではなく事実上のロックダウンにあたる感染症法33条による一部交通機関・幹線道路の封鎖を念頭に置いた移動の制限を物理的に行うことが求められているといえます。

 

 感染拡大のペースが上がっていくと,個別のクラスターを叩いて感染拡大を鎮める方法では対処ができなくなる恐れがあり,また,どの規模の外出自粛を国民に要請するのが望ましいのかという根拠になるデータが取れなくなってしまいます。

 

 「コロナ検査 世界に後れ 1日2000件弱,独の17分の1」日本経済新聞』2020年4月2日朝刊33面

 a) 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか,日本が検査で後れをとっている。検査数は1日2千件を切っており,100万人あたりの検査数はドイツの17分の1だ。感染の実態を正確につかみ,きちんとした対応策を打ち出すには,検査の拡充が欠かせない。そのために軽症者は自宅で療養させるなど重度に応じた医療の仕組みをつくることが急務だ。(関連記事経済面,社会2面に)

 英オックスフォード大学の研究者らでつくるグループが3月20日までの各国の検査件数をまとめた。人口100万人あたりでは韓国やオーストラリア,ドイツなどが多く,ドイツは2023人(〔3月〕15日時点)と日本の117人(19日時点)を大きく上回った。

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 安倍晋三首相は3月中に国内の検査能力を1日あたり8千件に高める考えを示していたが,実際の検査数(PCR検査)は1日2千件を超えることはなく,29日時点で合計5万4千件だ。一方,ドイツは15日時点で16万7千件に達していた。

 両国とも検査を受けるかどうかは医師が判断しているが,ドイツは感染していても無症状なら自宅待機とする対応をすでに取っている。一方,日本では検査で感染が確認されれば無症状や軽症でも原則入院させている。感染症法の規定によるもので,患者を事実上隔離し感染拡大を防ぐ意味がある。

 厚生労働省は検査の網を広げすぎると,誤判定も含めて入院患者が急増して病院が機能不全に陥り,医療崩壊につながると警戒していた。厚労省は3月1日,都道府県などに対し,感染拡大で入院患者が増え重症者の受け入れがむずかしくなる場合,検査で陽性でも軽症なら自宅療養を原則とする方針を示した。

 b) その後1カ月経過したが,厚労省はそうした状況に達したとの判断や具体的な基準は示しておらず,入院を原則としてきた現場の対応は進んでいない。この結果,東京都ではすでにベッド数は逼迫し,「状況はぎりぎり」(小池百合子知事)と危機感を強めている。

 日本国内は新型コロナによる死者数こそ低水準にとどまるが,感染拡大の勢いは止まらない。

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は3月16日の記者会見で「テスト,テスト,テスト〔検査,検査,検査〕。これは深刻な病気だ」と語り,検査の重要性を強調した。事務局長の上級顧問を務める渋谷健司・英キングス・カレッジ・ロンドン教授は「全数調査は意味がないものの,疑わしい場合には迅速に検査できる体制を拡充すべきだ」と主張する。

 都市部などでは感染経路が分からない患者も急増しており,検査の網を広げて感染拡大を抑える必要がある。海外では時間のかかるPCR検査とは異なる簡易な検査法が広がり,韓国や米国はドライブスルー方式により病院外で大量の検査を効率的にできるようにしている。愛知県は軽症者向けの施設を病院以外で100室確保する方針だ。検査を受けるニーズに応えつつ,医療体制を維持するために打つべき手は多い。(引用終わり)

 この記事は最後で「検査を受けるニーズに応えつつ,医療体制を維持するために打つべき手は多い」と締めているが,いままで日本政府・厚生労働省は,極力だと形容していいが,新型コロナウイルスの感染拡大「防止」につながるPCR検査などは「不実行の姿勢」を貫いてきた。3月中までは,検査の要請があっても,96%は拒否してきたという「実績」もある。それゆえ,表面上は,感染者数が各国の実情に比較して非常に少くしか出ていないけれども,実態においてはどうなっているかは不詳だといってくらい,現状認識に関して薄ら寒い状態に留めおかれている。

 ところが,『日本経済新聞』が今日の朝刊1面で,この記事を出した。遅きに失したのは「日本の検査体制の後れ」だけでなく,マスコミが「アベ政権を忖度したかのような報道姿勢しか採れない」という情けない事実に,その真因があった。

    ★「すでに始動している日本のオーバーシュート」★

 =『植草一秀の「知られざる真実」』2020年3月31日,http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-a20983.html

 

 重要な数値は1日当たりの平均検査数だ。安倍首相は2月29日の会見で「PCR検査については,検査がしたくても保健所で断られ,やってもらえないという御指摘をたくさんいただいております」。「こうした取組を総動員することで,かかりつけ医など,身近にいるお医者さんが必要と考える場合には,すべての患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保いたします」と述べた。

