東電福島第1原発事故現場を制御しているのは「悪魔の火」に穢された汚染水であり,これをアンダーコントロールできていない「悪魔の弟子」たち「人間・人類」

東電福島第1原発事故現場,安倍晋三君が「アンダーコントロール」だと虚言した汚染水問題は,本当は『悪魔がそのすべてをアンダーコントロールしている』という意味であった

それゆえ,人間側においては「永遠に勝てない汚染水との格闘」を強いられている,しかもいつ解決できるのかその見通しすらなく,太平洋にその「処理水」を排水するしか後始末の方法はないと主張されている


  要点:1 悪魔の排泄物「放射性物質の汚染水」は,沿岸海域に廃棄するしか解決策はみいだせないのか

  要点:2 親方を失った「魔法使いの弟子」=「原発を利用してきた人類・人間たち」は,現在,逃れることができない暗礁に乗り上げた状態にあるが,いつこの座礁状況から脱出できるのか,その見通しは全然ついていない


 「〈科学の扉〉東日本大震災10年へ 汚染水120万トンの現実 約7割が放出基準超え,過去に除去不十分」朝日新聞』2020年7月20日朝刊19面「扉」

 a) 東京電力福島第1原発で増えつづける汚染水。複数の装置で処理されてタンクにたまる水は約120万トンにのぼる。海に放出して処分する案も出ているが,水の約7割は法令の放出基準の濃度を超えている。そもそもどうなっているのか。

 汚染水のおおもとは,1~3号機の原子炉建屋で溶け落ちた核燃料の冷却のために注がれている水だ。核燃料に触れた水は,セシウムストロンチウムトリチウムなど63種類の放射性物質が溶けこみ,高濃度の汚染水になる。事故当初は冷却に海水を使ったため,カルシウムやナトリウムなど海水由来の成分も含まれる。タービン用の油なども混じっている。

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 悩ましいのは,増えつづけることだ。冷却に使う水は循環させ,なるべく汚染水を増やさないようにしているが,建屋の破損した部分などから地下水や雨水が流れこみ,新たな汚染水が生まれてしまう。1日に増える量は2014年5月には540トンもあった。地下水のくみ上げや雨水の浸透を防ぐ対策で抑えているものの,昨〔2019〕年度でも1日平均180トン増えている。

 事故直後は,増えつづける汚染水を別の建屋や急ごしらえのタンクで保管するしかなかった。当時,汚染水処理に携わった電力中央研究所の小山正史・首席研究員によると,米スリーマイル島原発事故で発生した汚染水と放射性物質の種類や濃度はよく似ているという。「ただ,水の量が桁違いに多い。さらに,多く含まれた海水が,金属の腐食を進め,放射性物質の除去を妨げてしまう。処理システムの設計は難しかった」と話す。

 b) 現在の処理の流れはこうだ。

 建屋内の汚染水はまず「セシウム除去装置」にかけ,放射線の大半を占めるセシウムストロンチウムの濃度を下げる。つぎに「淡水化装置」で,淡水と,塩分や放射性物質を含む濃縮水に分離。淡水は核燃料の冷却に再び使い,濃縮水は「多核種除去設備(ALPS〈アルプス〉)」に通す。ここで,トリチウム以外の核種をほとんど取り除き,環境中に放出してもよいとされる法令の基準値(告示濃度)以下にする。

 トリチウム三重水素とも呼ばれ,化学的性質は水素と同じ。水の状態で存在するため除去がむずかしいが,体内に入っても排出されやすい。放射線は微弱で,紙一枚でさえぎることができ,外部被曝の影響も小さい。

 補注)東電福島原発事故現場に発生しつづけている汚染水に含まれるトリチウムの処理問題は,いままでずっと至難の様相を呈してきた。太平洋に排出すれば問題が解決するかのように粗雑な議論がなされてもいるが,それでトリチウムにまつわる問題そのものが解消させられることはない。

 すなわち,トリチウムだけを残して含んだ「汚染水(処理水)」を沿岸海域に排水しても安全だと,一方的に主張されている論法でもって,トリチウムの害毒を意図的に隠蔽することは許されない。こうした理解の見地から,専門家たちによるつぎの意見を聞いておきたい。

