朝日新聞社「編集委員:蘇我 豪」が安倍晋三首相と会食する自由は「報道の自由」と両立するのか?

朝日新聞社編集委員にはいろいろいて(多士済々か),安倍晋三担当の編集委員もいればそうではない大勢の編集委員もいる

もっとも,前者はフニャフニャしたアベ応援論説を書き,後者はまともに政権批判をする文章を書かないわけではない,というこの『朝日新聞』紙面の気味悪さ

 

  要点:1 安倍晋三からは「朝日であってもこれほど気持よく付き合える幹部記者がいたのか」と気に入られた蘇我 豪の書く文章は,その題目を観ただけで「歯が浮く」し,実際に読んでみると「なにかとのソゴ」しか感じとれない〈奇妙な筆致〉になっている

  要点:2 「社会の木鐸」である新聞社の基本使命のうち,その半分ほどは完全に殺す役目を果たしている蘇我 豪は,産経新聞社にでも転職したらいかがか? 奥歯にモノが挟まったいいかたで『朝日新聞』に論説を書くくらいなら,さっさと朝日新聞社は去るべきでは

  要点:3 論説であるつもりならば,まともな学力のある中学生が読んでも判る文章を書かねばならないところを,必要以上にてらってあえて婉曲に表現し,しかも意味深長ぶって語るのは,ある意味でという以上に,ただいたずらに『安倍・忖度』でしかありえない(ただし,それで安倍君が十分に読みこめるわけではない)

  要点:4 もっと分かりやすく読み安い文章を書かねばなるまいが,そういわねばならないのも,やたらイミ・シンにアベ・ソンタク的に文章を書いているからではないか?

 

 「〈日曜に想う〉安倍政権,盛衰の逆説 編集委員・曽我 豪」朝日新聞』2020年6月28日朝刊をめぐって考える

 以下,この蘇我 豪の論説をとりあげながら,安倍晋三政権と新聞社幹部記者とのただれた関係性を吟味・討議してみたい。

 --政治は皮肉と逆説から出来ている。衰亡の兆しは権力の盛りに現われるというし,権力者は自分の得意な所で高転びするともいう。平成元(1989)年の竹下 登首相がまさしくそうだ。

 「国会対策の第1人者」のはずの首相が,衆参で多数を握りながら,リクルート事件を追及する野党の国会共闘が崩せない。予算の衆院通過さえ暗礁に乗り上げた結果,退陣を余儀なくされた。

 蔵相などを歴任し「政策通」を自任した橋本龍太郎首相の1998年の辞任も,減税をめぐる自身の発言が迷走し,参院選で惨敗した結果だ。2009年に誕生した民主党政権鳩山由紀夫首相も,外交の転換に政権交代の意義をみいだそうとしたが,沖縄の米軍普天間飛行場移設をめぐる「最低でも県外」との発言が混乱を招き,実現も出来ず,政権担当能力の欠如を露見させただけの皮肉な結果となった。

 補注)ところで,この鳩山由紀夫首相の場合(事例)は,政権担当を妨害した外務省官僚が,アメリカ側のジャパンハンドラーズと共謀して自国の政権を揺らがすという,まさに売国奴的な裏工作の実行が介在していた事実を,この朝日新聞社編集委員である蘇我 豪がしらないとは思えない。

 もしも,本当にしらないでそうっているのであれば,あるいは,オトボケの論説を意図して書いていたと受けとってもいい。普天間飛行場辺野古地域の移転問題は,現時点でみればすでに,アメリカ側でもその埋め立て工事の難関さについて理解している関係筋もあったりで,この移設問題そのものがいったい,なんのためであるのかという本質問題が問われはじめている。

 その関連でいえば,鳩山由紀夫が首相在任中に,普天間飛行場を「最低でも県外」へと発言した意味は,「いまとなってはの話」にならざるをえないとしても,それなりに「日本国・民,とくに沖縄県・民」にとって,非常に外交的に価値のある発想であった。しかも,その移転の件を妨害していたのが外務省の官僚たちであり,そして,首相の地位から鳩山を追いだす契機にまで提供していたとなれば,外務省内に盤踞する売国的な「国家官僚たち」の存在のほうが,むしろ問題であった。この問題は依然,現在的な意味を有している。

