新型コロナウイルス問題,小池百合子都知事の「東京アラート」のあとなら「小池百合子アラート」が絶対に不可欠

小池百合子は「東京アラート」の見直しをどのように総括したのか(全然していないまま),こんどは「数値基準を設けない新指標」を置いて新型コロナウイルス感染拡大「問題」に,どのように備えるというのか?

 

  要点:1 目先をきょろきょろみまわし,舌先でぺらぺらしゃべるだけで,なんらまともな対策を実行する意欲が感じられないこの都知事の「やっている振り」,すなわち「コロナ・タヌキの化けっぷり」に,都民たちはこれからも騙されつづけるのか?

  要点:2 いま,都民にとって必要なのは「東京アラート」にあらず,「東京都知事小池百合子アラート」そのものである。このスケコマシ(女性版)的な都知事の詐術的なコロナ対策は,実に空しく,それでいてみえみえの貧しい演技に終始している。その演技をさらに継続していこうとする姿は,醜悪である

  要点:3  「東京アラート」のとき準備・設定していた,その発動を判断するための数値基準(制限)は,こんどはとくに置かないというのだから,「東京アラート」の失策はみずから認めたも同然である。ところが,この都知事はその点(「東京アラート」をもちだしたが,早々に引っこめた事実:自身の失政)を,反省する気持など寸毫もない。呆れた政治屋である。


 「〔東京〕都,『次の波』へ新指標  数値基準設けず,医療体制重視  新型コロナ」朝日新聞』2020年7月1日朝刊26面「社会」

 この記事の見出しを読んだとき失笑した。「東京アラート」を6月11日に引っこめたいた小池百合子であった。ところが,その警報を発動(発令)する基準として,新型コロナウイルス感染者数が「週移動平均で20名」という「判断基準」を設けていたものの,その11日以降における都の新・感染者数の発生は,「都内の最新感染動向  最終更新 2020年6月30日 18:00,https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/ 」に出ているが,それもかなりみにくい統計の表示方法でもって(日にちを上下にめくらない〔スクロールしない〕とそのすべてを一覧できない)公表している。ともかく,週平均(移動平均)のほうが6月14日にの23名になってからというもの,こちらは上昇したままの状態をたどってきた。

 つぎにかかげる時系列の数値は,6月10日から30日まで,東京都における新型コロナウイルス感染者の発生数である。

6月10~19日  18,22,25,24,47,48,27,16,41,35

  20~30日  39,34,29,31,55,48,54,57,60,58,54

 この数値の経過に照らしていえば,小池百合子の「東京アラート」という判断基準の撤回じたいは,一部正しかったといえなくもない。だが,全体的な観察としてはけっしてそうとはいえない。どうみても「完全に判断を誤っていた」のが,つまり「1週間(移動)平均20名以上なら『東京アラート』発動」という対応策であった。

 7月5日の都知事選投票日を控えている時期,小池百合子は「東京アラート」の発動が解除された「都政の状況」を創りたかったのかもしれないが,そうは問屋が卸させない「新型コロナウイルス」の感染状況になっていた。だから,そのアラートは「解除する・しない」のあつかいなどではなくて,「もう,それは,ヤーメタ」というのであった。

 f:id:socialsciencereview:20200701092101p:plain

 その判断ミスは重大であって,それも彼女自身が犯した〈不可避のミス〉であった。それでもともかく,自分のみこみ違いであった点を認めてこれをすなおに撤回するとか,それに変わる具体的な数値に置きかえるといった「事後の措置」はなされていない。というか,今回はそのあたりの問題からは,必死になって意図的に逃げていた。

 要は,「東京アラート・発動」の「その失敗に関する反省もなしに」,くるりと向きを変えたかのように「こんどはこれでいくよ」といった具合に,この記事が報道した「新しい対策の立場」を彼女は披露していた。

 すでに多くの人たちが指摘してきたように,彼女は7月5日投票日の都知事選に向けて,いかにしたら「自分を都民に対してかっこよくみせられる演技(パフォーマンス)ができる」かを最優先させつづけてきた。だから「東京アラート」なる独自の警報制度を置くという演出もしていて,テレビなどに自分の姿がなるべく多く出るように努力してきた。だが,その制度が自分の都合に悪くなるとみるや,さっさとお蔵入りさせていた。

 この調子でいったら,この新しい対策のほうも近いうちにまた,まともな断わりも説明もなしに,全面的に撤回されると予測しておいたらよい。そのように用心して,彼女のいうこと・やることは受けとめたほうが無難である。というもの,以上に指摘した彼女の行動特性は,都知事として(あるいは以前から)のいつものやり方であったからである。

