安倍晋三政権のたそがれ,日本株式会社も新型コロナウイルスの感染拡大「問題」には無力なのか

新型コロナウイルスの災禍,安倍政権はあと何カ月もつか,第2次政権はなぜ7年以上も維持できたのか,一方で存在感のまったくなかった財界「日本株式会社」

 

  要点:1「こんな人」の「あんな政権」が長もちしてきたが,そろそろ,またもや政権をぶん投げるのか

  要点:2 その間,この国の劣化・衰退はどんどんひどくなっているが,大企業体制が社会貢献する意思は,このたびの大問題「新型コロナウイルスの感染拡大」に関して存在しないのか


  投稿者・一言主アベノミクスを完全に潰したコロナウイルス『『阿修羅掲示板』2020年4月21日 11:39:14,http://www.asyura2.com/20/hasan134/msg/379.html 参照(文書は読みやすくする工夫・補正をほどこした)

 a) アベノミクスを完全につぶしたコロナウイルス。コロナ禍が,阿部政権の看板であるアベノミクスを完全に打ちのめしてしまった。これは,日本の経済にとってそれほど悪いことではない。ガラガラポンのご破算のチャンスが,再びめぐってきたのである。

 アベノミクスは,生産量増大による所得の上昇をめざしたが,デフレ下ではまったく意味をなさず,よりデフレを深刻化するゆえ,その早期の終焉は悪いことではない。しかしコロナの影響は,とくに日本経済には,他の外国に比べ深刻な影響を与え,まさに頂門の一針になるかもしれない。

 この30年間,デフレ下の生産量増大策というお笑いのようなデフレ政策は,低賃金,長時間労働を強いつづけ,どんどん窮乏化を深めてきた。民間企業の脆弱化,マイナス金利による銀行システムの崩壊,打ちつづく災害への出費,オリンピックの誘致など,「日本の労働経済力」以上の生産に傾斜するあまり,外国人労働に頼らざる負えない労働経済が現出している。

 しかも,インバウンドなる言葉を多用し,外国人の観光を増やす政策をとったため,民間の宿泊施設が追いつかず,観光地での日本人とのマナーの違いでトラブルが続発している。小泉政権では,大企業が輸出で稼いでいた経済が,リーマンショックで大打撃を受けていた。

 そしてまた,同じような経済政策をとったアベノミクスも,今回のコロナ禍により完全に終わった。輸出や,観光産業などの外国の需要を頼りにする経済の脆弱性が,再び露呈することになった。

 しかも,リーマンショック当時と比べると数段,国内状況が悪くなっている。借金の増加,国債の日銀引き受けという膨大な借金,消費税が10%の国民負担,仕事量の増加による労働不足,低賃金化,長時間労働化に伴う就業率の上昇,外国人労働者の処遇をめぐる問題など。

 b) アベノミクスは,外需頼みの政策であり,あたかも日本経済が成長しているかのように装い,不況の谷が来ないように矢継ぎ早に,つぎからつぎへと,供給サイド(生産者側)を刺激し,無理やりに実質GDPをわずかばかり成長させつづけてきた。だが,それが終わてくると,哀れな経済・貧相な市場が現われた。

 借金は増えつづけるばかりであって,日本の経済はこの30年間ですでに,マスクも国内で賄えないほど落ちぶれた。結局,終わってみれば,再び名目GDPが500兆円ラインに戻ることになる。

 コロナ禍は,大変な問題であるが,収束すれば,社会体制や経済システムがほぼそのまま残っているため,回復も早い。ここで一気呵成に方針を変更しようではないか。

 c) 昭和30年代の所得倍増計画は,傾斜生産主義をとった。しかしいまは逆の政策をとらなければならない。傾斜消費主義だ。それが所得を倍増させる。幸いなことに,現在やっているコロナの落ちこに対する政策は,ほとんどのものがデフレに著効あるものばかりである。

 しかしそのなかでも,個人に直接給付するものが大事である。休業手当よりは,解雇なり失業なりさせて,雇用保険を満額,少なくとも勤めていた会社の給料分を確実に手渡すことが重要である。それも,コロナ禍が終わり,デフレが解消するまで続ければいい。アルバイトやパート,派遣の人たちにも,同じような直接補填がデフレ解消につながっていく。

 企業の落ちこみに対する補填も企業を存続させるために必要である。いくらマイナス金利や無金利で貸し出しても,結局,元本は返さなければならない。企業の借金は最終的に,売上から返済する。それは結局,個人消費の活発度に左右されるため,売上の落ちこみを極力避けるためにも,個人への直接給付などの個人へのケアが,企業のケアより大事な理由だ。

 d) 個人へのケアが大きいほどつぎの政策へ,いいかえれば,増税以外の生産量増大策や消費税引き下げ策に比べれば,より大きな・長い成長へと結びつくことが約束されている。

