2020東京オリンピック延期,第2波かもしれないコロナ禍,いまだに後手にまわる感染症対策,それでいて御大将:安倍晋三はかくれんぼ状態

  「バカな大将,敵より怖い」,つまり「バカな総理大臣,コロナより怖い」

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           付記)これでは「3密」どころか「?密」。

 コロナ禍に襲われているいまの日本は,対策が後手だというよりは,実質「大将が無能ゆえの無策の状態」なのだから,

 2020東京オリンピック開催にこだわったコロナ禍拡大のツケはなおさら大きくなりつつあり,これからもっと深刻化しそうな様相


  要点:1 国政(菅 義偉官房長官)と都政(小池百合子知事)がたがいに,新型コロナウイルス問題をめぐり,縄張り争い的にケンカしているようでは,まるで本当にバカまるだし状態で,この感染症問題に対していることになり,完全に逆効果

  要点:2  「馬鹿だからなれたのかしら大統領」(東京都  大坪実千代,本日7月24日「朝日川柳」から)ということなのだが,あちらの大統領=日本の首相でもあるから,太平洋をはさんでおたがいに思案顔

  要点:3 「3・11」の被曝被害者とみられる池江璃花子白血病,2020東京オリンピック延期と関連する話題

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 「国内の新規感染者900人超,全国各地で過去最多を更新」asahi.com 2020年7月23日 19時50分,https://digital.asahi.com/articles/ASN7R6HPXN7RUTIL00S.html?iref=comtop_8_06

 新型コロナウイルスの国内の感染者数は〔7月〕23日,新たに全国で981人に上り,2日連続で過去最多を更新した。東京都では同日,新たに366人の感染を確認し,1日あたりの感染者が初めて300人を超えた。愛知県で97人,福岡県で66人と両県とも過去最多を3日連続で更新したほか,大阪府でも104人と2日連続で100人を超えた。

 全国で23日に確認された感染者数は午後9時現在で981人で,前日の795人を大きく上回った。

 東京都で100人を超えるのは15日連続で,200人超えは3日連続。これまでは17日の293人が最多だった。23日の366人を年代別でみると,20代が最多の139人,30代が93人で全体の63%を占めたが,40代51人,50代23人,20歳未満24人,60歳以上36人と全世代に広がっている。感染経路不明は225人で61%を占めた。(引用終わり,後略)

 さて,ちょうど1週間前の7月16日であった。つぎの記事に出ている児玉龍彦が参議員予算委員会で重要な発言をしていた。その後の「1週間」でみれば,児玉の警告したとおりに「新型コロナウイルス感染者数の増大傾向」が明確に現象し出してきた。児玉は同委員会における発言として,このままでは「1週間後,そして1ヵ月後には感染が急激に増大・拡大する恐れがある」という趣旨を,深刻な表情で警告していた。

  7月23日 366人
    22日 238人
    21日 237人
    20日 168人
    19日 168人
    18日 290人
    17日 293人
    16日 286人

 日本全体で7月23日に確認された感染者総数981人のうち,東京都は366人で,その37.35%に相当する。東京都の人口は約1400万人(全国比で約11%)であるから,そのほかの大都市圏における感染者数にも同様な傾向がみてとれるように,とくに大都市部とこの隣接圏域では感染者の分布が高くなっている。

 結局,「全国の感染者981人,2日連続で最多を更新…都内ほぼ全域で感染者を確認」YOMIURI ONLINE 2020/07/24 02:27,https://www.yomiuri.co.jp/national/20200723-OYT1T50232/  しているなかで,いま「東京都,病床確保に四苦八苦 『第1波』病院経営へのダメージ深刻」『東京新聞』2020年7月24日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/44438  となっている。

 『東京新聞』2020年7月24日のこの記事は,「増床は簡単ではない」「通常の診療に影響,収入3割減」「コロナ受け入れ病院の9割が赤字」「病院ごとの役割明確に」などの小見出しを出して報じていた。これでは「第2波」が本格的に襲来してきたら,医療崩壊の恐れが高い。

 

 「感染防止『総力挙げないとNYの二の舞』=東大・児玉氏」ニューズウィーク日本語版』2020年07月16日(木)16時02分,https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2020/07/284704.php

 7月16日,東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏は参院予算委員会(閉会中審査)で参考人として発言し,新宿区に新型コロナウイルスのエピセンター(感染集積地)が形成されつつあると指摘した。