 いうなれば,当面している問題に対応するにさいして,目先・舌先だけであれこれはいうものの,その少しあとになる〔しばらくする〕とすぐに,彼女流のやり方はしごく簡単に,なおかつ前後の脈略もないまま変質していく。換言すると,政治家として最低限の説明責任を果たすこともなく,ことの進め方を “コロコロと転がすようにどんどん変更していく” のが,この都知事の行動特性であった。

 しかも,その見直し,いいかえれば「PDCA(plan ⇒ do ⇒ control ⇒ action)」が伴わないのだから,ものごとの管理・運営に関連して要請される原則・原理など,それこそ “▼ソ食らえの要領” で排除してきた。要は,彼女は無節操・無原則・無方針の都政をおこなってきた。

 --以上まで,だいぶ〈前論〉が長くなったが,この ① の記事を以下に引用する。

 東京都は〔6月〕30日,新型コロナウイルスの「次の波」への警戒を呼びかけるための新たな指標を公表した。医療提供体制の状況を重視し,各項目を総合的に分析するとして,警戒を発する具体的な数値基準は設けない。専門家による分析を踏まえて,都は必要に応じて,不要不急の外出の自粛といった注意喚起を呼びかけていく方針だ。

 補注)「次の波」を警戒するのは当然であり,それはそれでいいのだが,「前の波」の時,都知事として小池百合子はなにを・どのように対策を講じ,コロナ感染者数「増加」防止に努力してきたのか?

 この点じたいに関する「総括・見直し・吟味」などといったことばで表現される「対応関係をめぐる発言」が,彼女にあっては二の次の問題であるか,あるいは棚上げ(ゴミ箱入り)されている。「前の波」(第1波)のときに講じてきた対策はどのように評価され,あるいはさらに別のかたちで「次の波」(第2波)のために生かされるのかという点が,最初から不明瞭のままであった。

〔記事に戻る→〕 新指標は〔以下の〕7項目。潜在的な市中感染を把握するため,東京消防庁への発熱相談件数を追加。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)度を判断する指標には,救急患者の搬送先をみつけるのに時間を要した件数を盛りこんだ。

    ※ 東京都の新たな七つの指標 ※

 

 【潜在的な市中感染の有無を判断】

   ◆-1 新たな感染者数(週平均)
   ◆-2 経路不明者数(週平均)と週単位の増加比
   ◆-3 東京消防庁への発熱相談件数(週平均)
   ◆-4 PCR検査・抗原検査の陽性率(週平均)

  【医療提供体制の逼迫(ひっぱく)度を判断】

   ◆-1 救急搬送に時間を要した件数(週平均)
   ◆-2 院患者数
   ◆-3 重症患者数

 都の審議会委員で国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は都の対策会議で,「発熱相談件数が上がると新規感染者が増えると気づいた」と説明。救急患者の搬送の項目については「医療機関の負荷を示すものだ」と語った。

 都はこれらの指標を前週の数値や緊急事態宣言下での最大値を参考に専門家に分析してもらいながら,次の波への警戒を発するか総合的に判断する。〔7月〕1日から新指標を試行し,本格的に運用していくという。

 小池百合子知事は〔6月〕30日夜,「必要な警戒をしながら感染拡大の防止と,経済社会活動との両立を図っていく」と説明した。

 補注)「必要な警戒」ということばが「?」である。あまりにも抽象度が高い表現であるゆえ,なんとでも解釈できる余地のあるそれである。

 都は当面,経済活動を優先して,新たな休業要請は求めない。新たな指標の分析結果によっては,エリアを絞って,注意喚起することも想定しているという。

 都は,全業種への休業要請を解除した6月19日までは,週平均で1日あたりの感染者が20人以上なら「東京アラート」を発し,50人以上なら「休業を再要請する」と数値基準を示していた。休業要請の全面解除を受け,都は新たな段階へ移行したとして新指標を検討していた。(引用終わり)

 要は,途中に出ていた「東京都の新たな七つの指標」とは,もちろん,ある意味では確かに「東京アラート」の改訂版である。それゆえ,「東京アラート」との関連をもっと整理・復習⇒総括したうえで,さらにいえば,こちらの実際において記録されてきた「PDCA」の展開内容はどうであったのかを,きちんと説明・反省し,つまり総括したうえで,あらためてそのような指標の準備・設定を公表すべきであった。だが,その途中経過に関するまともな解説は,実質不在であって,事前にすっ飛ばされていた。いかにも,小池百合子風のトンデモでもない “跳躍的な都政の進行方法” が繰りひろげられていた。

