小池百合子都知事のカイロ大学卒業という学歴詐称疑惑は,まだまともに解明できていない,このまま都議選に挑むのか

小池百合子都知事はいままで「チラみせ」でしか公開できなかったカイロ大学の卒業証書などをあらためて示してみた

だが,それを出してみせてからいって当該の疑惑そのものが晴れるわけではない,あいもかわらず「狸の化かし術」か?

『スポーツ報知』紙はその疑惑については「払拭」との見出しを付けて報道してもいたが,それほど単純な履歴詐称疑惑ではあるまい,なにか小池への忖度でもあるのか

 

  要点:1 小池百合子はいままでなぜ,隠すようにしてしかカイロ大学の卒業証書などを示せなかったのか? この疑問からしてまともに答えていない

  要点:2 カイロ大学というエジプトの高等教育機関の「国家的な性格」,その本質をしらないで,小池百合子のいいぶんを鵜呑みにすることはできない

  要点:3 石井妙子のベストセラー本『女帝 小池百合子』は,今日の日経朝刊の広告によれば「15万部突破」だと謳われていた

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  要点:4 カイロ大学が横から口だしをしてくれたら急に元気が出たのか,いままでは隠していたかのような卒業証書などに関する「小池百合子の態度」が急に変わった,都知事選の「対策用」に,それもミーハー的な都民の票をえるための作戦変更か?

 

 小池百合子都知事,政策発表会見でカイロ大学卒業証書公開… 学歴詐称疑惑を払拭」『スポーツ報知』2020年6月16日 8時0分,https://hochi.news/articles/20200615-OHT1T50291.html

 任期満了に伴う東京都知事選(〔6月〕18日告示,7月5日投開票)への出馬が取りざたされていた「れいわ新選組」の山本太郎代表(45歳)が15日,国会内で会見し立候補を表明した。「東京五輪中止」「全都民に10万円給付」など8つの政策を発表した。一方,再選をめざす小池百合子知事(67歳)は,政策発表会見に自身のエジプト・カイロ大学の卒業証書を持参。学歴詐称疑惑を払拭する “証拠” を公表した。

 補注)この表現「学歴詐称疑惑を払拭する “証拠” を公表した」という文句そのものが,以前から疑惑そのものに関係するものゆえ,このように記事として見出しにだされた表現だとしても,そのまま,まともに耳に入れることはできない。このことについては,後段においてその理由を記述していく。

〔記事に戻る→〕 選挙戦が始まる前から圧倒的優位といわれている小池氏だが,雑音は断ち切っておきたいとばかりに,卒業証書を公表した。

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 付記)右側書類は卒業証書。

 約40分の政策発表会見の終了後,司会の「最後に知事より一言ございます」の言葉を受け,小池氏は「政策論争よりも卒業証書の話ばかり先に出てくるのはふさわしくないというふうに考えております。何度も公表させていただいているものですので,今日はどうぞご自由にご覧いただきたいと存じます」と話し,カイロ大の卒業証書と卒業証明書の現物を公開。さらに,実物大のカラーコピーを用意して取材陣に配る周到さをみせた。

 補注)この「何度も公表させていただいている」という表現そのものも,オオゲサというかウソに近い。「チラみ」しかさせてこないで,いまとなってこのように「何度も……」というのでは,まさに事実からは大きくずれたウソに近い表現としか思えない。

 いままでは,なにかよほどまずい関係があって,卒業証書も卒業証明書もきちんと示せないのかと受けとられてきたにもかかわらず,このたびはいきなりその真逆になる発言をしている。しかも,カイロ大学自身が前日(6月15日)に「小池百合子は正式に卒業している」と,それも恫喝まがいのいいかたをして,その点を日本のほうに伝えていたとなれば,ますます疑惑的という意味では,素朴な疑念としてますます高じるほかない。

〔記事に戻る→〕 小池氏の学歴をめぐっては,4年前の知事選初出馬のさいに「実際にはカイロ大を卒業していないのでは?」という学歴詐称疑惑が浮上。そのさい,小池氏はテレビ番組で卒業証書を(チラっと)提示し,疑惑を否定していた。その後もこの話題はなんども蒸し返され,最近出版された書籍〔5月29日に発売された石井妙子のベストセラー『女帝 小池百合子』のこと〕でも,詐称の問題が指摘されていた。