[東京 16日 ロイター] 東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏は16日の参院予算委員会(閉会中審査)で参考人として発言し,新宿区に新型コロナウイルスのエピセンター(感染集積地)が形成されつつあると指摘した。感染拡大防止に「国の総力を挙げないとニューヨークの二の舞になる」と述べ,大規模なPCR検査の実施などを通じて制圧することが急務だとの認識を示した。杉尾秀哉委員(立憲・国民,新緑風会・社民)らへの答弁。

 補注)「児玉龍彦名誉教授 参議院 予算委員会 2020年7月16日」は,つぎの動画で視聴できる。

 児玉氏は「きわめて深刻な事態となっていること」について報告したいと述べ,「東京にエピセンターが発生しており,いま,全力で食い止めないとニューヨークのような事態になる」と指摘。外出自粛を呼びかけるステイホームでなく,「遺伝子工学・計測科学を使った(感染者の)制圧が重要。致死率は時間とともに上昇する」と懸念を示した。

 そのうえで「責任者を明確にしてトップダウンで前向きの対応が必要」として,「いますぐ国会を開くべきで,いまする対応は来週する対応の百倍の価値がある」と提言した。(引用終わり)

 それでいてこの国の最高指導者である安倍晋三総理大臣は,このところ「官邸内では非常に多くの人びとと会っている状態」は保っているものの,その実態はとみるに「国会とこの委員会から逃げまわっている始末」である。このところの彼は,首相の地位に就いているにもかかわらず,実質雲隠れしたままである。

 新型コロナウイルス感染拡大「問題」の,最近における日本的な事情の経緯,前掲の動画,「児玉龍彦名誉教授 参議院 予算委員会 2020年7月16日」については,つぎのような感想(チャットによる意見)が寄せられていた。任意に5点拾いだし,紹介しておきたい。本日7月24日午前6時半〈時点〉からの紹介となる。

 ※-1 buch bun 5日前

 この方は,3・11の放射能汚染問題の時にも国会答弁して,涙ながらに国のやり方を非難し自身の提案をされてました。児玉さんは,医学者,科学者でありながら,政治経済,法律,現場状況を包括的に捉えて具体的な提案ができることが,他者にはない素晴らしさです。くわえて人としての感情もあり引きつけられますね。いまの日本には美辞麗句を並べる評論家ではなく,このようなな方が国のリーダーになってもらいたいです。

 

 ※-2 かたみき 6日前

 本当に国民の命を考える国会議員ならば,与党とか野党とか,利権とかプライドとか全部取っ払って本気でやって下さい!! 至急国は児玉先生の方法をすぐおこなって下さい!! また,なぜテレビでは児玉先生の対策方法の部分を流さないのか?とても一番大切な話なのに! なにか変です。

 

 ※-3 YoungOk Noh 6日前(編集済み)

 児玉先生の発言に涙が止まりません。日本がなんでここまで腐敗しているんでしょうか! 国民の安全性はなんでここまで落ったんですか。韓国人の友達もいまにも日本の対策は信じられないといっています。日本は発達した技術をもち,有名な科学者がいっぱいいることは事実ですよ。

 

 ※-4 昭和 遥 1週間前

 児玉先生ありがとうございました。政府にも,あえていえば,野党にも忖度せず,信じることを堂々と主張される姿に感銘致しました。初めて意味のあるコロナ国会でした。全日本の叡智を結集した TASK FORCE の立ち上げ,国民の切実な願いです。成蹊,カイロへの忖度は御免被ります!

 

 ※-5 ながせじろ 1週間前

 大学に留学生の友人が多くいます。韓国の友人がとくに多いですが,日本のコロナ対策は恥ずかしいレベルだといわれました。感染症対策先進国の韓国からみればあまりにも劣悪だということです。恥をかかせないでください,安倍総理

 補注)この安倍晋三君はいま,冬眠状態にあるかのような総理大臣である。いままでさんざんぱら,「恥を」「みずからかいてきた」一国の最高指導者であった。しかし,事態は「こんな首相」をあてにしてはいられない限界すら超えていた。

 

 また,一方で「東京アラートごっこ」をして遊んできた小池百合子都知事は,このごろの記者会見で語る新型コロナウイルス感染問題に関した中身と来たら,まったくのスカスカである。