 ということなのでつぎには,この ① の記事に該当する報道を『東京新聞』からも引用してみる。『朝日新聞』とは少し語調が異なる中身になっていた。小池がコロナ対策で,具体的な数値を設けないやり方に変更したのは,しかもこれに関しては “なんら反省の意向” すら表明しなかった点から判断しても,まことに小賢しくもみえすいた変更であった。


 「都,警戒呼びかけ数値目安設けず  7項目のモニタリング〈新型コロナ〉」
『東京都ホームページ』2020年7月1日 05時50分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/38990

 東京都は〔6月〕30日,新型コロナウイルス対策について,新たに「感染状況」と「医療提供体制」に着目した7項目でモニタリング(監視)すると発表した。警戒呼びかけなどの目安となる数値などは設けず,「専門家の評価を基に対応を決める」とした。7月1日から試行する。

 補注)「東京アラート」の発動は,いかにもミーハー的に受けるコロナ対策であった点を,小池百合子自身が告白したことになる。この「東京アラート」を設置したとき,この発動のための基準は,彼女が適当に数値を決めていた(週平均で1日あたりの感染者が20人以上なら「東京アラート」を発し,50人以上なら「休業を再要請する」と数値基準を示していた)わけだが,これを急に引っこめていた。唐突であった。

 その代わり,「警戒呼びかけなどの目安となる数値などは設けず,『専門家の評価を基に対応を決める』とした。7月1日から試行する」と断わっておき,自分に向けて惹起させられそうな「批判・非難」から逃げようと工夫している。そうなると,「東京アラート」を叫んでいた時の都知事の立場は,もともと「専門家の評価」でも,そしてこれを「基にした対応」でもなかった事実を,わざわざみずから告白したことになる。

 都民へのミーハー的な受けばかりを狙った「東京アラート」は,いまとなっては無残にも完全にムダな百合子的な騒ぎの1件であった事実だけが記録として残された。いいかえれば,小池百合子的な「コロナのタヌキ化け術」の浅薄さ・はかなさだけが,あらためて露呈された。

〔記事に戻る ↓  〕

 新たなモニタリング項目のうち, 

  1 新規陽性者数
  2 東京消防庁救急相談センターへの発熱相談件数
  3 感染経路不明者の数と増加比―で感染状況を,
  4 PCR・抗原検査の陽性率
  5 救急搬送先が20分以上決まらなかった件数
  6 入院患者数
  7 症患者数

などで,医療提供体制の状況を把握する。
 
 都はこの7項目を週1回程度,専門家に分析してもらい,都のモニタリング会議で現状を評価。この結果を基に「不要不急の外出自粛」の呼びかけなどをしていく。年代別や地域,業種ごとの発生状況なども分析対象にするとした。

 都はこれまで,今回の7項目とは異なる項目を含むモニタリング指標を活用。直近7日間平均の新規陽性者数など3つの数値を「東京アラート」や休業再要請を出す目安にしていた。

 6月2日,目安を超えたとしてアラートを発令。同11日にアラートを解除して運用を終了後,再び感染者が増加したが,都は感染経路が一定程度追えているなどとして外出自粛要請などは保留。「新型コロナとの共存と経済活動の両立を図る」として,新たなモニタリング体制を検討していた。

 会見した小池百合子知事は「三密を避けた行動などを徹底し,みずからの守りを実践してほしい」と述べた。今後,休業要請を行う可能性は「感染が広がれば選択肢としてはあるかと思う」とするにとどめた。

 補注)この段落においてこの都知事がいうことには,結局,自分1人だけでコロナウイルスと戯れてきた点,そして,肝心の対応の問題は,あなた:都民側に任せにする立場だけを前面に出していた。「東京アラート」は出さないが,都民(たち)はこれからも,「自分たちでアラート意識をもって自粛的に対応せよ」といっているに過ぎない。無責任である。だから,この『東京新聞』の記事はつぎのようにも書いている。

  ※ 数値目標を設置せず,不明確な自粛・休業要請の基準 ※

 警戒呼びかけなどをおこなう数値目安が消えた東京都の新たなモニタリング項目。小池知事は会見で「ひとつの数字ではなく(専門家の)現場感覚で判断するべきということ」と述べたが,どの水準になったら外出自粛要請や休業要請をするのかは不明なまま。試行前とはいえ,消化不良な説明にとどまった。