 蘇我 豪は,この種の問題をしらないのか? まさか,そうではないはずである。編集委員の立場にいる幹部記者が,よほど勉強不足でもないかぎり,その問題をしらなわけがない。いまでは,このあたりの問題については鳩山由紀夫自身が回想的に発言している。

 註記)「『最低でも県外』を翻させた外務省の『極秘文書』の存在に『虚偽』疑惑! 官僚が総理をワナにはめた ! ? 真 相に迫る! 岩上安身によるインタビュー,第616回 ゲスト 鳩山由紀夫・元総理」『IWJ』2016.2.16,https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287473

 補注)少し長くなるが,つぎの記事を引用しておく。「官僚に潰された鳩山由紀夫首相」『止まらず一歩』2018-03-21 18:46:58,https://blog.goo.ne.jp/susumu_1954/e/9078a1a1089ca0f697ae86ed16c83790  である。

 --羽鳥のモーニングショーで玉川徹さんが,

 a) 鳩山由紀夫首相が官僚の裏切りによって退陣に追いこまれたことに触れた。現実にあった話である。

 ※-1 防衛省と外務省が鳩山政権を潰した」(2013. 12. 01)

    民主党政権時の鳩山前首相は,沖縄県外にアメリカ軍基地を移転させよう
    としていましたが,そのときに防衛省と外務省から提供されていた『ヘリ
    コプター部隊と演習場の距離が65カイリ(約120Km)以内とする米軍の基準』
    が嘘だったことが判明した。鳩山政権は,この65カイリ基準のために『基
    地の県外移設』を断念せざるをえなくなった。

 〔2013年〕11月26日,琉球新報が在沖米軍海兵隊に65カイリ基準に関してインタビューをしたところ,「海兵隊の公式な基準・規則にはない」との回答をえている。つまり, “65カイリ基準” はアメリカ軍に存在しなかった架空の基準だった。これは他の調査からも後日判っており,65カイリという文書は鳩山首相を陥れるため防衛省と外務省が勝手に情報を捏造したものだった。

 ちなみに,アメリカから毎年のように日本に送りつけられていた年次改革要望書を戦後史上初めて破棄したのも鳩山政権だった。鳩山政権があげていた『有事駐留』『対等な日米関係』『東アジア共同体構想』もアメリカ側の反発を招き,結果として,マスコミも官僚も動員して鳩山政権を総辞職に追いこんだ。

 付記)『年次改革要望書』とは,日本政府と米国政府が両国の経済発展のために改善が必要と考える相手国(日本)の規制や制度の問題点についてまとめた文書で,毎年日米両政府間で交換されていたが,鳩山内閣のときに廃止された。

 補注)この年次改革要望書はいわば,アメリカが日本にあれこれ要求する請求書(しかも対価の支払いなしでの)であった。鳩山由紀夫が首相としてこれを断ち切ったことは勇断であったけれども,これが鳩山を潰そうとする外務省の売国官僚の動き(蠢動)を惹起させていた。もちろん裏側にはジャパンハンドラーズや当時のアメリカ政府の関係者がいた。

 ※-2「官僚は誰に忠誠を誓う」(2015. 08. 05)
     「鳩山首相は米軍基地の「県外移設」を主張して,当時,それを沖縄の人たち
    も非常に歓迎したわけですけれど,結局,首相自身が潰されるかたちになって
    実現しなかった」。
      
 以下は,矢部宏治『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』集英社インターナショナル,2014年からの引用となる。

 普天間の「移設」問題が大詰めを迎えた2010年4月6日,鳩山が外務省と防衛省内閣官房から幹部を2人ずつ首相官邸に呼んで秘密の会合をもち,『徳之島移設案』という最終方針を伝えた。

 そのあと酒を酌み交わしながら「これからこのメンバーで,この案で最後まで戦っていく。力を合わせて目標にたどりつこう。ついては,こういった話し合いが外にもれることが一番ダメージになる。とにかく情報管理だけはくれぐれも注意してくれ」といった。

 『これからの行動は,すべて秘密裡におこなってくれ』と念を押したのである。しかし,その翌日。朝日新聞の夕刊1面に,その秘密会合の内容がそのままリークされた。つまり官僚側から「われわれはあなたのいうことは聞きませんよ」という意思表示を堂々とやられてしまった。