 また,トリチウムが人体に対して内部被曝の被害を与える危険性を,このように「体内に入っても排出されやすい」といって済ますことはできない。本ブログ内では,つぎの記述があった。

 ★-1 将来の新エネルギーを創出すると期待されている核融合技術には,燃料となるトリチウムが大量に使用され,放射線作業従事者のトリチウムによる被曝が懸念される。また福島第1原子力発電所廃炉作業の工程では,発生しているトリチウム汚染水対策による,作業従事者の健康問題が懸念されている。

 トリチウム被曝の形態は, 低線量・低線量率の内部被曝が想定されるが, 経口・吸入・皮膚吸収により体内に取りこまれたトリチウム水は, 全身均一に分布することから影響は小さくないと考えられる。さらに有機結合型トリチウムは生体構成分子として体内に蓄積され,長期被曝を生じる。

 註記))馬田敏幸「トリチウムの生体影響評価」『Journal of UOEH(産業医科大学雑誌)』第39巻第 1号,2017年6月,抄録。

 ★-2  最近の動き福島第1原発事故サイトでは,燃料デブリの冷却水と原子炉建屋およびタービン建屋内に流入した地下水が混ざり合って大量の汚染水を発生している。これらは放射性物質除去装置にかけて汚染水タンクに「処理水」として貯蔵しているが,除去できないトリチウムを含んでいる。

 貯蔵されている「処理水」は過去7年間に総量100万㎥を超え,敷地内に1,000㎥のタンクが林立している。その結果,タンクを増設する用地は〔2017年の〕あと3年弱でなくなるみこみだという。そこで,当事者たちは,海洋放出の環境づくりに奔走しだしたようである。

 現在「トリチウム水」といわれているものは,一応他の核種の放射能を除去する水処理設備を通過しているが,100%完全に除去できているかどうかについては筆者らには知見がない。そういう点にも不確定要素があるならば,他の核種についても減衰を期することは無駄ではない。

 「結  論」 放射性物質の毒性については,すべてのことが解明されているわけではない。トリチウムの害についても同様である。毒性のあるものは自然界に拡散させるのではなく,集中管理して無毒化したのちに自然界に放出するというのが,長年にわたる公害問題において学びとってきた原則である。

 原子力市民委員会の提案は,技術的にも経済的にも既存の工業レベルで実績があり,もっとも安定的な方法である。冒頭で述べたように,地元福島県世論調査で67%が海洋放出に反対している現状において,原発事故の責任を負うべき政府と東京電力の判断にもとづいて,一方的に放出の判断を下すことは道義的にも許されないことである。

 補述)具体的にはこう述べられている。「現在有害性に関して諸説ある中で海洋放出を強行するのではなく,十分な検証を尽くすまで恒久的なタンクの中に保管することを提案するものである」〔註記文献( ↓ )の〕5頁。

 註記)以上,原子力市民委員会原子力規制部会長・筒井哲郎「福島第1原発構内のトリチウム水海洋放出問題 論点整理」2018年6月6日,http://www.ccnejapan.com/documents/2018/20180606_CCNE_1.pdf,1頁,6頁。

〔記事に戻る→〕 ALPSは,汚染水処理の「切り札」として2013年3月に導入された。それなのに,ALPSを通った処理済み汚染水の約7割が放出基準を超えるのは,さまざまな理由で性能を発揮できない時期があったからだ。

 ALPSの導入当初は,セシウム除去装置でセシウムだけが除かれた高濃度の汚染水があちこちに貯蔵され,廃炉作業を阻んでいた。この水が放つ放射線で,敷地境界の線量は基準の約10倍にもなっていた。そこで東電は,濃度を下げることよりも,高濃度の水をとにかく早く減らすことを優先。処理の「質」より「量」をとった。

 ALPSは,0. 5ミリ程度の細かな粒状の吸着材が詰まった管に汚染水を通すことで,放射性物質を除去する。核種に合わせて吸着材を選び,複数の吸着塔を順に通すしくみだ。東電は,吸着材の交換にかかる時間を節約するため,2015年ごろまで交換頻度を下げていた。使いつづけた吸着材は性能が落ちるため,除去が不十分になった。

