攻撃型空母を日本の自衛隊は欲しいのか,アメリカ軍の下請け軍隊ならヘリ空母のままでよし

「不沈空母:日本」であるのに,ヘリ空母「いずも」を本格空母に改装,最高司令官安倍晋三によるオモチャ感覚の軍国化,F35も100機揃えるために軍事費1兆円

                    (2018年11月29日)

 

  要点:1 自衛隊の軍備を充実させていても,国民の健康生活は悪化しつつあり,梅毒・風疹の感染率増加中,安倍晋三君自身の脳細胞空洞化も深刻(2020年の現在新型コロナウイルス感染拡大「問題」の猛襲を受けている最中)

  要点:2  「守るも攻めるも鉄」の軍艦出雲ならぬ「護衛艦という名」のヘリ航空母艦「いずも」は,なんのために本格空母に改装したいのか?(2020年の現在,コロナウイルスから国民の生命を護ることが最優先の課題である)


 朝日新聞』の報道から

 1)「事実上の『空母』検討 『いずも』改修念頭 大綱明記へ」『朝日新聞』2018年11月27日夕刊2面「総合」

 政府が年末に改定する防衛計画の大綱(防衛大綱)に,事実上の「空母」の導入を盛りこむ方向で検討していることがわかった。海上自衛隊護衛艦「いずも」の改修が念頭にある。岩屋毅防衛相は〔11月〕27日午前の閣議後の記者会見で,いずもについて「できるだけ多用途に使っていけることが望ましい」と述べた。

【参考画像】

 以下の画像は,海上自衛隊の「いずも」(後方)と「ひゅうが」(前方;いずれも『護衛艦』と称しているが〈ヘリ空母〉)である。最新鋭のいずも型「ヘリ空母」であれば,オスプレイも離・着艦できなくはなさそうにみえる。

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 出所)http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-754.html

 

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 出所)http://milmate.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

 補注)これは「いずも」(上)と「ひゅうが」(下)の甲板画像を比較したもの。いずも型(上方)のほうは,全長 248m × 最大幅 38m あり,航空機と車両を格納可能である。「  ↑  画面 クリックで 拡大・可」すると,「いずも」の看板には「オスプレイ」の機影が描かれている点が,より鮮明にみえる。⇒また「ひゅうが型ではオスプレイは難なく運用する事が出来」る,とのこと。

 註記)http://milmate.blog.fc2.com/blog-entry-3.html

 防衛省は基地が少ない太平洋地域の島嶼(とうしょ)防衛を理由に,基地が破壊されたときの代替滑走路としての運用を想定する。いずもを事実上の「空母」とし,垂直着艦できる米国製の戦闘機F35Bを運用する方針。岩屋氏は会見で,F35Bについて「短い滑走路で離陸をすることができる性能をもった航空機」と説明した。

 いずもを念頭にした事実上の空母導入やF35Bについては,自民党が提言していた。ただ,空母や艦載機を保有することは,憲法が定める「専守防衛」から逸脱するとの懸念が強い。野党の反発は必至だ。

 補注)「専守防衛」? 2016年3月末に施行された米日安保関連法にしたがえば,米軍の尻馬に乗るようにして海外に自衛隊を,実質的にはいくらでもできるのだから,専守防衛という表現を使うことじたいが,形容矛盾という以前に “支離滅裂な軍事用語の使用法” である。在日米軍が日本を守る軍隊ではない事実は,この軍隊がアメリカの世界軍事戦略全体のなかで位置づけられている点からも明瞭である。

 米軍との共同作戦・軍事的な行動面に関してみれば,すでに米軍側が実質的に自由にできている日本の自衛隊3軍であるゆえ,「専守防衛」を日本の軍隊でおこなうのだとか,できるのだとかいった次元の表現からして,もともと奇妙ないいまわしである。

 在日米軍に従属,奉仕し,支援する軍隊が,現在における日本の自衛隊の本質(本性:役目:任務)になっているなかで,「専守防衛」ということばだけを振りまわしたところで,いったい日本の軍事問題のなにを語りえたことになるのか。この疑問に対する答えについてだけは,しごく簡単に語れる。

〔記事に戻る→〕 また岩屋氏は,軍人恩給費などの関連経費を防衛費に合算して対GDP(国内総生産)比を引き上げる手法について「防衛関係費のあり方については年末までにおこなう防衛大綱の見直しの一環としていま,検討をおこなっている」と述べた。(引用終わり)

 ここで「軍人恩給費」とは「旧日本軍の軍人などに支給される恩給費」(年金)を意味するが,今後においてその支給対象者が減少していく点は,その対象者が旧大日本帝国の軍人関連である事実から理解できる。

 だが,以上の記事から示唆される「安倍晋三政権の本当の意図」は,自衛隊3軍が「安保関連法」下にあるこの国における軍事状況の推移にしたがい,その軍人恩給制度をそのまま継続して運用させることをもくろんでいる(たくらんでいる)。

 つまり,それは,自衛隊員に「名誉の戦死:お国のために命を捧げろ」といったふうな,いわば旧式の概念を押しつけるうえで不可欠とみられる「制度的な支援背景」を準備するための伏線であり,それもかなり露骨な画策である。

 「恩給制度の概要」の変遷については総務省のホームページに解説が出ているが 註記),これをそのまま,自衛隊員の「戦死者が登場する舞台:場面:状況」に備えて,軍事費(防衛費)予算のなかに正式に組みこみ,包摂させておくことの「歴史的な意味」が,いったいどこにみいだせるのか,国民たちはまだよく気づいていない。

 註記)「恩給制度の概要」は,http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/onkyu_toukatsu/onkyu.htm を参照されたい。
 