 昨今決まったのが,全国民に対して現金10万円支給。いろいろいう人がいるが,非常事態にコロコロ変わるのは,仕方がないごく当たりまえであり,より早く,不公平の少ないものになった。

 しかし,その政策はおそらく,自民党内閣がおこなった「バブル後初めてのデフレ解消政策」である。大いにやってもらいたい。いまこそ,傾斜消費主義で。いまこそ,消費税を5%にし,所得倍増をめざす時である。そして一気にデフレを解消しようではないか。(引用終わり)


 「『官僚の言いなり』な安倍首相を見捨てる,自・公実力者たちの実名」『高野 孟の THE JOURNAL』2020.04.21,https://www.mag2.com/p/news/449228

 a) 新型コロナウイルスをめぐる諸々の対応が批判的に受けとられ,支持率が急落した安倍政権。

 かつては「安倍一強」ともいわれた同政権は,なぜここまで追いつめられたのか。その最大の要因として,とある官僚による「菅〔義偉〕官房長官排除」の動きを挙げるのは,ジャーナリストの高野 孟さん。高野さんは自身のメルマガ『高野孟の THE JOURNAL 』で今回,官僚や側近らに操られ迷走する安倍首相に対して苦言を呈すとともに,現政権が「いつまでもつのか」を占っています。

 ダッチロール状態に突入した安倍政権,「6月首相退陣」という予測まで飛び出した!

 4月7日発表の108兆円緊急経済対策の目玉であったはずの「大幅減収家庭への30万円給付」を,わずか9日後の16日に撤回し「1人一律10万円給付」に切り替えたのは,前代未聞の大珍事。これはもう「動揺」とか「混乱」とかいうレベルを超えて,政権じたいがキリキリ舞いのダッチロール状態に入りつつあることの証左である。

 世論はこの政権の体たらくにけっこう敏感で,4月10日過ぎに発表された一連の世論調査では,内閣支持率が急落し不支持率と逆転するという現象がはっきりと現われた。『共同通信』がそうなるのはおかしくないけれども,露骨に安倍首相寄りの「読売」や「産経」でもそうなっていることに,安倍首相は神経をすり減らしているはずである。

 補注)以下では,高野が触れていなかった今月における他社,「朝日」と「毎日」の世論調査における支持率も,追加してかかげておく。小数点以下が明示されていない比率は,丸めてあるからである。

            支持  不支持(%)   
   『産経新聞』   39.0  44.3
   『読売新聞』   42   47
   『共同通信』   40.4  43.0
   〔『朝日新聞』〕 41   41
   〔『毎日新聞』〕 41   42

 「産経」の調査では,〔4月〕7日の緊急事態宣言について「遅すぎる」がなん82.9%,アベノマスクを「評価しない」が74.8%である。私にいわせれば,それでもなお4割前後の支持があることの方がむしろ不思議である。

 だが,支持の理由の断トツ・トップは相変わらず「他にかわるべき人がいない」で,この数字には,自民党内の反主流派や野党のだらしなさへの批判や失望が半分くらいは含まれているとみなければならないだろう。つまり,安倍首相への積極的な支持はたぶん20%程度だということである。

 b) 安倍首相はいつ辞めるのか?

 代わりがいるかいないかにかかわらず,安倍政権は自壊しつつあり,問題はこの有様で一体いつまでもつのかということである。

 --2020年6月?

 『サンデー毎日』4月26日号は「安倍6月退陣で『麻生首相』の悪夢」と題した記事をかかげ,二階俊博自民党幹事長が安倍首相に見切りをつけ,コロナ対策が落ち着くことを前提に「6月には退陣してもらうしかない」と周囲に話しているようだ,と書いている。

 --2020年9月?

 6月とはいかにも早すぎて,コロナ対策が落ち着いている可能性は大きくない。それでも「9月か10月になればコロナ対策も落ち着いて退陣の道筋がつきそう」だと,同誌は指摘する。仮に安倍首相が体調不良やコロナで入院した場合,麻生太郎副首相兼財務相が首相臨時代理となり,2021年9月の党総裁任期まで務め総裁選をおこなうことになる。臨時代理とはいえ「麻生首相」というのは,国民にとってはもちろん,自民党にとってさえも悪夢でしかない。

 しかし,実際に安倍首相は,体調不安説にくわえて,アベノマスクや「うちで踊ろう」便乗ビデオなど,なにをやっても裏目に出て,不評どころか嘲笑の対象となってしまう状態にかなり精神的に参っていて,近しい者には「もう辞めたい」と漏らしているようなので,ありえないシナリオではない。

 --2021年4月?