 

 都庁舎やレインボーブリッジを赤くライトアップして,みずから楽しんでいたコロナ遊戯の時期はすでに終わっているが,いまとなっては,具体策といえるような対策をまともに打ち出せていない。イメージ作戦でのみ,コロナ退治ができると思いこんでいるらしいが,この「コロナのたぬき」を気どった都知事の空しい演技は,いつまで続くのか。

 

【参考記事】

 

 「医療体制,逼迫の懸念 東京の入院,2週間で倍増 新型コロナ」朝日新聞』2020年7月24日朝刊3面 

 国内の新型コロナウイルスの感染者が〔7月〕23日,900人を超え,最多を更新した。若者以外の世代でも感染がみられ,入院患者が増えることで医療体制に余裕がなくなることを懸念する声が出ている。

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 「非常に大きな数字。皆様方の協力をさらに強めていかなければならないという警告でもあると考えている」。東京都で最多の366人の感染者が確認されたことを受け,小池百合子知事は23日,報道陣に危機感をあらわにした。これまでもっともも多かった17日の293人を大きく上回っており,「また経済活動や社会活動にブレーキをかけてしまうことを避けるため,皆様方の(感染防止への)ご協力を賜りたい」と訴えた。

 補注)この小池百合子都知事の発言はいつもそうであったが,「東京アラート」を撤回して別の警告方法を採用したとはいえ,なにか人ごとみたいな口調になっていた。東京都としてなしうる対・コロナウイルス対策として,いったい,そのなにをどのように打ち出しているのか理解しにくい。

 〔7月〕22日にあった新型コロナ対策を検討する政府の対策分科会(尾身 茂会長)の資料によると,20日までの1週間の累計感染者は東京都,大阪府,埼玉県,神奈川県,千葉県といった都市部が圧倒的に多い。

 共通して20~30代の若者の割合が高い。23日に新たな感染者が97人と最多を更新した愛知県は,1~22日に確認された感染者の約66%を占める。分科会の資料では,大阪は20日までの1週間は62. 5%。前週は57. 2%だった。

 ただ,東京都は20日までの1週間は前週より 3. 7ポイント下がって67. 2%。埼玉県も21日までの1週間は45. 1%と前週より 5. 1ポイント低下,神奈川県も同様の傾向だ。中高年を含む幅広い世代に感染が広がりつつある。

 新型コロナ感染症は高齢者になるほど重症化しやすいとされる。感染者の年代が上がり,入院者が増えるにつれて懸念されるのが医療体制の逼迫だ。

 東京都の入院者数は7日の427人から20日は920人に増え,病床の使用率も13%から28%に上がった。入院者が増える傾向は5都府県に共通する。埼玉県も病床使用率は28%から42%となった。

 分科会後の会見で尾身会長は感染者を減らす必要性を述べたうえで,「大事なことの一つは重症化を防ぎ,死亡者を少なくすること。しっかりした医療体制ができていなくてはならない」と警鐘を鳴らした。(引用終わり)

 早くは,今年の1月段階から新型コロナウイルス感染拡大「問題」が重要な予防対策となりうることを,日本政府は関連情報を捕捉していないわけではなかったにもかかわらず,軽視(無視?)してきた。都庁の主も,2020東京オリンピックの開催にこだわるあまり,それから半年以上が経過した現時点になってみれば,このコロナ問題を拡大させるばかりだという「実にみっともない現象」を発生させている。

 東アジアの国々でもとくに台湾やベトナム,韓国などが新型コロナウイルスの感染拡大に備えて,集団的な発生の事前にあるいは事後であっても,必死になって対策を講じてきた結果,現在では(だいぶ以前に)ほぼ収束状態にさせていた事実に比較して,日本は7月下旬になってから,再度「さあ感染が拡大しだした」といって,あらためて大騒ぎしだしている。

 

 「2020年7月24日」は「スポーツの日」という国民の祝日-以前の「体育の日」から名称変更,2020年は東京オリンピックの開会式予定日だった7月24日に変更-

 本日の『朝日新聞』朝刊を開いて読んでいくと,奇妙にも感じられた “一連の関連する記事” が出ていた。あえて,先回りして断わっておくが,2020東京オリンピックが1年延期にされた事実を悔しがっているかのようにも受けとれる,その記事ではないかとも感じる。

