政治家と健康問題,精神と肉体双方における健康の均衡は安倍晋三の場合とれているのか,というより早く退場が望まれるこの首相

 安倍晋三首相は,職務を遂行できないほどに自身がいちじるしく体調不良なのであれば,ただちに辞職すべきであり,いつまでも優柔不断な内政,とくにコロナ禍にまともに対処できていなかった国家最高責任者としての責任をとらねばならない

 ともかく,現状のごときコロナ禍が昂進する最中に国会から逃げまわり,自宅と官邸のあいだしか行き来できない,この「子どもの〈裸の王様〉」総理大臣は願い下げであったにもかかわらず,いまだにその座にしがみついている。

 無能・無策・無為かつ亡国・国難・国恥の首相のもとでは,昨今「新型コロナウイルス感染拡大・問題」にまともに対峙できていなかった。この事実は,7月にはいってからの第2波襲来によってもさらに明白になっている。自身の健康問題もあるのだとしたら,さっさと日本の政治から退場すべし

 

  【要  点】 かつての「安倍1強〔凶・狂〕」政治の体制は,いまや「アベ1弱」の自民党による無政府体制」にまで朽ちはてた


 「首相の体調に問題なし 官房長官日本経済新聞』2020年8月5日朝刊4面「政治」(同面・下部にベタ記事として報道)

 菅 義偉官房長官は〔8月〕4日の記者会見で,安倍晋三首相の体調について質問され「淡々と職務に専念している。まったく問題ない」と語った。首相は最近,夜の会食も少なく,午後6時台に私邸に戻ることが多い」。(引用終わり)

 本ブログ内でも『朝日新聞』朝刊「首相動静」を参照し,とくに7月下旬の4連休中(7月の23日木曜日から26日日曜日)のあいだ,ほとんど官邸にすら出向かずに,自宅に居つづけた安倍晋三首相の「各日の動静」を紹介しておいた。

 その後も前段の記事のように,安倍は大好きである「豪華な夕餉」さえ,自重している生活にも感じられる行動を記録していた。『朝日新聞』の本日(8月5日)朝刊も4面「総合」において,つぎのように安倍晋三の健康に関する話題を報じていた。

   ◆ 首相の健康不安説否定 ◆

 

 菅 義偉官房長官は〔8月〕4日の閣議後会見で,安倍晋三首相の健康を不安視する週刊誌報道について問われ,「まったく問題ない」と述べ,報道を否定した。光文社の写真週刊誌『FLASH』(4日発売)が,首相が7月6日に吐血した情報があると報じていた。

 

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 記者団から首相が最近自宅に直帰することも多いなどとして事実確認を求める質問があった。菅氏は「私,連日お会いします。(首相は)淡々と職務に専念している」と語り,首相の健康に問題はないとの認識を示した。(引用終わり)

 菅 義偉が官房長官として「問題ない,問題ない,問題ない,……」と発言(説明・反論)する反応の仕方は,ほぼ百%〈信憑性〉を置けない。国会内では圧倒的な議席数を誇る自公政権のもとで,官房長官が,そのように粗雑で意味不詳の発言を重ねてきた事実そのものからしても,安倍政権に関するこの官房長官に発言=応答のひとつひとつが,いつも眉ツバモノの連続でしかありえなかった「事実経過」が記録されていた。

 

  まぐまぐ編集部「安倍首相に『吐血』報道。官房長官否定も,持病悪化で退陣の過去」『MAG2ニュース』2020.08.04,1024px-Japanese_Prime_Minister_Abe_Shinzo_@_26th_Tokyo_International_Film_Festival_日本内閣総理大臣安倍晋三_第26回

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 〔8月〕4日発売の週刊誌『FLASH』(光文社)に,安倍首相が「7月6日に吐血した」と報じられたことについて,菅官房長官は〔8月〕4日,記者会見で安倍首相の健康不安説を「まったく問題ない」と否定したと,時事通信が報じている。