 補注)ここでの理屈のつながり,「吸着材の交換にかかる時間を節約する」⇔「交換頻度を下げて」⇔「吸着材は性能が落ちる」⇔「除去が不十分」という連鎖は,東電側の対策における手抜き・怠慢を意味するとしか受けとれない。だが,この記事の書き方は,ごく自然ななりゆきであったかのように,汚染水の「除去が不十分」だったと表現している。すなわち,批判されるべき東電側の作業経過(やり方)がなにげもなしに書かれているだけである。

 処理済みの水のなかには,告示濃度の約2万倍のものもある。これは,部品の劣化によるトラブルが原因だった。

 ALPSの一部には,吸着を妨げる成分をあらかじめ薬品で沈殿させて取り除く前処理の工程があるが,2014年3月,この前処理で発生する高濃度のストロンチウムを含んだ泥状の沈殿物が流れ出し,処理済みの水に混ざってしまった。設計にあたった東芝エネルギーシステムズの福松輝城さんによると,沈殿物をろ過するフィルターのパッキンが高い放射線で劣化し,隙間ができてしまったのが原因という。「腐食との戦いだった。放射線や海水成分,処理に使う薬液などによる影響が想定以上だった」と振り返る。

 ヨウ素など除去しづらい放射性物質も吸着材の交換頻度を高めるなどして,濃度を下げられるようになった。東電によると,2019年4~12月に満水になったタンクを調べると,トリチウム以外に告示濃度を超えた水はなかった。

 東電は,海に放出する場合,再びALPSなどで処理して放出基準以下にした「処理水」を流す考えだ。ただ,いくら処理しても,取り除いた放射性物質が消えてなくなるわけではない。使用済みの吸着材や沈殿物として残り,強い放射線を放つ廃棄物となる。

 6月4日時点の廃棄物量は,ALPS由来のものだけで約9千立方メートルに上る。なかでも,前処理で生じる沈殿物は泥状なので,容器の劣化などで漏れるリスクが高い。脱水処理で安定化させる研究が進められており,2022年度にも始まるみこみだ。

 こうした廃棄物を最終的にどうするかは,まだ決まっていない。電力中央研究所の井上正・名誉研究アドバイザーは「現在の処理システムを続けるかぎり,放射性廃棄物も増えつづける。汚染水の発生量を減らすことが課題だ」と話す。(引用終わり)

※用語解説〈物質ごとに告示濃度〉※ 告示濃度とは,放射性物質を海や大気に出しても健康への影響がないとされる基準値で,原子炉等規制法にもとづき核種ごとに決まっている。70歳まで毎日約2リットルの水を飲みつづけても被曝線量が年1ミリシーベルト以下になる濃度などを算出する。原発などの廃水は基準以下に薄めて海に流している。

 補注)いつも感じてきた疑問は「原発などの廃水は基準以下に薄めて海に流している」という点に関してあった。「薄める」程度はどのくらいなのか? ともかく薄めておけば・いけば,この話法だと,どのような濃度の汚染水でも『薄めて』排水できることなる。この種の疑問が消えない。

 

  本(旧)ブログ2018年10月02日の記述,「東電福島第1原発事故はアンダー・コントロールだと虚言した大ウソだけでも安倍晋三は首相を辞める十分な理由になる,《悪魔の火》の被害は深刻なまま未来永劫に続く」の前半部分から(とくに下記の★-1と★-2の項目に相当していた段落)を,③ 以降の記述内容として抽出し,再録する。

 前段の記述は,本日が2020年7月20日であり,いまから1年と10ヵ月ほど前の記述であったが,いまもなお妥当する中身である。なお,それでも関連の薄い箇所は採録はせず省いておいた。2018年10月2日から2020年7月20日になった時点でも,東電福島原発事故現場の状況は本質的にいって,なんら変化なしと観るほかない。

  ★-1 魔法使いの弟子にはもともと手に負えない《悪魔の火》

  ★-2 原発の再稼働は麻薬患者がヤクから抜けきれない状態に酷似している

  ★-3 原発関係裁判において国策的な判決を出す裁判官は「噴火リスク『社会通念』で容認」するといったが,この観点は「安全神話」の錯誤を理解せずに蒸し返す蒙昧・暗愚であり,国民たちの大多数が反対する原発再稼働の考えも否定する非常識でもあり,要は典型的な法律▲▲の見本である。


