アベノマスクから公文書管理体制に観取できる「安倍晋三・麻生太郎・菅 義偉:自民党政権」の体たらくぶり,時計の針さえ止めている時代没落「性」(2)

安倍晋三首相,麻生太郎副首相兼財務相に劣らず,政治家としてのダメさかげんを誇る菅 義偉官房長官の公文書「観」は,民主主義国家体制においては埒外で落第


  要点:1 まともな為政をおこなっているつもりならば,公文書に残せないような政権の記録はなにもないはずだが,新型コロナウイルス感染拡大「問題」についても「偽造・捏造・安倍晋三」的に隠蔽しようとする以前の段階で,極力,会議の記録を残さない立場を,堂々と表明している

  要点:2 国家の「今後における発展のため」には必要不可欠である今回における新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関して,通常の議事録を作成しないといって憚らない,菅 義偉官房長官風のこの国家体制は,民主主義の基本理念から異常に逸脱している

  要点:3 公文書による記録保存を完全に無視したい安倍晋三政権は,国家を根幹から破壊する行政管理に偏向しており,独善でしかない専制的独裁志向政治体質

本ブログの「(1)」は,以下に記述してあるので,興味ある人はこちらも,できればさきに読んでほしい。


  新型コロナウイルス感染拡大「問題」に取り組んでいる専門家会議が「懇談会に該当」するという政府(菅 義偉官房長官)の発言は,前近代的な発想であり,まともな民主主義国家体制における文書の記録・保存を完全にないがしろにする独裁志向である

 1)「議事の記録,作成が必要 コロナ専門家会議,菅氏『懇談会に該当』」朝日新聞』2020年6月2日朝刊4面

 世紀の歴史に特筆大書されるべき,それも世界史から各国史にまで当然に,重大事件の発生として記録されるにちがいない,2020年になってからすでに半年近くもの長期間,地球上の人びとをパンデミックとして襲っている新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関して,日本の場合では,政府の対策・実行ために置かれている専門家会議における「疑議事の記録・作成」は,この会議が懇談会に該当するものだから詳細には残す必要がない,というのが官房長官である菅 義偉の発言であった。

 ともかく,この記事をつぎに引用するが,政治学行政学)や経営学(管理学)を勉強してきた本ブログ筆者のごとき人間からすると,この政府要人はなにをトチ狂ったことを口にしているのか,前世紀の社会主義独裁国家における発想に似ているとびっくり仰天するほかない。

 --新型コロナウイルス感染症への対応を検討する政府の専門家会議の議事録が残されていない問題で,菅 義偉官房長官は〔6月〕1日の記者会見で,専門家会議が公文書管理のガイドラインで議事の記録作成が必要とされる「懇談会」に該当するとの認識を示した。

 菅氏は会見で,専門家会議が「懇談会」に該当すると認め,「懇談会は発言者および発言内容を記載した議事の記録を作成されるもの」と説明した。しかし,その一方で「発言者と発言内容が1対1対応でないこともありうる」とし,「議事概要(要旨)」を作成すれば問題はないとの姿勢は崩さなかった。

 同ガイドラインでは「懇談会」について,「開催日時,開催場所,出席者,議題,発言者及び発言内容」を記載した「議事の記録」の作成を求めている。内閣官房朝日新聞の取材に対し,同会議は国の指針にもとづき「懇談会」に該当するものの,「公文書管理上の『議事の記録』を残している。一言一句残さないといけないようにルール上はなっていない」と説明した。

 補注)会議を録音することはごく簡単であり,その文字起こしもなんらむずかしい作業ではなくなっている時代である。新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関する専門家(医療問題)の発言・議論の内容を残すことは,「一言一句」を「残さないといけない」のは当たりまえである。ところが,菅いわく,それは「ルール上はなっていない」と。

 率直にいって「バカなことを,おっしゃるな」である。新型コロナウイルスの問題だからこそ,これにかぎってこそは,とくにしっかりとテイネイに(安倍晋三君流に得意の文句),政府の記録として書き留め,今後に残しておくことが必要不可欠である点は,あえて強調するまでもなく,彼らの立場にとってみれば当然の仕事(任務というまでもなく)である。それを「ルール上はなっていない」といって拒否している。この政府は体をなしていない。