 つぎのNHKのニュースの文言のなかに秘められた “安倍晋三君の本意” が,どこにあるかは明白である。

   ★ 防衛費 軍人恩給など算入し 対GDP比引き上げ検討 ★
     =『NHK NEWS WEB』2018年11月27日 4時14分 から =

 

 政府はGDP=国内総生産の1%未満となっている現在の日本の防衛費について,NATO北大西洋条約機構の加盟国に準じて関連費も計上する新たな計算方法に変えて対GDP比の引き上げを検討しています。

 

 政府はアメリカが同盟国に国防費の応分の負担を求めるなか,日本の防衛費を,NATO加盟国に準じて関連費も計上する新たな計算方法に変えて対GDP比を引き上げることを検討しています。具体的には, 

  ▼ 旧日本軍の軍人などに支給される恩給費や,
  ▼ PKO=国連平和維持活動の分担金 

などを盛りこむことが調整されています。

 

 こうした費用と例年並みの増額をみこむと,防衛費は対GDP比で1.3%程度になるとみられ,対GDP比を引き上げることでアメリカの理解を得る狙いがあるものとみられます。

 註記)以上は,NATO北大西洋条約機構の加盟国に準じて関連費も計上する新たな計算方法。

 問題の中心は,「防衛費」「対GDP比で 1. 3%程度になる」「対GDP比を引き上げることでアメリカの理解をうる狙い」にあるのではなく,「NATO北大西洋条約機構の加盟国に準じて関連費も計上する新たな計算方法」を採るという名目のもとで,お国のためであれば自衛隊3軍から「戦死者を〈喜んで〉出せる」国家体制作りを狙っているところにみだせる。

 同じ軍事関連の予算であっても,国家予算のなかのどの分野・領域に分類・所属(振り分ける)させるかに,現実的な意味論として顕著な差が生じることは,「軍国主義者:安倍晋三」の心情に即して理解するよう努めないと見破れない。

 「専守防衛」? 日本におけるこの軍事概念はいまでは,すでに絵空事にすらなりえないような “弊履同然の現実理解” である。在日米軍と共同作戦・軍事行動ができるようになった自衛隊3軍の立場は「専守防衛」であるなどといったら,米軍関係者は(以前から)鼻先で笑っていたはずである。

 だから,この ① の 3)に引用する記事を紹介する前に,こういう意見を聞いておく余地がある。

 2)「集団的自衛権についての権力者の “嘘” ~ その16」『SINZI OGASAWARA 平和を愛する行動派弁護士 小笠原伸児』2014年7月19日 13:17,http://www.kyotolaw.jp/introduction/ogasawara/2014/07/16.html

 防衛省ホームページのトップページから「防衛省の取組」→「防衛省の政策」→「防衛政策」,そして「防衛政策の基本」へと開けてみてください。この 防衛政策の基本には「3  その他の基本政策」としてつぎのような記載があります。

 「わが国は,憲法のもと,専守防衛に徹し,他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従い・・・ 」。

 そして,専守防衛については,つぎのとおり説明されています。

 「専守防衛とは,相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し,その態様も自衛のための必要最小限にとどめ,また,保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど,憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいいます」。

 つまり,相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使するのが専守防衛政策であり,これまでの政府の公式説明です。

 ですから,わが国が攻撃を受けていなくても,わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し,これによりわが国の存立が脅かされ,国民の生命,自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があれば,自衛の措置として武力行使が許される,との閣議決定による今回の姿勢は,専守防衛政策の転換です。

 ところが,権力者は,専守防衛は不変,今後も専守防衛を堅持するといいます。嘘ではありません。本当にそういうのです。頭がおかしくなりそうですね。

 ということで,つぎの 3)に引用する記事は「専守防衛」を破壊しつくしてきた「この国における防衛問題に関する議論」を踏まえて読む必要がある。2016年3月末から施行されている「安保関連法」となるや,前段のような指摘「頭がおかしくなりそうです」という水準など,はるかに超え出たかたちで,「日本軍(自衛隊3軍)の軍事行動」を認める法体制になっている。

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  出所)護衛艦「いずも」(現況はヘリ空母http://www.kaikosai.com/event/izumo.html

 3)「『空母』導入,明記へ いずも型改修を想定 専守防衛外れる恐れ 防衛大綱」『朝日新聞』2018年11月28日朝刊4面「総合」

 政府は年末に改定する「防衛計画の大綱(防衛大綱)」に事実上の「空母」の導入を盛りこむ方向で調整に入った。海上自衛隊の「いずも」型護衛艦の改修を念頭に,垂直着艦できる米国製の戦闘機F35Bの運用を想定。太平洋の島を守るという安全保障上の理由をかかげる考えだが,憲法にもとづく「専守防衛」が空洞化することになりかねない。

 補注)F35Bに関する必要最低限の説明をしておく。F35Bは,アメリ海兵隊ハリアーⅡの後継機として使用するための STOVL(Short TakeOff and Vertical Landing タイプの短距離離陸・垂直着陸)機である。2008年7月11日初飛行,2015年7月31日に初期作戦能力を獲得している。

 ただし,F35Bの複雑な構造は整備性を悪化させており,航続距離はF35A/Cに比べて約2/3~3/4と,かなり短い。これは,リフトファンとシャフトが垂直離着陸時や短距離離着陸時にのみ使用され,水平飛行時は単なるデッドウェイトとなるだけでなく,それらを機体内部に収容する空間を燃料搭載量を削減して確保したせいである。同様の理由で兵装搭載量も20%ほど低下させている。

 註記)ウィキペディア参照。

 岩屋毅防衛相は〔11月〕27日,閣議後の記者会見で,「いずも」について「できるだけ多用途に使っていけることが望ましい」と述べ,事実上の「空母化」を大綱に明記する方向で検討していることを明かした。

