ドイツの敗戦とヒトラー伍長,日本の敗戦と東條英機上等兵となれば,日本国の破壊者・安倍晋三はさしずめ2等兵(2等陸士)か

               (2019年7月11日,2020年8月27日)

 敗戦後,A級戦犯東條英機などは絞首刑に処され,天皇の延命で天皇家はひとまず安泰,ただし在日米軍の基地に支配される植民地日本になったまま,21世紀のいまも同じように軍事的には他国に支配されている

 安倍晋三の母方の祖父岸 信介はA級戦犯であったが,悪運も強く,敗戦後においてアメリカの協力者になることで,絞首刑を回避できていた

 つまり,敗戦後の日本国をどのように受けとるべきか? 東京裁判極東国際軍事裁判)の理解いかん

 第1次大戦時,ヒトラー上等兵は統率力がない兵士であったが,勲章の鉄十字章をもらっていた

 「東條英機のような上等兵止まりの輩が戦争を指導していた」保阪正康稿『日刊ゲンダイ』2019/06/07 17:00)

 上等兵が戦争を指揮したのだから敗けるのは必至であった。それでは,二等兵(以下)の彼(安倍晋三)が自衛隊3軍の最高指揮官である現況の日本は,なにかと戦う前にすでにコケまくっている

 イランと戦争したいトランプが有志連合(軍)を募るとかいっているが(アメリカ一国ではやりたくない),そうとなれば,安倍晋三はノコノコとはせ参じるつもりか


  要点:1 いまや,『週刊文春』2020年8月27日発売の9月3日号の安倍晋三関連の目次:見出しは,こう語っている

   後継は菅「コロナ暫定政権」
   安倍晋三〈13年前の悪夢再び〉潰瘍性
   大腸炎が再発した

    ▼ 「ウッ」漏れる首相のうめき声緊迫の総理専用車
    ▼ 薬が効かず白血球入れ替え最終手段は大腸摘出
    ▼ 「俺の仕事は選挙管理内閣」麻生太郎が洩らした本音
    ▼ 菅派閥重鎮に挨拶 最側近はコネクト不倫補佐官
    ▼ 電撃退陣→党員投票なし総裁選で石破潰し計画

  要点:2 オジイチャンの岸 信介が達成したいろいろな成果(悪業)を超えることなど,いっさい・まったくできていなかった安倍晋三


 「〈参院選〉遊説周知 首相『トラウマ』 やじに反論 批判浴びた過去」東京新聞2019年7月10日朝刊https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201907/CK2019071002000147.html

 参院選での党首らによる遊説日程をめぐり,各党の対応が分かれている。自民党安倍晋三首相(党総裁)は2017年の衆院選に続き,やじや妨害を警戒し直前まで非公表。過去にやじに反論した姿が繰り返し報道された「トラウマ」(周辺)が背景にありそうだ。野党は「支持基盤の見劣りをカバー」(幹部)しようと,数日前から周知を図り盛り上げを狙う。

 「安倍辞めろ」。〔2019年7月〕7日,東京・JR中野駅前。首相が応援演説のため姿を現すと,「国難はオマエ」などと書かれたプラカードを手にした聴衆の一部からやじが起きた。演説後,首相は側近に「あの人たちも変わらないね」とこぼしたが,やじに反応しなかったことに周囲は「よく耐えてくれた」と安堵した。

 補注)「子どもの首相」にしては,今回はなぜか,とても “よくガマンしたネ” ということであった。

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 首相には苦い記憶がある。2017年7月,東京都議選での演説時に「こんな人たちに負けるわけにいかない」とやじに反論した場面がテレビで繰り返し放映された。国会で野党の追及を受け「不徳の致すところだし大変残念だ」と釈明に追いこまれた経緯がある。同年10月の衆院選では一時,日程を非公表とした。