 『FLASH』誌の公式HPによると,同誌は4日発売号(8月18日・25日合併号)で「安倍晋三 永田町を奔(はし)る “吐血” 情報『私にはもう時間が…』と題した記事を掲載。同誌は,「首相が7月6日に首相官邸内の執務室で吐血した」とする記事を掲載したという。

 この記事を読んだ記者が,菅官房長官の記者会見で,安倍首相の体調不良について質問したと思われる。時事通信によると「永田町では新型コロナウイルスへの対応が長期化し,豪雨災害も重なったため「首相が疲れている」との観測が出ている」としているが,実際に吐血したかどうかは分かっていない。

  ※ 持病の「潰瘍性大腸炎」が悪化で退陣の過去 ※

 安倍首相には,第1次安倍内閣の2007年9月,持病である難病指定の病「潰瘍性大腸炎」が悪化し,退陣したという過去がある。以前は,この持病を認めていなかったが,翌2008年1月に月刊誌に寄稿した手記で潰瘍性大腸炎であったことを公に認めている。

 再び首相の座に返り咲いた2012年以降は体調も安定していたが,共同通信によると「首相は最近,午後6時台に官邸を離れ,夜の会食をすることなくそのまま私邸に帰宅するケースが多くなっている」と報じており,潰瘍性大腸炎が悪化した可能性も否定できないが,潰瘍性大腸炎は大腸の病のため,週刊誌が報じているとされる「吐血」との因果関係は不明だ。

 安倍首相の持病である潰瘍性大腸炎とは,大腸の内側の粘膜に糜爛(びらん)や潰瘍ができる炎症性の疾患で,腹痛や下痢が頻繁に起こるという特徴がある。また,詳しい原因が現在もわかっていないため,国の指定難病となっている。有名人としては,安倍首相のほか,ジャーナリストの須田慎一郎氏が病を公表している。

 梅雨明けに突然飛び出した,現役総理大臣の「吐血」報道。新型コロナの対応や支持率の低迷など,多くの問題が山積しているため,多くのストレスなどを抱えている可能性はある。どうか,早く体調を整え,閉会中の国会を再開し,私たちにリーダーシップを発揮する姿をみせていただきたいと切に願っている。(source: 時事通信共同通信

 

  本ブログ内でさきに紹介してあった安倍晋三首相の画像資料

 本ブログ7月29日の記述で利用してみた画像資料に,つぎの画像資料2点があった。ここに再掲しておく。2枚目は1枚目の拡大。

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    補記)この画像は7月30日撮影,本日〔8月5日〕に追加した。

 以上の ② までの話題に関係した既存の記述としては,7月29日の「極右・反動政治屋都知事小池百合子嬢,そして『子どもの〈裸の王様〉』総理大臣安倍晋三君が治める東京都と日本国の疲弊・頽廃」があった。

 いずれにせよ,安倍晋三の体調はだいぶ悪そうにみえる。『FLASH』のような記事が出た点について「まったく根拠のない」とはいえず,なんらかの変調が「安倍の体調(健康)」に生じていたからではないか。

 健康問題についてだが,誰であっても異常や支障が顕著に出てきたときは,自分の仕事ややりたいことを中止あるいは放棄せざるをえない場面に遭遇させられる。この点が,この首相の場合,どのように受けとめられているかであった。健康をきちんと維持できている人でも,健康を理由に仕事を辞めたりすることはいくらでもある。

 安倍政権のもとでは以前,つぎのような問題が国会議員の健康問題として話題になり,社会の関心を惹いていた。だが,この事例の場合は,ずいぶんタワケタ事情があったかとしか受けとれない。要は「夜,よく眠れない,寝付けない」という程度の体調の問題でも,自民党の大臣殿になると,つぎのようにりっぱに大事にされねばならない「深刻な健康問題」に変質していた(でっち上げられていた)。

 