 

 この発言から丸1ヵ月の時間が経過したが,「かかりつけ医の判断でPCR検査を受けることができる」ように,まったくなっていない。11万以上も存在する日本の医療機関の0.8%にも達しない850の「帰国者・接触者外来」にしか,PCR検査実施の権限が付与されていない。

 

 PCR検査を妨害して感染者数を少なく見せる対応がいまなお維持されている。これを主導しているのは加藤勝信厚労相。国民の命と健康を守ることに力を注がずに感染者数隠蔽に力を注ぐ加藤厚労相をただいちに罷免するべきだ。

 

 国会では,感染ペースが拡大したら,かかりつけ医の判断でPCR検査をおこなう体制を各都道府県が構築することを検討するような答弁を示していたが,これすらやっていない。

 

 〔とくに〕肺炎で死亡したすべての患者に対してPCR検査がおこなわれているわけではない。コロナウイルスによる新型肺炎死亡者は公表されている数値よりもはるかに多い可能性がある。

 

 味覚と嗅覚に異常があるだけで,それ以外の症状がない感染者が存在することも判明した。このような感染者の感染確認のためのPCR検査を実施するだけで,感染者を多数確認することができる。

 

 検査をおこなわなければ,軽症者,無症状者は自由に行動し,感染拡大の主役になる。感染拡大を抑止するために,まず実行するべきことは検査拡充である。

 

 当初から,このことを明確に指摘してきた医療ガバナンス研究所理事長の上 昌弘氏は国会でも参考人として意見陳述した。しかし,テレビメディアは上氏をまったく出演させなくなった。

 補注)「新型コロナ解説で『安倍批判は控えてほしい』と某局ディレクターに言われた〈上 昌弘氏〉」『HARBOR BUSINESS Online』2020.03.20,https://hbol.jp/215315?cx_clicks_art_mdl=3_title

 

 植草一秀の記述を紹介する途中で,前記「補注」の記事を一部引用しておく。この記事の冒頭のみ引用する。

 

  ※ 亡国の淵に立たされた日本 ※

 

 安倍政権は新型コロナウイルスの対応で後手に回っている。「医療崩壊」という言葉を錦の御旗にウイルス検査もわずかしか実施せず,感染者の人数を過少評価している。これに対して,専門家から批判の声が上がっている。

 

 韓国では,政権擁護派から「医療崩壊した」などというデマが流されていたが,そのようなことはなく,検査を徹底し,新規感染者数も減りつつあり,欧米諸国も韓国の対応を評価しているのが現実だ。
 
 しかし,安倍政権やメディアがそれらの声を封じこめようとしている。明日21日発売の日本の自立と再生をめざす〔して?〕闘う言論誌『月刊日本 4月号』では,巻頭特集「亡国の淵に立たされた日本」と題した特集内で,日夜メディアで新型コロナウイルスについての発信を続けている医師・医療ガバナンス研究所理事長である上 昌広氏による衝撃的な告白を掲載している。

 

〔植草に戻る→〕 検査を拡大しないから,感染拡大の実態が正確に把握されない。このことが日本の悲劇を招く可能性がきわめて高い。悲劇の始まりの片鱗を示しているのが,妨害されたPCR検査結果から垣間みえる惨状なのだ。

 

 現在の日本は3週間前の英国であるとの正鵠を射た指摘を軽視するべきでない。

  『日本経済新聞』の編集委員たちの立場で,この植草一秀が繰り出している批判をしらないとは思えない。したがって,いまごろ〔4月2日〕の朝刊になってようやく,日本ではPCR検査などの実施が非常に少ない事実を指摘し,警告している。もう一度いえば,なにゆえ,このような内容の記事がいまごろ出てくるのか不思議であった。

 ということで,『日本経済新聞』朝刊のつぎの記事の引用となる。さきに断わっておくが,この記事の内容に相当する検査体制は,隣国の韓国では早々と,それも若手の医師たちの創案を受けて「ドライブ・スルー方式の検査方法」を開始していたが,日本側では漫然とその光景をみていただけであったのか?