 補注)「こんな人」が「日本の総理大臣をやっている」のだが,街頭演説の日時・場所を事前にきちんと公表できないステルス首相だったとは,実に情けない話……。

 今回の参院選自民党幹部の日程は数日前に公表しているが,総裁日程は当日朝に報道機関に発表し,ホームページには掲載していない。

 聴衆を多く集めたい候補者側は悩ましい。中野駅前の演説も候補者陣営が新聞広告などで事前に周知。広告をみた首相側近は陣営を注意したが,反対派が集まる結果となった。首相が〔2019年7月〕8日に訪れた岩手県では,候補者が事前にツイッターで遊説日程を掲載したが,混乱はなかった。

 一方,自民党を除く6党は前日までに党首らの日程を公表している。立憲民主党枝野幸男代表は記者団に「誰に投票するか決めていない不特定多数の方に支持を呼びかけるのが選挙だ。首相はそういう選挙をしようと思っていないのだろう」と語った。

 補注)専制的独裁志向政権の御大将である安倍晋三君が,自分にとって気分のいい遊説にしかいきたくないと思っている点は,彼の人間的な資質に照らして判断するに,あまりにも当然の心情であるかもしれない。某国の大会議場においてなのであれば,その首領さまに対して捧げられる〈人民代表たちから巻き起こる拍手の嵐〉が観察できるのだが,安倍君もきっとそのような聴衆側からの反応だけを期待しているのか。

 与党に比べ動員力が乏しいという野党の事情もみえ隠れする。国民民主党が〔2019年7月〕7日に秋葉原で開催した玉木雄一郎代表のトークイベントの聴衆は約20人にとどまった。選対幹部は「民進党分裂で組織が小さくなり,早めに周知しないと人が集まらない」と打ち明ける。

 演説の妨害を受けたこともある共産党の小池 晃書記局長は「首相は正面から政策を語り,審判を仰ぐ覚悟も自信もないのだろう。よほどやじが怖いのでは」と皮肉った。

 補注)もっとも正直も不正直もない。安倍晋三君にとってはただヤジが怖いのであって,自分が国会内で自由奔放に野党議員たちに不規則的に発するヤジは,もちろん自愛的に大好きであるが,その逆流的に自分に向けて飛ばされるヤジの襲来は大嫌いであるに過ぎない。要は単にワガママで,ひどく身勝手なだけなのである。

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  ※「組織的な妨害ある」萩生田氏 ※

 自民党萩生田光一幹事長代行は〔2019年7月〕9日,参院選安倍晋三首相(党総裁)の遊説日程を党ホームページで事前に公表していない理由について「あらかじめ公表すると,組織的に演説を妨害する人もいて,まじめに演説を聴きたくて集まった人たちに迷惑をかける」と説明した。党本部で記者団の質問に答えた。

 萩生田氏は,7日に東京・JR中野駅前でこなわれた首相遊説について,自民党候補が事前に告知したため「そういう方たちが大挙しておみえになり,会場が混沌として『話が聞けない』という苦情もあった」と指摘。

 「(首相を)批判する権利はあるのだろうが,演説会は候補者の政策を聴いてもらうためにやっている。選挙妨害と思われるような行動は厳に慎んでほしい」とも話した。首相の公務日程が直前まで決まらないとも説明し,「残念だが,この(事前に公表しない)スタイルでしばらく続けてみたい」と理解を求めた。(引用おわり)

 自民党の大会ではあるまいに,自分を支持する人たちだけに集まってほしい,そうではない人たちが駆けつけてきて「ヤジを飛ばすのは選挙妨害だ」と訴える,この安倍晋三配下の萩生田光一は,国民たち(有権者など)がそこまで安倍晋三を嫌っている「現実の政治状況」を,絶対に正視したくないに違いない。

 この安倍晋三君の場合,ヤジのひとつやふたつ,演説をする立場から適当に聞き流したり,ましてや即興的なユーモアで切り返したりすることが,全然できない。だから安倍晋三は,街頭演説の場所には,それこそコソコソとステルス的に登場せざるをえないでいる。『こんな総理大臣』の政治家としての行状こそが,まさに「国恥・国辱」であるだけでなく,本物の「国難・亡国の総理大臣である事実」を端的に表現している。