 本日=7月24日は,東京オリンピック「開会式」が実施される予定であったけれども,世界的に流行している新型コロナウイルス「禍」のせいで,中止を余儀なくされていた。以上の経緯ともなにか関係があるらしい記事を,この『朝日新聞』朝刊はつぎのように編成していた。

 1)「1面」の記事  「池江選手『希望の炎,輝いて』 東京五輪まで1年」

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 東京五輪の開会式まであと1年となった〔7月〕23日,開会式会場の東京・国立競技場で記念イベントが開かれた。白血病からの復帰をめざす競泳女子の池江璃花子選手(20歳)が「1年後の今日,この場所で希望の炎が輝いて欲しいと思います」などと語った(関連する記事は3・7・10・24面にもあり)

 このように「3・7・10・24面」にも,彼女を題材にした記事が組まれていた。

 2)「3面」の記事 この見出しは「〈聖火は照らす〉五輪の行方:中 簡素化どこまで,同床異夢  IOC,組織委案に難色も」。

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 3)「6面」の全面広告東京2020オリンピック  オフィシャルパートナー提供・出稿)

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 4)「7面」の「〈社説〉延期五輪 開催の姿を問い直せ」

 今日〔7月〕24日は本来なら東京五輪の開幕日だった。延期決定後も新型コロナの感染拡大は世界中で続き,大会を1年後に無事開ける見通しは立たない。朝日新聞の今月の世論調査で五輪をどうするのがよいか聞いたところ,「来夏に開催」との答えは3分の1にとどまった。

 国際オリンピック委員会(IOC)が5月に選手や関係者に行ったアンケートの結果は切実だった。135カ国・地域の約4千人が回答。選手の6割近くが本格的な練習ができないことに悩み,半数が意欲や目的意識の維持に苦しんでいた。

 懐疑的な空気が社会を覆い,選手たちの気持もゆらぐ。むろん最大の原因はコロナ禍のゆくえが見定められないことにあるが,これに開催者側から打ち出されるメッセージの貧困や,来夏に向けた準備の遅滞,混乱が拍車をかけている。

 どんな大会をめざすのか。そのために優先すべきはなにで,捨てるのはなに。開催するか否かを,いつまでに,どんな基準によって決めるのか。現下の状況に応じた五輪像とそこに至る道筋が示されなければ,選手は前に進めないし,世論もついてこない。ところが聞こえてくるのは,IOC側と日本側との不協和音だ。

 たとえば,経費削減のため大会組織委員会が開閉会式などの簡素化を提案すると,IOCは放映権料を支払うテレビ局やスポンサーの意向を気遣って消極姿勢をみせる。延期に伴う追加経費をめぐっても,IOCがみずからの負担額を一方的に決定・公表し,連携の欠如を印象づけた。

 情報発信の仕方にも問題が多い。組織委の森喜朗会長は先日の会見で,大会を中止した場合の費用は「倍にも3倍にもなる」などと発言。しかしその根拠は明らかにせず,「たとえ話」などとけむに巻く。こうした積み重ねが,人びとの間にうんざりした気持ちや,五輪じたいへの嫌悪感を生んでいることに関係者は気づくべきだ。

 混迷の根底には巨大化・複雑化して身動きがとれない五輪の現状がある。運営のマニュアル化が進み,口では節約を唱えつつ,「最高・最大の大会に」との呪縛から逃れられない。かかわる組織の利害が優先され,問題が起きても選択肢は限られて,柔軟な対応ができない。

 前例のない「延期」を,こうした体質を見直し,五輪のあり方を原点から考える機会とするべきだ。残された期間でやれることには限界があるだろう。だが,五輪の持続可能性につながる改革に踏み出した大会として記憶されれば,それが「2020東京五輪」のまさにレガシー(遺産)となる。(引用終わり)

 --もっとも,朝日新聞社も新聞業界から漏れずにオフィシャル・パートナーに参加し,負担金を出している。本日朝刊の「6面」に出ていた池江瑠璃子をモデル:素材に使った全面広告も,新型コロナウイルス感染拡大の趨勢に負けずに,1年延期となっている東京オリンピックを,ぜひとも開催したいという意欲を表現している。