 

 「コロナ検査 時間短縮カギ 10~15分,PCR必要性見極め 審査簡素化に余地」

 新型コロナウイルスの感染を調べる検査の開発が進んでいる。現在主流のPCR検査は4~6時間かかるが,繊維メーカーのクラボウが手がける血液検査は10~15分程度で済む。PCR検査でも時間を短縮できる新たな機器が登場してきた。ただ感染の急増に備えるには,国には医療機関で広く使える体制づくりが求められている。(1面参照)

 クラボウの血液検査は簡易鑑定の手法としてドイツやシンガポールなどで活用されている。イムノクロマト法と呼ばれ,ウイルスから体を守るために作られた抗体が血液などにあれば,体内にウイルスが入った証拠になり,陽性と判断される。

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 陽性の患者は精度の高いPCR検査で感染しているか最終確認することが推奨される。PCR検査が必要な患者とそうでない患者を区別でき,医療現場での負担を軽くする効果がある。同法の検査にかかる時間は10~15分と大幅に短縮される。

 クラボウは3月中旬に提携先の中国検査薬大手が開発したキットを研究・検査機関向けに発売。1日約1万人分を供給できるという。安全性や効果が実証されれば,保険適用の可能性がある。デンカは2月に同様の検査キットの開発に着手し,1年以内に量産体制に入ることをめざす。

 一方,PCR検査を迅速に実施する新装置の開発も進む。キョーリン製薬ホールディングス子会社の杏林製薬産業技術総合研究所は,15分ほどでウイルスを検知できる装置を共同開発した。

 PCR検査はいま,ウイルスに感染しているかどうかを調べるもので,医師の診断時にはPCR検査を使うしかない。検体を採取するさいの感染を防ぐため,医療従事者はゴーグルなど厳重な防護策が必要だが,必要な物資は不足気味だ。現場の負担も重い。

 こうした検査キットの製造販売をめぐっては,厚生労働省から承認をえなければならない。ただ,今回は厚労省も緊急対応をとっている。3月27日にはシスメックスのPCR検査キットを国内で初めて承認した。通常,企業の申請から承認まで6カ月をめざすが,同社の製品は17日間で承認した。

 PCRの検査キットは特例として製造販売の承認を取らないまま,保険適用することも認めている。難病など症例が少ない病気で認めているもので,早期に検査ができる体制を取る狙いがある。

 通常,承認を取っても保険適用されるまでに厚労相の諮問機関から了承をうる必要がある。新型コロナ対応では急を要することから,諮問機関を通じた審議もできるだけ簡素化し,承認までの時間を大幅に短縮できるようにしている。

 仮に検査キットが承認されても,医療機関や検査機関への配備には時間がかかるとみられる。検査技術の開発により,医療現場の負担が重くならないよう配慮しつつ,人びとの不安を取り除く体制を整える必要がある。(引用終わり)

 この記事は要するに,日本ではいかにして新型コロナウイルスの感染拡大「問題」に対する検査体制に後れをとっていたかについて,その弁解・説明になっている。つまり,他国はすでに早くから検査体制をともかく整備し,実行しているなかで,先進国のつもりである日本政府・厚生労働省は,いつまでもモタモタしてきたという印象(現実だが)を,かえって克明に与える記事になっている。

 植草一秀も指摘してきびしく批判をくわえているように,日本はアベ政権のもと,2020東京オリンピックを予定どおり開催したかった欲望・期待のために,肝心の「国民たちの生命と財産」を護るという基本任務をないがしろにしてきた。いうまでもなく,いまに始まった話ではないものの,いずれにせよトンデモなアベ政権の基本姿勢であった。


 「地域の感染,3区分で判断 拡大警戒,10人以上の集会避けて 専門家会議」日本経済新聞』2020年4月2日朝刊33面「社会2」

 新型コロナウイルスの感染拡大の対策を議論する政府の専門家会議は〔4月〕1日,地域ごとに感染拡大の状況を判断する指標を提示した。直近1週間と前週の感染者数を比較し,

  (1)  感染拡大警戒地域,
  (2)  感染確認地域,
  (3)  感染未確認地域

の3つに分け,集会やイベントの自粛などの対応を段階的に示した。

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 専門家会議は「爆発的患者急増(オーバーシュート)」について「2~3日で累積患者数が倍増する程度のスピードが継続して認められる状態」と定義した。

 「 (1)  感染拡大警戒地域」としたのは,直近1週間の新規感染者やリンクなし(感染源不明)の感染者が前週より大幅に増加しているが,オーバーシュートほどの状況に至っていない地域。

 求められる対応としては

  ▽ 期間を明確にした外出自粛要請
  ▽ 10人以上が集まるイベントへの参加を避ける
  ▽ 家族以外の多人数での会食などをしない

などを挙げた。

 「 (2)  感染確認地域」は,直近1週間の新規感染者などが前週と比べ一定程度の増加幅に収まっている地域を指す。感染拡大のリスクの低い活動は認める一方,屋内で50人以上が集まるイベントへの参加は控えるよう求めた。

 直近1週間で感染者が確認されていない「 (3)  感染未確認地域」では,屋外のスポーツやスポーツ観戦,文化・芸術施設の利用,参加者が特定されたイベントなど,感染拡大のリスクが低い活動を認めた。

 いずれの地域についても,感染者の集団(クラスター)を発生させないため「密閉」「密集」「密接」の3つの「密」を避ける取り組みを徹底する必要があるとした。(引用終わり)

 いまごろ・いまさら,いったいなにを注意事項として発表したのかという感じである。まともな国家側の観測・予知のための態勢がととのっているのあれば,はっきりいって2カ月や3カ月前にはこのような警告や指導が打ち出されていて当然であった。いったいなんのために専門家がいて,なんのために会議を開き,そして以上のような対策方針を,この時期になってからようやく提示しだしたのか,あまりにも遅すぎた。なぜ,日本はこのような “いままでの経過・推移” になっていたのか?