 正直いって「頭がどうかしている」。政府がやるべきこと,それも最優先してもおこなっておくべき仕事(記録作成作業)を否定する立場を,恥ずかしげもなく披露している。安倍晋三の政治・行政は「偽造・捏造・安倍晋三」とヤユされているが,だから会議の記録は「ルール上は残さない」ようにしたいといっている(か?)。

 冗談にもならない。ごく素朴にいってもこれでは,政治要人の思考方式が狂っているとしかいいようがない(ズレているという程度ではけっして収まらない)。かつて,前世紀まではあった社会主義国家体制における最高指導者群がやってきた専制の独裁主義行政と,まったく同類・同質の考え方でよいとする立場が,いまの安倍政権の連中によって,臆面もなく表白されている。

 こういうことである。あと半世紀とか1世紀経ったとき,また今回のごとき新型ウイルスに日本も含めて世界中が襲われる可能性は,現実的な未来予測として十二分にありうる。そのときに備えて今回における新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対して,日本の政府はどのように対応・措置し,その経過・対策が展開され,その収束の状況がどのようになっていったのかなどについては,なるべく詳細にかつ正確な記録が必要である。この文書面に関する準備や整備は,行政学経営学の見地からみれば,当然も当然である基本的な要請である。

 それを「懇談会に相当する」のが,安倍晋三政権を補佐・助言していた専門家会議であったから,その記録をありのままに保存する手順は「ルール上はない」というのは,責任回避でなければ,きっと,自分たちの立場にとってみれば,なにかまずいこと(安倍政権にとってのそれ)があるからに違いない(と推理するほかなくなる)。日本における現在のごとき政府は,その意味では無責任な文書管理に関する意識しかもちあわせないことになる。しかし,冗談にもならない為政者たちのフザけた言説が,関連して平然と語られている。

 〔記事に戻る→〕 同会議の議事録は,5月28日に「不存在」であると一部で報じられた。菅氏は同29日の会見で,議事録がなくても同ガイドラインに沿って発言者が特定されない議事概要を作成,公表していると説明した。一方で,専門家会議のメンバーからは,発言者の記載がある議事録の作成を求める声が上がっていた。

 菅氏は6月1日の衆院決算行政監視委員会で,「別段止めるとか申し上げる立場にはない」と発言。専門家会議から議事録作成を求められれば,保存済みの速記録を元に作成を検討する考えを示した。

 ただ,公文書管理法は「現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする」(第1条)と定めている。新型コロナ対応のような歴史的な出来事であれば,事後の検証のためにもすでてのやりとりを残すことが必要とする専門家の見方もある。(引用終わり)

 一言でいって菅 義偉官房長官の発言(発想)は,国家の基本業務である文書管理(作成という基本的な任務・仕事)について「逃げの姿勢」を露骨に示している。

 ちなみに,新型コロナウイルス感染拡大「問題」が世界経済に与える影響は,どう予測されているか? 世界大恐慌(1929年)やリーマン・ショック(2008年)にも比較される打撃を受けている。

   ★ 世界成長率,コロナ収束期が左右 長期化ならマイナス8%に ★

    =『東京新聞』2020年6月9日 00時00分(共同通信・配信記事)=

 

【ワシントン共同】 世界銀行が発表した世界経済見通しでは,景気回復や成長率が新型コロナウイルスの収束時期に大きく左右されることが鮮明となった。ただ,いずれの場合でもコロナの爪痕は甚大だ。 

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 感染が長期化すると悲観的にみた場合,景気回復は「いちじるしく力強さに欠ける」ため,2020年の実質成長率はマイナス8%に落ちこむ。早期に収束し「急激な回復が始まる」楽観シナリオでもマイナス4%近くとなり,リーマン・ショック後の2009年よりも悪化する。

 

 感染第2波の恐れは拭えず,外出制限を続ける場合は経済活動が停滞するため2020年の悪化にくわえ,2021の成長率も1%超にとどまると予測した。

 本日(6月9日)の,『日本経済新聞』が毎日掲示している世界各国における新型コロナウイルス感染者数・死亡者数の統計も添えておく。

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 日本は落ち着いてきた傾向がみられるが,本日の『朝日新聞』が報告している「感染者数・死亡者数」などは,こうなっていた。2020年6月8日21時時点でのまとめになる統計である。

