安倍政権のためにアベ忖度の読売新聞幹部記者との対談記事を掲載した『中央公論』の堕落ぶり,拉致問題を解決する能力などこの首相には皆無

 北朝鮮拉致問題は安倍晋三にとってみれば,政権維持のために都合よく利用できる「Jアラート的な事件」の一端に過ぎず,いまとなっては実質的に放置した状態にあり,基本的には完全にコケにされてきた被害者家族たちの不運

                  (2017年12月06日)
                  (2020年8月8日)

 

  要点:1 あの北朝鮮弾道ミサイルに対する「Jアラート」は,いったい,なんのため・誰のための警報システムであったのか?

  要点:2 警報を出したり出さなかったりしてきただけで,それはただ,安倍晋三君のあそび道具になっていた

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  要点:3 2020年9月号の『中央公論』は,記事のひとつに「コロナ第二波に万全を期す  拉致問題は  任期中に結果を出したい」といった,安倍晋三の寝言に近いつぶやきを,「安倍晋三 × 聞き手:橋本五郎」というインタビューで,なさしめているが,

 秋田県山口県に配備予定であった「イージスアショア」が配備中止になっていた経過を踏まえていうに,なにをどうやったら「その結果」が出せるというのか? 果てしのない・キリじたいすらがない話題

 要点:4  蓮池 透『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』講談社,2015年12月に語らせるまでもなく,すでに終わらされていた「安倍晋三的な問題」が「拉致問題であった」のに,いまごろになってもまだ,この当人が「拉致問題は任期中に結果を出したい」などと,本気でもうろうと寝ぼけた発言をしているのか? 日本国民はもう騙されてはいけない。ここでまた,騙されたらよほどの「アベ以下の▼▼」

 


 🌑 前   論  🌑
 
 最初に,「上場企業,営業利益7割減 4~6月期,リーマン・ショック後並み」『朝日新聞』2020年8月8日朝刊1面をとりあげ,前論的に記述する。

 a) 記事の引用

 上場企業の2020年4~6月期決算は,売上高は前年同期と比べて2割,本業のもうけを示す営業利益は7割ほど減る見通しだ。コロナ禍で落ちこみ幅はともに1~3月期から拡大し,四半期ベースではリーマン・ショック後の2009年4~6月期(売上高23%減,営業利益72%減)以来,11年ぶりの大きさになる。(▼6面=決算最悪続出)(後略)

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 この本日の記事をまず引用したのは,以前,安倍晋三が意図的にウソにひとしい景気動向「感」を,つまり,彼が「G7首脳会議(2016年5月26-27日に開催された伊勢志摩サミット)の席上」「世界経済はリーマンショックの前と似た状況だ」という認識を示したことを,思いだしたからである。

 安倍晋三は,当時における世界経済の動向認識に対して「政策的対応を誤ると危機に陥るリスクがある」と指摘したといったが,いったい,どの補佐官がこのような与太話をアベの脳みそのなかに注入したかはともかく,また,その根拠づけがまともであったかどうかもともかくとして,ドイツ首相のメルケル・オバサンからは,当時の「世界経済は,そこそこ安定した成長を維持している」と軽くいなされる始末であった。

 しかし,安倍晋三がそのような見当違いの発言をG7の場で故意に発言したのは,実は,当時なりに問題になっていた国内問題としての「消費増税〔2016年当時は8%であったが,その後,2019年10月1日に10%に引き上げられた〕」に関して,国内向けの発言を国際会議の舞台で,それこそ場違いであってもわざと発言しておき,マスコミがとりあげるように仕かけるためであった。

 その意味でいえば,安倍晋三という日本国首相は,二重の意味において日本の国民たちを,終始一貫,舐めくさってとりあつかっていたというほかない。それでも安倍は,「リーマンショック直前の洞爺湖サミット(2008年7月7日-9日)で危機の発生を防ぐことができなかったゆえ,その轍は踏みたくない」などと強調したうえで,「世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると,危機に陥るリスクがあるのは認識しておかなければならない」と指摘したというだから,その薄学ぶりだけには感心させられる。

 いずれにせよ,その伊勢サミット(2016年)における安倍晋三の発言は,単なるホラ話でしかありえなかった。当時『生活の党』代表であった小沢一郎は,アベに向かい「お得意の茶番劇の開幕」だと冷笑していた。

 また民進党(当時)の岡田克也代表も,「いや,驚きました。安倍さんの発言に。リーマンショック前と似た状況にあると訴えられていますが,いったいなにをもってリーマンショック前と似た状況なのかまったく理解に苦しむことです」と,強い口調で批判していた。