 

 「外出自粛,改めて要請首都圏 9都県市,メッセージ」日本経済新聞』2020年4月2日朝刊33面「社会2」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け,東京都や埼玉県,千葉県など9都県市は〔4月〕1日,テレビ会議をおこない,住民に向けた共同メッセージを取りまとめた。密閉空間など感染リスクが高い場所での注意や,不要不急の外出自粛を呼びかけた。

 他に参加したのは神奈川県,横浜市千葉市さいたま市相模原市川崎市の9都県市。これまでも災害対策での連携などを話し合っており,この日の会議は座長を務める川崎市が主導して情報共有や共同メッセージの内容を検討した。

 東京都の小池百合子知事は会議で「住民の命を守って安心した生活を取り戻すためにも,あらためて一丸となって立ち向かっていかなければならない。9都県市のネットワークを有効に活用して速やかに情報共有を図るなど,これまで以上に連携を深めたい」と話した。(ここまで引用,後略)

 東京都知事小池百合子は,2020東京オリンピックの延長が3月24日に正式に決定されると,それまではほとんどなにも積極的な対応をしていなかったにもかかわらず,突如「緑のたぬき」的にめだとうとする言動を開始しだしていた。

 とはいっても,具体的する発言は「自粛要請」だけに留まっており,都として都民たちに対して休業補償などをおこなうのかと問えば,そこは「国のほうがまずやることで,ムニャムニャ……」という口調であった。この都知事の念頭においては,7月に公示される都知事選との兼ねあいで,このさい,いかに上手に立ちまわるかという点しか意識されていない。

 2020東京オリンピックは1年の延期が決定されたが,開催都市の都知事である小池百合子は,どういうわけか実質,蚊帳の外での決定になっていた。安倍晋三が前面にしゃしゃり出てはIOCの会長とその延期を決めていた。分かりやすくいうと,あの人もこの人もいい格好だけはしたがるが,肝心の問題である「新型コロナウイルスの感染拡大に対面させられている「自分たちのいまの立場」を,政治家の基本姿勢してどのように構えるのかという対応が,まともに明示されていなかった。実に情けない連中である。

 

 「五輪延期,JOCは蚊帳の外 スポーツ界,存在感発揮できず」朝日新聞』2020年4月2日朝刊13面「スポーツ 」

 東京五輪延期に向けて国や東京都,大会組織委員会国際オリンピック委員会(IOC)が動くなか,日本オリンピック委員会(JOC)はずっと蚊帳の外だった。山下泰裕会長は日本側の表向きの方針に沿い,「通常開催」を主張しつづけた。スポーツ界の存在感を発揮することはなかった。

 IOCが延期検討を明らかにする前に,JOCの山口香理事は「アスリートファースト」を理由に,延期を主張した。しかし山下会長は「なかの人がそういう発言をするのはきわめて残念」と反応。さらに3月23日,記者団からの「JOCとして選手の意見集約はしないのか?」との質問に「われわれに決定権がないなかで,しかもホスト国の責任を背負っているなかで,いろんな不安の声を聞く必要があるが,アスリートたちの意見を集約をすることに意味があるとは思えません」と明言。異論を認めない姿勢がみえた。

 しかしその裏で,延期の流れは急だった。3月24日,IOCのバッハ会長と日本側との電話会談。首相官邸に集まったのは安倍晋三首相,菅 義偉官房長官橋本聖子五輪相,森 喜朗・組織委会長,小池百合子都知事。1年程度の延期が決まったこの会談に,山下会長の姿はなかった。組織委の森会長は朝日新聞のインタビューに「(会談は)スポーツの相談じゃないんだ。ここは山下くんが入るケースとは違うと思う」と述べた。

 選手時代の山下会長も不参加を余儀なくされた1980年モスクワ五輪の教訓から,JOCは1989年,日本体育協会(現・日本スポーツ協会)から独立。政治と一線を画そうとした。しかし2度目の東京五輪開催決定後,JOCは政府に「スポーツ強化は国策だ」と訴え,強化予算の大幅な増額を勝ちとった。JOC職員はその時の与党議員の言葉が忘れられないという。「われわれもこれからはスポーツ界に口を出すよ」。