 補注)兵器としての軍艦に対して「できるだけ多用途に使っていけることが望ましい」という留保を添えるのは,軍事学的にいっても邪道である。戦車に兵員輸送の任務は期待できないし,装甲車両に戦車の役目が発揮できるわけもない。ヘリ空母であるいずもに強襲揚陸艦の機能を期待する向きは当然ありうるが,それよりも安倍晋三君にとってはともかく,「本格空母の夢」をもう一度という事情(心境)なのである。空母は輸送船ではない。

 もっとも,形式論では「専守防衛」を標榜する日本国防衛相自衛隊が,強襲揚陸艦への転用というか,実践面でそのために利用できるヘリ空母を何隻も保有していることじたいからして,その発言そのものが腸捻転的な自家撞着を誘発させてやまない。つぎの引用文は10〔12〕年前の,海上自衛官の発言である。

 2008年の横浜国際航空宇宙展での講演において海幕防衛部装備体系課長の内嶋修一等海佐(当時)が,将来,多目的空母でF35Bを運用する構想に言及していた。その講演中に使用された参考図には「輸送能力(艦隊補給)」「脱滑走路(着艦可能)」「艦上整備可能」などと書かれていた。

〔記事に戻る→〕 防衛省関係者によると,〔2018年〕12月に閣議決定する防衛大綱で,「艦艇から戦闘機などの固定翼機が発着できるよう検討する」といった表現を盛りこむ方向で調整が進んでいるという。防衛大綱に明記することで,「空母化」が日本の防衛政策に位置づけられ,検討が本格化することになる。

 空母は「動く航空基地」と呼ばれ,日本の遠洋でも戦闘機を運用できる。歴代内閣は憲法にもとづき,自衛のための必要最小限度の範囲を超える「攻撃型空母」は保有できない,との見解を踏襲してきた。

 〔11月〕27日の参院外交防衛委員会では立憲民主党の白 真勲氏が「いずも」が空母になる可能性があるのか追及。岩屋氏は「空母化を目的として検討を進めているということではない」とし,攻撃型空母の保有についても否定した。

 しかし,空母の定義については「国際的な定義が確立しているわけではない」とかわした。護衛艦「いずも」は,全長248メートル。政府は甲板を改修し,米国製のF35B戦闘機を搭載できるようにする方針。航空基地が少ない太平洋地域の島嶼(とうしょ)防衛を理由に,基地が破壊されたさいの代替滑走路としての運用を想定している。F35Bの運用によっては,「専守防衛」の範囲を超え,「攻撃型」に転化しかねない可能性をはらむ。

 補注)こうした防衛問題に関する軍事的な発想をするのであれば,四方八方を海にかこまれている日本は「専守防衛」のためには,「いずも」のような空母が何隻あっても足りないはずである。この点はもちろん,在日米軍基地が存在していないならばという前提条件での指摘である。

  ※「太平洋を監視」必要性を強調 ※

 大綱明記を後押しするのは自民党だ。防衛大綱の与党ワーキングチームの座長を務める小野寺五典・前防衛相は今〔2018年11〕月19日の講演で,海洋進出を強める中国を念頭に「これまでは日本海東シナ海だったが,今後は日本の背後という考え方から太平洋を監視しないといけない」と強調した。

 太平洋地域については公明党幹部も「備えが必要だ」と指摘。防衛強化の一環として事実上の「空母化」を防衛大綱に位置づけることで,世論の理解をえたい考えがある。

 本格導入する場合でも,課題は多い。実際に運用する場合,任務用に加えて整備用,訓練用の計3隻が必要とされる。海自が現在保有している「いずも」型護衛艦は「いずも」と「かが」の2隻。1隻は新たに建造しなければならず,費用は2千億円近くなるという。

 補注)ここの指摘も重要である。1隻の空母が四六時中,つまり年中無休で運用できることはなく,保守・管理(定期点検や整備),乗組員の休養などの関係で,数年に1度は一定期間,動かせない時期も含んだ話題である。さきにも触れたように「四方八方を海にかこまれている日本」の「専守防衛」のためだというとき,いったい何隻の空母が必要になるというのか? こちらの点までも考慮に入れてする議論がまだなにもなされていない(筆者のしるかぎり……)。

 まさか,昭和15〔1940〕年時点で大日本帝国海軍保有していた空母の隻数まで妄想していわけはないと思うが,いまの時点で海上自衛隊が空母を何隻も保有したところで,現状における使い道としては結局,アメリカ海軍のお手伝い〔をさせられる〕程度である。対米従属国家にある米日軍事同盟下の現実的な状況を直視したうえで,モノをいったほうがよい。

 さて,つぎの図解は,外務省がまとめている『在日米軍主要部隊・戦力展開状況』である。「ここはどこ?」という印象を抱かないほうがおかしい。(画面 クリックで 拡大・可  ↓  )

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  出所)https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000098652.pdf

 戦闘機を積めば,中国の潜水艦警戒を念頭に現在は護衛艦に載せている哨戒ヘリコプターは下ろさなければならない。対潜水艦の警戒能力が落ちることは避けられず,防衛強化という本来の目的から外れかねない。海自関係者は「個人的には(空母化には)絶対反対だ」と漏らす。(引用終わり)

 それならば,もっと空母を増やせばいいではないかというふうな,安倍晋三君的な発想が当然頭をもたげてくる。

 

 日本経済新聞』の報道から
    - ① と重複する内容であるが,新しい報道も含まれている-

 1)「F35 最大100機を追加取得 政府検討,米から1兆円超で トランプ氏要求に配慮」『日本経済新聞』2018年11月27日夕刊1面

 政府は最新鋭ステルス戦闘機「F35」を米国から最大100機追加取得する検討に入った。取得額は1機100億円超で計1兆円以上になる。現在導入予定の42機と合わせて将来的に140機体制に増えるみこみ。現在のF15の一部を置きかえる。中国の軍備増強に対抗するとともに,米国装備品の購入拡大を迫るトランプ米大統領に配慮を示す狙いもある。