 補注)この段落を読むと,適菜 収・著『おい,小池!  女ファシストの正体』KKベストセラーズ,2017年11月という本を想起する。この適菜の本の解説(宣伝用)は,こう指摘していた。その文章のなかから任意に文節を抜きとって,紹介しておく。

 「小池百合子」という女性政治家を拡大鏡にしてみれば,実におぞましい。近代大衆社会の病巣がみえてくる。総選挙で小池百合子都知事が代表を務めた「希望の党」は惨敗を喫し,その責任問題も有耶無耶のなかで突如代表を辞任。いまや〔当時〕泥舟と化した「希望の党」から小池氏は早々逃走するがごとき様相だ。

 

 しかし,ちょっと待て。これもいつしかみた光景。政界渡り鳥といわれて久しい小池氏ならではの展開。デジャヴ。そんな小池百合子という政治家に対する不信,疑念,怨念が渦巻くなか,ポピュリズム政治家の真骨頂」ともいえるこの女政治家の正体とその恐ろしさを厳しく糾弾したのが本書だ。

 

 「すべては茶番。もり・かけ・解散選挙に『緑のたぬき』が参戦したが,しょせん『即席』だったというオチ。希望の党は大惨敗。ただし,小池百合子が果たした役割は大きい。それはわれわれの社会に大きな不信の種を植え付けたことだ。

 

 市場移転問題の迷走により築地の人々の信頼関係を破壊し,都庁内では独裁者として振る舞い,国政選挙においては絶望的に古いスローガンをかかげ,いかがわしい勢力を結集させた。安倍は小池と組んで改憲したいと,ことあるごとにエールを送っている。ちなみに,維新の会と小池をつないだのは竹中平蔵だった。(中略) 卑劣な社会は卑劣な政治しか生み出さない」(おわりにより)。

 この本の紹介文のなかにも「東京アラート」の “現象的な本性” に通じる指摘:批判が出ている。コロナ対策にも反映されている「小池流の即席の茶番劇」は,われわれがいま,東京都政として観劇している。それゆえ,デジャブ(既視感)……。

 以前において蓄積してきたこの都知事の「負の実績」はいったん置いても,コロナ対策における「東京アラート」撤回の責任問題も有耶無耶だという点を,なぜ,新聞社やテレビ局の記者たちは,小池百合子に向かいきびしく問わないのか?

 本ブログ筆者が理解しうるかぎりでは,彼らの姿勢には,安倍政権に対する態度(「ソンタク?」)と同様のなにかを感得する。

 f:id:socialsciencereview:20200701102000j:plain

  出所)https://tmiyadera.com/blog/1210.html

 横田 一の新著(つぎの※-2など)が関連する事情を解明している。山口県生まれで東京工業大学卒の横田は,小池百合子が思わずいってしまった「例の発言 “排除します” 」を語らせた(吐かせた)フリーのジャーナリスト,ノンフィクション作家である。

   ※-1 横田 一『検証・小池都政緑風出版,2017年7月。

   ※-2 横田 一『安倍・小池政治の虚飾-コロナ・カジノ・災害対応 横田一の現場直撃-』緑風出版,2020年6月。

 要は,小池百合子都知事の立場から打ち出している新型コロナウイルス感染問題に対する対応は,前段のように注意が喚起されているごとき,この女性の人間的・人格的な政治屋としての特性に警戒する必要が「きわめて高度な水準にある事実」を教えている。

 小池百合子都知事の仕事ぶりとしてみせてきた行動類型は,いってみれば山師・ブローカー的な臭いを強く発散させている。ともかく目前にある問題にしか関心がなく,時間が経てば状況しだいで,いくらでもチョロチョロとあちらこちらに移ろっていく。方針・運営の原則・原理など,もともとない彼女の行動様式があからさまに露呈される。「権力と寝る女」。

〔記事に戻る→〕 都はこれまで休業要請の緩和や再要請,「東京アラート(警報)」発令を判断するための目安として「直近7日間平均の新規感染者数」などの7指標を採用。これにもとづき要請の緩和やアラートを出してきた。

 ただ東京アラートは効果を疑問視する声があったほか,経済活動再開の足かせとなる事態も起きた。都幹部は「目安に縛られ,身動きがとれなくなってしまった。反省点は多い」と振り返る。

 小池知事は会見で「数字に届いたらスイッチをオン・オフするのかではなく,全体像をとらえるのが今回の考え方」と強調。分かりにくいとの指摘には「まず試行し分かりやすい方法をみいだしたい」と話した。