 「福島汚染水問題,東電が対応陳謝 経産省の小委員会」朝日新聞』2018年10月2日朝刊29面「社会」

 東京電力福島第1原発で浄化したはずの汚染水の8割超が基準値を超えていた問題で,東電は〔2018年10月〕1日,経済産業省の小委員会に経緯を報告した。委員からは「汚染水は国民の関心事と思っていなかったのか」などと批判が相次ぎ,東電の松本純一・廃炉推進室長は「大きな反省点は,国民の意識とのズレ」と陳謝した。

 福島第1原発では,多核種除去設備(ALPS)で処理した水がタンクに貯まりつづけている。小委員会は設備でとりのぞけないトリチウム三重水素)を含む水の扱いを議論してきたが,〔2018年〕8月末にあった公聴会で,ほかの放射性物質も基準を超えていることに批判が集まっていた。

 この日の小委員会では,「いままで説明を受けていない」「分かりやすい資料をそろえるべきだ」といった声が出た。松本室長は,処分法が決まったさいには再び,ALPSにかけて基準値以下にする方針を説明。「説明が不十分だったと反省している」と述べ,今後はデータをまとめた資料を定期的に公表するとした。(引用終わり)

 以上と同旨の記事は『日本経済新聞』同日の朝刊34面「社会1」に「汚染水,処分前再浄化へ 福島第1原発 基準超,東電が謝罪」という見出しで報道されていた。

 前日〔ここでは2018年10月1日〕の『日本経済新聞』朝刊(21面「地域総合」)には,先月の北海道胆振東部地震に関連するコラム記事が掲載されていた。これも読んでおきたい。

 ◆ 真夜中,札幌市内の自宅で激しい揺れに跳び起き,慌てて机の下にもぐった。体感で震度5か。おさまると,すぐテレビをつけた。震源付近では被害が大きいかもしれないが,北海道全体では限定的だろう。そんな風に考えをめぐらせているとテレビが突然プツンと消え,真っ暗になった。停電だ。とっさに水道の蛇口をひねったが,水が出ない。

 

 ◆ 急いで懐中電灯をもって近くのコンビニエンスストアに向かった。一番近い店は営業休止の張り紙。つぎに近いコンビニは非常電源でなんとか営業していたが,満員でもう水は売り切れていた。店員は「蓄えている電気がなくなればレジが使えなくなり,いったん店を閉めざるをえない」といった。

 

 ◆ 9月6日発生した胆振東部地震では直接の被害にくわえ,その後の全道停電が企業や家庭を苦しめた。ある酪農家は搾乳機が動かせず,乳牛の病気を防ぐため社員総出で6時間,乳を絞ったという。「捨てなければいけないのに絞るのは本当つらかった」と振り返る。

 

 ◆ なぜ全道停電が起きたのか。北海道電力が電力供給力の半分以上を,震源に近かった苫東厚真火力発電所厚真町)に集中させていたことが要因のひとつであるのは明白だ。真弓明彦社長は記者会見で「苫東厚真の3基が一気に停止することは想定できなかった」と話した。想定外では済まされないというのが東日本大震災の教訓ではなかったか。

 補注)ここでの指摘「想定外では済まされない」が,「3・11」後,いわば『社会通念』になっていることに注目したい。

 

 ◆ 北電は国の安全審査で泊原子力発電所(泊村)の再稼働が見通せないなか,発電コストを抑えるため安価な海外炭を燃料とする苫東厚真に頼っていたとの指摘がある。電力供給という使命より利益追求を優先していなかったかが問われる。

 補注)ここでは「3・11」以後とあまり変わりなく,電力会社が利潤追求の観点を優先してきた,そういった立場にいまも執着している点に注意したい。当然の会社経営の基本的方針とはいえ,あらためて指摘しておくべき点である。

 

 ◆ 全道停電によって泊原発も外部電源を一時すべて失った。停止中とはいえ原発内部にはつねに冷却が必要な使用済み核燃料が大量に置かれている。今回は冷却用の非常電源がすぐに動き,地震発生から約10時間で外部電源も全面復旧した。全道停電で誰よりも肝を冷やしたはずの北電幹部は徹底した原因究明と再発防止の責めを負う。