 「国内の感染者」は,昨日より21人増えて,1万7281人
 「死 者」は,3名増えて,922人
 「退院者」は,9名増えて,1万5802人

    --退院者数はクルーズ船の乗客らを含めた数。厚労省などによる。

 2)「菅氏『国会求めあれば開示』 HP公開せず コロナ連絡会議の議事概要」朝日新聞』2020年6月3日朝刊4面

 菅 義偉官房長官は〔6月〕2日,新型コロナウイルスへの対応について安倍晋三首相と担当閣僚らが話し合う「連絡会議」の議事概要について,国会の求めがあれば開示に応じる考えを示した。一方で,個人情報などが含まれるとして,ホームページなどで公開する予定はないとした。

 連絡会議は,官邸幹部や関係閣僚らが首相官邸で集まり,ほぼ毎日開かれている。菅氏は公文書管理のガイドラインが定める「政策の決定または了解をおこなわない会議等」に当たるとの見解を示すが,対策本部や諮問委員会などの前に,政府の方針を実質的に決めているとも指摘される。菅氏は3月の国会答弁で議事概要を作成し,「公表していきたい」としてきたが,これまで開示されていない。

 補注)その間(いままで),安倍晋三は首相として新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対する意思決定,いいかえれば国家最高指導者としての指導性を発揮できていなかった。つまり,自分自身の判断(主体性をともなった決断)をこの重大問題に遭遇させられた状況のなかで,まったくできていなかった。だからこそ,専門家会議のみならず,この記事でとりあげられている連絡会議の議事内容を公開できないといいはっている。

 なにゆえ,新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関した政権関係者の発言が「個人情報」になる(相当する)というのか,さっぱり理解できない。政府の設けている「ホームページなどで公開」しなければならない対象(情報・資料)じたいについて,そのように反論・抗弁しているゆえ,たいそう始末が悪い。よほどなにか都合の悪い中味でもあるのか,首相や担当閣僚たちの発言が個別に国民側に伝わるのはまずいという態度である。

 該当する問題をめぐりまともに検討・議論をしているつもりならば,誰がなにを発言したのかを情報公開するのに,なにもまずいことはない。にもかかわらず,「個人情報」をウンヌンして「公人である閣僚たちの発言」を,国民の目や耳から遠ざけておこうとする魂胆は,これを勘ぐっていうまでもなく,なにかやましいことでもあるのかと疑われてしまう。

 もっともあの首相のことである。安倍首相はたとえば,新型コロナウイルスが問題に登場する直前に発言であったが,2020年1月の衆院予算委員会で,こうのたもうた。「私は幅広く募っているという認識でした。募集しているという認識ではなかった」と答え,話題になった。

 つまり,それは「ご飯論法」と称されるたぐいであっても,実はその失敗例になったと指摘されている “シンゾウ流に,とてもヘタであったヘリクツ話法” であったが,この種の発言・話法が議事録(会議の記録)のなかにおいても,そのありのままに記録されておくとなると,これは恥ずかしくて仕方がないと,きっと『まわりの連中』もよく認識し,心配しているからと推察される。

 というよりは,自分たちなりになんでも勝手・自由に問題の処理をやっていたい,だから専門家会議においてなされた発言や意見も含めてとなるが,国民たちに向ける情報としては極力公開しないという「非民主・反国民」の立場にこだわっている。

〔記事に戻る→〕 議事概要は開催から3カ月以内に記録をつくることとされており,菅氏によると,3月1日分まで作成済みという。ホームページなどで公表しない理由として,配布資料に情報公開法上の不開示事由に当たる個人や法人の情報などが含まれていることも挙げた。記者団から「国会答弁から後退しているのではないか」と問われたが,「国会の要求にはお答えしていく」と述べるにとどめた。(引用終わり)

 以上を安倍晋三流に表現すれば,2018年2月28日に国会で安倍自身が放っていた発言,すなわち,野党の長妻 昭議員に「統計問題を甘くみない方がいい。扱いによっては国家の危機になりかねない,という認識はあるのか」と問われた安倍は,「いま,長妻委員は国家の危機かどうか聞いたが,私が国家です」と答えた事実でも判るように,この首相はトンデモな勘違いを犯している。しかし同時にまた,こうした自分の存在がどのような意味を有しているのかさえ,もともと全然理解できていなかった。