 さらに,そこをなんとか乗り越えて来〔2021〕年までたどり着いたとしても,はたして来夏に本当に五輪を開くことができるのかという大難問が待ちかまえる。本誌が再三強調してきたように,新型コロナウイルス禍は来〔2021〕年7月までに収まっていればいいというものではなく,できれば来年1月,いくら遅くとも3月一杯までに全世界的に(2波,第3波のぶり返しが各国ごとに起こりえないとほぼ確信できるところまで)収まっていなければ,日本もIOCも各国の五輪委や選手団も,本格的な準備作業に入ることができない。

 アビガンにせよなんにせよ,安心して使える治療薬が国際的に承認されていきわたっている,という奇跡的な状況が生まれていれば別だけれども,来春までに皆が気をとりなおし,心を一つにして五輪成功に向かって走り出すということには,なかなかなりにくいのではないか。とすると「再延期」はありえないから「中止」で,その時点で安倍首相は引責辞任せざるをえ得なくなる。

 --2021年9月?

 五輪が無事に開かれれば,その終了後に安倍首相は総裁の任期を満了し,あとを総裁選に委ねる。岸田文雄政調会長と石破 茂=元幹事長の対決となれば,安倍首相に近すぎる岸田に勝ち目はない。総選挙を打つタイミングもない

 こうした流れを解散・総選挙で断ち切ることはできないかと安倍首相周辺が考えるのは当然で,トランプ米大統領が11月に再選を果たせば早速,12月にも来日を求め「強固な日米同盟」を演出して,年末ないし年初に解散という話ももち上がっているようだが,戯言に等しい。

 第1に,今秋にはコロナ禍は国内的には一段落しているかもしれないが,米国をはじめ世界はどうなっているか分かったものではない。

 第2に,そのなかで,ほとんど酔っ払いのおじさんのようになっているトランプが再選されるかどうかは,ますます疑わしくなっている。

 第3に,大物の国賓としては今春の来日を延期した習 近平=中国主席を年内にも招くのが先で,その前にトランプを挟むのは筋違いである。

 第4に,それ以前に,来秋はこの数カ月の自粛による経済破綻が一気に爆発して大変なことになっている公算大で,とうてい安倍首相の「政権立てなおし」という自己都合のための総選挙に国民は付きあってはいられない。

 安倍首相のもとでも,ましてや麻生臨時代理のもとではなおさら,総選挙はありえず,来年9月に選ばれる自民党新総裁の下で,10月の任期満了までの間におこなわれるとみるのが順当である。

 c) てんでんバラバラの政権運営

 「安倍一強」といわれてきた政権がなぜ,これほど無様なことになってしまったのか。

 致命的な要因は,昨〔2019〕年9月の人事で首相秘書官の肩書で満足に〔仕事を〕仕切れなかった今井尚哉が,首相補佐官をも兼任して官邸を取り仕切る権限をえ,菅 義偉=官房長官を意思決定システムから排除しようとしたことである。

 安倍政権がこれほどまでに長続きしてきた最大の要因は,良かれ悪しかれ,菅のいかにも旧自民党の党人派的な人脈管理術にもとづく根回し能力であり,菅がいればこそ,二階=幹事長や公明党山口那津男=代表とのパイプもつながっていた。また菅とその脇を離れない警察出身の杉田和博官房副長官とは全省庁に目配りをし,その政策と人事の動きを情報管理していた。

 それに対して,今井,その副官である佐伯耕三=秘書官(アベノマスクや安倍自宅リラックス動画アップの発案者)西村康稔=経済再生症 / コロナ対策相など,いずれも東大→経産エリート官僚の道を歩んできたグループは,本当のところは,その場限りを切り抜けるだけの小賢しい浅知恵しかもちあわせていないのに,それで安倍首相を操ればこの国をとりしきれると勘違いして,菅という「盲腸」を切って捨てようとしたのである。

 安倍首相は,「今井ちゃんに聞けば,なんだってすぐ答えが出てくるんだよ」と,その圧倒的な学力の差に感服しまくっていて,それはそのとおりなのだろうが,その今井らの「学力」とは上述のような「小賢しい浅知恵」以上のものではないので,その結果が政権の迷走状態となって発現するのである。

 このようにして,菅を無視したことで二階にも山口にも話がいきわたらず,結果として安倍首相が大恥をかくことになった。さて,これから二階や山口は,どういうタイミングで安倍首相を見限ることになるのだろうか。(引用終わり)

 

 世襲3代目の大▲カ政治屋」(人形)の操り師であった今井尚哉補佐官の錯誤

 本ブログは2020年3月3日の時点で,「今井尚哉首相補佐官のことを,ラスプーチンでもそのミニ版だと形容してみた」と再度触れたさい,ほかのブログの記述のなかにも,やはりラスプーチンの名前が出ていて,今井のことを同じように形容している人がいる事実に気づいた。該当の段落を,あらためてつぎに再掲しておく。