【参考画像】 マッド・アマノの作品紹介。

 

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 街頭演説をする場所に,安倍晋三を応援する者たちがいたのは当然の風景として,政治家が演説する場所に支持者でない者たちが集まってきて,なにも悪いことはない。それよりも,演説会場でヤジを安倍晋三に対して飛ばさねば,国民たちの声すら全然届かなくなった「アベの為政」こそが,大問題であった。この事実にみてとれる「ゆゆしき日本の政治事情」が,最優先に批判されていい。萩生田光一(アベの子分)の非難は,基本からして “見当違い” に発している。

 

 「小笠原清「『東京裁判』監督の問い再び 戦争映画の集大成,デジタル修復版完成」日本経済新聞』2019年7月19日朝刊34面「文化」

 映画『東京裁判』(1983年)は米国防総省が撮影した50万フィートを超す裁判記録映像をもとに,極東国際軍事裁判の全貌を描いた4時間37分のドキュメンタリーである。自身の従軍体験と向き合い『人間の條件』(1959~61年)を撮った名匠,小林正樹監督の「戦争映画の集大成」でもある。

 補注)ユーチューブ動画であればまず,『東京裁判 vol 1/4 (極東国際軍事裁判)』https://www.youtube.com/watch?v=jekI3_msK8o,映像時間:7時間28分48秒がみつかる。関心のある人はさらに,関連する動画を検索してほしい。

 私は監督補佐,共同脚本として参画した。30余年が過ぎ,フィルムが劣化した。存命のスタッフである私と,企画者でエグゼクティブプロデューサーの杉山捷三氏にとって,近代史の一級映像史料を後世に伝えることが使命となった。幸い,新たな上映素材を検討中の講談社への提案が受け入れられ,4Kデジタルリマスター版がこのほど完成した(〔2019年〕8月3日公開〔予定〕)。

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 小林監督が膨大な映像資料と格闘し,足かけ5年かけて完成させた『東京裁判』だが,実はさまざまな課題を残していた。まず画質。米国のフィルムだけでなく,国内外のニュース映像などさまざまな素材が混在した。それらを一定の画調に整えるために4度のデュープ(複製)を繰り返したため,鮮明度が犠牲になった。

 幸い残しておいた最初のデュープネガ〔ネガの複製〕をもとにデジタル修復し,オリジナルレベルの鮮明な画像がえられた。臨場感が高まり,観客は同時代的な実在感を共有できる。そして音質。よく聞きとれなかった「玉音放送」(終戦詔書)の全文を,ルビ付きの字幕をのせて,天皇の肉声とともに明瞭に再現できた。小林監督の願望でもあった。

 当初1979年2月から1年の予定だった製作期間は延びに延びた。まず裁判映像の英語音声の翻訳と速記録との照合に1年4カ月も要した。学術調査的な地道な作業のなかで,発見もあった。速記録から削除された米国人弁護人ブレークニーの裁判権についての発言だ。「真珠湾攻撃殺人罪になるならば,われわれは広島に原爆を投下した者の名を挙げることができる」。フィルムには残っていた。

 そのうえで小林監督は映画を3本柱で構成した。

   (1)   裁判の実態の記録

   (2)   裁判当時の日本と世界の社会情勢の推移

   (3)   裁判で起訴された戦時中の歴史事象の検証

 法廷のやりとりだけでなく,社会情勢と関連づけることで,東京裁判がいまにつながる現実感をもった歴史として存在しうる。そのため欧米,アジア,日本などでさらに映像を収集した。私が小林組に呼ばれたのは1981年2月だが,六本木の作業場は,およそ1100巻,200時間を超す素材フィルムで埋まっていた。

 6カ月後,脚本全体の流れを検討するために,法廷と歴史事象のシーン別の表題一覧を,作業室の壁に貼りめぐらした。小林さんは10分ほど無言で眺め,つぶやいた。「これで僕の『人間の條件』につながったね」。

 1981年12月,5時間25分の内輪の未完成試写を見終わったとき,作曲家の武満 徹さんが嘆息した。「人類社会はなんと愚かな歴史を刻んできたんだろう」と。勇気づけられた。