 官僚たちは,正当な選挙で選ばれた首相(鳩山)ではない「別のなにか」に対して忠誠を誓っていた。と鳩山さんは語っている (「普天間移設問題の真実」友愛チャンネル)。

 それからちょうど1年後の2011年5月,ウイキリークスという機密情報の暴露サイトがアメリカの公文書を公開した。その内容は,日本のトップクラスの官僚たちが,アメリカ側の交渉担当者に対して,つぎのように吹きこんでいた(告げ口)という事実である。

   ◆  高見澤將林・防衛省防衛政策局長「(民主党政権の要求に対して)早急に柔軟さをみせるべきではない」。

   ◆  齋木昭隆・外務省アジア太洋州局長「(民主党の考え方は)馬鹿げたもので,いずれ学ぶことになるだろう」。

 まったく,信じられない話である。

 註記)矢部宏治『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』集英社インターナショナル,2014年,18-19頁。なお,引用したブログに,頁の指示はなし。

 b) いまはどうか。安倍首相は鳩山元首相のように「対等の日米関係」なんてことは毛頭考えず,ひたすらアメリカの忠犬である。アメリカにしてみれば「使い勝手のよいバカ」であり,官僚も「適当に煽てておけば,こっちの思いどおりになる」と考えている。まさに理想的なバカ首相だから,表面上はきわめてうまくいっている。国民のこと・・・,そんなこと考えたことがない。

 補注)『朝日新聞編集委員蘇我 豪も,多分だがきっと,この指摘を否定しはしまい。安倍晋三は「アメリカの忠犬」,そのアメリカの「使い勝手のよいバカ」,日本の国家官僚からは「理想的なバカ首相」である事実を,である。それでも,朝日新聞社もいろいろ内部事情があって,このバカ首相となんとか通話できる回線は確保しておきたい。

 その役目を担っているのが蘇我編集委員である。まことにご苦労な仕事だというほかない。バカが一国の最高指導者であるが,これを相手にしてでも,もっともらしい論説を書くというのだから,まともな神経の持主であれば,いつまでもやっていたら「心がおかしくなる」可能性もある。

 それはともかく,以上に引用してきた蘇我 豪の「安倍政権 盛衰の逆説」は,まだ4分の1足らずしか紹介できていない。以下につづけよう。

 --負けに不思議の負けはないのだ。得意でないことと思えば渡るにも石橋をたたこうが,得意なことだと慢心すれば,成功体験や使命感に目がくらんで反対意見に耳を貸さず,おごりや隙が生まれる。

 補注)「負けに不思議の負けはない」とは,プロ野球野村克也監督が「勝ちに不思議の勝ちあり,負けに不思議の負けなし」と述べている点を引いたものである。この言葉はもともと,江戸時代の大名で剣術の達人,松浦静山の剣術書『常静子剣談』にある一文から引用されていた。

 安倍晋三首相の得意も例外ではなかろう。長期政権の起点である2012年末の就任記者会見にその芽がすでににあった。「危機対応」と「官邸主導」である。

 会見で首相は「危機突破内閣」と名乗り,閣僚に「経済再生」「復興」「危機管理」の3点で全力をあげるよう指示したといった。外交・安保政策を官邸主導で進める司令塔として国家安全保障会議の設置を明言した。民主党政権との違いを示す意思は明らかだったが,「前政権を批判しても,今現在,私たちが直面をしている危機,課題が解決されるわけではありません」と語っていた。

 事実,首相は2013年の参院選で衆参を縦断する安定多数を確保するや,国家安全保障会議(NSC)と内閣人事局を創設した。政策と人事の両面で霞が関を統治すると共に「官高党低」も実現し「安倍1強」体制の基盤を整えた。

 首相は2014年に衆院を解散し体制を固めなおしたが,前後して特定秘密保護法と安保法制を成立させた。世論が賛否半ばする懸案の処理が内閣支持率を急落させることを見越して分離処理を旨とし,株価と支持率が堅調になるのを待って解散を断行する。政局上の危機管理術だった。

 だがいまや,選挙でリセットしようとしても疑惑や不祥事はあとを絶たず,国会で重要法案の成立見送りが続く。首相はことさらに「民主党政権の悪夢」と過去をいいたてるようになった。そして政権の強みはそっくり弱みへと転化した。

 補注)安倍晋三が口をきわめて「民主党政権の悪夢」をいいつのっていたけれども,これは,客観的な根拠を欠く恣意的な意見であった。どこまでも印象操作による虚言になっていた。「悪夢だ」だということにしたら,いままでの第2次安倍政権下ほど,国民生活を劣悪にしてきた政権はない。少なくとも,民主党政権に比較しただけでも確実にそのように断言できる。なにせ,第2次安倍政権は7年半以上つづいてきたが,その分だけ確実にこの日本・国を溶融させてきた。