 補注)つまり,2020東京オリンピック安倍晋三が首相の任期がまだあるうちに,この首相のためのレガシー創りに役立つことを強く意識している。五輪貴族の1員としてしばらくその名誉会員あつかいされているこの日本の総理大臣は,この五輪を自分の栄誉のためにぜひとも予定どおりに開催してほしかった。1年延期になったこの五輪開催の時期まで,安倍晋三がまだ首相の地位に留まっているか否かはさておき,すでに「負の遺産」であれば山積させてきた,この政治屋の個人的な欲望・期待というものは,実に “ただいやしい” だけのものであった。

 JOCは2月に発表した,「JOCゴール&アクション フォー TOKYO2020」で,東京五輪を通じて果たすべき役割として「アスリートの育成・支援」「オリンピズムの普及,推進」などをかかげた。来夏までに,それらをまっとうできるのか。山口理事はいう。「1年という猶予をもらい,JOCがどうリーダーシップをとれるか考えないと」。

 補注)四半世紀ほど以前から完全に商業主義に堕落していたオリンピックという国際大運動会について,このように,オリンピズムをウンヌンされても「鼻白む」しかないが,それでもまだ本気で,「アスリート・ファースト」みたいな勘違いが語られている。

  ※ 日程が決まり「少なからず不安払拭」 沢野大地・アスリート委員長 ※

 JOCの沢野大地・アスリート委員会委員長が〔4月〕1日,前夜にIOCが開いた各国アスリート委の電話会議を受けて東京都内で記者会見した。東京五輪が1年延期されたことについて沢野委員長は「日程を早めに決めていただき,選手にとってはゴールがみえたことで少なからず不安が払拭されたと思う」と語った。

 各国アスリート委との会議は1時間半ほどおこなわれ,国際競技連盟(IF)の主催する世界選手権などの大会日程や,出場権についての質問,今後,選手たちがどんな協力をしていけるかなどについて話し合われた,という。

 東京五輪をめぐる一連の新型コロナウイルスによる影響について,国内のアスリートからの声が少ないのではないか,という指摘に対しては「われわれ選手は,与えられた環境でやるしかないというなかで,声をあげていいのかどうか悩みながら練習を続けてきた選手が多いのかなと思う」と語った。今後,各競技団体で選手の声を吸い上げて対策を立てていく,という。

 39歳で富士通所属の沢野委員長は自身も陸上棒高跳びで4度目の五輪出場を目指している。(引用終わり)

 軍隊組織のなかでの1将校・一兵卒の立場でもあるまいに,「われわれ選手は,与えられた環境でやるしかないというなかで,声をあげていいのかどうか悩みながら練習を続けてきた選手が多いのかなと思う」といったごとき感想を述べているようでは,自分たちの主体性ある立場を踏まえて発言することは,初めから無理である。

 IOC,JOCという組織枠組の非民主性・非公開的な性格だけが妙にめだつのは,この組織が有する元来の特性でもあった。しかも,このあり方にうえに,オリンピック大会じたいの営利性的な基本特性が加重されているゆえ,JOCもさることながらIOCのあり方じたいからして,もともと問題含みであった。

 

 「『輝かしい時代』五輪はもう招かない」(寄稿,吉見俊哉東京大学大学院教授)『朝日新聞』2020年4月2日朝刊23面「文化・文芸」

※ 執筆者紹介 ※  「よしみ・しゅんや」は1957年生まれ,専攻は社会学・文化研究。著書に『戦後と災後の間』『視覚都市の地政学』など。

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け,東京五輪パラリンピックの1年延期が決まった。日本人にとっての五輪とはなんなのか。都市論やメディア文化論が専門の社会学者,吉見俊哉東京大学大学院情報学環教授に寄稿してもらった。

 1) 日米安保下での経済成長,今は昔の成功物語

 東京五輪パラリンピックは,最初からトラブルが続いてきた。新国立競技場案の白紙撤回,エンブレム問題,贈収賄疑惑,マラソンコース変更,そして今回の開催延期である。推進側の麻生太郎副総理からも「呪われたオリンピック」との発言が飛び出した。

 いったいなぜ,こんなことになったのか。東京五輪が「呪われ」ているのは,本当に偶然なのか。私たちは根本でボタンのかけ違えをしてきたのではないか。

 2度目の東京五輪の構想は,2005年夏,石原慎太郎東京都知事(当時)のかけ声で始まった。強引な知事に,21世紀の東京をどんな都市にすべきかの真摯な議論はまるでないまま都も国も引きずられていく。当初の2016年の誘致計画は大差で敗れ,東日本大震災を経て2020年の開催権を得た。東北の「復興」は招致のうたい文句だったが,開催地は東京である。