 小林さんは同時代の日本人の誰もがそうであったように,自身が戦争加害者であり,被害者でもあった。戦犯をけしからんと決めつけ,映画で裁くことを必らずしも良しとせず,人間としてみつめる視線をもちつづけた。

 自分を戦場に駆り出した東條英機ら,法廷での生身の被告たちをどう観るか,どう批判するのか。戦争責任とはなんなのか。日本人自身が,個人それぞれが責任をもって考えるべきなのだ。映画はありのままの現実,事実を提示し,できるだけ多くを語らせ,見る者に問いかける。それが小林正樹の遺志なのだ。(おがさわら・きよし:映画作家)(引用終わり)

 安倍晋三は,敗戦以前の日本に戻りたいと「戦後レジームからの脱却」を盛んに叫んできたが,こうした映画芸術方面における「戦争の記憶」を「戦後レジーム」のなかに引き入れて,つまり現在的なわれわれ自身のあり方と関連づけて考えることとは,完全に無縁の政治家であった。

 安倍晋三が尊敬するという「母方の祖父岸 信介」は,敗戦後の日本においてはA級戦犯に指定されていたものの,アメリカへの忠誠を密かに誓っていたせいか,米軍基地だらけとなったこの日本の国土を,さらに確固たる態勢に仕上げるための準備作業をした。

 そして,その孫である晋三が,米日安保関連法体制を2016年3月から施行させることによって,その岸 信介の狙いはより高度に実現された。そのような対米従属国家体制を作っておいて,そもそも,いったい「なんのための〈戦後レジームからの脱却〉」という標語をかかげていたのか。この点の無理無体:自家撞着は,安倍晋三自身では説明できるはずもない。

 岸 信介は太平洋戦争(広義では大東亜戦争)が始まる前までは,大日本帝国の属国であった「満洲国(中華人民共和国風にいうと『偽満洲国』)においては高官の地位にあった。

 1933〔昭和8〕年2月,商工大臣官房文書課長

 1935〔昭和10〕年4月,商工省工務局長に就任,自動車製造事業法の立法に貢献

 1936〔昭和11〕年10月,満州国国務院実業部総務司長に就任し,渡満

 

 1937〔昭和12〕年7月,産業部次長

 1939〔昭和14〕年3月,総務庁次長に就任

 1939〔昭和14〕年10月,帰国して商工次官に就任

  

 1941〔昭和16〕年10月,発足した東條内閣に商工大臣として入閣(『米國英國ニ對スル宣戰ノ詔書』に署名。太平洋戦争中の物資動員のすべてを扱った)

 1942〔昭和17〕年,第21回衆議院議員総選挙で当選し,政治家としての一歩を踏み出した。

 1944〔昭和19〕年7月,内閣改造を頓挫させるために岡田重臣と申し合わせて辞職を拒否し,東條内閣は総辞職

 

 

【参考画像】 「岸 信介と東條英機

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  この間にとくに満洲国で岸 信介は,計画経済・統制経済を大胆に取り入れた満州「産業開発5ヶ年計画」を実施。大蔵省出身で,満州国財政部次長や国務院総務長官を歴任し,経済財政政策を統轄した星野直樹らとともに,満州経営に辣腕を振った。

 同時に,関東軍参謀長であった東條英機や,日産コンツェルンの総帥鮎川義介,里見機関の里見 甫のほか,椎名悦三郎大平正芳伊東正義十河信二らの知己をえて,軍・財・官界に跨る広範な人脈を築き,満州国の5人の大物「弐キ参スケ」の1人に数えられた。また,山口県出身の同郷人,鮎川義介松岡洋右とともに「満州三角同盟」とも呼ばれた。

 このころから,岸はどこからともなく政治資金を調達するようになった。その後,満州から去るさいに「政治資金は濾過機を通ったきれいなものを受けとらなければいけない。問題が起こったときは,その濾過機が事件となるのであって,受けとった政治家はきれいな水を飲んでいるのだからかかわりあいにならない。政治資金で汚職問題を起こすのは濾過が不十分だからです」という言葉を残している。