 そもそも,安倍晋三という「世襲3代目のお▼カ政治屋」がこの国の最高指導者になった時点で,日本というこの国はボタンのかけ間違い以上の大失敗をしていた。「こんな人」しか,つまり,世襲のただの無知・無恥・無能な政治屋3代目のボクちん宰相が,自分では1人前のつもりでこの国の為政をになえたつもりで来ていたのだから,その後の経過といったら,ただただ悲惨(以下)というか最悪(最凶)になっていた。

 アベノミクス? そんなものは新型コロナウイルスが日本に襲来するだいぶ以前から蒸発・消滅していた。アベという文字が付いただけで,いまではすぐに,なにかケチが付いている政治事象かという世の中の空気まで醸成されている。困ったことに,安倍晋三のボタンのかけ間違いに気づいていても,誰もこれを指摘も修正もできないできた。その意味では,とうてい “バカにはできないほど” にまで,この国の総理大臣はいままでこの国をさんざんダメにしてきた。

〔記事に戻る→〕 新型コロナウイルスの危機対応も一本調子で,混乱や不正が顕在化しても修正が利かない。逆に30万円給付や9月入学など先走った政策は,批判を浴びて断念や検討継続に追いこまれた。行き過ぎた「官邸主導」が懸念や反対の声を吸収できない「官邸孤立」を生み,危機対応の確かさを唱え過ぎた分だけ,政権の存在意義が疑われる。まさに逆説だ。

 補注)こういう逆説「性」の諸問題そのものを,蘇我 豪自身はこれまで,どのように「考え受けとめてきた」のか? 安倍晋三に対してまえもって,直接に尋ねることはしてこなかったのか? たとえば,第189回国会(常会)『質問主意書』質問第319号,山本太郎「安倍首相の『会食』についての更なる究明に関する質問主意書」(平成27〔2015〕年9月24日)が,政府に対してつぎのように訊いていた。

 平成27〔2015〕年1月14日付けの朝日新聞であったが,山本太郎の提出したある質問主意書を取り上げ,安倍首相が報道関係者らと繰り返している「会食」について言及していた。それは「全国紙やテレビ局のベテラン記者らとの定期的な会合」であるとか,なかでも,出席している朝日新聞の曽我 豪編集委員は「政治記者として,最高権力者である総理大臣がどういう思いで政治をしているのかを確かめる取材機会を大事にしたいと考えている」ということがらの説明に関する内容になっていた。

 どうだろう? 安倍晋三首相と会食する機会のある『朝日新聞編集委員蘇我 豪は,前段においてみずから指摘したような政治の話題を,じかにとりあげ,安倍に質問したり議論もしたりしているのか? なにもその事情が分かりえないこちら側の立場からは,そのように勝手に推測するほかない。

 首相に直接会える記者が,オフレコで会話を交わしているとしても,この人が新聞紙面などにおいて政権を批判することが,それも新聞記者として「自由にできる」と想像することは,とてもできない。そういったほうが自然な理解である。

 いいかえれば,この編集委員安倍晋三とうまく対話できる『朝日新聞』の幹部記者だという評判がある。けれども,それはそれとして,この人自身の存在が「朝日新聞社の『社会の木鐸』としてあり方」を,ひとまず全面否定するほかない事由を提供している。そのように解釈されて,なにも抗弁はできまい。これは常識的に,ふつうに推論されてよい道理である。

〔ここで記事に戻る→〕 ただ,逆説は与野党に等しく現われる。2001年年の森 喜朗自公政権内閣支持率9%に沈み,民主党への政権交代は待ったなしと思われた。だが,自民党が総裁選前倒しにより森首相辞任とともに小泉純一郎首相を後継に押し出すと,内閣支持率は80%前後を記録した。想起すべきは,政権党が息を吹き返す余地があったことだろう。森内閣支持率が9%のさいも政党支持率は自民24%,民主12%で地力の差は明らかだった。