  キャリコネ編集部「甘利議員が『睡眠障害』」で11か月の療養 『それぐらいで休むな』と批判する人は社畜なのか」キャリコネニュース』2016.2.17,https://news.careerconnection.jp/?p=21005

 現金受取問題で引責辞任した自民党の甘利 明・前経済再生相が「睡眠障害」と診断され,1か月の療養に入った。睡眠障害は日本人の5人に1人が苦しんでいるというが,ネット上では「それぐらいで休むな」といった辛辣な言葉が一部から出ている。

 補注)甘利 明のその後については,さらに後段でも言及する。

 これまでの報道をまとめると,甘利氏は〔2016年〕1月28日に大臣職を辞任以降,衆院本会議を欠席。野党側が自民党にこれを問いただしたところ,甘利氏は睡眠障害により「1か月間の自宅療養」が必要だとする診断書を提示した。すでに自宅で療養しているという。

  ※ 民主議員も「安倍首相の睡眠障害を勝ち取ろう」と発言し釈明 ※

 厚生労働省のサイトによると,睡眠に何らかの問題がある状態のことを広く「睡眠障害」という。症状は多岐にわたり,自覚できるものとしては,寝付けない,朝早く起きてしまうといった不眠のほか,日中眠くて仕方がないといったものがある。

 国内では一般成人の約21%が不眠に悩んでおり,約15%が日中の眠気を自覚しているという調査結果もあり,「成人の5人に1人,つまり1500万~2000万人の人が不眠に悩んでいると推計されます」としている。けっして珍しくない病気だ。

 ストレスによって発症することもあり,甘利氏の場合も野党やマスコミの厳しい追及が原因になっているのではないかとみられる。ただ,ネット上では厳しい声が相次いだ。国会議員なのだから「睡眠障害ごとき」で休むのは許されない,というのだ。

 (中略)

 ただし甘利氏に批判の声が出る背景には,これまでいくたもの国会議員が,自分に都合が悪くなるとタイミングよく病気になり,ほとぼりが冷めるまで療養と称して雲隠れしてきたという経緯もある。甘利氏の睡眠障害が,実際のところどの程度深刻なのかは不明だが,とりあえずいまは休んでもらい,復帰したときに手を緩めずに再び追及するのが肝要だろう。(引用終わり)

 という具合にこの記事は,甘利 明に暖かいことばを送ってもいたが,その後においてこの甘利 明の健康問題がどのように推移していたかといえば,つぎの ⑤ のように指摘がなされていた。

 

 「不起訴の途端に病気が治った?  甘利前大臣 時効で逃げ切り確信か」東スポWeb』2016年6月7日 17:00,https://www.tokyo-sports.co.jp/social/549932/

 建設会社から金を受け取っていた疑惑で経済再生担当相を辞任した甘利 明衆院議員(66歳)が〔2016年6月〕6日,政治活動に復帰することを宣言した。地元・神奈川の選挙区で会見した甘利氏は「地元の皆様,国民の皆様に深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 疑惑の内容は甘利氏と元秘書が,建設会社から口利きの見返りとして現金を受けとったというもの。甘利氏は今〔2016〕年1月に元東京地検特捜部の弁護士に依頼していた調査結果を発表し,大臣を辞任。その後は睡眠障害という理由で国会を欠席しつづけていた。

 その間,市民団体が疑惑について,あっせん利得処罰法違反容疑で東京地検に告発。しかし,5月末に地検は嫌疑不十分を理由に不起訴にしていた。不起訴になった途端に病気が治るとは随分と都合が良すぎる。

 甘利氏は「弁護士と相談して,状況をみながら調査を再開したい」と殊勝に語っているが,それを聞いて納得する人は多くない。民進党関係者は「告発状は不起訴となっていますが,告発者は検察審査会に申し立てています。