 補注)ここでは「つねに冷却が必要な使用済み核燃料」という説明に留意したい。もちろん,非常・異常の発生時にその冷却できないと,原発は,放射性物質の絡んだ事故を必らず起こしてしまう。このことは,東電福島第1原発事故が日本における実例となって否応なしに実証した。

 こう考えてみたらよいのである。同じ「発電所の事故」がたとえば火力発電所で起きてしまい,大爆発事故になったと仮定する。原発の事故と比較してみればよいのである。それぞれの事故において「なにが・どのように異なる」かは,「想定して」みるまでもなく決定的といえる違いを現象させる。

 

 「〈悪魔の魔法使い:親方〉がいない,原子力の火に翻弄される地球の原発事故現場」

 1)「汚染水,浄化後も基準値超え 89万トンの8割超 福島第1」『朝日新聞』2018年9月29日朝刊1面

 東京電力は〔2018年9月〕28日,福島第1原発のタンクにたまる汚染水について,浄化したはずの約89万トンのうち,8割超にあたる約75万トンが放射性物質の放出基準値を上回っていたことを明らかにした。一部からは基準値の最大約2万倍の濃度が検出されていたという。今後,追加の処理が避けられなくなり,東電が進めてきた汚染水対策の見直しが迫られるのは必至だ。(▼3面=解説,これはつぎの ⑤  にとりあげる)

 東電や経済産業省によると,多核種除去設備(ALPS)で処理した汚染水約94万トンのうち約89万トン分を分析したところ,一部のタンクから,基準値の約2万倍にあたる1リットルあたり約60万ベクレルのストロンチウム90が検出された。

 東電はこれまで,ALPSで処理すれば,化学的に水素と同じ性質をもつトリチウム三重水素)以外の62種類の放射性物質を除去できるとしていた。ストロンチウム90は半減期が約29年と長く,人体では骨にたまりやすい性質がある。

 東電は今後,汚染水の海洋放出などの処分法を決めた場合は,再びALPSなどに通して処理する方針も示した。現状の処理量は1日340トン程度にとどまる。再び処理することになれば,追加の費用にくわえ,年単位の時間がかかるとみられる。一方,汚染水は年5万~8万トン増えており,敷地内のタンクの増設は2020年に限界が迫る。

 基準値を超えた原因について東電は,2013年度に起きたALPSの不具合で,高濃度の汚染水が処理しきれずに混入したことや,放射性物質をとりのぞく吸着材の交換が遅れたことなどを挙げている。今後,吸着材の交換時期を見直すなど対応を検討するという。ただ,今後も基準値超えの放射性物質が検出される可能性は否定できないと認めた。

 東電は,こうした測定値をホームページに掲載していたが,積極的には説明してこなかった。「掲載しただけで満足していたのは大きな反省点」としている。今年8月に福島県などで開かれた経産省公聴会では,汚染水の中にトリチウム以外の放射性物質があることに批判が集まっていた。(引用終わり)

 2013年9月7日,ブエノスアイレスで開催されたIOC総会で安倍晋三は,日本の首相である立場から,2020年に招致したい東京での五輪開催を訴えていた。だが,そのなかには,いまでは完全に『その大ウソ』が証明されている,つぎの点があった。 

      ▼ 安倍首相「アンダーコントロール」のウソ ▼
  =『WEBRONZA』2013年9月18日,https://webronza.asahi.com/science/themes/2913091700003.html

 

 安倍首相は,滑らかな英語で東京への五輪招致演説をした。首相官邸ホームページにその和訳が掲載されている。福島について言及したのは開始直後だった。

 

 「フクシマについてお案じの向きには,私から保証をいたします。状況は,統御されています。東京には,いかなる悪影響にしろこれまで及ぼしたことはなく,今後とも及ぼすことはありません。……」。

 

 英語では「アンダーコントロール」といった。え? 立ち並ぶタンクのあちこちから汚染水が漏れてくる。地下水は山側から容赦なく流れこみ,それが汚染されて港湾に流れ出る事態も続く。汚染水はいま,「アウト・オブ・コントロール(制御不能)」じゃないですか。 

 この指摘・批判はいまから5〔7〕年前になされていた。その間,福島第1原発事故現場における地下水の放射性物質による汚染問題は,基本的になにも解決できていない。「3・11」直後からこの原発事故現場は,石棺方式で覆って保存している,つまり,チェルノブイリ原発事故現場と同じやり方がひとつの案として提示されていたが,現地被災者からの猛反発を受けて,以後は口にされなくなった。