 補注)この段落の記述は,なんだ,この程度の論旨の運びか,という印象である。しかも,現象の表層をなぞるだけの政局分析でしかない。なぜ,国民たちは小泉純一郎政権が登場したとき,そのように高く支持したのか? 新聞社の編集委員たる者,問題の出立点における上っ面の事象ばかりなでまわす解説だけをしている。関連する当時の政治事情をなにもしらない編集員ではあるまい。

 小泉純一郎政権以降,その弟子筋に当たる安倍晋三政権まで途中に民主党政権が入っていたものの,新自由主義規制緩和路線⇒軍国主義化,すなわち国民たちの貧困化加速へと,この国は確実に進行してきた。そのところにいまはさらに,新型コロナウイルス感染拡大の「脅威」に襲われている。現首相の安倍晋三は,国家の死物(私物)化には大成功したけれども,経世済民という観点からは完全といっていいくらい失策を重ねてきた。

 いいかえれば,小泉純一郎政権時に旧来の自民党(執権党)は大きく変質しはじめており,現在の安倍晋三政権になると,もはや完全に異物(ゾンビ)化をとげた。その過程において,アベノミクスなんぞはさておき,アベノポリティックスの内政も外交も,「先進国の仲間からの脱落過程」をしっかりとていねいに歩む「拙劣で幼稚な為政」を展開しつづけてきた。

 すでに全輪がパンク状態であるこの安倍政権が,まだよろよろと,コロナウイルスにはどつかれながらも,まだズルズルと長らえている。もはや存在する意味などどこにもない,その有害無益性だけを誇れる最低の体たらく政権になりはてている。その具体的な経済現象をひとつだけとりあげておく。

  「生活保護申請24. 8%増  新型コロナ影響」という報道は,つぎのように伝えていた。

 厚生労働省は〔2020年7月〕1日,全国の4月の生活保護の申請件数が2万1486件と前年同月に比べ24. 8%増えたと発表した。新型コロナウイルスによる雇用情勢の悪化が影響した。前年同月からの伸び率は,2012年4月の申請件数の統計開始以来,過去最大だった。

 註記)nikkei.com 2020/7/1 14:47,https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61017080R00C20A7CR8000/

 この生活保護申請件数は,4月分だけの統計である。いまはもう7月である。5月,6月のそれは,きっと,もっと増えている可能性が大きい。新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対する政府の基本姿勢は,「営業の自粛要請」をしても,まともな水準まで「休業補償はしない」である。

 

 失業者が増えつつあるし,求人倍率については「有効求人 5月 1. 20倍,46年ぶり下げ幅  失業200万人迫る」(nikkei.com 2020/6/30 10:55,https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60955110Q0A630C2MM0000/)となっており,急速に低下(悪化)しつつある。6月以降はどうなるか? 悲観的な展望しかできない。

 

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〔記事に戻る→〕 安倍首相は〔6月〕18日,国会閉会後の記者会見であらためて憲法改正を任期内にやりと遂げるといった。緊急事態条項を挙げて自民党改憲案への自信を語り,「反対ならば反対という議論をすればいいではないか」と挑発気味に野党を批判,衆院解散の断行には含みを残した。

 補注)この指摘は奇妙である。いまの安倍晋三改憲をするための余力など全然残っていない。この点は,現時点であれば識者がそろって指摘していた。そのところを「このように潤色気味にとりあげている」ところは,まさに「安倍晋三,ヨイショ」でしかない。つまらない応援歌を歌いあげている。

 いわゆる「引かれ者の小唄」を,蘇我安倍晋三といっしょになってハモらせて(うなって)いるつもりか?

 いまどきになってもまだ,このように安倍晋三「忖度」の論説を書ける「『朝日新聞編集委員の立場」は,どのように解釈したらよいのか理解に苦しむ。朝日新聞社にとっては有意義な幹部記者であっても,社会全体にとってみたら,単に「安倍政権の持続」に手を貸している編集委員,そのカカシ的な姿にしか映らない。

〔記事に戻る→〕 東京都知事選の共闘も新たな政権像と政策の明示もできない野党である。かつての風頼みのままなら世論の支持が上向くはずがない。それなら,首相が危機を逆手にとって緊急事態対応をテコに「改憲解散」を狙っても不思議でない。そうなればこれほどの皮肉はない。(引用終わり)

 蘇我 豪君は,安倍晋三に対して衆議院解散総選挙を勧めているのかどうか,奥歯にモノを挟んだいい方にも聞こえるから即断はできないものの,いかにも安倍政権に対するエセ・ブレーン風の発言に聞こえてならない。