 〔6月〕12日におこなわれた再出馬表明会見でも学歴に関する質問が出た。そのさいは「すでに何度も(卒業証書を)公にしている」と話し,公開には至らず。ただ,維新の推薦で同じく立候補を表明した前熊本県副知事の小野泰輔氏(46歳)が東大法学部の卒業証書のコピーを会見に持参するなど,「学歴の透明化」が話題の一つとなっていた。

 会見では,2期目の政策目標として「都民の命を守り『稼ぐ』東京の実現」など3本の柱を発表し,各項目に関して詳細な目標を説明した小池氏。だが,「証拠」を持参したことで本人の思惑とは離れて,この日の “主役” は,やはり卒業証書となってしまった。(引用終わり)

 そもそも大学の卒業じたいが,それも日本では珍しい「エジプトの国立大学であるカイロ大学」となれば,しかも小池百合子自身がその学歴を売りにしてきた政治家であった事実も関連していたし,おまけにその詐称疑惑までも随伴していたのだから,この話題がいまさらのように前面に競り出てこざるをえないのは,しごく当然かもしれない。

 おまけに,石井妙子のベストセラー『女帝 小池百合子』が,小池にまつわる疑惑を徹底的に追及し,この都知事自身のうさん臭さを詳細に,つまり微に入り細にわたって解説している。小池百合子側で,この石井妙子のベストセラーに問題ありという認識がありうるのであれば,訴訟でも起こせばいいのであるが,そこまではやる気配はない。「逃げの一手」に映る。

 ここまで来ると,小池百合子の生まれ・育ちにまで立ち返って,関連する事情を掘り下げてみる余地がある。


 「小池知事がカイロ大の卒業証書公開『時間はずれる』」『日刊スポーツ』2020年6月15日19時17分,https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202006150000556.html

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 東京都の小池百合子知事は〔6月〕15日,学歴詐称ではないかとの疑いが出ているエジプト・カイロ大の卒業証書を,報道陣に公開した。都庁での政策発表の記者会見の最後に「政策論争よりも,卒業証書の話の方が出てくるのは(政策論争に)ふさわしくない」と,公開の理由を述べた。

 補注)この小池百合子の答え方は詭弁である。この疑惑というにふさわしい話題を提供してきたのは,ほかならぬ本人自身であった。いうことがまるで他人事である。

 その後,退庁時のぶら下がり取材では,「あの卒業証書は,知事が卒業のさいに受け取ったものなのか」と問われると「時間は少しずれます。手書きで,時間がかかりますので」と答えた。

 補注)手書きの問題という点は,いろいろ議論の余地があるはずである。現在の時点にまでなっていても,カイロ大学は,とくに卒業証明書を手書きで発行しているのかという疑問が湧いてくるほかない(いずれにせよ,卒業証明書の場合は現在でも発行してもらえるはず)。事実に関する問題だから,ここではごく一般論的にそのように指摘するほかないが,小池百合子の発言内容はかなり「ずれ〔てい〕る」と強く感じさせるものが,依然とそのままに残されている。

 小池百合子によるカイロ大学の卒業証書の公開〔は〕『時間はずれ〔てい〕る』だという説明は,いままでにおいて数少ない機会にそれも「チラみせ」しかさせてこないでいながら,突如,使えるような理屈ではありえない。ともかく,隠しておきたい,なるべくみせないでいたいという気分・感情だけは,しっかりとテイネイに彼女は堅持してきたのである。このあたりに前後してきた,しれもまったく一貫性のなかった姿勢が問題になっていた。

 とりわけ,カイロ大学側の言動が興味深い。つまり,小池百合子都知事選への出馬表明を控えた6月8日,エジプトのカイロ大学が「小池百合子氏が1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する。卒業証書はカイロ大学の正式な手続により発行された」と声明を発表し,東京のエジプト大使館がフェイスブックで公表したというのだから,これに対しては,日本における「こちら側の常識的な理解」で接するとき,エジプトのカイロ大学側のそうした対応は珍妙で奇怪だと感じるほかない。