 〔2018年〕12月中旬の防衛計画の大綱(防衛大綱)の閣議決定に合わせて,F35の取得計画を見直し,閣議で了解する。2019~23年度の中期防衛力整備計画(中期防)にも取得方針を盛りこむ。現在はF4戦闘機の後継機として,F35Aを2024年度までに42機導入する計画で順次配備を進めている。

 F35は最新鋭の第5世代機と位置づけられ,現在日本が導入しているA型と短い滑走で離陸し垂直着陸できるB型がある。政府は今後,AとB型を合わせて最大100機の取得を検討する。現在約200機あるF15のうち改修が難しい100機を置きかえる。防衛省はF15について半分の約100機は改修して使いつづけることを決めているが,残りの100機について扱いを検討してきた。

 補注)ここで「改修が難しい」「F15」という内容に関する定義(基本の説明)が出ていない。素人にも分かるような説明を入れない記事は不親切である。一般論でいえば,前後する記述からも分かるように兵器・武器は「仮想敵国」のその武力的・性能的な水準に対応する関係があってこそ,入れ替えや新規化が実行されるのだから,改修困難といった表現だけでは,いったいなにを説明しようとするのか理解不能である。一読してすぐに納得のいく記事ではない。

 政府は2030年ごろから退役するF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の選定も進めている。中期防に今後の方向性を書きこむ方針だが,開発方法など詳細な決定は2019年度以降となる方向だ。現状では,日本企業の参画を認める米防衛大手ロッキード・マーチン社の提案と,三菱重工業など日本企業連合が主体となる案がある。

 F35の追加取得には,トランプ氏が米国装備品の購入拡大を繰り返し迫っていることも背景にある。高額の戦闘機を買い増し,トランプ氏が問題視する対日貿易赤字の削減圧力をかわす思惑もある。安倍晋三首相は9月にトランプ氏との会談で「米国装備品を含め,高性能な装備品を導入することが日本の防衛力強化に重要だ」と伝えていた。

 日米両政府は年明けにも物品貿易協定(TAG)交渉を本格化させる。年内に決める防衛大綱や中期防で装備品の購入増を打ち出すことで,交渉を有利に運ぶ思惑もありそうだ。政府は次期中期防で,外国機の監視にあたる最新の早期警戒機「E2D」を米国から最大9機追加取得すると明記する方向だ。総額は9機で3000億円超のみこみだ。こうした米国製の追加調達で防衛費は今後,増加するのが確実だ。

 周辺国は最先端の戦闘機の導入を進めている。中国は独自開発の最新鋭ステルス戦闘機「J20」を2月に実戦配備。2030年までに第5世代機を250機超導入するとの見方がある。ロシアも第5世代の「スホイ57」を2019年にも配備するとみられる。最新鋭機の大幅追加でこうした軍備増強に対応する。

 補注)前段の補注で指摘した疑問点に対するある程度の答えはここに書かれている。

 2)「『いずも』の戦闘機運用検討  防衛相,大綱改定巡り」nikkei.com 2018/11/27 10:30,https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38215470X21C18A1EAF000/

 岩屋毅防衛相は〔11月〕27日の閣議後の記者会見で,海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を改修して戦闘機が離着陸できる事実上の「空母」として運用することに前向きな考えを示した。

 「できるだけ多用途に使えることが望ましい。引きつづき研究,検討を進めたい」と述べ,防衛計画の大綱(防衛大綱)に盛りこむ調整していると明らかにした。

 搭載を想定する戦闘機「F35B」の導入についても「短い滑走路で離陸できる性能をもった航空機なので,研究はしている」と語った。自民党は5月にまとめた提言でいずも改修を念頭に「多用途運用母艦」の導入を求めていた。

 3)「防衛費,算定基準使い分け 対米NATO基準で上積み トランプ氏要求に配慮」nikkei.com 2018/11/28付,https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38245210X21C18A1PP8000/

 政府は防衛装備品の取得費など日本の防衛費について,国内と米国向けを使い分けて説明する方針だ。日本の防衛費の目安は国内総生産(GDP)比1%以内だが,同盟国の負担拡大を求める米国には北大西洋条約機構NATO)の算定基準を使い額を上積みする。米国からF35戦闘機を最大 100機取得し,防衛費じたいも増やす。日米物品貿易協定(TAG)交渉を有利に運ぶ狙いもある。

 岩屋毅防衛相は〔11月〕27日の記者会見で「防衛関係費のあり方は防衛計画の大綱の見直しの一環として検討している」と述べ,NATO基準による防衛費の算出を視野に入れていると認めた。防衛費は装備品の取得費や自衛官の人件費で構成する。2018年度は5兆1911億円。F35戦闘機など米国製の高額装備品の購入や過去に契約した装備品の後払い額がかさみ,4年連続で過去最大を更新した。

 日本の歴代内閣は国内や周辺国による防衛費拡大への懸念を抑えるため,防衛費をおおむねGDP比1%以内に収めてきた。2018年度も0. 92%だ。翌年度以降の防衛費を補正予算に前倒しして計上し,当初予算の防衛費を小さくみせる工夫もしてきた。

 補注)日本政府がGDPの経済統計を工夫してごまかし,大きく膨らませている事実は,2016年度以降発生しており,かつ「制度化」もさせられている。したがって,この数値「2018年度も 0. 92%」が「GDP比1%以内に収めてきた」というのは,眉ツバものである。それにしても,たいした違いでもない「%計算に関するいいわけ」的な説明のほうが,もっと「眉ツバ」以下である。