 そうした話題はさておき,それから4年が経った2020年の現時点で,世界各国が急遽,新型コロナウイルス感染拡大「問題」に襲われ出した。本年は本当にまさしく「リーマン・ショック後並み」の打撃を受けている。このことを伝える新聞記事が,冒頭に引用した ① であった。

 b) ところで「リーマンショック」とは,こう解説されている

  “コトバンク” によるとリーマンショックは,2008年にアメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズの破綻がきっかけとなって起きた「世界的な金融危機および世界同時不況」である。

 リーマン社は,2008年9月15日に米連邦破産法の適用を申請した。負債総額は6130億ドルで史上最大であった。身売り交渉が頓挫し,連邦政府も救済しなかったことを受けて金融機関同士の信用不安が広がり,国際的な金融収縮が起きた。

 

 株価暴落による逆資産効果は世界最大の消費国アメリカで深刻な消費減退を招き,対米輸出不振を通じて,アメリカばかりでなくヨーロッパ,日本が第二次世界大戦後初の同時マイナス成長に陥った。

 註記)以上,「『リーマンショック前と似ている』安倍首相の見解に批判の声も」『HUFFPOST』2016年05月27日 00時12分 JST,更新 2016年05月27日 00時35分 JSThttps://www.huffingtonpost.jp/2016/05/26/lehman-shock_n_10156996.html

 

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 以上,2016年5月時点で開催されていたG7・伊勢サミットにおける,いかにも「安倍晋三風の与太話」をもちだしてみたのは,本日の新聞広告に『中央公論』9月号-【特集】コロナ,戦争,危機管理 指導者たちの「失敗の本質」-が出ていて,その記事のひとつにというか,冒頭には「◆◆ 総理大臣インタビュー ◆◆」が,つぎのごとき題字をかかげ,出ていたからである。

  コロナ第二波に万全を期す
  拉致問題は 任期中に結果を出したい
   ▼安倍晋三 × 聞き手:橋本五郎

 2020年に入って日本の経済・社会を大混乱させているのが新型コロナウイルス感染拡大「問題」であるが,この難局に対してなにひとつ有効な対策を打ち立てることができないできたにもかかわらず,安倍晋三は2020年5月25日の時点で早々と,そのコロナウイルス対策は「日本モデルの力」によって制圧できた,打ち勝ったみたいに,のぼせ上がって宣言を出していた。この発言に対して小沢一郎が前述のように,「なに何を寝ぼけているか」と罵倒していたのは,当然も当然の非難であった。

 それはともかく「こんな人である・そんな首相」が,2020年も8月の段階にもなって「コロナ第2波には万全を期す」などと,格好だけはつけて語ったところで,誰もまともに耳を傾ける人はいない。コロナウイルスの制圧・克服をめぐる「日本モデル」などといえるモデルがありうるとしたら, “失敗したそれ” 以外のなにものでもなかったゆえ,なにをかいわんやの「アベ流に得意である虚言」が性懲りもなく放たれていた。

 安倍晋三はまた「拉致問題は任期中に結果を出したい」と語っているが,いまではボロボロになっていて,書いてある字さえよく読みとれない古証文をもちだしたかのようにして,しかもこれまでなにも成果を挙げていなかった「拉致問題の進展」を,またもやそのように幻想的に語っているとなれば,これをまとも聞こうとする者などいるわけがない。

 c)中央公論』という月刊総合雑誌

 1999年,発行元の株式会社中央公論社が経営危機に陥り,旧中央公論社の出版・営業など一切の事業を読売新聞社(現・読売新聞東京本社読売新聞グループ本社)の全額出資で設立された新会社「中央公論新社」に譲り受けていた(旧中央公論社は特別清算され,解散時の商号は『株式会社平成出版』と称していた)。これにともない,読売新聞の販売店でも『中央公論』を取り扱うようになった。

 読売新聞傘下に入り,読売新聞社発行の総合誌『This is 読売』(1990年創刊)と月刊論壇誌がグループ内で重複することになったことから,両誌は統一されることになった。『This is 読売』は1999年3月に廃刊され,『中央公論』が存続誌となったが,上記経緯上それまでの『中央公論』の中道的論調は排され,『This is 読売』の論調であった右派・保守的な色彩を帯びるようになった。

 註記)以上,ウィキペディアから引用。

 d) 橋本五郎「履歴」

 1946年,秋田県山本郡琴丘町(現・三種町)に生まれ,1965年,秋田県立秋田高等学校卒業,1970年4月,慶應義塾大学法学部政治学科卒業後,読売新聞社入社し, 地方部浜松支局に配属,1975年,本社(現:東京)社会部に異動,1976年,本社政治部に異動し,政治部次長・論説委員政治部長を歴任。渡邉恒雄の腹心といわれるようになる。