 エジプトの国情や大学の事情もある程度はしったうえで,今回における小池百合子に関する疑惑問題を観察する必要があった。この問題点はつぎの ③ の記事が具体的に説明している。

 

 「小池知事提示の卒業証書,自著内容と食い違いか…エジプト政府紙,過去に不正卒業を示唆か」『Business Journal』2020.06.15 23:51,https://biz-journal.jp/2020/06/post_163029_3.html

  ※ 小池知事提示の卒業証書,自著内容と食い違いか…  エジプト政府紙,過去に不正卒業を示唆か ※

 a) カイロ大学を主席で卒業したとのプロフィールに詐称疑惑が浮上していた小池百合子東京都知事は〔6月〕15日の会見で,カイロ大の卒業証書と卒業証明書を公開したが,これがいっそう疑惑を深めているようだ。

 補注)このように解釈・指摘されるのは当然である。自家のぬかみそ床に隣家のそれをぶちこむような話題を提供した小池百合子であったが,そもそもの問題の源泉からして疑惑だらけだっただけに,このようにかえってみっともなくも,後追い的に “ああだこうだ” と弁解的に話題を引っかきまわす作法にあいなっている。

 小池氏の学歴詐称疑惑を告発した書籍『女帝  小池百合子』(文藝春秋 / 石井妙子著)が5月29日に発売され,約2週間で15万部を突破〔つまり1日1万部ほど捌けている〕。ノンフィクションとしては異例のベストセラーとなり,世間の注目度が無視できないほど高まったと判断したのか,小池氏はみずから卒業証書を公開するという手段に出た。テレビ局関係者はいう。

 「新聞やテレビなど大手メディアでこの問題を追及する気配は皆無。小池氏の定例会見などでも都庁記者クラブ所属のメディアからは,この問題に関する質問は出ず,12日の都知事選出馬会見でも1回だけフリーの記者から質問が出ただけでした」。

 

 「しかも小池知事は『卒業云々については,すでに何度もカイロ大学は認めているということを申し上げて参りました』などといったのち,その記者が質問を続けようとしているにもかかわらず,一方的に質問を打ち切っていました。小池知事の再選確実が濃厚のなか,記者クラブメディアはどこも都から情報をもらえなくなるのを恐れて,一様にこの件には触れない姿勢です」。

 補注)今回における小池百合子カイロ大学卒業疑惑は「カイロ大学は認めている」とか「ない」とかいった種類の問題ではないはずである。大学を卒業していれば卒業証書は皆もっていることは,日本の大学卒業者であれば,いうまでもない当然の事情である。

 

 もとより,「認めている」(!)とか「認めていない」(?)という具合に問題がなっていることじたいが,実に変態的な話題の展開を反映させていた。このように話題を提供してきた当事者は,もちろん小池百合子自身であった。なぜ,このように珍奇で変妙でしかない,それもいまどきになっての話題提供であるのか?

〔記事に戻る→〕 大手メディアに追及を期待するのはむずかしいようだが,小池氏が〔6月〕15日に提示した卒業証書の内容について,ある疑問が広がっているという。

 「卒業証書では卒業年月が『1976年10月』と記されていますが,小池氏は過去の著書で “〔19〕72年10月に1年生としてカイロ大学に入学” “1年目に落第して進級できなかった”と記しており,小池氏が卒業した文学部社会学科は4年制のため,もし通常のプロセスで卒業したのであれば入学4年目に当たる〔19〕76年に卒業したというのは辻褄が合いません。

 補注)昔のことだから年月・年度の記憶で間違えそうになる場合もありだが,自分の大学入学や留年した事実,そして卒業した年・年度(年月)をまともに記憶していないというのは,そう簡単には考えられない〈記憶に関する想定〉である。ましてや,そのあたりの記憶に関して他者・外部から,その明確な間違い・食い違いが指摘されているとしたら,これはほとんどダメ(アウト)だと判断されても仕方ない。