 政府は中国や韓国に日本の防衛費を示すさい,こうした従来基準で説明する。国防費のGDP比が2017年時点で3. 1%の米国や,1. 9%の中国と比べて低水準にあるとみせる狙いだ。政府関係者は「GDP比1%は事実上の目安だ」と話し,今後も原則1%以内にとどめる意向を示す。

 補注)それでなるほど,安倍晋三君がGDPを増やす算段(それを膨らますゴマカシ)に一生懸命だったのかという推理も浮かんでくるが,実に低次元の場面でのみ計算の方法をいじくりまくるという話題であった。

 一方,米国にはNATOの指針にもとづく防衛費をはじいて説明する。従来の防衛費に,軍人恩給費や国連平和維持活動(PKO)の分担金など防衛省以外の省庁が所管してきた経費をくわえる。「防衛関連経費」として従来基準の防衛費に上積みする。この基準だと2018年度のGDP比は1%を超える公算が大きい。

 米国向けに別途,防衛費を算出するのは,トランプ政権による同盟国などへの防衛費増額要求に応えるためだ。トランプ氏は安倍晋三首相と首脳会談をする際に米国製の高性能で高額な装備品の購入を増やすよう迫ってきた。

 NATO基準にもとづく防衛費の目安とするのが「GDP比 1. 3%」だ。トランプ氏はNATO各国に国防費をGDP比4%に増やすよう求めているが,主要加盟国のドイツは2017年時点で 1. 2%にとどまる。政府はドイツを上回る 1. 3%を達成すれば米国の圧力をかわしやすくなるとみる。

 補注)軍事費(防衛費)に関する議論がこのような数字いじりに終始している。それでいて,国防問題に関する本質的な議論がまともになされていない。トランプから強要されてアメリ軍事産業からの兵器・武器購入を,しかも高い値段で買わされているのが,安倍晋三君の弱い立場である。それでも安倍君は,日本の軍備が充実させられていくのだとでもいいたげに恍惚の表情を浮かべて喜んでいる。この様子をみせつけられる国民たちの立場は,ひたすらみじめというか,蚊帳の外のものでしかない。

 同時に従来基準の防衛費も増やす。政府は最新鋭ステルス戦闘機「F35」を最大で100機追加取得する検討に入った。現在導入予定の42機と合わせて約140機体制になるみこみで,取得額は1兆円を超える。F35の大量調達は一義的には最新の戦闘機を増強している中国軍に対抗するためだが,トランプ氏が問題視する米国の対日貿易赤字の削減につなげる狙いもある。

 補注)この記事の説明がおもしろい。まず「F35の大量調達は一義的には最新の戦闘機を増強している中国軍に対抗するためだが」,これは「トランプ氏が問題視する米国の対日貿易赤字の削減につなげる狙いもある」といわれるとき,本当にその一義的というところが絶対にそのようにいい切れるかという疑問がある。当面では,トランプにうるさく吠えられて,アベ君が怖がってしかたなく「F35の大量調達」を強いられた面が強い。だが,この取引は,本末がというか主客が転倒した話である。

 みすえるのは年明けに始まる日米のTAG交渉だ。ペンス米副大統領があらゆる分野を開放する「自由貿易協定(FTA)」と呼ぶなど,物品貿易にとどめたい日本への圧力を強めている。NATO基準にもとづく新たな防衛費の算出は,今後の通商交渉での取引材料になる可能性もある。

 ただ,どこまでNATO基準を厳格に日本の防衛費に適用するかは定まっていない。NATOには日本の海上保安庁に相当する沿岸警備隊などの予算も防衛費に含める国もある。日本政府内には「海保は警察機関。防衛費に含めれば国民が反発しかねない」との声もある。(引用終わり)

 ちなみに海上保安庁の年次予算は,2017年度が2106億100万円,2018年度が 2112億3100万円であった。自衛隊3軍のその総額:5兆円以上に比較したら桁違いである。それはさておき,つぎの問題を考えてみたい。

 

 「この国,なんの国,気になる国……」

 a) 本日,2018年11月29日『朝日新聞』朝刊「〈論壇時評〉外国人との共存  ずさんで不透明な壁が阻む」で,寄稿者の歴史社会学者・小熊英二が発言している。そのなかから,ごく一部分を任意に抽出しておく。

 --この国は,なにを守りたいのだろう。

 もちろん,差別のない社会はない。就労などの要件が,日本より厳しい国もある。だが日本の外国人政策には,系統的差別と呼ぶにも値しないような「ずさんさ」と「不透明さ」が目につく。(中略)

 最初の問いに戻る。この国は,なにを守りたいのか。「単一民族国家」を守りたがっているとは思えない。なぜなら「日本人」の記者や生活困窮者も,「自己責任」と切り捨てられているからだ。

 むしろ守りたがっているのは,「ずさん」で「不透明」な状態そのものかもしれない。ルールが不明確で,密室で決定でき,不服申し立てを許さず,責任が問われない。この状態は,上に立つ者にとっては,面倒が少ないだろう。

 --先進国の基準はGDPや軍事力ではない。

 最大の基準は「どのような争いや問題も公平に解決する法的制度と社会的規範の信頼性」であり,「多文化で移民に立脚するカナダのような国は,そうした社会資本なしには機能しえない」。

 文化や立場の異なる者にも通用する制度や規範を築くことは,楽ではないが,それなしに外国人と共存できる国は作れない。またこれは,外国人との共存だけの話ではないのだ。

 かくして,たとえば本日の報道によれば「外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改正案が」「参院本会議で審議入りし」,「与党は12月10日までの会期中に成立させる日程を描く」というのであり,これに対して「野党側は『欠陥法案』との批判を強め,今国会での成立阻止をめざしている」(『朝日新聞』2018年11月29日朝刊1面)という情勢になっていた。(引用終わり)