 
 「報道倫理」の関連

 ウィキペディアに概説されている「報道倫理」には,冒頭の「概説」という項目につぎの説明が書かれている。

  a) 報道の自由言論の自由を含む,政府からの表現の自由は民主主義の基本原則のひとつであり,近代憲法のなかで共通の権利として保障されている。

  b) 民主主義国では,政府の干渉からプレスの自由は強く守られているが,記事を入手するために記者がやってよいことには,道義的制約が課せられている。

  c) プレスの自由の原則から,表現や報道の規制はできるかぎり法律ではなく,ジャーナリストが自主的に決めた倫理基準によっておこなわれるべきだと考えられている。

  d) また,ジャーナリズムの主要な役割に「権力の監視」があり,監視の対象である国家権力にルールの制定・運用を委ねることは不適切でもある。

 ところで,asahi.com 2020年4月21日 18時48分(パリ=疋田多揚,https://digital.asahi.com/articles/ASN4P64NRN4PUHBI01W.html )は,「報道の自由度,日本66位『政権批判にSNSで攻撃』」という見出しで,つぎのように報道していた。

 国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は〔4月〕21日,2020年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち,日本は66位(前年67位)だった。日本の状況について,東京電力福島第1原発といった「反愛国的」テーマを扱ったり,政権を批判したりする記者がSNS上で攻撃を受けていると指摘した。

 

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 新型コロナウイルスの感染が広がる世界の状況については,ウイルスの脅威を利用して「平時ではできないような規制を課している」国があると指摘。感染が広がった中国(177位)やイラン(173位)で大規模な検閲がおこなわわれたと批判した。ハンガリー(89位)が偽情報を流した場合に禁錮6年以下の刑を科すと決めたことにも懸念を示した。

 

 トップはノルウェー(1位),フィンランド(2位)などの北欧が占め,昨年48位だった米国は45位だった。 

 さてときおりだが,日本の首相と会食して,意見交換をする機会がもてる朝日新聞社編集委員蘇我 豪の立場は,以上のごとき「報道の自由度・ランキング」を踏まえて批評するとしたら,いったいどのように語るべき対象になるのか?

   1. 蘇我自身の「論説」に関して,確保できている「表現の自由」は,何点がえられるか?

   2. 蘇我は「記事を入手するために記者がやってよいことには,道義的制約が課せられている」という点を,自身ではどこまで自覚しているか?

   3. 蘇我は「ジャーナリストが自主的に決めた倫理基準」を,自分なりに一定水準は保持していて,安倍晋三と会話し,談論する機会をもっているか?

 蘇我は,自分の記者としての立場が「ジャーナリズムの主要な役割に『権力の監視』があり,監視の対象である国家権力」の最高の地位に居る者:安倍晋三と会食する仲を保持する事実を,もしも「社会の木鐸」であるはずの新聞言論人の立場として詰問されたとき,いったいどのように弁解し,反論するのか?

 以上,蘇我には一度訊いてみたかった論点を,具体的に表現してみた。

 ところで,その後になるが,『朝日新聞』2020年7月1日朝刊11面「オピニオン」には,やはり編集委員を務めている駒野 剛が〈多事奏論〉欄に,「権力と新聞不都合な実相こそ恐れずに」という一文を寄せていた。この文章の最後で,駒野はこう述べていた。

 真実を書かず権力の暴走を許し,国民を苦しめた過去が日本の新聞にある。その反省の上にいまがあると忘れてはならない。

 

 緊急事態宣言下,国民が苦しむなか,朝日新聞を含む新聞人が,東京高検検事長と賭けマージャンをしていたことが分かった。

 

 新聞が真実を追求するのは,国民が実相を知り,正しく判断できるためだ。国民から乖離(かいり)し,権力者に取り入っても,権力者に都合のいい情報しかえられまい。不都合な実相こそ恐れず書くことが責務なのだ。

 蘇我 豪は,この同僚の文章のなかに書かれている事象に,いっさい触れなくてよいような関係のなかで「安倍晋三との会食の機会」をもっていると,自信をもって断言できるか? 

 しかし,そのようにはできないに決まっている。また『朝日新聞』というのは,編集委員の立場・思想には幅がある,役割分担が設けられているなどといって許容・黙過できる問題でもない。今後,どうするのか? 安倍晋三はいずれ近いうちに首相の座を降りる。

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