 しかし,告発されているあっせん利得処罰法の案件は時効が8月に迫っています。検察審査会で審議中であっても,時効は停止されないというのです」と指摘する。

 検察審査会小沢一郎衆院議員(74歳)の件で有名になった。検察が不起訴としても申し立てれば,審査会で話し合い,起訴相当や不起訴不当の議決を出せる。そうなると検察官が再び捜査することになる。

 「時効まで2か月ちょっとしかない。それまでに議決が出るのか。出ても捜査がいつ終わるのか」(前出の民進党関係者)。時効で逃げ切れる興奮で,病気が治っちゃったのか。

 4年前の出来事であったが,甘利 明という大臣が敵前逃亡「寸劇」を演じていた。さらにいえば,一国の首相の立場で同じような振るまいをしていたら,国家の運営はままならなくなる。ところが,2016年6月18日以降における安倍の首相としての記録(動静:1日ごとの執務状況)を追ってみると,まったく不抜けた状態になっていた。


 「日本モデル」で新型コロナウイルス感染拡大「問題」に勝利した?

 2020年に入って日本にも襲来してきた新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対する安倍晋三政権の取り組みぶりは,お世辞にもお上手とはいえず,完全にその正反対であった。現在(8月上旬)の段階においては,その第2波と思われる感染者数の増大傾向が顕著になっている。

 ところが,政府の対応・指導ときたら「Go To キャンペーン」を実施したり,逆に「外出や営業の自粛」を要請したりと,「アクセルとブレーキ」をいっしょに踏むような,あるいは「暖房と冷房をかける」よう対策を,だから支離滅裂そのものだというか,国民たちの日常生活を四分五裂させ,いたずらに大混乱させるような,つまり根本から矛盾する「コロナ禍・対策」を要請していた。

 補注)「GO TO はいいけど帰省はダメ?  家族旅行はいいけど外出自粛せよ!  支離滅裂」『まるこ姫の独り言』2020.08.03,http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2020/08/post-615098.html

 7月段階になると,安倍晋三の首相としての存在感は希薄になっていた。政府内で,てんでバラバラに対応しているコロナ禍「対策」は,国民たちを混乱させてきただけでなく,一国としての感染症予防作戦がいったい,どのような基本姿勢を採っているのか分かりにくくさせている。

 要は,国家全体としてこの非常時に向かいどのように対峙していくつもりなのか,安倍晋三という日本国総理大臣は,ただ右往左往することしかできない「子どもの〈裸の王様〉」である事実を,いまごろにもなってさらけ出していた。

 安倍晋三は5月下旬,新型コロナウイルス感染問題について「緊急事態宣言の全国解除を安倍首相が表明」し,『日本モデル』がわずか1カ月半で,その感染症拡大を抑止・収束させた」などと,寝ぼけているのでなければ,とうてい口に出せない「事態の誤認」にもとづく “過信” を勇ましくも告白していた。


  国家指導者としては完全に落第点であるこの「世襲政治屋-「春秋」『日本経済新聞』2020年8月5日朝刊を紹介しつつ-

 石川啄木が故郷の岩手山を詠んだという。「ふるさとの山に向ひて / 言ふことなし / ふるさとの山はありがたきかな」。この夏,帰省して肉親や旧友らとの再会を待ちのぞんでいた方も多いであろう。ところが,新型コロナの影響で,例年とは様相が一変してしまった。

  ▼ 地元での感染の広がりを恐れ,各地の知事から里帰りへの注文が相次いでいる。「家族で十分に相談を」「リモートで」などなど。国はといえば,コロナ対策を担当する大臣が「慎重に考えて」と知事寄りのものいいの一方で,官房長官は旅行・観光業界への配慮からか,人の移動の自粛には慎重なのだと伝えられている。

  ▼ いったい,どっちを向いたらいいのか。自身や子どもの元気な姿を親に見せたい気持ちは強いが,地域のお年寄りや医療機関に迷惑をかけたくはない。親族らとの会食などで「密」になりがちなことを考えれば,今回は控えめな行動を選んだ方が良いのかもしれない。「うちは大丈夫」といった妙な自信は禁物だろう。