 「私が国家」だと答えたその当人が,先月(2020年5月)には,こういう話題を世に提供していた。

 国民民主党小沢一郎衆院議員が〔5月〕23日,ツイッターに新規投稿して,安倍晋三首相がかつて述べたという,つぎのごとき「珍説」を披露していた。

 安倍首相をめぐっては,検察庁法改正案が審議入りしたさい,元検事総長が意見書を提出して反対した。そのさい,「フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる『朕は国家である』との中世の亡霊を彷彿とさせる姿勢だ」と批判した。

 小沢氏は,安倍首相がこれについて聞かれたとき,「私はルイ16世と同じではない」と答弁したとの記事を引用していた。ところが,「『朕は国家なり』はルイ14世のことで,ギロチンにかけられたルイ16世のことではない」。

 安倍は以前,『憲法が権力を縛るというのは絶対王政時代の古い考え方』との珍説を披露していたが,予想どおり歴史をまったく理解していないようだ」とも,小沢は記した。つづけて「歴史を学ばないからこそ,権力でやりたい放題やってもなんとも思わないのだろう」とも指摘した。

 この指摘・批判のとおりであったが,安倍晋三自身の痴的水準に即していえば,ルイ(の)何世かの点は,たいした問題ではなかった。どういう意味かというと,その種の知識を相手と同じ次元で交わしあえる政治家ではなかった点は,すでに世間にも広く理解され共有されているからであった。

 ルイ何世かという点などどうでもよく,要は国会内で3分の2もの勢力を占める与党側はなにをやってもいいのだ,これをいいかえていえば「私が国家」だというアベサマ流のリクツとなる。

   衆議院「会派名及び会派別所属議員数」★
 衆議院(ホームページ),http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/kaiha_m.htm

 

 ◇ 2020年4月27日現在,( )内は女性議員で,内数 ◇

     会派名(会派略称)            所属議員数
  自由民主党無所属の会(自民)         285(21)
  立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム(立国社)
                          119(17)
  公明党(公明)                   29(  4)
  日本共産党(共産)                 12(  3)
  日本維新の会無所属の会(維新)          11(  1)
  希望の党(希望)                 2(  0)
  無所属(無)                      7(  0)
  欠員                       0
  「計」                     465(46)

  補注)なお「公明党」は「下駄の▼▼」として有名な与党。「日本維新の会」は実質的に準与党,希望の党も似たような政党。

 ただし,2019年に実施された参議院選挙における各党の得票率は,つぎのように報道されていた。

    ★【図解・政治】参院選2019・主な政党の比例得票率(2019年7月)★
 =『時事通信』2019年7月22日,https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_election-sangiin20190722j-12-w350

 

 「主な政党の比例得票率」は「1強自民,3割台を維持=立憲は減少-比例得票率【2019 参院選】」 

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 〔2019年7月〕21日投開票の参院選比例代表で,自民党の得票率は前回2016年から0.5ポイント減の35.4%だった。同党は2013年参院選以来,衆参両院選の比例で30%台の得票率を維持。2番手の政党につねに10ポイント以上の差をつけ,1強ぶりを示している。結党直後の2017年衆院選で19.9%を得た立憲民主党は今回,15.8%に下落した。

 

 自民の比例得票数は約1771万票。約792万票の立憲を大きく上回ったが,投票率の低下も影響し,2016年に回復した2000万票の大台を割りこんだ。公明党も2016年から約104万票減らし,約654万票だった。得票率は2回連続の下落。

 

 初の参院選となった国民民主党は7.0%を獲得。立憲と合わせると,2016年参院選で旧民進党が得た21.0%を上回った。ただ,旧民主党のピークだった2009年衆院選(42.4%)と比べると,立憲,国民の合計でも依然として半分程度の水準だ。

 

 共産党は2016年参院選から 1.7ポイント減の9.0%。2017年衆院選で6.1%に落ちこんだ日本維新の会は9.8%へ盛り返した。社民党は2017年衆院選の 1.7%から2.1%に回復し,政党要件の得票率2%を確保した。

 要は,現行の国政選挙制度が「小選挙区比例代表並立制」で実施されているせいで,その短所のみが自民党にとっては,都合よく,有利な条件となっている。アベが自分のことを「ルイの何世かどうか」さっぱり区別もできないでいられる総理大臣である事実など問題外だと済ませていられるほど,現状における国会両院における勢力分布がその傲岸不遜さを許してきた。