 石棺方式による事故処理はさておいても,地下水の汚染問題は安倍晋三が5〔7〕年前にすでに解決をしていると,それも虚勢を張って大ウソを吐いて以来,いまだになにも解決できていない。それどころか,いよいよ限界的な状況(事態の深刻さが臨界点に到達)にまで昂進してきた。安倍晋三という日本の首相はこのウソひとつだけをもってしても優に辞任すべき理由になる。もっとも,まだ居座っていて「第4次政権」(2017年11月)を組んでいたのだから,この国はいったいどこまで堕落したかとあなどられてもしかたあるまい。

 

 「〈解説〉東電,汚染水処理ずさん 基準値超え,指摘受けるまで未公表」朝日新聞』2018年9月29日朝刊3面「総合」

 東京電力福島第1原発事故の汚染水処理のずさんな実態が露呈した。〔9月〕28日,汚染水の8割超が基準値を超えていたことを東電が初めて公にした。汚染水問題が浮上した2013年以降,「(汚染水は)コントロールされている」とし,東京五輪に向け問題を矮小化してきた経済産業省の責任も重い。

 補注)なお,「安倍晋三」の政治責任は「経済産業省」よりも「≧」。

 基準値超えのデータの公表は,経産省が8月末に開いた住民向けの公聴会がきっかけだ。それまでは,原子炉内にある溶け落ちた核燃料を冷やしたあとの高濃度の汚染水は,特殊な浄化装置にかければ,トリチウム三重水素)以外は含まれていないことが前提だった。

 だが,実際は放射性のヨウ素ストロンチウムも基準を超えていると,公聴会直前の報道や住民側の指摘で明かされた。指摘がなければ,今回の汚染水の分析結果は埋もれたままだったかもしれない。

 東電は〔9月〕28日,「個々のデータはホームページに載せていた」(松本純一・廃炉推進室長)と釈明した。しかし,原発事故から7年超の膨大なデータのなかから,基準を超えた汚染水が存在している実態を第三者がつかむのは,きわめて困難だ。情報開示の姿勢に大いに問題が残る。

 東電は「汚染水タンクの用地に限界がある」,政府は「東京五輪までに福島復興を世界にみせたい」と対策を急ぎすぎた。今後はさらに浄化させる方針を示したが,汚染水処理の技術的な「頼りなさ」と,住民の疑念は解消できるのか。週明けに再開する経産省の小委員会で,解決策を一から議論しなおすべきだ。(引用終わり)

 東電福島第1原発事故現場の地下水の汚染問題は「解決策を一から議論しなおすべきだ」というが,いままでこの関係工事のためにわれわれの血税をどのくらいつぎこんできたのか。東電本体をつぶさずに,いったいいくらの税金を融通してやり,この会社を生きつづけさせてきたのか。

 「3・11」を惹起させてしまった原子力村の流儀というか信念というものは,いまではとり返しができないくらいにまで,地球環境の一部を完全に破壊した(チェルノブイリ原発事故と東電福島第1原発事故など)。われわれの目前にみせつけられている原発大事故現場のその後における風景は,現に解決の見通しすら全然つかない現実を,ありのままに教えている。

 いまであっても,安倍晋三が東電福島第1原発事故について実際に口にした “The situation is under control” という「決めセリフの政治責任」が放置されていい理由は,なにもない。

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  補  遺(2020年7月20日

 新型コロナウイルス感染拡大「問題」のために2020東京オリンピックは,最大でも1年間は延長することになった。だが,1年先にこの新型コロナウイルスの流行が収まるという保証は,誰にもできていない。それ用のワクチンが品質と数量の両面で間に合うように調達されるという保証もない。

 この2020東京オリンピックの開催によって,東電福島第1発電所の大爆発事故によって現地に刻まれた傷跡から目を背かせるつもりであった安倍晋三や森 喜朗,そして小池百合子などは,ひたすら「自身の役得やミエを追求するために,それこそ目先だけでチョロチョロ動きまわるだけの政治家人生」を過ごしてきた。