 最近までの安倍晋三によるデタラメ三昧の為政は,いまやこの日本という国家そのものを,完全に「欠陥製品」になりはてさせている。この実情が社会のすみずみにまで浸透し,まんべんなくゆきわたってしまった時代にはまりこんでいる。

 b)「風疹の流行拡大が深刻化… 原因は安倍政権の “無策” だった」『日刊ゲンダイ』2018年11月27日,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242434

 原因は政府の無策だった。風疹の流行が深刻化している。〔2018年〕11月11日までに報告された今年の累計患者数は2032人で,1万4344人が感染した2013年の流行以来,5年ぶりに2000人を超えた。

 補注)『日刊ゲンダイ』がこのように報道した関連の統計は,つぎのように説明されていた。

 「2013年以降の風疹報告数」は,「2013年(14,344人)の流行以降,2014年 319人,2015年 163人,2016年 126人,2017年 91人と減少傾向であったが,2018年は2,946人,2019年は2,306人が報告され,2020年は第19週時点で76人が報告された」。

 註記)「風疹に関する疫学情報 2020年5月13日現在」『国立感染症研究所感染症疫学センター』https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2020/rubella200513.pdf

 日本は欧米諸国に比べて風疹対策を怠ってきた。医学博士の左門 新氏によると,米国,カナダなどの北米と西欧ではすでに風疹の根絶に成功。先〔10〕月末には世界保健機関(WHO)がオーストラリアでの風疹が根絶されたと発表した。いずれも政府がワクチンによる予防接種を呼びかけたことが奏功したという。ところが日本は “ワクチン後進国” となっている。

 「風疹の予防接種は乳幼児と20歳までの2回でセットになっています。日本では20歳までの男女はこのセットを受けていますが,20歳以上は接種が1回きりで抗体が弱い世代や1回も受けていない世代があり,バラバラの状態。そのため大人の風疹患者の9割が30~50代の男性という結果です」(左門 新氏)。

 国立感染症研究所は9月に患者数を発表したさい,「このまま流行が継続すると,東京五輪パラリンピックへの影響が懸念される」と警告した。今〔11〕月5日,自民党厚生労働部会長の小泉進次郎衆院議員は,「風疹をなくそうの会」の共同代表と面会したさい,「東京五輪のある2020年までに撲滅できるよう,全力を尽くす」とコメントした。日本政府はいまになって五輪を意識し,慌てているわけだ。

 「政府がもっと早くから本腰を据えてワクチン接種を進めるべきだったのに,大流行がなかったので油断していたのです。だから欧米諸国に比べて10年遅れた。いま風疹ワクチンが不足しているとの情報もある。風疹の根絶に無策だった国の責任は重大です」(左門 新氏)。

 前回,風疹が大流行したのも安倍政権の時だった。あの時,対策をとっていれば,今回ここまで広がらなかった可能性もある。安倍政権は国民の五輪ムードを煽っているが,2年後,外国人観光客が風疹を敬遠して来日に及び腰になりかねない。

 補注)先日(10日ほど前),家人がインフルエンザの予防注射をしてもらうために近所の開業医を訪ねたところ,3軒目でやっと受けてもらえたとのこと。このワクチンも現在,不足状態。

 もっとも,2020年になって世界中を大慌てさせたのが,新型コロナウイルス感染拡大「問題」であった。こちらの話題はすでに,ほかの記述をいくつも充てて議論してきたので,ここではこの新型コロナウイルス用のワクチンがまだ用意されていない事実のみ指摘しておく。

  ◆ インフルワクチン需給,一時的に逼迫  厚労省が安定供給要請 ◆
       =『読売新聞』2018年11月27日 14:50 =

 

 全国でインフルエンザワクチンの需給が一時的に逼迫(ひっぱく)しているとして,厚生労働省は,製造会社と卸売業者に対し,ワクチンの在庫管理と流通を改善し,医療機関への安定供給に努めるよう,協力を要請した。

 

 厚労省によると,今冬のインフルエンザワクチンの生産量は約2720万本。例年の需要量より約100万本多く,全体でワクチンが不足することはない。

 

 ただ,ワクチンの需要は11月下旬から12月上旬にピークを迎えるため,現在,一時的に供給がゆきわたりにくい状況だという。厚労省予防接種室は「12月第2週ころには,供給が増えて,問題は解消する見通しだ」と説明している。

 c) 「梅毒患者,増加の一途 若い女性の感染が増加」(asahi.com 2018年6月27日09時32分,https://digital.asahi.com/articles/ASL6V32VVL6VULBJ002.html?iref=pc_ss_date

 性行為などで感染する梅毒の増加が続いている。昨〔2017〕年は44年ぶりに報告数が5千件を超し,今〔2018〕年も昨年を上回るペースという。地方都市や若い女性にも広がる。感染に気づきにくいため人にうつしやすい。自分とは無関係と思わずに予防を心がけ,心当たりがあれば検査を受けることが大切だ。

 補注)梅毒に関する統計については,つぎのホームページを参照されたい。

 ⇒「日本の梅毒症例の動向について (2020年4月1日現在) 『国立感染症研究所https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m-3/syphilis-idwrs/7816-syphilis-data-20180105.html  

 1)抗菌薬,12週間の服用が必要

 梅毒は,感染から数週間後に性器や口の感染部位にしこりや潰瘍(かいよう)ができる。ただ,治療しなくても症状が軽くなるため見過ごされやすい。数カ月後には全身の皮膚や粘膜に赤い発疹が出現。このときも治療せずに消えることがあるため,しらずに他人に移したり,治療が遅れて,記憶障害やまひなどの神経障害につながったりする恐れがある。