  ▼  「ふるさとの土をわが踏めば / 何がなしに足軽(かろ)くなり / 心重(おも)れり」。啄木はさまざまな事情から,郷里への思いは複雑だったようだ。今夏もコロナの拡大するなかで帰省して「心重れり」となっては切ない。懐かしの山や海と向き合い「言ふことなし」「ありがたきかな」と腹の底から声を上げるため,もう少し辛抱したい。(引用終わり)

 このコラム「春秋」のいいぶんは,警告を発し,述べながら「もう少し辛抱したい」と提言している。だが,安倍晋三君の「日本モデル」宣言など存在しなかったかのような発言にも聞こえる。

 すなわち「新型コロナの影響で,例年とは様相が一変してしまった」わけだが,第1波が襲来してきたとき,安倍晋三がもっと必死の努力をしていて,事後におけるコロナ禍の再発を最小限にとどめる手立てを残しておけばよかったものを,独りよがりに「日本モデル」がコロナウイルスに打ち勝ったみたいに宣言したりして,まったく非現実的な対応をおこなっては,悦に入っていた。

 

  国会を開けない安倍晋三は実質,引きこもり状態

 本日,『朝日新聞』朝刊4面には「臨時国会,早期召集を拒否  自民『いま開けば傷口広げる』」という見出しの記事が出ていた。新型コロナウイルス感染拡大「問題」に関しては,完全に後手というかハチャメチャな対策しか打ち出せていない自民党(と公明党の政権側は,このところ,国会登壇拒否症にかかっている安倍晋三君をかばう範囲内でしか「野党への応答」をなしえず,国民たちの生活が大混乱に陥っている状況など,まるで他人事であるかのように「安倍晋三君の引きこもり状態」をかばっている。

 というしだいであるゆえ,『朝日新聞』国分高史・編集委員が,やはり本日朝刊の「〈多事奏論〉憲法の中にあった佐藤〔栄作〕 この最長政権,何を刻む」(15面「オピニオン」)のなかで,こう指摘していた。 

 佐藤栄作といえば安倍晋三首相の大叔父であり,昭和の時代に7年8カ月の最長不倒政権を担った元首相だ。安倍首相はその連続在任日数を,今〔8〕月24日に抜く。

 憲法改正をめざした岸 信介の実弟と孫。右寄り,官邸主導などふたりの政治姿勢は重なるが,その内実はどうか。佐藤が首相に就いたのは,戦後20年を目前に控えた1964年11月。東西冷戦のまっただなかで,韓国との国交正常化交渉は難航,沖縄や小笠原は米施政下にあった。

 その翌年に戦後の首相として初めて沖縄を訪問した佐藤は,「沖縄の祖国復帰が実現しない限り,わが国にとって戦後が終わっていない」と演説した。むずかしいとみられていた沖縄返還を政権の大目標にすえたことを示し,言葉どおりに実現させる。

 (中略)

 村井良太・駒沢大教授によれば,「社会開発」は〔憲法25条の生存権の思想そのものだ。沖縄返還日米安保体制を安定させ,9条のもと核兵器をもたない専守防衛自衛隊を確立した。岸の期待を裏切って憲法改正を棚上げし,吉田 茂の軽武装・経済重視路線を「戦後日本の中央ライン」として発展,定着させたのが佐藤政治。「戦後日本の針路を定めるため,時代に必要とされた長期政権だった」と評価する。

 (中略)

 村井教授は,佐藤が退陣した1972年に生まれた。楠田氏が残した日記や資料の刊行に約20年前にリサーチアシスタントとしてかかわってから研究を続け,昨〔2019〕年末に評伝『佐藤栄作』(中公新書)を出した。年長者がもつ当時の記憶にとらわれることなく,残された膨大な記録を歴史家として分析することを心がけたという。