 1998年,編集局次長に就任。1999年3月から,読売新聞グループ本社傘下である,日本テレビの『ジパングあさ6』,『ズームイン !!  朝 ! 』にコメンテーターとしてレギュラー出演し,以降NNN系列の報道番組に出演していく。2001年2月,編集委員を担当,2006年12月から特別編集委員に就任。また,2011年4月から,東日本大震災復興構想会議委員も担当。

 註記)ウィキペディア参照。

 e) いうまでもないが,読売新聞社安倍晋三御用達のための新聞を発行しているところに,その現在的な存在意義があった。完全に反「社会の木鐸」的な大手紙を制作・販売している。同社は,2014年夏ごろから安倍が朝日新聞社従軍慰安婦問題を材料にイジメだしたとき,これに大喜びして協力し,側面援助を惜しまなかった。森友学園問題のときは,当時文科省次官だった前川喜平に関する「デッチ上げ記事」を進んで,政権のために報道したりしたのが,ほかならぬ『読売新聞』であった。

 とくに従軍慰安婦問題のときは,安倍晋三が嬉々として朝日新聞社イジメを敢行している最中,「朝日新聞社よ,潰れろ!」とばかりに,政府・与党の応援団にまわっていたその姿は,あまりにも醜かった。もっともそれが災いして,かえって『読売新聞』じたいが販売部数を減少させるという因果を呼びこむヘマまで犯すハメになったが……。

 読売新聞社渡邉恒雄の腹心だという橋本五郎がいて,安倍晋三にとって頭が上がられない相手であるその渡邉恒雄が「株式会社読売新聞グループ本社代表取締役主筆」として存在している。

 この渡邉の腹心である橋本五郎が聞き手になって,いまはすっかりレーム・ダックになりはてている安倍晋三に対して,応急措置のための添え木を当てたつもりかどうかはしらぬが,『中央公論』9月号の紙面を割り当てて,安倍晋三にいいたいことをいわせ,支援をしている。

 そもそも,安倍晋三北朝鮮による日本人拉致問題を解決の方向に向けて,なにか実質的に尽力したり貢献したりしたことがあったかといえば,実際にはまったくなかった。ただし拉致問題が,政府・与党・首相に対する世間の支持率を上げる材料に使えるとみなされたときだけは,大いに利用(悪用)してきた。そのかぎりであるならば,北朝鮮拉致問題を,安倍個人の便利・利害のために大いに活用してきた。つまり,それだけのことであった。

 つぎに引用するのは,いまから3年近く前に,安倍晋三のやり方を批判していた意見である。

     ★ 虚ろなブルーリボンバッジ ★
 =『高橋とおる 北海道議会議員 高橋亮 公式ウェブサイト』2017年11月27日,http://www.t-tooru.com/blog/虚ろなブルーリボンバッジ/ =


 トランプが来日した時,安倍晋三横田早紀江さんを含む拉致被害者をトランプに引き合わせ,みずから「拉致問題」の解決に尽力しているというパフォーマンスを繰り広げました。安倍政権は,その発足時に「必らずこの政権で拉致問題を解決する」と豪語していましたが,それから5〔8〕年の年月が過ぎようとしています。

 

 そして,この5〔8〕年間は,いったいなんだったのでしょうか。拉致問題は1mmも進展せず,北朝鮮との関係は悪化の一途をたどり,拉致問題を話す場さえ構築することができてていません。その間,拉致家族は年齢を重ね,横田 滋さんはご高齢となって公の場に出ることも適わなくなり,早紀江さんも81〔2020年で84〕歳となりました。

 補注)横田 滋は2020年6月5日に死去した。

 

 安倍晋三に期待していた拉致家族は,圧力一辺倒の安倍晋三に対し,期待を裏切られた思いを強くしています。早紀江さんは,今月〔2017年11月〕18日に新潟で開催された集会で「安倍総理平壌にいき,金 正恩とケンカではなくちゃんと話しあいをしてくれたらありがたい」と発言していますし,

 

 元家族会事務局長で,拉致被害者の蓮池 薫さんの兄である蓮池 透さんは,「圧力一辺倒では展望はまったくありません。拉致問題は対話でなければ解決できないんです。家族会は『安倍さんに頼るしかない』というスタンスですが,違います。安倍さんだから解決しないのです。早く見切りを付けないと時間がありません」と発言しています。

 