 大学を卒業している人であれば誰にでも聞いてみればいい。本ブログ筆者の場合であれば,その入学した年月,卒業した年月などはすぐに口に出る。留年などした人にかぎってはさらに,卒業した年月はよりはっきりと記憶しているに違いあるまい。ところが,小池百合子の場合は,そのあたりの時期に関係する事項で間違いが堂々と公表されつづけ,しかも他者から指摘されてもきた。実におかしなことがらが,これまで話題として断続的に注目されてきた。

 b) ちなみに『女帝』では〔19〕71年に関西学院大学に入学するも同年に中退し,72年にカイロ大学に2年次から編入したという当時の小池氏の同居人の証言も掲載されていますが,エジプトの国立大学の制度上,正規のルートでは小池氏が2年次から編入することはできないと,すでに多くの識者から指摘されています。このように今回の卒業証書の提示だけでは,なにも疑問が解明されていません」。

  ※ エジプト政府を通じて卒業の声明が出された意味 ※

 エジプトの大学では入学・卒業をめぐり不正が横行しているという指摘は,これまでも数多くなされている。たとえばカイロ・アメリカン大学大学院中東研究科を卒業した作家の黒木 亮氏は,5月30日付『現代ビジネス』記事「カイロ大学の深い闇…小池百合子が卒業証書を『出せない』理由」で,つぎのように記している。

 ベテランのエジプト人ジャーナリストは「エジプトの有力政治家が『この人物を卒業生にしろ』と命じれば,学長は職員に命じて卒業証明書や卒業証書を作らせる。職員は入学記録や初年度の成績などを参考に成績表も偽造し,大学内の記録も含めて形式的に完璧にする。したがって書類だけをみれば瑕疵がない,これはエジプトでは当たりまえのことで,事務的に処理される」と述べる。

 エジプトの国立大学による不正な卒業証書の発行は現在も続いており,2015年にはカイロ大学のガーベル・ガード・ナッサール学長がエジプトの民放に出演し,7,8年前(すなわち2007,2008年)から大学教授,職員,政治家などが関与して,不正に卒業証書が発行されており,ナッサール学長自身,卒業証書発行業者がカイロ大学の職員の手引きにより,大学内の講堂を使用し,資格取得のための講習をしているのを番組の2週間前に偶然目撃したと話している。

 霞ヶ関の官僚は語る。

 「エジプトは2017年までの累計で日本から総額1兆円以上の経済援助を受けており,2018年の1年間だけで300億円以上の援助を受けています。そして小池氏は日本では自他ともに認める “エジプト通” の政治家としてしられ,エジプト政界と太いパイプをもっている。さらに閣僚経験者で政権与党の自民党から支持をえているとなれば,エジプト政府が小池氏をどのように扱うのかは,容易に想像できます。

 

 今回の疑惑浮上を受け,わざわざエジプト大使館,つまりエジプト政府を通じてカイロ大学から小池氏の卒業を証明するという声明が出されたことじたいが,事の異常さを物語っています。日本をはじめとする先進国の政府や大学が,一個人の卒業をめぐってそのような行動を取ることはありえません。この問題がきわめて政治的な意味合いを帯びたものであるということが,強く印象付けられます」(霞ヶ関の官僚)。

 c)  “主席卒業” にも深まる謎
 小池氏とエジプト政府の関係については,カイロ大学OBのジャーナリスト,浅川芳裕氏が6月12日付『JBpress』記事『カイロ大「小池氏は卒業生」声明の正しい読み解き方』で,つぎのように指摘してる。

 政府系新聞アハラーム紙の記事(2016年8月3日付)です。「ハーテム情報大臣の支援を受け,彼女は社会学科を卒業。彼は小池を自分の子供のようにみなしていた」(抜粋)とあり,ハーテム・小池後ろ盾説をエジプト政府(系新聞)が公認した内容です。