 本日(7月24日,2020東京オリンピックの開会式が予定されていた日付であった)のこの『朝日新聞』朝刊は,白血病に罹患し,その後回復しつつあり,リハビリをして現役への復帰をめざしているという彼女を,異様にも感じられるとりあげ方でもって,記事や広告に動員する方法を採っていた。それでいったい,なにをいいたいのかといぶかる始末になってもいた。

 2020東京オリンピックは延期になったが,来年の夏(なら7月23日が開会式)は絶対に開催したいという熱望が,この本日の朝刊全体を挙げて訴えているかのように受けとれた。その意味では,前段に引用した「社説」とそのほかの記事・広告とのあいだには,避けがたいなんらか特定の齟齬を感得するほかなかった。

 5)「10面(スポーツ欄)」の記事 「〈コラム 2020〉池江選手の言葉,にじむ覚悟」 

 東京五輪は〔7月〕23日,2度目の「開幕1年前」を迎えた。東京・国立競技場での記念イベントで,白血病からの復帰をめざす競泳女子・池江璃花子選手が発したメッセージに,「もちろん,世の中がこんな大変な時期に,スポーツの話をすることじたい,否定的な声があることもよく分かります」という一節があった。

 開催を前提とした期待一辺倒の内容ではなく,五輪に批判的な意見が飛びかう現状から目を背けなかった。

 今回のイベントを演出し,池江選手を起用したのは,数多くの広告作品を手がけたクリエーティブ・ディレクターの佐々木宏さんだ。「私も自粛期間中,スポーツのニュースを聞くと,いまはそれどころじゃないとテレビのチャンネルを変えていた」。それでも「暗い気持ちで過ごしていても前に進めない。ハッピーなこと,楽しいことを考えるバランスがほしかった」と思いを語る。

 感染状況は先ゆきをみとおせず,国際オリンピック委員会も大会組織委員会も,「来夏開催以外の情報は臆測」との公式見解を示すことしかできない。一方で,世界中のアスリートは不安と希望をないまぜにしながら,もやもやした日々を過ごしている。

 「組織委や政財界の人の声は聞こえるが,アスリートの発信が少ないように思っていた。アスリートの声をなんらかのかたちで届ける流れを作りたいと思った」と佐々木さん。選手たちの思いがもっと社会に伝われば,東京大会を覆うよどんだ空気は少し変わるかもしれない。批判にも向き合う池江選手の覚悟を目の当たりにして,そう思った。

 6)「24面の(社会面)」の記事 「『プールに戻る,一心で』 池江選手,国立競技場に立ち 東京五輪1年前,メッセージ」

 新型コロナウイルスの影響で来夏に延期となった東京五輪の開会式1年前となった〔7月〕23日,東京・国立競技場で記念イベントがおこなわれ,白血病からの復帰をめざす競泳女子・池江璃花子選手(20歳)がみずからの境遇を重ねながら,世界に向けてメッセージを発信した。

 「大きな目標が目の前から突然消えてしまったことは,アスリートたちにとって言葉にできないほどの喪失感だったと思います。私も,白血病という大きな病気をしたからよく分かります。思っていた未来が,一夜にして,別世界のように変わる。それは,とてもきつい経験でした」。

 本来なら24時間後に開会式があるはずだった国立競技場は無観客で,華美な演出もない。フィールドの中央で1人,池江選手は願いをこめていった。「1年後,五輪やパラリンピックができる世界になっていたら,どんなに素敵だろう」。

 昨〔2019〕年2月に白血病と診断されたとき,東京五輪に出なくてよくなったと安堵(あんど)するほど重圧を感じていた。メッセージ後に流れた3分間の映像のなかでは,「でも,それがなくなって,自分はどうしようもなくこのスポーツが好きなんだと(アスリートたちは)心の底から思ったはず。私もそうだった」と明かした。

 池江選手は2024年パリ五輪をめざし,5月から本格的な練習を再開している。世界のアスリートたちも,さまざまな制約があるなかで練習を続けている。「希望が遠くに輝いているからこそ,どんなにつらくても,前を向いて頑張れる。私の場合,もう一度プールに戻りたい,その一心でつらい治療を乗り越えることができました」。そして,「1年後の今日,この場所で,希望の炎が輝いていてほしいと思います」と結んだ。(引用終わり)

 以上,池江瑠花子的な話題を盛りだくさん(?)に掲載した本日の『朝日新聞』朝刊を読んでみて,なにかしら違和感を抱いた。池江は,2024年パリ五輪の参加できるのか? そう本当に思って努力しているから,そういっているのか?