 補注)ここでは,2日前に急に報道された以下のニュースも,途中に挿入するかたちで紹介しておく。

 東京五輪招致で組織委理事に約9億円 汚職疑惑の人物にロビー活動も」『REUTER』2020年3月31日 16:18,https://jp.reuters.com/article/olympics-2020-lobbying-idJPKBN21I0RP が,以下の要旨で報道されていた。


[東京/パリ 〔3〕31日 ロイター]  新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により,来〔2021年〕年7月23日への開催延期という異例の決定が下った東京五輪。招致が決まってからおよそ7年を経た現在も,東京選定のプロセスをめぐってはフランス検察当局による汚職疑惑の捜査が続いている。投票確保の舞台裏でどのような動きがあったのか。(後略)

 それでも日本人はこの構想を支持した。平成の沈滞ムードのなかで人びとは,東京五輪の再演によって「あの輝かしい時代」を招来しようとした。五輪神話は昭和回顧の番組からNHK大河ドラマ「いだてん」に至るまで再演され,呪文として機能する。しかも,メディア上の東京五輪への言及は,1990年代以降増加していた。2度目の五輪は,1964年五輪が池田政権の「所得倍増」を祝福したのと同様,安倍政権の「アベノミクス」を祝福するはずだった。

 補注)アベノミクスというものは祝福されるべき寸毫の余地もない事実は,周知のとおりであるが,それでもこのようにその余地がありうるかのように述べるのは,大きな違和感を残す。

 だからもし,2度目の東京五輪でかくもトラブルが続く根本を問うなら,1度目の東京五輪についての私たちの固定観念を根底から問いなおす必要がある。私は近著『五輪と戦後』(河出書房新社,4月刊予定)で,1964年東京五輪を,歴史のなかで再検証した。そこでみえてきたことは少なくない。

 聖火リレーが1936年ベルリン五輪でのナチスの発明品なのは有名だが,1964年五輪でも,米国統治下の沖縄から始まったリレーの政治性は生々しい。沖縄の人々は聖火を無数の「日の丸」で迎え,これが「祖国復帰」への世論を決定づけた。この演出の背後には,ケネディ米政権の影があった。

 補注)そして,2020東京オリンピック聖火リレーは,日本では「3・1」の被災地から3月26日に発走する予定であった。だが,東京オリンピックが1年延期となったことを受けて,中止になっていた。ともあれ,前段の記述は「3・11」が「第2の敗戦」と呼称されるゆえんまで示唆している。

 同じ影は,国立代々木競技場でも顕著だ。朝霞米軍基地の五輪会場化を狙っていた日本側に対し,代々木ワシントンハイツ全面返還を推進したのは米国側だった。1960年安保闘争で盛り上がった反米感情を抑え,日米安保体制を牢固たるものにする必要があった。

 2) 他方,1964年の日本は,工業化途上の貧しき国だった。

 たとえば女子バレーボールで「東洋の魔女」の異名をとった日紡貝塚チームがなぜあれほど強かったのか。繊維産業で働く膨大な女子工員がいたからだ。経営側は,彼女たちが労働運動に向かうのを抑えるためにバレーボールを推奨し,多数の強豪チームが誕生した。

 円谷幸吉をマラソン選手にしたのも,彼を自殺に向かわせたのも,自衛隊の訓練体制である。福島の貧しい農家の末っ子は,「軍隊」をめざして自衛隊に入り,銅メダリストとなった。

 例を挙げていけばキリがない。1964年五輪は,殖産興業と富国強兵に邁進した国が,日米抱擁のなかに転生した象徴的舞台である。その舞台を,日本人は自分たちの復興と経済的成功の物語として受容してきた。

 この物語が平成時代,綻(ほころ)び始める。多くの人はもう,五輪は「あの輝かしい時代」の再来にならないとしっている。たしかに今後,「延期」の2文字に望みをつなぐ人も多いだろう。1年後の五輪を,マスコミは「TOKYO2020 +」などと必死で盛り上げるだろうが,「TOKYO2020」が来なかった事実は変わらない。歴史は願望の先にはない。念ずれば救われるわけではないのである。


 以上,吉見俊哉の「1964東京オリンピック」に重ねてみる「2020東京オリンピック」の歴史的な意味は,いったいどのように理解されたらいいのか? 21世紀の今後に向けては,あの「世襲3代目の大▲カ政治屋」(選挙活動はできるが政治活動はできない政治家のこと)は,落ち目の趨勢を否定できないこの日本の現況に対して,ひたすら悪い方向に拍車をかけるような政治・経済の運営しかできていなかった。