 これについて前出と別の全国紙記者はいう。

 「小池氏が “正規のルート” でカイロ大学を卒業したのではなく,なにか不正な手段によって卒業したと,エジプト政府がお墨付きを与えているようにも受けとれます」。

  “主席卒業” というプロフィールについても,小池氏は2018年の会見で都議の質問に答えるかたちで『当時の担当教授の言葉を鵜呑みにした。そのことでうれしくなって,最初の本にはそう書いた覚えがある』『先生に “非常にいい成績だった” とアラビア語でいわれ,うれしかったことは覚えている』と明かしており,根拠が薄い。もちろん今回公開された卒業証明書にも  “主席卒業”  とは書いておらず,謎は深まるばかりです」

 あらたて小池氏には,説明責任が問われている。(文=編集部)(引用終わり)

 前段の引用中で「先生に “非常にいい成績だった” とアラビア語でいわれ,うれしかった」といわれた箇所は,受けとり方によっては不可解である。「アラビア語で」と表現された部分が,おかしいなと疑問を抱くとなれば,なにかがかぎりなくおかしく感じられるからである。

 要は,どうということもなく,①  ② で言及した点,小池百合子都知事がいままで “チラみせ” でしか公表しようとしていなかった「カイロ大学の卒業証書・卒業証明書」に関していうと,以上に説明したごとき〈疑惑〉が依然として解消されないどころ,その点の不在証明(アリバイ)を明確に提供できていないと,いまさらのように疑念を強めるほかなくなる。

 本来であれば問題にもなりえない話題が,小池百合子都知事の場合,なにやら昔から疑惑をもたれてきた「自分の学歴」に関して,その程度にしか「情報公開」していなかった。なぜ,そうしてきたのか?

 それがいまごろにもなって,石井妙子の著作がベストセラーとなり世間にたくさん出回る事態に対抗するためなのか,しかもエジプト政府までからんだアリバイを示そうとする行為がなされた。

 そうとなればそうで,なぜそのように,通常であればありえない程度にまで,それも外国当局の過剰なまでの反応(異様な介入)があったりもしたのか? 小池百合子都知事をめぐる学歴問題は,ますますうさん臭さを増してきた。

 

 朝日新聞』朝刊に「特集 上・下」で解説された検証記事に触れておく。

    ※-1 2020年6月16日「〈検証 小池流:上〉ワンフレーズ政治,はらむリスク 『ロックダウン』『感染爆発』,混乱も」

    ※-2 2020年6月17日「〈検証 小池流:下〉『築地』『七つのゼロ』,掲げたが」

 

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 昨日(6月16日)と本日(6月17日)の『朝日新聞』朝刊には,以上のごとき,小池百合子都政を検証する解説記事が掲載されていた。

 6月16日の記事について本ブログ筆者は,昨日(同日)にとりあげ議論していたが,本日17日の記事にも関連する記述をしていたので,以上の『朝日新聞』の2記事は,ここではくわしくとりあげない。ただし,17日の『朝日新聞』の検証記事は,分析・批判が甘いといわざるをえない点を申し添えておきたい。

 小池百合子都知事過去4年間を総括するとしたら,25点(赤点)にしかならないと採点したのは,音喜多駿参議院議員であった。しかし,この『朝日新聞』6月17日「検証 下」の記事では,その肝心な点が十分に伝わってこない。


 東京新聞』の報道

 要は,小池百合子の都政4年間を客観的にみなおし評価するとしたら,合格点にははるかに及ばない。こういう都知事は再選めざして「さらに,また,がんばります」などとはいってほしくない。退場あるのみ,である。

 1)「小池氏4年前公約『7つのゼロ』 大半未達成  都知事選あと2カ月」『東京新聞』2020年5月4日 02時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/16950

 7月5日投開票の東京都知事選まであと2カ月。現職の小池百合子氏は新型コロナウイルス感染症が拡大するなかで,3月下旬の東京五輪延期決定までは「中止はありえない」と強気の姿勢を示していたが,延期決定後は東京の「ロックダウン(都市封鎖)」という強い言葉を用いるなどして感染防止対策に急激にかじを切り,注目を集めている。