 本ブログは昨日〔2020年3月2日(2020/3/2 10:49:17)〕の記述では,「もしかすると今井(尚哉)補佐官は,安倍政権にとって『ミニ版でのラスプーチン的な存在』なのかもしれない」と形容していた。

 

 安倍晋三という「世襲3代目の大▼カ政治屋」であっても,世襲による「地盤・看板・カバン」を継承してきたからこそ,国会議員でかつ首相をやっていられるものの,本当のところでいえば「まったく幼い黄角の政治家」にしか過ぎない。

 

 今井尚哉首相補佐官のことを,ラスプーチンでもそのミニ版だと形容してみた本ブログ筆者は,当該のブログを書いたあとにのぞくことができたつぎのブログの記述のなかにも,やはりラスプーチンの名前が出てきていたので,同じのように感じる人士もいるものだと思った。(引用はここまで)

 ここで語っておきたいのは,本ブログ筆者がなぜ,今井尚哉秘書官・補佐官のことを「ミニ版でのラスプーチン」と形容したか,であった。高野 孟が今井に関連させてとりあげて語った内容は,「ラスプーチンそのものに今井を匹敵させていた」ものであった。

 しかし,21世紀のいまにおける安倍晋三政権,そのきわめて「幼稚で傲慢」「暗愚で無知」「粗暴で欺瞞」な政治体質に鑑みるとき,補佐官になって「子どもの〈裸の王様〉である総理大臣:安倍晋三」を引き回してきた今井尚哉の存在は,ラスプーチンそのものに比較するさい「同等にまでもちあげて」語るには,引っかかる点があった。

 本ブログ筆者はしたがって,単に「ラスプーチン」と呼ぶのではなく,ミニを冠した「ミニ・ラスプーチン」として今井を語るのが,より適切ではないかと考えてみたのである。

 ところで,2012年12月26日,安倍晋三の第2次政権が発足していた。爾来,7年以上もの長期政権が「維持」されてきた。とはいえ,当初の売り物であったアベノミクスの無残な結果「顕著な負の成果」が,いまとなった日本の経済社会のなかに不可避に浸透したところへ,昨年〔2019〕12月には登場していた新型コロナウイルスの猛威が,日本にも襲来してきた。このため,敗戦以降における日本の体験として回顧してみるに,「国民たちに対する直接の災厄発生」は,これ以上ないくらいの規模となって現象している。

 新型コロナウイルスの感染拡大「問題」は,いままでにおけるような「安倍政権の私物化政治」のデタラメ采配をもってしては,どだい,まともに有効な対策が講じえない状況をもたらしている。というしだいであって,安倍晋三という「世襲3代目の大▲バカ」首相が,今井尚哉補佐官(たち)の「小賢しい浅知恵」だけではとうてい補佐しきれないことは,とうとう世間の人たちにまでバレバレになってしまった。

 なによりも,ミニ・ラスプーチンこと今井尚哉補佐官(たち)に依拠してきた「官邸政治(アベ的な宮廷官房学?)は,その本来の限界:「負的な本性」をむき出しにされた状態になっているが,新型コロナウイルスの感染拡大「問題」に対する有効な治策を,なんら提供できていなかった。

 要は,その「官邸(私物化)政治」の悪質な内情だけが,より鮮明になってきた。現在は2020年の4月も下旬になっているが,安倍晋三自身に「本来より固有であった政治屋としての資質」が,失政(失敗ないしは失態)の連続を招来してきた。

 自民党政権(下駄の▼ソである公明党も野合するこの政権)の内部では,遅まきながらとはいえ,この安倍晋三ではもうダメだという共通認識が合意として形成されつつある。

 

 「菅官房長官 安倍首相との関係微妙で『やってられるか』状態か」『NEWS ポストセブン』2020.04.20 07:00,https://www.news-postseven.com/archives/20200420_1557058.html(『週刊ポスト』2020年5月1日号)

  ◇ 迷走ぶりに一強が揺らぐ ◇

 1) 役人のメモを読み上げただけ

 非常時には強力な政権基盤をもつ「強い総理」でなければ危機を乗り切ることはむずかしい。新型コロナ危機にあたって国民は「一強」と呼ばれる安倍晋三・首相のリーダーシップに期待した。

 安倍内閣は大臣を首相のイエスマンで固め,官僚はいちいち指示しなくても総理の意向を忖度して動く。それは平時には批判の対象になるが,危機にはトップの号令一下,政府が一致団結して危機対応に当たる  “原動力”  になると思われたからだ。