 蓮池さんは,2015年に『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』というタイトルの本を出版し,「拉致問題をもっとも巧みに政治利用した国会議員」として安倍晋三を批判していました。そのなかで,「拉致被害者が一時帰国をしましたが,やがて北朝鮮に戻すという理不尽な事が日朝間で決められていて,その中心に安倍晋三中山恭子(当時の内閣官房参与,前・日本のこころを大切にする党代表,現・希望の党在籍)がいました。

 

 この2人は,拉致被害者を一度も引き留める動きをしたことがなく,『北朝鮮には戻らない』という被害者や家族の強い意志が,日本に留まる引き金になった。」と語っています。いつも胸に青リボンのバッジ(拉致被害者救済運動のシンボル)を付けていますが,これもうつろにみえてしまいます。トランプも,ただの政治的日程で安倍晋三のパフォーマンスに付きあっただけということでしょう。

 なお,本ブログ内ではすでに「つぎの枠内(  ↓  )の記述」を公表してあった。さらに,この記述に直接関連する内容が,ここまで「本日の『前論』」であった。そしてさらに,以下の ② からは「旧ブログの記述」を復活させ利用し,連結させる内容とした。


  北朝鮮拉致問題は安倍晋三にとって,政権維持のために都合よく利用できるJアラート的な事件であったが,いまは実質的に放置状態,コケにされてきた被害者家族

 要点:1 Jアラートはいったい,なんのため・誰のための警報システムか?

 要点:2 警報を出したり出さなかったりで,それはただ,安倍晋三君のあそび道具になっていた

                 (2017年12月6日)


 ※「北朝鮮ミサイル発射には “Jアラート” より “安倍アラート” 」〔が必要〕『きなこのブログ』2017/8/31(木) 午後 9:47 から。

 きわめて正確な “安倍アラート” 。「公邸に泊まる翌日にミサイルが飛んで来る-ミサイル騒動は加計問題から目をそらせるパフォーマンス-」である( https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=134329 )。

 北朝鮮のミサイル発射について民進党の後藤議員は, “あらかじめ分かってたんでしょうか?” と〔国会で〕質問。西村康稔内閣官房副長官の答弁が面白い。

 「安倍総理は,この8月のなかで総理公邸に宿泊したのは,ミサイル発射のあった日の前日だけなんです。つまり,公邸に泊まった2日は,いずれもそのつぎの朝,ミサイルが発射されている。これはわかっていたってことじゃありませんか?」

 註記)以上本文は,https://blogs.yahoo.co.jp/kinakoworks/15130395.html

 なんということもない。米軍から自衛隊を介して官邸に,監視衛星による監視〔など〕からも予測できている北朝鮮のミサイル発射「予定」とその「瞬間」を教えてもらえているから,安倍晋三はそのように事前に官邸に宿泊して待機し,北朝鮮ミサイル「発射・イヴ」を過ごしてから朝になると「例の調子で」もっていつものように発言するゆえ,たとえば「https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/」からは,つぎのようにあざけられる発表をしてきた。

 「安倍晋三北朝鮮に対してまた断固抗議する」(!)でしょうか。口先だけなら舐められて,今後も何回もミサイルが発射されると思います。どうでしょうか。安倍総理は,口では力強く「断固抗議します」といいますが,それっきりですね。本当に「断固抗議する」つもりなら,みずから平壌に乗りこんで「断固抗議」すべきなんですけどね。 

 註記)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12174128042

 もっとも,内弁慶のアベ君にそこまでできるかといえば期待薄である。2017年11月30日に北朝鮮が発射したICBMに関する報道をつぎに紹介する。

 

 北朝鮮ミサイル,新型の見方 大気圏再突入技術は不明」『朝日新聞』2017年12月01日朝刊3面「総合」

 北朝鮮朝鮮中央テレビは〔11月〕30日,大陸間弾道ミサイルICBM)「火星15」とするミサイルの発射映像を放映した。7月に2度発射したICBM「火星14」よりも大型で,弾頭の形状も異なる。

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 韓国軍合同参謀本部の報道官は「新型」とした。ただ,北朝鮮が実証したとする大気圏再突入技術を証明する材料はなく,韓国の軍事専門家らはさらに発射をおこなうとみている。

 公開された写真や映像によると,火星14の弾頭はとがっていたのに対し,火星15は丸みを帯びていた。北朝鮮の軍事に詳しい韓国・慶南大学の金 東葉(キム・ドンヨプ)博士は「大気圏再突入技術の実験と関連があるのではないか」との見方を示した。