 補注)岸 信介のこの指摘,「政治資金はきれいなもの」でという理屈はまやかしである。元の水が汚ければこれを濾過してきれいにできた水だといっても,その由来が汚いことに変わりない。前段に出ていた里見 甫は,戦前において中国での麻薬取引において鍵となる人物であって,この里見から満洲国に向けて調達された「汚い金」の問題もあった。

 安倍晋三は「戦後レジームからの脱却」を強調してきたが,以上のごとき戦前・戦中(戦後にもなにがしかの深い関連性をひきずっていった)の「歴史問題」へと戻るつもりがあるならば,こちらの問題も清濁あわせて呑むつもりがあるに違いあるまい。

 だが,それらを呑むこむ前に,その一覧表くらいは国民たちに向けて情報公開する義務がある。もっとも,このような指摘をしていたら,例によって公文書の改善や隠蔽ではないが,安倍は必死になって戦前・戦中レジームをカムフラージュしたがるに決まっている。

 といったふうな論旨にまで進んだとなれば,つぎは東京裁判極東国際軍事裁判)の歴史的な意味を考えてみたい。つづいて紹介する記述の内容は,いささか理解しづらい論理構成を披露しているが,ガマンをして読んでほしい。

 

 東京裁判史観に毒された安倍首相」『かもがわ出版「編集長の冒険心」』2015年8月10日,http://www.kamogawa.co.jp/~hensyutyo_bouken/?p=1879

 a) いま書いている本の特徴をひとつあげるとすると,このタイトルになるだろう。変ですか?

  東京裁判史観って,ふつうに使われるときは,日本の戦争がただただ悪だったとする歴史観という意味ですよね。それを安倍さんたちは嫌っている。だけど,東京裁判史観って,裏を返すと,その日本と戦ったアメリカは正義だということです。アメリカはつねに正義だという歴史観

  第2次大戦の結果,そして日本を裁いた東京裁判の結果,その成功体験を忘れられず,アメリカは本当にそういう歴史観をもつようになってしまいました。イラク戦争のとき侵略をしているのに,第2次大戦の日本占領の経験を強調して,イラクも日本と同様に民主化して成功するんだって,何回もブッシュさんが強調したことは忘れられません。

 b) 安倍さんは,日本は悪くないという点では,東京裁判を否定しているようにみえます。だけど,アメリカが正義だという点では,東京裁判に毒されているわけです。

  〔つまり〕東京裁判に毒されているがゆえに,戦後の自民党は,アメリカがどんな侵略戦争をやっても,「正しい」「支持する」「理解する」といいつづけてきました。東京裁判を否定しているようにみえて,実は,体中に東京裁判史観の毒素が回っていたのです。

 c) 現在の国際政治において,戦争と平和の問題で間違いのない判断をするためには,東京裁判の肯定的な面と否定的な面と,その両方を統一的に把握することが大事なような気がします。

  東京裁判の否定的な面を強調すると,表面上,安倍さんたちと立場が同じようにみえて,「歴史修正主義だ」という批判が返ってくるのかもしれませんけど,肯定が主要な側面だということになると,……原爆投下のように,アメリカも日本と同じように残虐非道なことをやったことを浮き彫りにすることはできません。

 d) そして私が思うのは,そういう仕事ができるのは,日本人だと思います。アメリカは自分の戦争が正しいという歴史観にしばられていて,そういう思考方法そのものができない。中国も似たようなものです。このふたつの国では,自分たちの戦争は正しいという教育で子どもが育ってきているわけです。

  そういう歴史観と比べて,どんな意味でも自分たちの戦争を無邪気には語れない日本人の方が,ちゃんとした歴史観を確立できるように思います。いま書いている本では,その序論くらいにはたどりつきたいと考えています。(引用終わり)

 だが,このように本来は,それほどむずかしくはない “筋論” だとしても,多少こみいった論理な思考を要求する説明は,もしかしたら「誰か」にはたいそう理解しにくいものかもしれない。