 ところが,この総理はやることなすこと国民の神経を逆なでしている。466億円の “アベノマスク” に続いて,こんどはギターを弾きながら歌うミュージシャン・星野 源と,私邸のソファーで愛犬を抱いてくつろぐ自分のコラボ動画をツイッターに投稿し,たちまち「貴族動画」「現代のルイ16世」と批判が殺到した。総理の女房役の菅 義偉・官房長官は記者会見で “火消し” に追われた。

 「星野 源さんが歌を公開したことに総理が共感をし,今般の配信をおこななった。若者に外出を控えてもらいたい旨を訴えるにあたり,SNSでの発信はきわめて有効。過去最高の35万を超える『いいね』をいただくなど,大きな反響があり,多くの皆様にメッセージが伝わることを期待している」。

 補注)このSNSの発信については「いいね」以外に,「嫌だね」という反応が大量に寄せられていたと推測していい。つまり「いいね」を圧倒するほどに「嫌だね」の反応が発生していた。

 そう擁護した。「いや,あの会見はとても総理を擁護しているようにはみえなかったな」。自民党ベテランは,菅氏の様子に別の印象をもったという。

 2) 菅官房長官もついに愛想を尽かした?

 「菅さんが総理を本気で守るときはもっと高圧的で断定的ないい方をする。加計学園問題では文科省資料を『怪文書みたいなもの』と一刀両断してみせた。それに比べて,今回は役人のメモをボソボソと読み上げただけ。マスクもコラボ動画も安倍側近官僚の入れ知恵といわれており,菅さんは役人を重用する総理と距離を置きたいんじゃないか」。

 これまで菅氏は安倍政権の大黒柱として国の危機管理に手腕を発揮してきた。とくに「初動が早く,指示も的確だった」と官僚に強い印象を残しているのが4年前の熊本地震(2016年4月14日)の対応だ。一報を受けると真っ先に官邸に駆けつけ,被害状況の把握と応急対策を指示し,発生から1時間半後には官邸で対策会議を開く準備を整えた。

 時には総理の “女房役” として耳に痛いことも直言する。昨〔2019〕年秋,萩生田光一文科相の「身の丈」発言で英語民間試験を導入する大学入試改革に批判が高まると,菅氏は「いまからでは間に合わない」という文科省官僚の抵抗を押し切って安倍首相に導入延期を進言し,延期を決断させて批判を封じこめた。

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 しかし,首相は菅氏が「令和おじさん」として注目されると警戒してしだいに遠ざけるようになり,今回のコロナ危機では,菅氏は安倍首相から危機管理の指揮権も情報さえも与えられていない。

 3) 安倍官邸への決別宣言

 それを物語るのが,安倍首相が全国一斉休校要請を突然発表したとき,休校に慎重だった菅氏が決定を直前までしらされていなかったことだ。最終判断は発表当日(2月27日),官房長官がいない席で,首相と今井尚哉・総理補佐官らごく一部の側近だけで決定されたとされる。

 菅氏自身がその経緯を参院予算委員会でこう説明している。「どうするか(首相と)議論した。『最終的には首相のご判断ですよ』とも申し上げた。4~5日間議論して,首相がその日午後,判断されたと聞いた」。

 全国の小中高校を休校させるには文科省総務省をはじめ多くの役所が関係する。その重大な決定をおこなう会議に,「行政各部の総合調整」を所掌事務とする内閣官房長官が呼ばれないというのは異例中の異例だった。

 菅氏に近い議員は,それ以上に菅氏がみずから内情を明らかにしたことに驚いたという。

 「菅さんの反対を総理が聞き入れなかったことはこれまでもなんどもあったが,そのやりとりをいっさいいわないのが菅さんの基本姿勢でした。しかし,今回は裏事情を国会で答弁し,しかもみずからが “部外者” であったことを隠しもしなかった。安倍官邸との関係が悪化し,国の重要な決定が官房長官抜きで決められることに, “やってられるか” と感じているからでしょう。こんな体制では感染対策は無理だという批判,安倍官邸に対する決別宣言だと感じた」。

 補注)いうまでもないと思うが,この代わりを務めているのが今井尚哉補佐官(たち)である点は,すぐに理解できる。

 官房長官が国政の重要事項に関与できなくなれば,残る仕事は毎日2回の定例会見をおこなう “ただのスポークスマン” だ。「君,君たらざれば,臣,臣たらず」。中国の法家の書「管子」にある言葉だ。

 政権を支えてきたと自負する菅氏が,安倍首相の仕打ちに屈辱を感じなかったはずがない。菅氏は首相を “支え甲斐がない上司だ” と愛想を尽かした。それからの官房長官会見は精彩がなく,会見でも役人が書いたメモを棒読みするばかりになった。政権を支えるモチベーションを失っていることが傍目にみてとれる。