 2020東京オリンピックは延期になったが,もしかすると2021年にも開催できずにお流れになる可能性もかなりの高い確率である。そうした展望のなかで,池江は自分の立場ともからめて以上のように,本日の『朝日新聞』朝刊に,異様とも感じられるほどのとりあげ方をされていた。

 東京オリンピックのオフィシャル・パートナーになっている朝日新聞社のことであるゆえ,きっと思うところがあって,以上のように池江瑠花子を朝刊のなかで多角的(?)に言及した「いくつもの記事」を組んでいたに違いあるまい。だが,そこには一定の意図的と感じられる『なにか』が潜んでいるのではないかとまで,どうしても邪推せざるをえない。

 池江璃花子は2019年2月12日,18歳のときにみずから白血病である事実を告白し,10ヶ月間の長期間の療養を経て退院していた。その後,2020年7月4日の誕生日を迎えて20歳になっていた。その間,コロナ禍のなかで徐々に選手としての時間を取り戻しつつあるといわれている。

【関連画像2葉】 池江璃花子については,つぎの2点の画像資料をかかげておく。

 

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  池江璃花子は現役への復帰が可能か-オリンピック開催問題に宣伝・広告用マスコットとして利用・動員されだした「彼女の立場」の意味-

 本日『朝日新聞』朝刊は,何カ所にもわたって「池江璃花子」をとりあげていた。すなわち,2020東京オリンピックは1年延期になったけれども,池江璃花子が復帰希望のためにがんばる姿を話題にもちだすかたちを採って,ぜひとも「2021年夏にはオリンピック開催を」といいたい「その紙面全体〈編集方針〉」であった。

 そのなかでも6面にかかげられていた全面広告は,日本企業などのオフィシャル・パートナーが共同で広告を出すかたちで,つまり “池江璃花子,がんばれ!  われら企業もがんばって応援するよ” みたいな体裁になっていた。そう感じられた。

 2020東京オリンピックがコロナ禍のせいで,もしも最終的に開催できなくなってしまったら,東京オリンピックのオフィシャルパートナーの契約を交わしている会社は,「骨折り損のくたびれもうけ」に近い顛末を迎えるかという点も含めて,五輪大会に期待する広告効果の点では,いわゆる「費用対効果」ががた落ちになることを,いまから覚悟しておかねばならない。

 ともかく「そうなってしまってほしくはない」「それではたまらない」というわけか,ここはひとつ,「白血病に罹患したが,日本水泳選手として大いに期待されていい池江璃花子の現役復帰への努力」に,自社「たち」の希望を便乗させたかたちで,彼女を前面に押し出した前段のごとき全面広告を,本日の『朝日新聞』朝刊(など)に出稿していた。

 朝日新聞社もまたオフィシャル・パートナーの1社として,今日の朝刊は1面から社会面まで池江を大いにもり立てる記事をちりばめては,「ぜひとも,コロナ禍に負けないで,2021東京オリンピックの開催を」という願望を披露したものと思われる。

 なお,本日の『日本経済新聞』朝刊においては,同じ体裁の全面広告が6面に出されていた。ただし『朝日新聞』とは異なる画像構成のものを出稿していた。つぎにその全面広告をかかげておくが,池江璃花子の頭部しか出さない構図である。

 

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 ところで,現状のごとくの日本の為政者による「対・新型コロナウイルス感染拡大問題」に対する〈戦いぶり〉を観ているかぎり,そうした願望が実現できるかどうかはおぼつかない。なにせ,相手は強力な感染力をもち,しかも未知の要因だらけである新型コロナウイルスであった。

 池江璃花子はある意味で,ずいぶんと大きな期待を背負わされたことになる。コロナウイルスに対抗しうるマスコット的な(マリア的?)役目が期待されているのかもしれない。

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 さて,池江璃花子は現役時代のように復帰できるのか? この話題についてはネット上には多くの記事が掲載されているので(上掲の画像資料にした記事はその一例である),そちらの参照を願っておくが,われわれが特定の関心を向けておきたい問題があった。それは,池江が罹患した白血病については,以前からつぎのように疑われる時代状況が背景に控えていた事実である。