 朝鮮中央通信は29日のミサイル発射後,「(大気圏)再突入環境で弾頭部の信頼性をあらためて示した」と誇示した。だが,韓国政府関係者は「技術開発が終わっていれば,発射ごとにかたちが変わることはないはずだ」と指摘。技術がまだ完成していないと分析した。

 文 在寅ムン・ジェイン大統領も,30日夜のトランプ米大統領との電話協議で「あらゆる面でいままでのミサイルでもっとも進んだものであることはたしかだが,再突入など技術は立証されておらず,核弾頭の小型化技術を確保しているかも不明確だ」と言及した。

 専門家は,北朝鮮が目標とする「米本土を攻撃する核弾頭ICBM」が完成するためには,通常角度に近い角度で発射し,再突入技術を実証する必要があると指摘する。(引用終わり)

 この ② の報道に関連させていうと,今回における北朝鮮ミサイル発射に対して安倍晋三政権の対応は,以前とは異なり緩慢というか,選挙(10月22日に実施の衆議院解散総選挙)はもう終わったのでいまさら騒ぐこともあるまい,といった風情が感じられるものであった。

 

  Jアラートは,気分しだいで「入れポン(国民から隠して・出さない)!」「出しポン(国民に警告して避難させ大騒ぎしたい)!」
   -本気さが疑われる「一貫性も絞まりもなにもない」政府の軍事的なJアラートによる対応ぶり-

 1)「Jアラート発動見送り 未明の北朝鮮ミサイル対応 首相,官邸入り2時間半後」『日本経済新聞』 2017/11/30日朝刊4面「政治」

 〔2017年11月〕29日の北朝鮮による弾道ミサイル発射は午前3時台で,政府は未明の危機管理対応に追われた。安倍晋三首相ら政府高官は普段は寝ている時間帯で,虚を突く北朝鮮の狙いが垣間みえる。

 政府は北朝鮮弾道ミサイル発射の兆候を事前につかんでいた。ミサイルを飛ばす場合にデータを送信する信号が出ていることが分かったからだ。首相は私邸ではなく,公邸に宿泊した。午前3時20分には関係閣僚に万全の対応をとるよう指示した。菅 義偉官房長官はミサイル着水前の午前3時40分に官邸入りし,首相と電話で協議した。

 首相が官邸入りしたのはミサイル発射から約2時間半後の午前5時54分。「関係閣僚がしっかりと動いていれば首相が早く出る必要はない」(政府関係者)との判断だ。政府内には「首相は自衛隊の最高指揮官で,姿をみせないのは問題があるのではないか」(防衛省幹部)との声もある。

 全国瞬時警報システム(Jアラート)は「発射されたミサイルがわが国に飛来する可能性はない」(菅氏)との判断で発動を見送った。ミサイルの軌道から日本の領土・領海に落下したり,通過したりする可能性があると判断した場合に,Jアラートで情報を提供することにしている。

 補注)発射する時間(瞬間)を把握できていても,その北朝鮮ミサイルがどの方向に・どのように飛ばされているのか,瞬時に判明できているわけもないのに,「ミサイルの軌道から日本の領土・領海に落下したり,通過したりする可能性がある」〔あるいは「なし」〕がすぐに分かるのか?

 以前,日本の領土ではない上空はるか〔日本国の領空ではない〕500㎞以上を飛来していったミサイルのときは,Jアラートを必らずといっていいくらい警報として出していた。

 ところが,以前はしっかり神経質になって出していたこの警報:Jアラートを,今回はのんびり構えていたかのようにして出さなかった。こうなると,衆議院解散総選挙(2017年10月22日)も「終わったからね,その必要もないか」といった具合に理解しておくのが,一番適切な解釈かとも思いたくなる。

〔記事に戻る→〕 情報発信でも課題が残った。小野寺五典防衛相は弾道ミサイル発射直後,記者団に「ICBM大陸間弾道ミサイル)と判断すべきだ」と述べていた。しかし,その後の記者会見では「ICBM級」とトーンダウン。ICBMに不可欠な大気圏への再突入技術について「正確に把握していない」ことを理由に挙げた。

 補注)「『正確に把握していない』ことを理由に挙げ」て,Jアラートを出さなかったとすれば,以前であっても北朝鮮が発射したミサイルの軌道についてもすべて,おおまかにでも「正確に把握していた」ことなどなかったはずだから,実に奇妙というほかない,そのつど「対応に関する変化」が起きている。

 要は一貫していないのであって,「対北朝鮮ミサイル」に対する安倍晋三の対応は,そのときどきの気分しだいで変わってきた。したがって「構えていた姿勢」も “フラフラしていた” ようにしか映っていなかった。