 民主的に選ばれた長期政権は,社会を象徴し,なんらかの価値を社会に刻むものだというのが村井さんの実感だ。では,安倍政権をどうみているのか。「経済再生から出発したことを考えても,安倍政権も時代の要請にあった政治をしようとしているし,10年後に評価されるなにかはあるのかなという気がする」。

 補注)ここで「10年後に評価されるなにか」に関してよりも,過去「10年に近い首相在任期間」においてなにをやってきたかの評価に関してとなるが,安倍晋三という首相において,いままで「なにか評価されるもの」があったといえるのかと問うてみれば,すでに豊富な議論・多角的な検討がなされている。

 後生の歴史家に任せるのが「安倍晋三政治屋としての評価問題」ではなく,まさしく「いま即時的にこそ分析・解明されるべき」なのが,安倍晋三為政の本質であるはずである。それなのに悠長にも「10年後に評価されるなにかはあるのかなという気がする」といったふうな,政治学者の発言としては,いまだに「アベへの忖度」を学問にまでもちこんだかのような発言であった。

 すでに,10年分近くに相当する「安倍晋三による為政」が,研究対象として俎上に載せられる時期になっているではないか

〔記事に戻る→〕 ただ気がかりなのは,国民との向き合い方だという。「佐藤には,基地を残したままの返還に反対する沖縄に対しても,野党に対しても,敗戦をともにくぐり抜けた日本人だと思いやる民族的一体感があった。敵と味方を分ける安倍首相には,国民全体のリーダーという意識がどれだけあるのかは疑問だ」。

 補注)「敵と味方を分ける」対人関係でしか相手を観ることができない政治家の存在じたいは,現実にあるものゆえ,これじたいはひとまずそのまま認めるほかない。けれどもさらに,この安倍晋三に似た女性政治家として小池百合子都知事がいた。日本の政治はこの「2人の極悪的な政治屋」が国政と都政をになっているせいで,最悪の政治環境に置かれている。

 後世の歴史家はどんなキーワードで安倍政権を語るのだろうか。私がいま語るとすれば,「アベノミクス」ではなく「分断と忖度」だ。残り1年あまりの任期で,それが変わるかどうか。

 補注)安倍晋三の為政に関して「残り1年あまりの任期で,それが変わるかどうか」と問うのは,すべからく愚問。コロナ禍に対して端的に披露してきた安倍晋三の「世襲3代目のお▼カ政治屋」の度外れた発揮ぶりは,この人はもともと政治家向きではなかった,という1点を非常によく披瀝させていた。

 

  日本の国民たちがまだこの安倍晋三に自国の政治を任せると本気で思っている人がいるとでも考えての発言か? いまごろにもなってたとえば,本日の『日本経済新聞』朝刊17面のコラム「大機小機」が,コロナ禍に対する「もぐらたたきの限界」と題して,つぎのように主張していた(以下では後半の3分の1だけ引用する)。遅きに失するなどいって済まされる現状ではない。安倍晋三は首相としてなにをやってきたのか

 いまも,歌舞伎町だ,昼カラだ,と標的が姿を現すたびにたたく。警察の力も借りて封じこめに必死だ。だがこうした戦術はちょうど遊技場のもぐらたたきのようである。感染経路不明の若者や保育所内,家庭内,企業内の感染も増え全国に拡散している。敵はもはやどこに潜んでいるかわからない。顔を出してからたたくのでは遅い。もぐらたたきの限界である。

 

 死亡率低下は朗報だが,必要なのはやはり感染者の組織的な早期発見である。どこでも誰でもなんどでも。欧米にみられる希望者全数検査を検討すべき時だろう。国は医療崩壊阻止のため国家資源を集中投入する時だ。仮に年間数兆円要しても,人びとに安心を与え経済が回復するなら安いものである。(横ヤリ)

