国民・都民たちを新型コロナウイルス感染問題でも翻弄してきた安倍晋三と小池百合子,このままでは日本という国家はほろびる

 新型コロナウイルス感染問題,東京都の「新しいモニタリング指標」に関する感想・疑問・批判

 

  要点:1  「東京アラート」となにがどのように違うというのか,よく理解できない東京都の「新しいモニタリング指標」

  要点:2 その「新しいモニタリング指標」に使われている「……と思われる」という表現は完全なる蛇足


 「東京都の新しいモニタリング指標」『YAHOO! JAPAN ニュース』2020年7月15日 20:31配信(『THE PAGE』),https://news.yahoo.co.jp/articles/49449eb0740288723f0679c591a9fc31014ebc6f
 
 東京都は以前,新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対する警戒喚起のために「東京アラート」を準備し,それなりに発動させていた。けれども,6月11日にそれを解除した直後からは, 「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」におけるステップ3に移行(令和2〔2020〕年6月12日〔金曜日〕午前零時から)するとしていた。

 さて「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」は,つぎの図表のとおりであるが,つづけては,文章でも引用しておく。

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 緊急事態宣言解除後は,段階的に休業要請を解除していく。現在〔6月10日のこと〕はステップ0だが,ステップ1~ステップ3まで順次緩和していく。

   ★ 休業要請緩和のステップ(施設別)★

 

 「ステップ1」では,博物館・運動施設・学校を一部解除するが,学習塾や劇場・集会場,漫画喫茶・パチンコ屋,ゲームセンター・遊園地などは休業要請のまま。ただし,飲食店は現在夜8時までの営業を夜10時まで認め,酒類の提供も夜10時まで(現在は夜7時まで)にする。

 「ステップ2」では,博物館・運動施設・学校を再開し,学習塾や劇場・集会場も再開。ただし,漫画喫茶・パチンコ屋,ゲームセンター・遊園地などは休業要請を継続する。飲食店の営業時間はステップ1と同様」。

 「ステップ3」では,漫画喫茶・パチンコ屋,ゲームセンター・遊園地なども再開。飲食店の営業時間を夜12時まで(酒類提供も12時まで)とする。

 

 イベントは,ステップ1では50人まで,ステップ2は 100人まで,ステップ3では 1000人までと段階的に緩和。ただし,ステップ3でも,接待を伴う飲食店,ライブハウス,カラオケ・事務などは休業を要請。これらの施設はクラスター発生の可能性が高いとし,引きつづき休業を求め,国の対処方針などをみながら検討していく。

 といったような「手順の要領」でもって,東京都は「ステップ(段階)ごとの規制」を設定していた。だが,今日〔8月9日現在〕において判断するに,そうして決めておいた「ロードマップ」は,残念ながらというまでもなく,またとくにその後,国・政府側における規制の仕方が,なんと「Go To キャンペーン」⇒「Go To コロナ感染」になる結果を惹起させていたからには,その都側の規制基準は有効に機能させえなくなっている。

 そのような状況下の問題となれば,「新型コロナウイルス感染症」を「乗り越えるためのロードマップ」というものは,実際においては逆に,かえって「混乱をよびこむか,あるいは混沌を余儀なくさせるほかない事後の経過」をたどっていった。

 東京都が公開してきた図表(前掲)に関した話題になる。本ブログ筆者は「東京アラート」が6月11日に解除されて以後,東京都の「新型コロナウイルスの新規感染者数の増加動向」とは無関係であるかのように,つまり,わざわざ事前に「解除されていた」その「東京アラート」でもあったゆえ,これにもともとまとわりついていた「その使用上の制約」は,批判も受けずに放置しておくことはできないと思っていた。

 小池百合子都知事は「東京アラート」を解除し,それに続けて「緊急事態宣言解除後には段階的に休業要請を解除していく」手順を,つぎの ② であらためて言及する「都の新しいモニタリング指標『4段階の警戒レベル』」に改訂して(切り替えて)きた。だが,その転換の手順は,「東京アラート」が最終的に除去された経緯(事実)をそっちのけにしたまま,実質的にはさらにこれに重ねるようにして,その「4段階の警戒レベル」を新しく設定していた。この方法はかなり “恣意的な飛躍” を意味していたといわざるをえない。


 「都の新しいモニタリング指標『4段階の警戒レベル』」(7月15日時点の説明)