〔記事に戻る→〕 発射後のミサイルが複数に分離したことをめぐり,防衛相は当初,記者団に「多弾頭ミサイルの可能性を否定できない」との見方を示した。だが,その後,多弾頭ではなく,複数の推進装置をもつ「多段式」のミサイルだった可能性があると軌道修正した。(引用終わり) 

 2)「ミサイルを想定 福岡で避難訓練指定都市では初」『朝日新聞』2017年12月1日夕刊

 福岡市は〔12月〕1日午前,北朝鮮弾道ミサイルが上空を通過すると想定し,市内全域の携帯電話に緊急速報メールを配信する訓練を実施した。市内の公園と小学校の2カ所では避難訓練があったほか,走行中の市営地下鉄が最寄りの駅まで進んでしばらく停止した。国によると,国と自治体共催のミサイル想定訓練は24回目だが,指定市,大都市圏では初めてという。

 全国瞬時警報システム(Jアラート)で国からミサイル発射情報が届いたと想定。午前10時に携帯電話の警報チャイムが一斉に「チロリロリーン」と鳴り,「政府からの発表 ミサイル発射の模様。建物の中か地下に避難を」とのメールが送られた。5分後には「九州から太平洋へ通過」とのメールが来た。

 補注)これはいささか奇妙なメールの内容である。北朝鮮からのミサイルが「九州から太平洋へ通過」という経路を飛ぶことがありうる」が(グアムを狙った場合,九州の上空がその経路に当たるが,はるか上空の日本の領土ではない大気圏を飛行してゆく),九州じたいが標的そのものになっているわけでもないのに,そこまで神経質になって警報を出して訓練をする意味があるのか疑問である。

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 ちなみに,福岡市長は本(旧)ブログとのおもしろい因縁があるが,ここで具体的には言及しないでおく。その点はさておき,ネトウヨ的な政治家としての体質をもろに表出できる市長ということで,北朝鮮アレルギーも人一倍の人物であると推理しておく。それゆえ「国によると,国と自治体共催のミサイル想定訓練は24回目だが,指定市,大都市圏では初めて」となったものとも,併せて推理しておく。

〔記事に戻る→〕 福岡市中央区天神中央公園では周辺の会社員ら約50人が訓練に参加。携帯が鳴ると,地下街や,地下につながる公園内の階段に小走りで向かい,地下道の壁の両側で一列になって,頭を抱えてかがみこんだ。同区の舞鶴小学校でも児童ら約600人が参加。授業を中断して教室の窓から離れ,ミサイル通過情報が校内放送で流れるまでの5分間,手で頭を抱えて床にうずくまるなどした。

 福岡市は事前に,地下鉄の駅などに訓練実施のポスターを大量に掲示し,周知していた。地下鉄赤坂駅で列車を待っていた会社員(44歳)は,訓練で列車に遅れが出ると思い,いつもより早めに家を出たという。「みんな落ち着いていてなにごともない感じだった。こんなものなのかなと思った」と少し拍子抜けした表情で話していた。

 3)「Jアラート12市町伝わらず 14日の全国一斉訓練」日本経済新聞』2017年11月27日夕刊(および nikkei.com 2017/11/24 20:01 も参照)

 総務省消防庁は〔2017年11月〕27日までに(24日),ミサイル発射や災害情報を国から自治体へ伝える全国瞬時警報システム(Jアラート)を使った14日の全国一斉訓練の結果,10府県の計12市町で住民への情報伝達がまったくできなかったと発表した。防災行政無線から音声が流れないなどの不具合が主な原因。

 機器の設定を誤っていたほか,電源が入っていなかったり,ケーブルが緩んでいたりといった初歩的ミスが目立った。消防庁は不具合のあった自治体に原因究明と対策を要請。初歩的なミスは日常の点検で防げるため,自治体が毎月おこなう独自の訓練で改善を確認し,報告するよう求めている。

 京都府伊根町奈良県王寺町,福岡県岡垣町などで防災無線が正常に動かず,盛岡市などはコミュニティーFMの関連機器が作動しなかった。(登録制メールが配信できなかった地域もあった。訓練には1735自治体が参加した。消防庁は,防災無線やメールなど複数ある伝達手段のいずれかで住民に情報が伝われば,不具合にカウントしていない。〔共同〕(引用終わり)

 Jアラートによる避難訓練がこのように,不徹底というかなにかユルユルに感じられる態勢のなかで実施されていた。だが,その肝腎の官邸が11月29~30日時点において,北朝鮮からミサイルが発射されたさい,警報を出していない。前後して観るに,はたして一貫性ある警報の発令を実施しえているのかと問うに,「真剣味にかける対応であった」といわざるをえない。