 だが,前回の選挙でかかげた「7つのゼロ」の公約は大半が達成されていない。公約の進捗度を検証した。

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 「7つの0(ゼロ)をめざします」。小池氏は2016年7月の都知事選の選挙公報で,こんなフレーズとともに 待機児童や介護離職,残業,都道電柱,満員電車,多摩格差,ペット殺処分などの7項目を列挙。自身が選挙戦で強く訴えた「都政の透明化」「五輪関連予算の適正化」といった主張とともに,有権者から多くの注目を集めた。

 最初に達成したのは「ペット殺処分ゼロ」(重傷や病気などのケース除く)。ボランティア団体との連携で犬や猫の譲渡を促進し,目標より1年早い2018年度に実現することができた。

 「満員電車ゼロ」は,都がこれまでテレワーク(在宅勤務)や時差通勤を推奨してきたものの,混雑解消はわずか。皮肉にも新型コロナ拡大による外出自粛要請で企業の取り組みが進展し,通勤時間帯の「満員電車」はほぼ解消したが,新型コロナの終息後にどこまで継続できるかが課題だ。

 その他は依然,道半ば。「待機児童ゼロ」は,保育施設増加の支援策や保育士確保策を進め,2019年度には知事就任時の半数以下の約3千7百人にまで減少。ただサービス利用者の増加に追い付かず,目標にしていた今〔2020〕年3月末までには達成できなかった。

 「残業ゼロ」は都職員の勤務時間縮減を進めているが,知事就任以降,月平均残業時間は23時間前後でほぼ変わらない。「都道電柱ゼロ」は,条例を制定して電柱の新設を禁じたものの,2019年度の地中化率は四割にとどまるみこみ。

 「介護離職ゼロ」では,介護と仕事の両立支援や老人ホーム整備を推進してきた。一方で,都内に約7千8百人(総務省統計)とされる介護離職者の推移は把握していないといい,検証は困難。区部との格差をなくす「多摩格差ゼロ」も数値目標などがなく,なにをもって達成とするか分からないままだ。都のある担当者は「あくまでも選挙時に打ち出した理念。地道に取り組んでいくしかない」と話す。

 公約の行方はどうなるのか。小池氏は知事選への態度を明言していないが,都は昨〔2019〕年末,長期戦略のビジョンを策定。小池氏が再選出馬すれば事実上の公約になるとみられている「目指すべき2040年代の東京の姿」として,「(介護離職や待機児童が)死語に」「電柱が姿を消す」「満員電車は過去のもの」と記した。今後も取り組みを続ける意思表示をしたかたちだが,都議会野党会派からは「具体的な目標,進捗状況が定かでない」とけん制球が飛んでいる。(引用終わり)

 2)「4年間の実績アピール,未達成公約には口重く  小池氏出馬会見」『東京新聞』2020年6月13日 07時17分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/35252

 東京都知事選の〔6月〕18日の告示まで一週間を切った12日,現職の小池百合子氏(67歳)がようやく開いた再選出馬会見。報道陣の前で小池氏は新型コロナウイルス感染症対策や4年間の都政の実績をアピールした一方,未達成の公約などについての問いに答えを避ける一幕もあった。

 「東京大改革 2・0。これまで進めてきた改革をさらに進めていく意味で,今回の出馬の決意を新たにした」。フラッシュを浴びながら,小池氏はボードをかかげるおなじみのスタイルで,晴れやかに訴えた。女性活躍の環境整備や行財政改革などの成果を強調。今後も新型コロナ対策に取り組むとし,「都民の命を守ると同時に,経済をよみがえらせ『稼ぐ』東京を実現する」と力をこめた。

 都知事選で現職が6日前に表明するのはきわめて異例。小池氏は理由を「(コロナ対策費などの)補正予算が成立し,東京アラートを解除して休業要請のステップを上げ,一段落できた」と述べた。ただ現職知事の出馬表明後は通常,報道の露出が減るため「コロナ対策名目で引き延ばしたのでは」(自民都議)との皮肉も出ていた。

 自民党の自主投票には「(二階幹事長から)『形は問わない,しっかり応援する』との声をいただいており,都政で非常に心強い」。一方,前回知事選の公約で大半が未達成の「7つのゼロ」への自己採点を問われると,「都民に採点いただくもの」とかわし,実現していない「スギ花粉ゼロ」への質問には「揶揄(やゆ)する質問かと思う」とも。