 「東京都の新しいモニタリング指標」(東京都資料より)によれば,東京都は7月から新しいモニタリング指標にもとづく新型コロナウイルスに関するモニタリング会議を,専門家らを交えて開いていた。

 その会議は週1回開かれるが,新たな会議での議論にもとづき,

 (1)感染状況
 (2)医療提供体制

の2つの軸について分析し,警戒レベルを4段階に分けて評価している。2軸それぞれに対し,レベルに合わせた色も付けており,警戒レベルが高い順に赤,オレンジ,黄色,緑としている。

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 ※-1「感染状況」
  感染状況については,警戒レベルが高い順に以下の文言になっている。

   ▼ 感染が拡大していると思われる
   ▼ 感染が拡大しつつあると思われる
   ▼ 感染拡大の兆候があると思われる
   ▼ 感染者数の増加が一定程度にとどまっていると思われる

 ※-2「医療提供体制」
  医療提供体制については,警戒レベルが高い順に以下の文言になっている。

   ▼ 体制がひっ迫していると思われる
   ▼ 体制強化が必要であると思われる
   ▼ 体制強化の準備が必要であると思われる
   ▼ 通常の体制で対応可能であると思われる

 ※-3 小池知事,感染状況は「最高レベル」

 7月15日に開かれた第2回目のモニタリング会議では,感染状況についてはもっとも警戒度が高い「感染が拡大していると思われる」となった一方,医療提供体制は2番目に高い「体制強化が必要であると思われる」とされた。

 同日,記者会見した小池百合子知事は「(会議で)専門家から感染状況について,接触歴など不明の方々が増加している。この状況が仮に4週継続した場合,接触歴など不明の新規陽性者がいまの16倍程度に拡大する可能性があるということから4段階ある今回のモニタリング指標の中で最高レベルの4段階目の『赤』に当たる」と説明した。

 また,「『感染拡大警報』,これを発すべき状況だと(いうのが)都としての姿勢,考えだ」と訴えたうえで

 (1)積極的な検査拡大による感染拡大の抑制
 (2)地域の実情を踏まえた重点的,ピンポイントの対策
 (3)年齢層,業態に対応したきめ細かい対応

をしていくと語った。(説明終わり)


 以上の説明のなかで,「感染状況」の「警戒レベル」に充てて使用された用語のうち,「と思われる」は不要の冗語であった。小池百合子都知事は「東京アラート」を使用していた時期,東京都庁舎やレインボーブリッジを真っ赤にライトアップしたりして,あたかもコロナ禍を楽しむような都政の姿勢を示していた。しかし,この8月の上旬も終わる時点に至っては,もはやそのように都政をもてあそぶ余裕はなくなっている。

 現在は,政府が「Go To コロナ禍といってもいい「Go to キャンペーン」を実施しだした背景もあって,いよいよ新型コロナウイルス感染拡大が本格的に進行しだしている。このような状況を迎えている段階にあってもまだ,安倍内閣の利権がらみでしかない,いうなれば,その「Go To the Hell」とでも呼びかえられる「コロナ禍・積極拡散政策」が,現在,展開中である。

 つぎの図表(記事)は,『朝日新聞』2020年8月9日朝刊22面の特集記事「〈新型コロナ〉40代以上の感染,じわり拡大 高齢ほど命の危険,病床も圧迫」から,その一部分を紹介するものであるが,この図解のなかで谷底状を描いている期間(だいたい,5月中旬から6月中旬)に関しては,矢印( ↓ )を添えて,それぞれ以下の文句が記入されていた。 

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  「休業要請の緩和基準(ロードマップ)を公表(5月15日)」
  「緊急事態宣言解除(5月26日)」
  「東京アラート発出(6月2日)」
  「東京アラート解除(6月11日)」
  「休業要請を全面解除(6月19日)」

 これらの文句が現実に意味するのは,新型コロナウイルス感染拡大が「第1波」を終えてさらに「第2波」を迎えるはずだという,当時〔とくに5月段階から〕であっても明確に指摘されていた「警告」を,完全に軽視(無視)していた点である。