 「総理の動画アップについても菅さんが相談を受けていたら止めていたでしょうが,しらされないまま,批判を浴びると会見で説明責任だけ押し付けられた。菅さんは感染対策が一段落した時点で官房長官を辞任する腹を固めているでしょう」(同前)。

 こうして総理と官房長官が「官邸内別居」の状態になったことが,政府のコロナ対応を迷走させていく。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。

 「安倍首相は “強いリーダー” 像をかかげてはいるが,もともとトップダウン型ではなく,バランス型の総理。政策判断ではブレーンや部下が提案した案のうちどれにするかを選ぶ。その案に役人が反対すれば,官僚人事を握る菅官房長官が抵抗をはねのけて実行していくという役割分担だった。だが,決定するのは安倍,実行するのは菅という政権運営の仕組が崩れ,口うるさい “女房役” がいなくなった安倍首相がみずから危機管理の司令塔になると,政府の方針がコロコロ変わるようになった」。

 この肝心なときに官邸は機能不全に陥った。


 「韓国政府,借金せずに7兆ウォンの災害支援金どこから引っ張ってきたか」中央日報(日本語版)』2020.04.19 11:41,https://s.japanese.joins.com/JArticle/265005?sectcode=200&servcode=200&fbclid=IwAR0K3gtcZRxWXI22YP4oAX4l2uwTjertcXvJ6b5wMIOqOxA14S6zpnHeJNo

 韓国政府が,緊急災害支援金支給に使う7兆6000億ウォン(約6711億円)を調達した。9兆7000億ウォンのうち,中央政府がそれだけの費用を出し,残り2兆1000億ウォンは自治体の担当だ。所得下位70%を対象に4人家族基準で100万ウォンを給付するというのが,韓国政府の計画だ(国会が支給対象と金額を変えることもできる)。

 「国の財政がぎりぎりなので,借金をこれ以上増やさない」という当初の政府の約束も守った。代わりに政府は,すでに使うことにしていた事業の一部を減らしたり後回しにするかたちで,資金を節約した。どこで減らしたのだろうか?

 ◇-1 「やりやすい」公務員の年暇補償費削減

 公務員に払う資金7000億ウォンを災害支援金の財源に回す。年次休暇を使わなければ,支払われる年暇補償費を全額削減した。新型コロナウイルスの余波で公務員の採用が延期されたのに伴い,使用を先送りできるようになった人件費も,災害支援金に使う。洪 楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は,「年暇補償費減額措置は公務員が国民的な痛みを分担するのにもっとも効果的で速やかに参加する案」と話した。公務員労組は「公務員の賃金は権力の小遣いではない」として反発した。

 ◇-2 ステルス戦闘機とイージス艦の購入先送り

 国防予算を9000億ウォン削減する。F-35Aステルス戦闘機3000億ウォン,海上作戦ヘリコプター2000億ウォン,広開土3イージス艦事業1000億ウォンなどが含まれた。F-35購入費などの執行を来〔2021〕年に先送りしようという話だ。

 軍戦力低下の懸念が出ているが,国防部は「海外導入事業予算が削減されても兵器戦力化スケジュールに支障はない」と説明した。軍施設と鉄道投資事業も,先送りや削減で資金を節約する。これとともに,金利原油価格が下がり節約できる費用5000億ウォンも,災害支援金に活用する。

 ◇-3 これが重要な理由

 韓国政府が「絞れるだけ絞った」という評価が出ている。政府じたいも「痛みの分担」という表現を使った。こうして国の資金を節約はした。変数は国会だ。「共に民主党」は,災害支援金の「全国民支給」の原則を守っている。100%支給するには13兆ウォンの資金が必要というのが,政府の推算だ。追加で確保すべき約4兆ウォンは政府が用意しなくてはならない。

 これ以上引っ張〔ってこ〕れるものもなく,結局は国の借金を増やす以外に妙案がない。その上新型コロナウイルスにともなう経済的な影響は,これからが始まりだ。今後国の資金の用途は多いという意味だ。昨〔2019〕年の国の債務は728兆ウォンだ。今年は800兆ウォンを超えるのが確実だ。増えた国の借金は将来,われわれの税金負担として戻ってくることになりかねない。(引用終わり)

 韓国政府の新型コロナウイルスの感染拡大「問題」に対する対応措置のうち,とくに軍事関連予算の転用が関心を惹く。日本でもむろん,防衛費の一部をコロナ対策に充てろという意見は出ている。しかし,いまの安倍晋三政権の基本姿勢にあっては,そうした方向性はまったくうかがえなかった。

 

 「安倍6月退陣で『麻生首相』の悪夢」毎日新聞』2020年4月16日 05時00分(最終更新 4月17日 12時18分,https://mainichi.jp/sunday/articles/20200414/org/00m/010/002000d(『サンデー毎日』2020年4月26日号)