 アベ政権が第2次になってからというもの,日本の政治・行政はどんどん悪化してきたという意味で,ひどく退廃・腐敗させられてきた。「モリ・かけ・桜」の疑惑問題は,「ジャポネのルイ14世様」が,オレ様流になんでも好き勝手に,この国のまつりごとをイジくりまわしてきた悪政=私物(死物)化の典型的な諸事件である。たとえていえば,ルイ16世並みに処罰されてもおかしくない,彼流の「初老の小学生・ペテン総理」的な采配の結果である。

 補注)現状において安倍晋三が首相として公職選挙法などに抵触する行為をしたとして,検挙される可能性もとりざたされており,その点については彼自身は戦々恐々の気分でいるはずである。2020年6月時点において「安倍1強〔凶・狂〕」の政治体制は破綻しており,司直の手が安倍のもとまで届かないという保証はない。

 そこにおいては,公文書による自分たちの為政にかかわる記録を精一杯に無視する基本の態度が連動してきた点は,あまりのも当然・必然のなりゆきである。やってはいけないことのオンパレードが,この首相によって意図的に再生産されつづけてきた。

 3)「議事録未作成巡り抗議声明  NPO『公文書管理ゆがめる』」朝日新聞』2020年6月4日朝刊4面

 新型コロナウイルス感染症への対応を検討する政府の専門家会議の議事録が残されていない問題で,NPO法人「情報公開クリアリングハウス」は〔6月〕3日,専門家会議の求めがあれば議事録作成を検討するなどとした政府の対応は,公文書管理制度をゆがめると抗議する声明を発表した。

 声明は「法令等の義務より,専門家会議の意向を優先するという解釈運用上の前例を公式に作ろうとしている」と指摘。政府が感染拡大を歴史的緊急事態に指定しながら,公文書管理のガイドライン上の「政策の決定または了解を行う会議等」かどうかという点のみで作成義務を説明していることを,「公文書管理法及びガイドラインを曲解させている」と批判した。

 クリアリングハウスの三木由希子理事長は「将来の政府にとっても悪しき前例となる。国家賠償請求も辞さない」と話した。(引用終わり)

 三木由希子理事長は「新型コロナウイルス感染症への対応を検討する政府の専門家会議の議事録が残されていない問題」が,国家による文書管理体制に関して重大な不備となるほかない事実を指摘・批判している。しごく当たりまえの文書管理・記録保存の必要を三木は問うているに過ぎない。なぜ,そこまでして安倍政権は「記録を残さない」という好き勝手を貫こうとするのか?


  国家が自身の記録を残すのはもっとも基本的な任務・仕事である

 1)「〈社説〉コロナと記録 全容を残す責務果たせ」朝日新聞』2020年6月2日朝刊

 この社説は当然も当然である,それもまともな民主制国家であれば整えておくべき記録管理体制の必要を強調している。だが,安倍晋三君はそのような要求が大嫌いである。ルイ14世ばりにそうであるわけだが,そのような態度にこだわっていると,憲政史上における「安倍晋三の首相として位置づけ・評価」は,よりいっそう確実に最悪になることを,いまから覚悟しておくとよい。つぎに,この社説を引用する。

 --感染症の流行から国民の命と暮らしをどう守るのか。政府の対応をつぶさに記録しておくのは,その時々の判断をあとから振り返って教訓をくみとり,つぎに生かすためだ。みずから「歴史的緊急事態」に指定しておきながら,それを怠るとは,安倍政権はいまだ公文書管理の意義を理解していないというほかない。

 政府に新型コロナウイルス対策を助言する専門家会議の議事録が作られていないことが分かった。発言者名のない議事概要はあるが,発言内容の詳細や議論の流れはわからず,十分な検証の材料たりえない。

 公文書管理のガイドラインには,議事録を残すのは「政策の決定または了解を行う会議等」とある。政府は専門家会議はこれに該当せず,議事録がなくても問題ないというが,記録を残す意味を軽んじ,対象を狭く解釈している。専門家会議についても「速記を入れて一言一句残す」といった加藤勝信厚生労働相の3月の国会答弁はどこにいったのか。