 ちまたではまったくの冗談にしかならない話題であるけれども,日本における安倍晋三専制独裁志向政権を応援するために,北朝鮮のやはり「世襲3代目の政治家」同志である金 正恩が,ミサイルを打ち上げてくれているのだといった与太話も流通していないわけではない。結局,Jアラートの軍事的な有効性に関しては “基本から疑問あり” ということでしかなかった。

 北朝鮮が日本を本気で攻撃しよう(やろう)と思えば,日本海側に位置している原発1基の破壊すれば,日本は多分,それまでのことである。最近,日本海側の各地には,冬の荒天のために北朝鮮の貧弱な漁船がたくさん漂着し,問題になっているが,このなかに武装船団が紛れこんで原発を破壊するような攻撃を実行したら,それこそ一巻の終わりである。Jアラート運用の “ある意味でのバカらしさ” は,軍事学的な認識をもって,より的確に理解しておく余地があった。

 

 「関連会議は今…安倍政権『拉致問題』の低すぎる優先度」日刊ゲンダイ』2017年12月4日

 a)拉致問題の進展がないのでもどかしい。政府は主体的,具体的な策をとってほしい」。〔12月〕3日富山市で開かれた集会で,120人を前に横田めぐみさんの弟・拓也さんがこう訴えた。先月には母・早紀江さんが「金 正恩とケンカじゃなく話しあいをして欲しい」と安倍首相に注文をつけたばかりだ。

 拉致被害者家族が安倍首相に不満を強めるのは当然だ。5年経っても進展がゼロというだけでなく,安倍政権が拉致問題に本気でとり組んでいる痕跡さえないからだ。安倍政権は,スタートした5年前,6つの拉致関連の会議体を設けている。ところが,ほとんどが “開店休業” 状態なのだ。

 2012年12月に第2次安倍政権が発足した翌月,安倍首相はみずからを本部長とする「拉致問題対策本部」を設置。「私の使命として,私が最高責任者であるうちにきちんと解決したいと決意をいたしております」と気勢を上げた。早速,関連の6つの会議体を華々しく発足させたが,よかったのはここまで,だ。

 補注)「私の使命として,私が最高責任者であるうちにきちんと解決したい」のであれば,この安倍晋三君にはまだまだ,これからも総理大臣を5年でも10年でもやってもらわねばならない。この話題も冗談の域を出ないが,安倍が「北朝鮮による日本人拉致問題」を,自分が政治家として伸していくための具材にだけ悪用してきた〈履歴・実績〉は,蓮池 透がすでに徹底的に批判・説明している。

 補注の 補注)このもとの記述「本分」を書いていた時期は,2017年12月であった。安倍晋三が首相としての任期は,あと1年ほどであるが,依然,「北朝鮮による日本人拉致問題」には全然進展がみられない。安倍自身もまったくやる気をみせていない。『中央公論』2020年9月号に掲載された,「安倍晋三 × 聞き手:橋本五郎「コロナ第二波に万全を期す」「拉致問題は 任期中に結果を出したい」という願望が,本気でいわれたものかどうかさえ疑われる。

 どうせ「口だけ,いまだけ,カネだけ」の安倍君のことだから,「自慢になりえない,当面進捗が期待できない,もちろんカネにもなりえない」北朝鮮外交問題など,本心では関心外であった。   

 b) 「2014年を最後に議事録が消えた」? 日刊ゲンダイ拉致問題対策本部のHPで,6つの会議体の開催状況を調べたところ,現在も継続していると思われるのは「政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会」と「拉致問題に関する有識者との懇談会」ぐらい。ほとんどの会議体は,2013~2014年に数回開催したあと,2014年を最後に議事録がない。

 内閣官房拉致問題対策本部事務局に事情を聴いた。5分程度待たされたうえ,返ってきた回答は首をひねるものだった。「2014年で議事の掲載が終了している会議について,その後,開催されているのかどうかは答えられません。また,議事を掲載しなくなった理由もお答えできません」。つまり,会議開催の有無,議事不掲載の理由は非開示というのだ。

 c)   政界関係者がいう。「議事の掲載がないものは開催していないのでしょう。開催しているのなら,これまで同様,議事をオープンにすればいいだけの話です。いまの加藤勝信拉致問題担当相は第2次安倍政権で3人目。しかも守備範囲が広すぎると指摘されている厚労相を兼務している。手がまわるはずがありません。安倍政権の拉致問題の優先度はこんなものですよ」。

 d) 二度と「拉致のアベ」と口にしないことだ。

 註記)https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/218831/1(~3)