 昨日〔4月1日〕の本部ログは,「今こそ,『大連立内閣』樹立を~『東京五輪来年夏開催』決定は “安倍政権の末期症状” 」『郷原信郎が斬る』2020年4月1日,https://nobuogohara.com/2020/04/01今こそ,「大連立内閣」樹立を~「東京五輪来年/ 」を一部分引用していたが,まさにそのとおりであって,安倍晋三というデタラメと嘘しかやらない・いわない政権は,新型コロナウイルスに襲来されてからというもの,この首相のその本質であった「政治家として無能力や脳天気性」ばかりを,暴露しつづける始末にあいなっていた。

 いずれにせよ,新型コロナウイルスの感染拡大「問題」は,がいつごろになったら終息の見通しがつくようになるか,いまのところ不明である。安倍政権の対応ぶりは遅延に遅延を重ねること以外にみせられるものといったら,ひたすら右往左往だけであった。

 なにせ,政府・文部科学省は「学校を休校にしろ」と「自粛を要請してきた」ものの,その教育現場において発生するもろもろの責任や問題の処理は,その地方自治体に「アナタ任せ」。さらに,商売人の仕事・営業に対しても,これまた自粛・休業しろと要請してはきたものの,こちらの休業補償もしようとはしない。

 日本国内ではすでに新型コロナウイルスの感染拡大の現象として,クラスターが多く発生・形成されつつある。もはや「オーバーシュート」現象は防止できない展望になりつつある。安倍晋三の首相としての指揮ぶりは,問題が問題だけに彼に固有である無能・無策ぶりを,遺憾なく世間に披露するハメになっている。

 

 「国内感染3000人超え 東京66人増 新型コロナ」朝日新聞』2020年4月2日朝刊26面「社会」

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 国内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は,〔4月〕2日午前0時半現在で268人に上り,総数は3217人となった。1日の感染者数としては最多を更新した。1月16日に初めて見つかった感染者は3月4日に千人を超え,同25日には2千人超に。そこからわずか7日で3千人を超えた。

 東京都は66人の増加で計587人に達したほか,神奈川県19人,千葉県14人,茨城県18人,大阪府34人,福岡県32人など,引きつづき都市部での増加が目立った。

 茨城県では初めて2人の死者も出た。感染者では20代~50代の男女8人が,千葉県の知的障害者の入所支援施設「北総育成園」で感染が確認された人の濃厚接触者だった。

 北九州市では21人の感染者が確認された。すでに感染が判明している80代男性が入院していた新小文字(しんこもんじ)病院の医療スタッフ17人が含まれている。兵庫県でも14人増え,神戸市の慈恵会新須磨病院に勤務する40代の整形外科医らが感染した。同病院は外来診療を一部休止し,消毒して〔4月〕2日以降に順次再開するという。

 愛知県では,県警の20代~30代の男性警察官2人の感染がわかった。高知県でも,宿毛(すくも)警察署の30代男性署員が感染。男性署員は,〔3月〕31日に感染が判明していた同署の巡査部長と同じ課の所属だった。(引用終わり)

 いままで日本は別(特別になんでもスゴイ国)であって,新型コロナウイルスの感染拡大の「問題」は,それほど深刻にはならないなどと,勝手に思い混んでいる節もあった。だが,そうではなくて,いままでこの国は,今回における感染問題を「アベ流の公文書隠蔽作法」よろしく,できるだけ矮小化する手順をほどこして大いに隠蔽もしてきたが,その途中で,みずから作ってしまった深い軌跡(わだち)に,いよいよ自分たちの足をとられてしまった。

 2020東京オリンピックを開催したかた安倍晋三は,延期が決まるまで(そのあともたいして変わらぬが),「新型コロナウイルスの感染拡大」問題に対する措置を,完全に手抜きしてきた。だが,安倍が一方的にこのウイルスを無視したところで,相手であるこのウイルスのほうは,アベの意志などまったく「忖度しない」(そうするわけすらない)。

 いずれにせよ,その「忖度してくれないコロナウイルス」の存在は,子どもの宰相のいいぶんなどいっさい聞いてくれない。ところが,この総理大臣はコロナウイルスなど無視できる感染症だと軽くみていた。自分の無知じたいにさらに無知でありうる「世襲3代目の大▲カ政治屋」「裸の子どもの王様」である,この日本国総理大臣の存在は,いまでは日本の政治・経済・社会にとってみれば諸悪の源泉にまでなりはてた。

 

  日本における感染者数「増大傾向」問題に関する小考

 つぎのグラフをみたい。2020東京オリンピックの延期が正式に決まったのは2020年3月24日であった。このグラフに対してはその頂点をむすぶつもりで曲線(3色のそれぞれの直線をつなげて表現したそれだが)を「補助線」として引いてみた。その24日を境にしてそれ以前にうかがえる感染者数の少なさは,明らかに不自然である。このことは一目瞭然である。