 この筆名を「横ヤリ」と称する人は,いま日本政府の厚生労働省感染症研究所などが一番さきになされるべき「コロナ対策」じたいが,実は,まともになされていなかった現実を後半の段落で強調している。

 その第2波がすでに押し寄せてきていた2020年7月16日,東大先端科学技術研究センター名誉教授・児玉龍彦は,国会・参院予算委閉会中審査において,新型コロナウイルスの感染拡大について強い危機感を示し,『総力で対策を打たなければ,来週は大変になる。来〔8〕月は目を覆うようなことになる』と発言していた。

 また,児玉龍彦は,クラスターとエピセンターの違いを説明したうえで,『第1,第2の波の時にこれを制圧して無症状の感染者もなくすべきであった,しかしそれがおこなわわれないまま,実際には東京のなかにいま,エピセンターが形成されつつある』とも指摘し,『責任者を明確にしてトップダウンで前向きの対応が必要。いますぐ国会を開くべき,いまする対応は来週する対応の百倍の価値がある』と提言した。

 しかしながら,首相である安倍晋三以下,厚生労働省感染症研究所などの国家官僚たちには,自分たちの領分:縄張りを死守することに最優先の関心事があるだけで,本気になって児玉龍彦が必死で訴えてきたコロナ対策は,けっしてやろうとはしてこなかった。

 東アジア諸国では,中国・台湾・韓国をのぞき,新型コロナウイルス感染拡大が再発している状況もある。そのなかでも,一番奇妙な経過をたどっているのが,この日本であった。安倍晋三政権のなかでの発言とはいえ,たとえば橋本聖子自由民主党所属参議院議員内閣府特命担当大臣東京オリンピックパラリンピック担当大臣)は,

 「世界のアスリートが万全なコンディションでプレーをおこない,観客の皆様にとっても安心,安全な大会を,人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として,来年開催する。そして来〔2021〕年が10年の節目となる東日本大震災の被災……」などと,ありもしえない「人類が新型コロナウイルスに打ち勝」つという観念を叫んでいたが(そうではなくて,人間はコロナウイルスと “共存していくほかない” のだから),これは現実の様相に目をつむってでなければ,あるいは,コロナ禍の医学的・疫学的な本質理解に無知のままでなければ,吐けない迷文句であった。

 もっとも,外務省のホームページには,つぎのような文句が謳われていた。橋本聖子もこれをオウム返しに復唱したに過ぎなかった。「EU主催新型コロナウイルス・グローバル対応サミット(プレッジ会合)」令和2年5月5日という文章から,つぎのふたつの項目(全項目は4つからなる)を引用しておくが,この文節の大部分はほら話でなければ,単なるウソ話であった。。

  3 我が国からは安倍晋三内閣総理大臣がビデオメッセージを寄せ,我が国が,国内外において治療薬・ワクチンの開発を推進していること,それらへの公平なアクセスが重要であること,医療体制の脆弱な途上国に対し保健システム強化のための支援を拡充していることを強調し,日本としてこれらの分野において応分の貢献を行うことを表明しました。

 

 4 その上で,安倍総理大臣から,国際社会が一致団結してこの危機を乗り切ることを呼びかけつつ,延期された2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会を,人類がこの未曽有の危機に打ち勝った証として,来年の夏に完全な形で開催する決意を表明しました。

 2021年の「夏に完全な形で〔もしも東京オリンピックを〕開催する」ことができなかった場合,「人類がこの未曽有の危機に打ち勝った証」も,むろんえられなくなる。それでもまだ,このようにエセ・キレイごとに終始した,それも口先だけの強がり的な発想(決意?)をしていてよいのか。

【参考記事】

 「日本のコロナ致死率,3%前後 世界と大差なく」nikkei.com  2020/8/5 2:00,2020/8/5 5:04 更新,https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62259830U0A800C2PE8000/

 補注)寸評 ⇒「日本モデル」? (これは安倍晋三君の寝言であった)

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