 さて,つぎの ⑤ に引用する文章は,安倍晋三という政治家の本性,つまり「傲慢で幼稚な」なりにであっても,また別に姑息にも長けている特性を有する事実を教示している。

 

 「蓮池 透氏が拉致問題の内幕書で批判--暴露された安倍首相の『ウソ』」週刊金曜日公式サイト』2016年2月2日 10:49 AM

 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」元副代表の蓮池 透氏が出版した『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)が,話題になっている。

 a)〔2016年〕1月12日に開かれた衆議院予算委員会では,民主党緒方林太郎議員が同書をとりあげ,「いままで拉致問題はこれでもかというほど政治的に利用されてきた。その典型例は実は安倍首相によるものである」という一節を読み上げて,「首相は拉致を使ってのしあがった男でしょうか」と質した。

 これに対し,安倍首相は声を荒げて「ここで私の名誉を傷つけようとしている。きわめて私は不愉快ですよ」と反論したが,同じパターンが以前もあった。2006年10月11日の参議院予算委員会で,民主党森ゆうこ議員(当時)が,同年発売された『週刊現代』10月21日号掲載の,安倍晋三拉致問題を食いものにしている」という表題の記事をとりあげたのだ。

 この記事は,中国朝鮮族の実業家で,北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)が他国と交渉するさいの「大物ロビイスト」とされた崔 秀鎮氏のインタビュー。崔氏は安倍首相から北朝鮮との秘密交渉を依頼されたというが,そこで首相について「単に政治的パフォーマンスとして拉致問題および北朝鮮問題を利用しているにすぎないのです」と述べている。

 森議員が「この記事の事実関係」を質しただけで,首相は「いちいちコメントするつもりはまったくありません。事実,食い物にしてきたということをこの委員会でいうのは失礼じゃありませんか」と,興奮した口調で発言している。

 今回,蓮池氏が同書で首相の「ウソ」としてとりあげている主な点は,以下のふたつである。

 (1)   2002年9月に小泉純一郎首相(当時)が訪朝したさい,官房副長官として同行した安倍氏が,「『拉致問題で金 正日から謝罪と経緯の報告がなければ共同宣言に調印せずに席を立つべき』と自分が(注=小泉首相に)進言した」。

 (2)   蓮池氏の実弟の薫氏が同年10月に「一時帰国」したさい,安倍氏が「帰国した被害者5人を,北朝鮮に戻さないように体を張って必死に止めた」というもの。

 b)「首相の拉致問題の「政治利用」。 蓮池氏は同書でその  (1)  について,「席を立つべき」という方針は安倍氏がいい出したのではなく,当時の政府の共通認識だった。 (2)  については,安倍氏北朝鮮に戻ることに当初反対しておらず,5人の帰国を引き止めたのは蓮池氏自身だったと指摘。だが安倍首相は,緒方議員が「蓮池氏がウソをついているのか」と迫ったが,「(自説が)違っていたら国会議員を辞める」と反論した。

 これについて,拉致問題が安倍首相や右派によって「政治利用」されてきた経過を追った『ルポ 拉致と人々』(岩波書店)の著者で,今回の蓮池氏の近刊にも著者との対談が掲載されているジャーナリストの青木 理氏は,「おおむね,蓮池氏の指摘が正しい」と断言する。とくに  (1)  については,小泉政権時代の田中 均元外務審議官のインタビューで裏づけをとっており,「安倍首相だけが1人,独自の主張をしていたのではない」と述べる。

 また青木氏は「首相は副官房長官当時,周囲の “番記者” にペラペラと拉致に関する情報を話していました。拉致問題を最大の跳躍台にして駆け上がり,首相の座まで射止めたのは間違いない」と指摘。さらに「実際首相がやったことは蓮池氏も指摘するように『北の脅威』を煽って制裁を強化するだけで,問題解決のためになにもしてはいない」と述べる。

 蓮池氏もツイッターで安倍首相の答弁に対し,「私はけっして嘘は書いていません」と断言しているが,たしかなのは首相はこれまで,さまざまな事実無根の発言を繰り返してきたという事実だ。福島第1原発事故後の汚染水流出について「アンダーコントロールにある」だの,日本軍「慰安婦」問題は「『朝日新聞』の誤報から始まった」だのと,上げればキリがない。首相が拉致問題についての言動を批判されると感情的になるのも,本人のやましさのためではないのか。

 註記)http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2016/02/02/

 そのとおり……。いまでは国民たちの間でも周知されているように,アベ君のウソは〈牛のよだれ〉のごとく,いつまでも垂れつづけている。

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