 予防には,不特定多数の人との性行為を避けることが重要だ。性行為の際は最初からコンドームをつけると,感染リスクを減らせる。日本性感染症学会副理事長の石地尚興(いしじ・たかおき)東京慈恵会医大教授(皮膚科)は「リスクのある性行為は避け,感染が心配なときは検査してほしい」と訴える。感染の有無は血液検査でわかり,地域によっては保健所で無料で受けられる。

 治療には抗菌薬が有効だ。ただし最長で12週間飲み続ける必要があり,「途中で断念してしまう患者もいる」と性感染症に詳しい産婦人科医の北村邦夫・日本家族計画協会理事長は指摘する。厚生労働省によると,海外では1度の注射で済む薬が使え,世界的に標準治療となっているという。現在,厚労省はメーカーに開発を要請している。

 補注)ここではとくに「海外では1度の注射で済む薬が使え,世界的に標準治療となっている」事実に注目しておきたい。先進国であるはずの日本だが,まだ治療に使われていないという梅毒治療用の「1度の注射で済む薬」の話題である。

 患者の大半は成人男性だったが,今回の流行では20~30代の女性にも広がる。妊娠した女性が感染すると流産や死産したり,赤ちゃんの肝臓や目,耳に障害が起こったりする「先天梅毒」になる恐れがある。厚労省によると,先天梅毒の赤ちゃんは2013年に4人だったが2016年は14人。厚労省研究班の報告書によると,2011~15年の間に赤ちゃん20人がなり,うち3人が死亡,3人に後遺症があったという。

 厚労省は4月,梅毒に感染した妊婦の早期治療につなげようと,診断したさいに医師に義務づけている届け出の項目に「妊娠の有無」をくわえる方針を決めた。また風俗業の従事歴なども項目にくわえ,感染経路を分析する方針だ。

 2)思い当たるさいは医師に申告を

 感染者が急増している梅毒。適切な対処法について,専門家に聞いた。梅毒は,オーラルセックスを含む性行為で主に感染する。日本性感染症学会副理事長の石地尚興(いしじ・たかおき)・東京慈恵会医大教授(皮膚科)は,コンドームをつけずに性行為をするなど「思い当たる感染機会があれば,受診時にきちんと医師に申告を」と助言する。

 感染すると,約3週間後に性器や口など感染部位にしこりや潰瘍(かいよう)ができる。これが1期と呼ばれる。感染から約3カ月後には全身に赤い発疹などが現れる。2期といわれる状態だ。つぎの画像資料がこの2期に現われる症状である。

 

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 出所)は以下である。

 患者の報告数は2017年は全国に5千人超だが,2012年までは1千人を下回り,梅毒を診察したことのない医師も多い。1期,2期の症状のみた目はヘルペスや薬疹などに似ている。このため,「梅毒に感染したかもしれない」と患者側から申告してもらわないと,見逃されてしまうことがある。

 治療には,抗菌薬のペニシリンが効く。感染からの期間によって違いはあるが,少なくとも2週間以上毎日,錠剤を飲みつづけることが必要だ。最近は20~30代の女性の感染も増えている。妊娠中に梅毒にかかると,胎児も感染する「先天梅毒」の恐れがある。

 日本大学医学部の川名 敬教授(産婦人科)は「まずはきちんと妊婦健診を受けて。不安になりすぎるのはよくない」とアドバイスする。国内では妊娠初期の妊婦健診で梅毒の検査をしている。この検査結果が陽性でも,ペニシリンなどの抗菌薬を一定期間のみつづければ,母親は治り,胎児への影響も防げるという。

 梅毒は一度発疹が出ても消えて無症状になる時期があり,その間に感染を広げてしまう場合が多い。川名教授は「きちんと検査・治療をして,梅毒そのものを減らせれば,先天梅毒も減らせる」と訴える。

 妊婦に限らず,検査が無料で受けられる保健所もある。厚生労働省研究班が運営するサイト「HIV検査・相談マップ」(https://www.hivkensa.com/)で,梅毒についても各保健所の検査日時や予約が必要かなどが調べられる。

 3)全身に赤い発疹「じんましんかな」

 関東地方の20代女性は風俗店で働いていた昨〔2017〕年初め,民間会社の性病検査で梅毒に感染しているとわかった。数カ月前,全身に赤い発疹が出たが1週間ほどで消失。「じんましんかな」と思い,病院にはいかずに働きつづけていた。

 検査のあとすぐに病院へいき,処方された抗菌薬ペニシリンを1カ月間使って治った。仕事はやめた。店の客には家族をもつ男性も多く,「自分がしらないうちに感染を広げていたかと思うと申しわけない。従業員に定期的に性病検査を受けさせない店はとり締まってほしい」と話す。

 原因は「梅毒トレポネーマ」という約0. 01ミリメートルの細菌。性器や口の粘膜,皮膚に感染し,性行為などでうつる。国内の患者は報告制度を始めた1948年に22万人。ペニシリンの普及や風俗業の規制強化で激減し,1990年代半ばからは年1千人未満で推移したが,この5年で急増している。

 国立感染症研究所のまとめによると,2017年の患者は5829人で,2014年の約3. 5倍。この間に患者が2倍以上増えた都府県は38に上る。高松市は7倍(2017年 49人),青森県は31倍(同63人)と急増している。

 補注)つぎの図表は東京都がまとめている梅毒患者数である。

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 出所)http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/syphilis/syphilis/

 青森県の担当者は「男性患者は20~50代以上まで各年代にばらけるが女性は10~20代が多い。原因はまったく分からない」と話す。性感染症の患者を多く診る松木泌尿器科医院(高松市)の松木孝和院長は「増加の原因は診断技術の向上という意見もあるが,患者は間違いなく増えている」と指摘。「外国人も含めて風俗店に通う客の増加が関係しているのではないか」とみる。

 一方,日本家族計画協会理事長の北村さんは「SNSでしりあった相手と気軽に性行為をするなど,若い人の行動変化も一因かもしれない」と語る。(引用終わり)