 この記事は題目の紹介だけにしておくが,その趣旨はよく理解してもらえると考える。麻生太郎内閣総理大臣を務めたのは,2008年9月24日から2009年9月16日であったが,このあと民主党政権が誕生した。総理大臣は鳩山由紀夫であった。


 普天間基地辺野古移設 設計変更を沖縄県に申請 防衛省『NHK NEWSWEB』 』2020年4月21日 15時37分,https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200421/k10012397871000.html

 日本にとって,とくに国民たちにとってみればまったく不急不要である「国家予算の無駄遣い」が,いまも沖縄県で進行中である。新型コロナウイルスの感染拡大の取り組みと克服が,いま深刻な国家緊急の課題になっているときでも,なお,このような軍事費関連の浪費がなされている。20年先になっても,在日米軍という「占領軍」がまだ,日本の国土を支配・専有していくために必要な代替用軍事基地を提供するために,日本政府はこのように膨大な予算をかけて,いつ竣工するかどうかの見通しがよくつかめない埋め立て工事を,強引に推し進めている。

 防衛省は2018年12月,名護市辺野古の埋め立て予定地に土砂の投入を開始し,浮上してから20年以上になる移設計画は,新たな段階に入りました。これに対して,沖縄県の玉城知事は「県民の怒りはますます燃え上がる」と述べ,強く反発しました。

 

 その1か月後の去〔2019〕年1月,当時の岩屋防衛大臣は,埋め立て区域の4割余りで改良が必要な軟弱地盤がみつかったことから,「どのような工法がもっとも適切か判断し,必要な手続きを適正にとる」と述べ,沖縄県に,設計の変更を申請する考えを表明します。

 

 政府は,軟弱な地盤を強固にするためにはむずかしい工事が予想されるとして去〔2019〕年9月,土木や地質などの専門家で作る検討会を発足させてくいの打ち方などについて6回にわたって意見を求めましたが,異論は出されませんでした。

 

 去年12月の検討会で,防衛省は設計の見直しにより,完成までの工期がおよそ12年,経費が9300億円に上るとした概略を示しました。

 

 防衛省は2018年12月,名護市辺野古の埋め立て予定地に土砂の投入を開始し,浮上してから20年以上になる移設計画は,新たな段階に入りました。これに対して,沖縄県の玉城知事は「県民の怒りはますます燃え上がる」と述べ,強く反発しました。

 

 その1か月後の去〔2019〕年1月,当時の岩屋防衛大臣は,埋め立て区域の4割余りで改良が必要な軟弱地盤がみつかったことから,「どのような工法がもっとも適切か判断し,必要な手続を適正にとる」と述べ,沖縄県に,設計の変更を申請する考えを表明します。

 

 政府は,軟弱な地盤を強固にするためにはむずかしい工事が予想されるとして去年9月,土木や地質などの専門家で作る検討会を発足させてくいの打ち方などについて6回にわたって意見を求めましたが,異論は出されませんでした。

 

 去年12月の検討会で,防衛省は設計の見直しにより,完成までの工期がおよそ12年,経費が9300億円に上るとした概略を示しました。

 その辺野古の新基地建設予定地のための埋め立て工事が『 “マヨネーズのような” 超軟弱地盤』において進行している事実は,この問題について少しでも関心のある人ならば周知の事実である。もしかしたら,この埋め立て工事は10年先になっても完了できない可能性がある。この点は確実にその予想のなかに入れておく必要がある。

 現状に関していえば,政府はそのような国家予算に充てる金があるならば,当面する重大・深刻な問題である新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためにまわし,活用すべきである。

 

 経団連の役割が問われている」日本経済新聞』2020年4月23日朝刊13面「企業2」

  ◆「〈 FINANCIAL TIMES 〉 新型コロナが証した『日本株式会社』の幻」◆

 a) つらい試練の時には,十分実績があるスローガンが必要になる。安倍晋三首相は先週,日本の製造業に最前線で働く人びとへの支援を呼びかけた時,定番の表現を使った。この努力は「オールジャパン」の取り組みになると約束したのだ。

 協調的で一致団結した「日本株式会社」のイメージからすれば,こうした言葉を口にする必要もなかった。メディアも市場も,危機はいずれ日本の集団的な力を引き出すと想定してきた。

 日本の有力企業はデジタル革命に乗り遅れたかもしれない。ただ現在の状況においては,日本がふんだんにもっているとされる別のスキルが必要となってくる。秀でた組織力,最高品質の製品の大量生産,すべての懸念をわきへ置き,国益のために協調する本能,といったものだ。

 b) ところが,ソニートヨタ自動車パナソニック,シャープなど一握りの企業から,マスクや防護服の生産について,控えめな約束が出たことを除けば,日本株式会社全体を覆う沈黙が目立つ。専門家からは,一枚岩でない企業の姿勢が,想像の世界で生きている「日本株式会社」が存在していない証拠となるかもしれない,との声が上がっている。