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 問題は,この補助線を引いた曲線が “今後は指数関数的な増大傾向” を示す可能性にある点にみいだせる。既述に出てきた指摘が「オーバーシュート」の到来を懸念していた。

 このグラフそのものに対していえば,実際には相当に圧力がかけられてきており,つまり,その分だけ圧縮された(かなり少なめ)数値としてしか表現できていない,という具合に観察してみたほうが,現実寄りの立場になりうる。

 また,指数関数的なこの曲線の位置関係も,いったいどのあたりにあるのかという関心も回避できない。さきに出ていた新型コロナウイルスの「感染者総数の増大傾向」は,かなり危険な兆候を示しだしている。

 以上の判断・解釈の是非は,あと2週間も経てば判明するはずである。

【2020年4月3日 補足】

 

 以上に書いた疑問については,社会統計学者によるつぎのごときに説明する記事があったので,ここに引用しておく。前段における本ブログ筆者の記述を裏付けてくれる専門家の発言である。

 

 「〈新型コロナ〉『感染者統計にゆがみ』 シカゴ大・山口一男教授 日本の少数検査に苦言」東京新聞』2020年4月3日朝刊


 ※ 人物紹介 ※ 「やまぐち・かずお」は,総理府(現内閣府)統計局勤務を経て,コロンビア大公共衛生大学院助教授などを歴任。2008~11年にシカゴ大社会学科長を務めた。いまは経済産業研究所客員研究員としてEBPM(証拠にもとづく政策立案)研究プロジェクト主査も担当。社会疫学の研究経験をもつ。


 日本が公表する新型コロナウイルス感染者数に対し,有用性に疑問を投げかける声が統計の専門家から出ている。シカゴ大の山口一男教授(社会統計学)は本紙の取材に「実際には感染しているのに把握されない『暗数』の割合が大きく,統計がゆがんでいる」と指摘した。そのうえで「各国の状況との比較や政策の判断には使えない」との見方を示している。

 

 日本では感染者数の公表値が最近増えているが,世界各国と比べて圧倒的に少なく,海外メディアなどから「不可思議」とみなされている。欧米など各国は世界保健機関(WHO)が呼びかけた検査の徹底を進めた結果,感染者の把握が急増しているからだ。

 

 山口氏は日本の増加率が他国と比べて極端に低い理由を「検査数を絞ったことで感染者を把握できていないからで,この結果(水面下の)感染を拡大させた」と主張する。「検査数を制限することでどの程度感染者数が少なく出るかの情報がなく,他国との比較もできない」と強調した。

 

 この問題について安倍晋三首相は3月28日の記者会見で「水面下で実際は感染が広がっているのではないか」と問われ,「日本が感染者数を隠しているという議論は違う。死者の数は多くない」などと説明。現状の感染状況には「ぎりぎりもちこたえている」と従来の見解を繰り返した。

 補注)この安倍晋三の意見は科学的な裏付けをえられない発言であり,口から出任せの不正確・不合理な断定でしかありえない。

 

 これに対し山口氏は「死亡者数も年間十万人前後にのぼる一般の肺炎死亡者のなかに隠れてしまう」と分析する。そのうえで「ゆがんだ感染者数では,感染の拡大状況などの評価はできず政策判断の材料にも使えない。信頼できるデータを国民と共有し,透明性をもって合理的に政策を進める姿勢が欠落している」と苦言を呈した。 

 

 【参考記事】

 「【独自】 歌舞伎町で十数人感染,キャバクラの女性従業員・風俗店関係者ら…実数はさらに多い?」『読売新聞』2020/04/01 12:09,https://www.yomiuri.co.jp/national/20200401-OYT1T50079/

 東京都新宿区で深夜から早朝にかけて営業する接客業関係者のうち,少なくとも十数人について,新型コロナウイルスへの感染が確認されたことが分かった。国内有数の歓楽街・歌舞伎町やその周辺にあるキャバクラ店の女性従業員や,風俗店の業務に携わる男性が多いという。

 区関係者によると,区内では3月後半から感染者が急増。区などが感染者について調べたところ,隣に座って接客する店の女性従業員や,こうした女性をスカウトする男性らが目立つという。これらの感染者に対し,感染経路や濃厚接触者を聞くなどしているが,協力がえられないケースが多く,実際の感染者はさらに多いとみられる。

 同区の吉住健一区長は〔3月〕31日,こうした接客業を営む店舗を利用することを自粛するよう呼びかける異例のコメントを発表した。(引用終わり)

 「緑のたぬき」に当面できる仕事は,そうした自粛を要請するための呼びかけだけなのか? 東京都知事という職位の重要性を生かすための職務執行そのものが,ろくにできない都知事は要らない。できればの話だが,このさい,小池百合子都知事は,都知事の当選証書を舛添要一禅譲したらどうか……。

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