 補注)つまり安倍政権が実際に「いっていること」と「やっていること」とは矛盾そのものになっており,いわば支離滅裂であった。この政権内はよくある事情とはいえ……。

 専門家会議は最新の感染状況の分析や提言をおこない,メンバー全員がコロナへの基本的対処方針を議論する諮問委員会にも参加している。政策の決定・了解をおこなう場ではないとしても,政府のコロナ対応を方向づけるきわめて重要な役割を果たしているといっていい。安倍首相自身,国会や記者会見でしばしば,「専門家の意見」を政策判断の根拠としているではないか。

 補注)このとおりである。しかし,実は,安倍自身は首相としてこの専門家会議における議論じたいを,どうもまともに理解しているようには観察できない。したがって本当のところは,その連携の悪さを理由にしてだと思われるが,両者の関係がまともに実在するものとして,国民たちの側に理解されては困る立場にある。

 すなわち,その「関係があるもの」を「関係ないもの」にしておくために,公文書にその記録をなるべく残さないようにしておくというのだから,支離滅裂だと前段で指摘してみたしだい。あるいは結局,安倍自身は新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関する基礎的(初歩的)な理解,あるいは状況認識(医療関係の)がほとんでできていなかった〈事実〉を,後生になって,人びとが関連する記録(公文書)から読みとることを極度に恐れている。

 政府は発言者が特定されない方が自由に議論できるとも説明してきた。しかし,当の専門家の間から議事録作成を求める声があがるに至り,菅官房長官は一転,専門家会議が決めれば従う考えを示した。録音はしていないが,速記録はあるというのだから,速やかに議事録づくりに着手すべきだ。

 感染症対策に幅広い国民の理解と協力をうるには,政府への信頼が必要で,そのためには,積極的な情報開示と政策決定過程の透明化が欠かせない。

 2009年に流行した新型インフルエンザへの対応を検証した厚労省の総括会議の報告書も,国民に対する情報提供の重要性を強調し,「医療関係者,専門家などからの意見聴取にあたっては,議事録を作成するなど議論の透明性を確保する」よう提言している。

 コロナ対応は多くの人びとの自由や権利を制限し,経済社会に大きな影響をもたらす。どんな情報にもとづき,どのような総合判断をおこなったのか。専門家の議論だけでなく,首相と担当閣僚による非公式な連絡会議や与党とのやりとりを含め,政策判断の全容を検証できる記録を残す責務が安倍政権にはある。(引用終わり)

 要するに以上のように,国家の責務として絶対に必要である新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関した公文書管理体制を,この国の最高指導者である安倍晋三は(できるだけ)要らないものにしておきたい立場にある。いずれにしても,とうてい話にもならない国家指導者の考え方なのであって,どこかに存在するような独裁国家における「指導者の精神構造」に瓜二つ発想しか,その立場からは観取できない。

 2) 今日の記述も,文章がいつものように長くなっているので,つぎに参照する『日本経済新聞』2020年6月6日朝刊の記事からは,見出し関係の文句と付表のみ紹介しておく。

 「日本データ貧困国,コロナ情報収集・開示  手際悪く,迅速な対策の足かせに」

  

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 しかし,安倍晋三政権がいまサボろうとしている新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関した記録管理に対してみせた基本姿勢は,現在についてだけでなく,将来についても支障や障害を生むことになるほかない。ここにもまた,安倍政権が確実にトンデモ政権である明確な事由がみいだせる。情けないことに,あの「世襲3代目のお▼カ政治屋」が,トコトンいい気になっていままで,のさばり放題のできる国になっていた。そしてそのまま今日まで来ていた。

 3) 最後にさらに,もう1点追加しておくべき『日本経済新聞』2020年6月5日朝刊21面「経済教室」の寄稿,宇野重規の「危機下の民主主義 上  事前の制度化・事後検証  カギ」があった。この寄稿はつぎの3点を要点に挙げていた。

 要するに,この3点は安倍政権の文書管理体制の惨状(反抗:潜在的な犯行?)に対する基本からの批判を意味する。いずれも安倍が必死になって逆らってきた3点であった。語るまでもない大切なポイント(基本事項),いいかえればそのイロハであった。

※ ポイント ※

   ※-1 事後的な民主的統制へ記録の確保が必須
   ※-2 個人情報管理など政府権限の拡大監視を
   ※-3 政策決定の透明性や批判対応能力も課題 

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