 補注)この小池百合子の発言は,なにもいっていないに等しい。問題の,論点の,現実の先送りしか意味しえない遁辞だけならば,使っていた。いままで「試行してきた『東京アラート』の問題」など,完全にそっちのけにした逃げ口上が駆使されている。「数字に届いたらスイッチをオン・オフする」と決めていたのが都知事自身であったにもかからわず,いまでは「試行し分かりやすい方法をみいだしたい」などと,それはもうたいそう寝とぼけた話題にすりかえている。まるでタヌキ寝入り……。

 一方,大阪府は独自基準の「大阪モデル」について,警戒などを呼びかける数値基準を緩めつつも,残す方向で検討中。担当者は「警戒情報を頻繁に出すのは影響が大きく,見直しを検討している。ただ府としては(判断理由が不明な)ブラックボックスにならない方がいいとの考え。数値基準は維持する」としている。(引用終わり)

 要するに,都知事として小池百合子新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対して繰り出してきた対策・措置は,なによりも思いつき的であった。東京都の職員たちは優秀であるにもかからず,この組織の管理をうまく活用する以前に,独りよがりの発想で自分だけが先走りながらあの「東京アラート」を打ち鳴らしていた。

 ところが,その後,東京都における新型コロナウイルス感染者数の増加に恐れをなしたのか,その統計がはっきりと提示されていながらも,都知事自身がこのコロナ問題を「ブラックボックス」にしておきたいかのように語っていた。要は,ああだこうだいっては,問題の核心からずるく逃げまわるだけの「都知事の姿」がみえる。

 だが,小池百合子は,「週平均で1日あたりの感染者が20人以上なら『東京アラート』を発し,50人以上なら『休業を再要請する』と数値基準を示していた」わけだが,いまとなっては,自分の早とちりに気づかざるをえなかった。すると,さっさとこの条件を撤回していた。

 もちろん,反省したとかあるいは見直したといったふうに変更するのではなかった。ただ,以前のその基準はほっぽり投げてしまい,「次の波」(新型コロナウイルス感染拡大の第2波)に備えるのだといっては,新しく「7つの指標」をもちだしてきた。

 小池百合子都知事という人物は,どうせまた局面の変化に合わせ,その必要に応じてころりと態度を変え,さらに新しいなんとかの基準をもちだすに決まっている。という程度にしか理解されえない。

  ※ 最後のまとめ的な議論 ※

 結局,小池百合子都知事の発言は「定量分析の視点」を「定性分析の視点」にまで後退させた。また,発言そのものが以前においては具体性ある内容であったものが,その後は単に,抽象的な表現に変化した。この具体から抽象への立場の平行移動は,今後において発生するかもしれない責任問題を,事前に回避しておくためと思われる。

 さらに,個別の問題には直接触れずに全体的な次元における問題にのみ関心を向ける態度を示しはじめていた。この点も前段の批判が妥当するわけで,個別に問題を議論していくと,ときには的を外したり完全に間違えたりする可能性を事前に予防できないゆえ,これを回避しておくためにも個別の問題には触れなくなった。

 なかんずく,彼女の政治屋としての立場に明瞭に浮上していた特徴は,なんであっても「自分のためにする発言」でしかなく,あるいは「顧みてほかをいう」話法を得意としている。いいかえれば,「おためごかし・スケコマシ(女性版)」の政治屋である原点は,彼女の政治生活を通貫する,終生変わらないできた。

 「こんな都知事が再選などされたら」,この人を選んだ都民たちにも不幸・不運が降りかかってくるほかない。だが,都民のなかには多数,この小池百合子都知事の本性をみぬけないまま,7月5日の都知事選・投票日に向かわざるをえない。

 ところで,石井妙子『女帝 小池百合子文藝春秋,2020年5月29日発行は,今日の時点まで30万部を売っているという(ただし,出版元の宣伝)。この本を都民(有権者の)全員が読んだとしたら,おそらくそのうち小池百合子に票を入れる都民はいなくなるのではないか?

 なかんずく,政治家としての小池百合子都知事)は,単に食わせ物である本質を有している。それだけのことであった。もうそろそろ,彼女のその政治屋的な特性を都民たちは理解しておく必要がある。

 過去4年間,小池百合子都知事としていかなる実績を挙げて残してきたのか? 本ブログ内ではすでに数度指摘したことがあるが,その成績はせいぜい30点未満であった。信任投票にも値しない数値ではないか。したがっって,こちらについて定量分析をするとしたら,それはもう無残な結果しか出てこない。

 「東京アラート」 その前に都民たちは小池百合子アラートを乱打しなければならなかった。いまからでも遅くはない。

------------------------------ 

【関連記事】

------------------------------