 こうした「政治屋の連中」にひとくくりできる野卑で強欲な者たちは,2020年に入ってから世界全体において大流行しだした新型コロナウイルスのせいで,オリンピックの開催が絶たれることを非常に恐れている。というのは,自分たちの利権(五輪のいいとこ取り:甘い汁の源泉)が吹っ飛んでしまうからである。

 なかでも,竹田恒和(前JOC会長)がこう述べていた事実は,われわれがけっして忘れてはいけない福島県・民を侮辱し,冒涜する理屈」を記録させていた。

ブエノスアイレス=阿久津篤史】 2020年東京五輪招致委員会は〔2013年9月〕4日,国際オリンピック委員会(IOC)総会のあるブエノスアイレスで初めて記者会見を開き,東京電力福島第1原発の汚染水漏れ事故について,竹田恒和理事長が「現在の東京は水,食物,空気についても完全に安全」と釈明に追われた。また,開催都市を選ぶ7日の総会の投票直前のプレゼンテーションで,安倍晋三首相がこの問題について説明する見通しも明らかにした。

 補注)指摘するまでもないが,この安倍晋三がつづけて “例のアンダーコントロール” を発言していた。ところで,2020東京オリンピックは中止になったものの,聖火リレー福島県から出発させる予定であった。もしかすると,聖火リレーの経路(コース)の設定は,最初に福島県を済ませておき,早くそこからは離れたいという設定だったのか?

 記者会見はアジア市場の大きさや可能性などを訴えるのが目的で,張富士夫トヨタ自動車名誉会長も出席した。しかし,実際には海外記者からの質問の6問中4問が汚染水関連で,海外からの関心の高さをうかがわせた。

 竹田理事長はIOC委員に書簡を送って安全を訴えたと説明した。そのうえで「政府が責任をもって対応すると安倍首相も発表している。2020年五輪にはまったく懸念がない」「東京の放射能レベルはロンドン,ニューヨーク,パリと同じで,絶対に安全なレベル」「福島と東京は250キロ離れている。東京はブエノスアイレスとまったく変わらず安全」と強調した。

 補注)250キロの距離が東京都と福島県のあいだにあれば,東電福島原発事故現場の惨状を,2020東京オリンピックの開催期間中も心配する必要がないと,当時JOC会長であった竹田恒和は公言していた。

 福島県民の立場・意識からすれば,1世紀半前に発生していた宿敵(仇敵)の存在「長州藩薩摩藩の武士たち」にくわえて,こんどは元皇族の竹田家もその仲間に入れておかねばならなくなった。

 東電福島原発事故現場は,あと何世紀が経ったとしても消えてなくなる「事故現場」ではけっしてありえず,「永久的に近い半永久の遺物」として,いつまでも残る。チェルノブイリ原発事故の跡地と周辺地域を想い起こすまでもなく,その点は自然に想像できる未来図である。

〔記事に戻る→〕 当初は英語で答えていたが,度重なる質問に〔竹田恒和は〕最後は日本語に切り替え,「東京圏には3500万人が住んでいるが,これまで1人も問題があった人間はいない」と訴えた。また,竹田理事長はプレゼンテーションに出席予定の安倍首相について「この問題についてみずから語ると思う。安心できる説明ができると思う」と話した〔のである〕。

 註記)asahi.com 2013年09月05日07時19分,https://digital.asahi.com/special/2020hostcity/articles/TKY201309050019.html

 「東京圏には3500万人が住んでいるが,これまで1人も問題があった人間はいない」と勝手に決めつけていった竹田恒和の発言は,非科学的・没論理的であるという以前に,ただのいいかげんなデタラメだったとしかいいようがない。

 しかし,竹田がなぜそこまでもデタラメを,口から出まかせ的にデッチ上げていたとしても,現実には,新型コロナウイルス感染拡大「問題」のために2020東京オリンピックの開催は延期になった。しかも,中止になる可能性が高い。いったい,なんのために安倍晋三竹田恒和は「五輪のためであれば平気でなんでもウソをつき,デタラメをいっていた」のか?

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 安倍晋三君は,自分の政治家としての名誉(レガシー)が五輪開催国の首相としてほしかった。竹田恒和君は,自分がJOC会長であった立場において五輪的な栄誉(レガシー)がえられるはずであった。なお,竹田はJOC会長を,2019年6月に退任している。

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