 エジプト・カイロ大卒業という自身の経歴への疑惑報道から,卒業証書を示すよう求められると「カイロ大学が認めている。原本もすでに示した」としつつ,求めには無回答。再質問には「1人一問で」と遮った。(引用終わり)

 小池百合子の話法は,いわゆる「PDCA(Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)」の全行程を満たしておらず,というよりも,それが不完全だといったほうが当たっている。彼女は,都政に関してその話法に相当する内実を宛ててて言及してきたものの,最初のPをアドバルーンとして上げることには熱心だが,つぎのDの遂行になると,『東京新聞』の記事が評価しているようにすでに竜頭蛇尾「状態」となっていた。

 さらにCの点検やAの実施となると,そんなこと「私いいましたか」と,あたかも居直ったかのような表情を作って反発するだけの程度にしか応えないのが,小池百合子流の流儀であった。すなわち,彼女における政治手法そのものが,どこまでも中途半端に終始するほかないものになっていた。

 小池百合子都知事になったとき初めにかかげていた「7つのゼロ」目標(公約)は,要はそのときかぎりの “選挙用の小道具” として準備された武器でしかなかった。選挙に勝利したら「あとは,武器よさらば」とまではならなくても,それほど本気でやるほどの「公約」とはみなされなくなる。この指摘は,彼女の都知事4年間の実績をもとにして表現している。

 したがって,つぎの ⑥ のような評価の仕方も当然に登場してきた。

 

 「【検証】小池都知事,4年前の公約『7つのゼロ』いくつ達成できた?(都知事選)」『BUSINESS INSIDER』2020年6月12日,https://www.businessinsider.jp/post-214573

 a) 今夏の東京都知事選(6月18日告示,7月5日投開票)について,現職の小池百合子氏(67歳)が6月12日,立候補を表明した。小池氏は同日開いた出馬表明会見で,前回選挙の出馬で用いたスローガン「東京大改革宣言」を受けて,新たに「東京大改革 2. 0」のスローガンを示した。

 補注)「東京大改革 2. 0」とは「?」である。その「1. 0」が不合格点であったとすれば,この更新版は無用という以前に不可能な提案であった。小池百合子の厚かまし政治屋としての基本姿勢,前段の修辞に即していえば,自分がその 1. 0版で試みていたはずの「PDCA」に与えられた勤務評定・人事考課を完全に無視している。要は,自分にとってきわめて都合のいいだけの標語を披露していた。

 小池百合子都知事の過去4年間の実績に照らしてみれば,どうせまた,不全・消化不良の便秘状態に終わるほかないのが,その「2. 0」だと解釈されるのがオチ……。都民(の有権者たち)は,絶対にこの都知事に騙されてはいけない。この都知事はいつもこの詐法で選挙を戦い,庶民を騙しつづけてきた事実が記録されている。都知事時代でいえば1期が終了する時期を迎えたこの時点で,そのオチはより明瞭に記録されている。

〔記事に戻る→〕 小池百合子は4年前の都知事選挙戦を回顧し,「あの時なにに挑戦していたのかを思い起こすと同時に,挑むからにはあらためて決意を示す」と述べた。しかし,議論の的になっている「カイロ大学卒業」の学歴については「カイロ大学が認めている」とのみ説明。「原本は過去に公表している」として,あらためて公表する必要はないとの姿勢を示した

 補注)「あの時なにに挑戦していたのかを思い起こす」といった点は,まさに「口だけ,いまだけ,騙すだけ」の好例見本であった。また,卒業証書の公表はしないといいながら,エジプト政府からの支援が送られると一転して急遽,6月15日になると公表し 

〔記事に戻る→〕 今回の選挙は,2期目をめざ指す小池都政の評価を都民がどう捉えているかの試金石となる。無論,現在進行中の新型コロナ対策の中間評価にもなりそうだ。街頭演説は「密」を避けるため,「ウィズコロナ,ポストコロナの選挙を目指す」と表明。オンライン中心の選挙戦を展開するという。