 安倍晋三君の大嫌いな「歴史の事実:旧大日本帝国陸海軍」の付設施設『慰安所』(従軍慰安婦)の問題も,実は軍隊内における性病の蔓延対策としての意味あいが強くあった。ところが,21世紀になったいま,人口も急速に減少しつつあるこの国(安倍晋三政権)が,いわば,もっぱら在日米軍のために貢献するための軍拡路線にうつつを抜かしているあいだに,民生部門においては深刻な現象(医療問題)がぶり返しはじめ,その罹患数が増加しだしている。

 なかでも,先進国であるつもりのこの国が「梅毒に対する治療問対策」としてみるとき,「海外では1度の注射で済む薬が使え,世界的に標準治療となっている」にもかかわらず,これがまだ準備も提供できていないという。これには,びっくりである。風疹予防に関する医療体制もしかりであって,全般的に予防対策からして基本的に手抜かりがあるとしかいいようがない。

 ここで,「朝日川柳(西木空人選)」『朝日新聞』2018年11月29日朝刊から,1句引用。

  “ああ空母   次は戦艦   出番待つ” (東京都,野口嘉彦)

 最後に一言,仮に海外に出撃していった海上自衛隊の「空母の乗組員」が,寄港先で一定の女性軍に迎撃され,梅毒などで撃沈(破砕?)されたりしたら,せっかくの本格的な護衛艦「空母」の存在価値も薄らぐおそれはないか。というよりは,いまどきにあって日本国内ではさきに,風疹や性病に対する予防体制の確立が緊急に要請されている。安倍晋三君の為政の欠点ばかりがめだているが,さらにこれに公衆衛生面の問題がくわわっている。

 

 天木直人のブログ』が解説する,安倍晋三の買弁的・反民族的・非国民的な対米追従・下属精神の,どこまでも卑屈な発揮ぶり

 1)「自国民より米国優先の売国ぶりが常態化した安倍首相」『天木直人のブログ』2018-11-29,http://kenpo9.com/archives/4490

 安倍首相が訪米し米国上下院合同議会で演説したことがあった。2015年4月29日のことだ。あのとき安倍首相は,集団的自衛権行使の道をひらく安保法案の成立を米国議会で公約した。そのとき日本では安保法案の国会提案,説明はおろか,閣議決定すらされていなかった。

 補注)その日付け:4月29日とは昭和天皇の誕生日。意味深長な暦上の日にちである。

 それにもかかわらず米国議会でやはばやと公約したのだ。これ以上ない,国会軽視,国民軽視の,亡国の首相は,安倍首相の後にも先にも出て来ないだろう。そう私は当時の安倍首相を批判したものだ。ところが,また再び,安倍政権は売国ぶりを発揮した。

 きょう〔2018年〕11月29日の日経新聞が報じた。政府は来〔2019〕年1月にも,複数年度の防衛費の総額を米国に説明すると。12月中旬に決める中期防衛力整備計画(中期防)を踏まえ,北大西洋条約機構NATO)の算定にもとづいた規模を伝えると。

 あのときとそっくりだ。政府はまだ中期防の内容を国民に伝えていない。それどころか閣議決定することさえまだだ。そんな中期防の数字を,しかも複数年度分,まとめて米国に提示するというのだ。いくらなんでもそれはないだろう。

 そう思ったら,その理由がふるっている。来年早々には日米物品貿易協定で米国からの圧力を受けるのは必至だ。その風圧を少しでもかわすために,防衛予算を大きく引き上げますと,トランプ大統領に説明するためだという。

 どこまでいっても度しがたい対米従属ぶりだ。こんなことを許すようではこんどこそ野党はお終いである。入管法改正案反対のパフォーマンスをやっている場合ではないのである。

 2)「自国の防衛関連企業より米国の軍需産業を優先する安倍首相」『天木直人のブログ』2018-11-29,http://kenpo9.com/archives/4491

 自国民より米国を優先する安倍首相の首相失格についてはオチがある。今日〔2018年〕11月29日の東京新聞が一面トップで大きく報じた。防衛省は今〔11〕月はじめ,国内の防衛関連企業62社に対し,2019年度に納品を受け取る防衛装備品代金の支払いを2-4年延期してほしいと要請した事が関係者への取材でわかったというのだ。

 その理由は,高額な米国製兵器の輸入拡大で,「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンの支払いが急増しているからだという。いわゆるリボ払いのしわ寄せを国内企業に押しつけているのだ。ここまで異常な状態になっているのだ。

 これでは米国の戦争に巻きこまれて犠牲者が出る前に,軍事負担の増大で国民経済が破綻して犠牲者が出てしまう。まさしく本末転倒の安倍対米従属政権である。天木直人の引用終わり)

 以上のごとき指摘・批判は,2020年5月下旬の現段階になっても,なんら変わる点がなく,さらに的確に妥当する。それどころか,安倍晋三の為政(外交)は一貫して,トランプの「 🌑 🌑 を舐めまわすしぐさ」しかみせていなかった。

 それゆえに,米国が日本を支配し,服属させる「この2国間の国際関係秩序における軍事同盟関係」がますます進展させられてきた。そればかりか,安倍晋三はとりわけこれまでの首相たちとは大きく異なって,日本の首相である立場から進んで米国に属国したがり,その意味でも売国精神を存分に発揮し,この亡国精神のために自国の主体的な政治体制を大いに破損させてきた。

 2012年12月26日に発足した第2次安倍政権の,ここまで7年と5ヵ月もの長期間は,彼が推進(?)させてきた米日間の外交過程そのものを回顧してみるに,まごうこともなく,この日本の対米属国状態をより強化させた「歴史の事実」以外のなにものでもなかった。

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