   ◆【8年目の3・11】 止めなくした被ばく線量下限 渡辺悦司さん(市民と科学者の内部被ばく研究会),インタビュー 子どもと若者の白血病・がんリスクを高める被ばく 「史上最悪」の福島原発事故健康被害 安倍首相「健康被害は一切ない」発言で ◆
 =『人民新聞』1675号,2019年3月19日,https://jimmin.com/2019/03/19/・・・ =

 

 健康被害はどのように増えているのでしょうか。国がいっさい調査しませんが,若い著名人の大病や急死も目立っています。☆

 

 脳や臓器への重い病気と,うつやアレルギーなどの疾患が増えます。もちろん被ばくの影響を個々に証明はできませんが,著名人の病態から市民の状態を推察できると思います。

 

 〔2019年〕2月にまだ18歳の水泳の池江璃花子選手が白血病を発症し,国内外に大変なショックを与えました。彼女は3・11当時,10歳です。広島原爆のあとに急性白血病で死亡した人は,被爆時の年齢が10歳前後の人が極端に多いことがわかります。8年後からですが,子ども・若者は放射線感受性が高く,被ばくと白血病の因果関係は明確です。

 

 彼女の住む江戸川区は,年間1mSv以上の地域に含まれ,東京都でももっとも線量の高い地域のひとつです。知人は,いまでも雨どいから庭石に放射能測定器を落とすあたりで数値が急上昇するといいます。

 

 また東京東部の亀戸の室内プール(荒川・利根川水系,金町浄水場)が池江選手の本拠地です。金町浄水場は事故直後に高い放射能が検出されました。東京湾など,水じたいがひどく汚染されています。病院の統計でも福島・関東の白血病や血液がんは明確に増えています。 

 

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 東京23区で14歳以下の子どもは,約100万人です。この子たちの放射線感受性を,ICRP(国際放射線防護委員会)の基準によって3倍としましょう。同じくICRPによる白血病発症リスクは,約42~54件/万人・Svです。池江選手の被ばく量を8年間で5mSvと最低値で推計したとしても,100万人の子どもたちに対しては4200~5400人程度の白血病が,発症している可能性があります。

 

 そしてECRR(欧州放射線防護委員会)によれば,ICRPは約40~50分の1の過小評価ですから,子どもの白血病も,人数が何倍にも増加する可能性があります。池江選手の白血病は氷山の一角でしょう。

 ここまで書いてくれば,賢明なる読者は,筆者がなにをいいたかったか理解できるはずである。安倍晋三は2013年に,東電福島原発事故現場は「アンダーコントロール」であり,2020東京オリンピックの開催はなにも問題ないと確言していた。当時,JOC会長の竹田恒和は,東京はそこから250キロも離れているから,五輪開催は大丈夫だ,影響は全然ないのだと断言していた。この2人とも,文句なしに “りっぱな大人の大ウソつき” であった。

 ところが,延期になった2020東京オリンピックの “来年における開催” を必死になって願う人たち・会社群は,「3・11」に惹起された東電福島第1原発事故の影響とみられる白血病になってしまい,いまは,現役への完全復帰に向けて努力中である池江璃花子に対して,一気に群がったかっこうで,「2121東京オリンピック」開催に向ける宣伝・広告の材料に使い出していた。

 この池江璃花子という女性水泳選手をとりかこむ「いま」という時代は,観方にもよるが,完全なる皮肉的な状況を意味していないか? 『フクシマの復興』のためにも「2020東京オリンピックは開催するのだ」とも強調されていたゆえ,その種の「歴史的な皮肉」が指摘されたところで,なんら不自然なことはなく,いうなればしごく当然の観察となる。

 『原発事故の後始末』⇒『フクシマの復旧』⇒ 2020東京オリンピックの開催という無理やりの順序づけが,放射能汚染のために白血病になった池江璃花子の手(=身体)を借りることによって,以上の関連事情を逆方向から好転させうる女神的な存在であるかのように祭りあげられている。

 だから「皮肉」だと形容してみた。池江璃花子にその役割を振るのは酷というものであった。彼女はそうした連鎖のなかで踏み潰されようとした1人の水泳選手であったに過ぎなかった。それなのに,あたかも東京オリンピック実現に助力できる観音様あつかいされていないか?

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【参考記事】 本記述の2日後,7月26日に出ていたあるブログのある記事。

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