 都民ファーストの会代表で小池氏の元秘書である荒木千陽都議は Business Insider Japan の取材に対し,現時点では街頭演説の予定は立てていないと話した。Business Insider Japan では,小池都知事がかかげた「7つのゼロ」の達成状況をまとめた。

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 b) 達成は「ペット殺処分ゼロ」 のみ,待機児童問題は改善

 前回の都知事選で,小池氏は公約「7つの0(ゼロ)」をめざすとアピールした小池氏。〔だが〕これまでのところ,達成できたのは「ペット殺処分ゼロ」のみだ(2018年度に動物 [イヌ・ネコ] 殺処分ゼロ達成を発表)。

 ただ,改善された課題もある。「待機児童ゼロ」は未達成ながら,就任時と比較して(待機児童数を)約半分まで減らした。小池氏も「格段に激減した」と成果をアピール。今後も液体ミルクの普及など,保育政策を進めることを示した。

 補注)とはいっても,その「待機児童ゼロ」に関して内容については,まだ困難な要因(関連事情・環境条件)が多く残されており,「格段に激減した」からといっても,けっして「完全に解消した」のではない。参考にまで,つぎの表を参照しておく。小池百合子都知事のいいぶんは話半分「以下」に聞いておく必要がある。

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  出所)「待機児童がひしめき保育園に入りにくい『東京の駅』ランキング」『DIAMOND online』2020.2.13 4:57,https://diamond.jp/articles/-/228572?page=4

 「満員電車ゼロ」は,皮肉なことに緊急事態宣言や新型コロナ対策でのリモートワーク・時差出勤の呼びかけなどで一部改善。都営地下鉄の利用者数が70%減になった期間もあった。ただ,社会経済活動の再開で利用者数が徐々に戻りつつあるなか,どこまで実効性を担保できるのか課題になる。

 一方で,検証困難な「ゼロ」も〔ある〕。

 「都道電柱ゼロ」について,小池知事は会見で「センター・コア・エリアでは95%は地中化を達成した」と誇った。だが,都が2019年に発表した資料によると,全体の整備対象(2328km)で地中化ができたのは,まだ40%台だ。

 「介護離職ゼロ」と「多摩格差ゼロ」は達成状況が検証できない。『東京新聞は』,東京都が「都内に約7800人(総務省統計)とされる介護離職者の推移は把握していないといい,検証は困難」と報じている。

 後者についても具体的な目標は示されていない。いずれも「ゼロ」の達成条件や進捗状況の検証はむずかしい。小池氏は会見で「介護離職ゼロ」が進んだと述べたが,具体的な数値は明らかにしなかった。(引用終わり,後略した段落あり)

 小池百合子都知事の発言は,さきほど提示した「PDCA」の枠組を大部分は無視した立場からのものとして,聞いたほうが無難である。経営学では大昔から経営管理過程の概念として,そのもっとも単純には,現場の製造管理に即して表現をしてみた「プラン ⇒ ドゥー ⇒ シー(Plan→Do→See〔これはControlともいう〕)に即して判断すると,小池百合子都知事としての仕事遂行ぶりにあっては,「Do はいつも中途半端のいいかげん」になっており,「See となるや,結局そのほとんどはほっぽり投げていた」も同然になっていた。

 それでも,またもや,「はい,こんどの都知事再選(当選)のための選挙ですから」,ともかく「また,プラン,プラン……」ですよと,そればかりをひときわ声高に強調することは熱心である。つまり,そのようにしてこそ,「前回選挙の出馬で用いたスローガン『東京大改革宣言』受けて,新たに『東京大改革 2. 0』のスローガンを示した」というしだいと,あいなっていた。

 冗談か? でなければ,詐欺的にしか聞こえない選挙用の宣伝か? だから,都民の皆さんは,またもや「こんな女」に騙されてはいけないと指摘している。ちなみに,「あんな男」が安倍晋三であった。日本の政治はもうガタガタにされつくしている。

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【参考記事】 

dot.asahi.com

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