【補足資料】2020年8月10日追加分

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 安倍晋三首相は5月25日の記者会見で,新型コロナウイルスについて,「日本ならではのやり方で,わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。日本モデルの力を示した」などと,脳天気よりもだいぶ以前だったというほかない極楽トンボ的な発言を,自身は得意げに放っていた。けれども,みごとなまでに,皮肉というほかない「トンデモな誤解:誤審」を世界に向けて発信していた。それゆえ,いまとなっては大恥をさらすだけの結果を生んでいた。

 また,小池百合子都知事も「東京アラート」を御用済みだとみなしえたのか,6月2日に発動させた「東京アラート」を11日に解除していたが,この「アラートじたいが不必要でなくなったわけでない」「事情の経過(第2波の襲来)」をまったく予期していなかったと思わせるほど,拙速でうかつであった。

 そのせいで,安倍晋三にせよ小池百合子にせよ,第2波の襲来を受けてからあわてだしていた。小池はこんど,「都の新しいモニタリング指標『4段階の警戒レベル』」と名づけた,一見したところでは「東京アラート」を精緻化したかごとき用語をもちだしてきた。しかし,実質のところでそれは「東京アラート・改訂版」であったはずだから,こちらの用語を抹消しておいた “そのやり口” は,面妖なる不可解さを漂わせていた。

 安倍晋三にしても小池百合子にしても,専門家たちの意見や知識,解釈をどのように受けとめ聞きながら,「対・新型コロナウイルス」の伝染増大状況に対処しようとしてきたのかとみれば,非常に粗雑というか軽はずみな対応に終始してきた。

 とくに安倍晋三首相は6月18日以来,ろくすっぽ国会(閉会中であるが参議院が週1回,コロナ対策を議論するための委員会をもっているが)にはいっさい顔をみせず,もっぱら自宅と官邸を行き来するだけの「内閣総理大臣」になっている。その間,7月10日には吐血したという裏情報まで流れていた。

 一方の小池百合子都知事はとみれば,「東京アラート」をうれしそうに発動させていた時期に比較すると,このごろは,ずいぶんやる気のなさそう表情をみせながら毎日の感染者情報を報告する態度は,「私,本当はこんな仕事,やりたくないの……」と受けとれる雰囲気をにじみ出している。

 それでも,この都知事はまだめげずに,都民たちに向けて「『特別な夏』  小池都知事が会見  旅行・帰省の自粛を呼びかけ」ていた 註記)。彼女は,耳あたりのいいことばを創作して,あれこれ修飾して活用する点はうまいが,ただし問題の本質を意図的に外した(はぐらかした)言動が多く,その意味では政治家としての信頼性に重大な欠陥があった。

 註記)『FNNプライムオンライン』2020年8月7日 金曜 午前 6:24,https://www.fnn.jp/articles/-/71412 次段にこのニュースの本文を引用しておく。

 東京都の小池知事は臨時の記者会見を開き,都外への旅行や帰省を控えるよう呼びかけた。小池都知事「この夏は特別な夏であります」〔といい〕,小池知事は,お盆の帰省シーズンを前に,都外への旅行や帰省,遠くへの外出を控えるよう呼びかけた。

 補注)『この夏は「特別な夏」』という表現には重要な形容が落とされている。「特別に大変で苦労な夏」であるのに,その肝心な修飾の部分を切りとった発言をしていた。「特別」といっても「なにもいいこと」などない「夏のそれ」なのだから,この重大な核心をボカしたいかのような表現は感心できない。

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 また,高齢者にはマスク着用,手洗い,消毒,換気の徹底などを求めるとともに,高齢者と同居している家族には,長時間の会話のさいはマスクをつける,料理は小分けにするなど,細やかな対策をとる必要性を訴えた。

 

 さらに,夜の繁華街への外出や夜遅くまでの飲酒をともなう会食も控えるよう,あらためて強調した。小池知事は,「今後,状況がさらに悪化した場合には,都独自の緊急事態宣言を発することも考えざるをえない」と危機感をあらわにした。

 小池百合子都知事のこの発言は,2020東京オリンピックの中止・延期が決まった3月24・25日以前に比較するとしたら,彼女も2020東京オリンピックを開催するつもりでいたころの姿勢からは,それこそ180度の豹変ぶりを遂げていた。

 すでに,新型コロナウイルス感染症の問題が世界的に問題になっていた時期にもかかわらず,小池百合子は3月1日,東京都内の日本陸上競技連盟公認コースを使い,通算14回目となる「東京マラソン2020」(Tokyo Marathon 2020)を実施させていた。この事実(⇒「3密回避原則違反」)を忘れてはならない。