 日本が動く仕組の説明としての日本株式会社論は,いくつかの理由からもちこたえてきた。ひとつは,なかなか消えない株式の持ち合いだ。また日本企業は株主優位という概念について,長年懐疑的だという見方もされてきた。こうした見方は株主に還元されないまま眠る現金の山をみるだけでなく,今回の危機によって正しさが証明されたようにもみえる。

 c) 経済産業省の振るまいいも例外ではない。日本がまるで統制経済下にあり,企業のM&A(合併・買収)を画策するといった権力を握っているようにみえた。

 しかし,国内で初の新型コロナウイルス感染者が正式に確認されてから3カ月経ったいまでも,「オールジャパン」の本能は目立ったかたちで発揮されていない。多くの企業は正しいことをしているとみられたがっているが,壮大な大義や集団的対応のもとに結束しているようにはみえない。

 日本経済団体連合会経団連)は,人を鼓舞するリーダーの役割を果たすことはおろか,組織化や政策立案の勢力として踏み出すこともない。

 トヨタは人工呼吸器の生産に乗り出すことはせず,自社工場で週600個程度のプラスチック製フェイスシールド(防護マスク)を生産したいと表明した。

 d) 政府の対策は,企業利益と政府の政策立案の間に溝を生んだ。ソフトバンクグループの孫 正義会長兼社長は,リーダーシップと戦略の明確さの欠如について,安倍政権を厳しく批判。防護服供給をめざす自身の努力を阻害する融通のきかない規制に絶望感を表明した。政治家がより積極的だった分野でさえ,企業は名乗りを上げることに消極的だった。

 ある大手企業の最高経営責任者(CEO)は,日本株式会社の存続はのちのち,さらに大きな試練が訪れるとみる。大量倒産やリストラが発生し,業界全体の救済が必要になるという現実への対応が求められるが,財政が逼迫した政府にはできないだろう。(4月22日付)=英フィナンシャル・タイムズ特約 (引用終わり)

 内部留保をいままで,たっぷり溜めこんできた日本の大企業体制,個別経済側の総括・代表機関である日本経団連の動きの鈍さといったら,実に情けない連中が蝟集しているだけの財界組織だと感じさせるに十分である。いま,その組織力・機動力・資金力を有効に発動させないで,いつやるというのか?

 しょせんは,やはり,当面における「個別資本の論理:推進的動機である利潤追求」にしか関心がないのが,日本の大会社群なのか? 新型コロナウイルスの感染拡大「問題」に対して社会的責任を果たす役割などは,半世紀も前から企業人にとってみれば,常識に属するの事業項目ではなかったか? いまどき,不可避の経営課題のひとつになるのが,その時々の状況のなかで要請される社会的責任の起動であった(と思いたいが)。

 現代の企業にとってみれば,社会貢献するという事業理念・意識も当然,不可避の価値前提になっていたはずである。ところが,社会的影響力がきわめて大きく有効である大企業集団の反応ぶりが,今回における新型コロナウイルスの感染拡大に対面したなかでは,一定の姿勢を構えて対応しようとする会社があるのかどうかさえ判然としていなかった。

 この “不活発な対応ぶり” は,いまどきにもなってだが,日本の大企業体制が対社会関係において,不健全さをまだ残存させている事実を示唆している。そのあり方は,19世紀的だという意味あいで,前期的な資本主義体制を想起させるほどに不気味であり,いうなれば時代錯誤である。

 このさい,新型コロナウイルスの感染拡大「問題」と戦うためであれば,大企業集団も「もてる力・できる技術や能力」を最大限に発揮させて,政府とともに戦うのだという「意思の表明」がなされており,すでにその共同戦線が組まれて「実践(実戦)状態」になっているかと思いきや,トンデモない,そうではなかった。

 アベ政権も政権ならば,日本経団連の腰抜けぶりもそれ以上にひどい。新型コロナウイルスに対する自社の対応だけに専心しているようでは,大企業の名が泣くというものである。経団連会長の中西宏明は日立製作所会長であるが,今後に向けて,日本を変革するための理念や展望をもちあわせていないのか。

 日本経団連ホームページに記載のある「経団連について  会長挨拶」を読んでみたらいい。自社の目先のことがらを優先的に意識した意見しか,彼は表明できていない。これでは,緊急事態宣言が発令されているいまの日本国において,大企業体制側の代表者である彼が,意義ある仕事ができるとは思えない。

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