 要は,「東京アラート」から「東京都の新しいモニタリング指標」へと断続的に移行するさい,その「鉦や太鼓」の鳴らせ方の変化や,さらには『この夏は「特別な夏」』だといったごとき,小池百合子流に目先でチョロチョロするばかりの「お遊び的な標語の掲揚ごっこ」にあっては,彼女の立場が「政治家としての一貫した信念をもつのか,それによって行動原理が形成されているのか」が,どうしても読みとれなかった。

 要は,なにもかも自分の利害を最優先させるための,つまり「小池ファースト」のためでしかない政治屋としての判断しか「しない(できない)」ところにこそ,彼女の政治家としての絶対的な限界が露呈していた。

 

  2020年7月16日参議院予算委員会児玉龍彦東大名誉教授の発言

 高橋昌一郎・稿「すでに東京はエピセンター化したのか?」『note』2020/08/07 10:30,https://note.com/logician/n/n31e09f5e9130 が,つぎのように解説していた。

 --〔2020年〕7月16日,参議院予算委員会において「新型コロナウイルス感染症への対処等」に関する集中審議がおこなわれた。参考人として登場した東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏は,「私は今日,きわめて深刻な事態を迎えつつある東京のエピセンター化という問題に対して,国会議員の皆様に全力を挙げての対応をお願いしたくて参りました」と最初に述べた。

 児玉氏によれば,新型コロナウイルスの最大の問題は,単に感染の「クラスター」(集団)が生じることではなく,変異したウイルスが「エピセンター」(震源地)を形成することにある。東京では,第1波(武漢型)と第2波(イタリア型)が発生した後,すでに第3波(東京・埼玉型)が発生している可能性を言及した。もし第1波・第2の段階で大規模なPCR検査を実施し,無症状の感染者もチェックしておけば,この状況は抑えられたかもしれない。しかし,日本政府も東京都も,積極的な対策を実行しなかった。

 補注)すでに「第1波」とか「第2波」という表現が出ていた。ここで児玉が挙げていた「第1波」と「第2波」とは併せて,本ブログのこの記述における「第1波」に相当し,また「第3波」が「第2波」に相当する。

 いったんエピセンターが形成されると,無症状の感染者からの感染が急激に増加し,死亡率は一見低くみえていても,時間が経過するにつれて,その割合は増加する。児玉氏は,

  「総力で対策を打たなければ,来週は大変なことになる」

  「来月は,目を覆うようなことになる」

  「東京が,ニューヨークのようになる」

と強い「危機感」を表明し,「責任者を明確にして,トップダウンで前向きの対応が必要」と,大規模なPCR検査などの積極的な対策の必要性を強調した。

 補注)児玉龍彦教授が指摘したこの見通しは,その後(今日まで)の趨勢・推移を的確に予測していた。

 要するに,児玉氏によれば7月の時点で,すでに東京にはエピセンターが発生し,「悪循環サイクル」に入ってしまったのである。その認識は,児玉氏が国会に提出した資料(1)に明示されている(次段の画像資料)。

 さて,児玉氏のグラフは7月10日の時点で終わっている。それから約1カ月が過ぎた。現実は,どうなっただろうか? 昨日8月6日までの東京都の新規感染者数のグラフは,つぎのとおりである。(引用終わり)

 前段の「児玉氏が国会に提出した資料(1)」は,これである。 

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 つぎは,2020年8月9日までに関する「東京都新規感染者数のグラフ」である。

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 東京都知事小池百合子が知事として記録してきた「新型コロナウイルス感染問題」の軌跡は,きわめていきあたばったりの対応にしかなっていなかった。問題はまた,安倍晋三が首相として記録してきた「コロナ禍に対する国家最高指導者としての指揮ぶり」にも,明確に浮上していた。

 一言でいえば彼は,当事者能力ゼロであった。もっとも,小池の場合は今冬を迎えるときには,きっと,「この冬だけ用の特別の気持(で!)」といったたぐいの「新しい標語」を,再度,サラリと用意したり,そして,新型コロナウイルスに対して「都民たちはしっかりと自分本位で精神論で立ち向かえ,そうやってみずからを護れ」といい出したりするかもしれない。

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