 要は「東京裁判史観」を否定する人たちは,「東京裁判史観って,裏を返すと,その日本と戦ったアメリカは正義だということです。アメリカはつねに正義だという歴史観」を,実は前提におくほかない「反論や批判」を,わざわざ不用意に提示していたに過ぎない。

 再言すると,安倍晋三君は「戦後レジームからの脱却」を唱える点に関係させていえば,「日本は悪くない」のだから「東京裁判を否定している」立場は,本当は「アメリカが正義だという点では,東京裁判に毒されている」点を,解消どころか克服すらできていない。

 そういうことで,敗戦後において安保の改定を実現させた『安倍晋三の祖父:岸 信介』が,その孫の政権の時代になっても,よりいっそうに「アメリカがどんな侵略戦争をやっても,『正しい』『支持する』『理解する』といいつづけ」るほかない「この日本国」を,より堅固に仕上げてしまった。

 前段の歴史な関連性でいえば確かに,「戦後レジームからの脱却」は,一面ではできているように映るが,しかし同時に,その脱却は文字どおりの脱却などではなくして,アメリカ帝国から首輪を嵌められ,手綱も掴まれているこの「日本国の哀れな姿」(『美しい国へ』」の連想!?)を想像させてやまない。

 安倍晋三は,トランプ〔ゲーム:国際政治のこと〕側の「1枚の札である意味」しか与えられておらず,米国のパシリである役割を,しかも日本の外交を根幹からぶち壊す方向でもってのみ,ひたすら強いられててきた。日本が否応なしに米国の舎弟,三下,子分,使いパシリであるほかない実相は,われわれの目前ですでに明確に・存分に展開されてきた。

 本日〔2019年7月11日〕の『朝日新聞』朝刊1面には,「ホルムズ護衛に有志連合 米方針 日本へ打診の可能性」との見出しをかかげた記事の冒頭で,こう報道していた。

 米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は〔2019年7月〕9日,ホルムズ海峡など中東の海上交通の要衝を航行する船舶の安全を確保するため,同盟国などと有志連合の結成をめざす方針を明らかにした。

 

 今後2週間程度で参加国をみきわめるとしている。トランプ米大統領は同海峡を渡るタンカーは自国で守るべきだと主張しており,日本にも参加を求める可能性がある。

 さらに『朝日新聞』は,3面「総合」に掲載した関連の記事に,こう語らせていた。

 有志連合の活動について具体的な内容は明らかになっていないものの,参加国に対し,自国船舶を護衛するよう求められた場合,自衛隊法にもとづいて,自衛隊の艦船に警察的な行動をとらせる「海上警備行動」を発令する可能性がある。

 

 自衛隊は2009年からソマリア沖で船舶の護衛活動を続けている。対象は「海賊行為」になっており,ダンフォード氏が言及した「有志連合」の活動に適用するのはむずかしいとみられる。

 

 2015年に成立した安全保障法制は,日本の平和や安全に重要な影響を与える「重要影響事態」への対応も盛りこまれ,具体的措置として米軍への「後方支援活動」などが挙げられた。ただ,自民党国防族議員からは「重要影響事態と認定するのはむずかしい」といった声も出ている。

 さて「後方支援活動」という軍事的な用語は,軍事面では主に兵站に従事する任務を指すが,実際には前線における戦闘活動を支援するという相互の関係性でいえば,その両者間において軽重の意味に違いは少しもない。旧日本軍が兵站を軽視する軍隊だったそのせいもあって,あの戦争では結局負けていたという事実は,軍事史における常識的な理解でもある。

 今回におけるアメリカ側の「ホルムズ護衛に有志連合 米方針 日本へ打診の可能性」が実際に起きたとき,安倍晋三の「首相の立場」からの応答は,どうなるのか。この人の基本の考え方としては,「喜んでいきます」という対応になるのか?

 補注1)参考記事。宮田 律稿「〈トランプ騒乱の時代と中東,日本〉イラク戦争の過ちを繰り返す米国と安倍政権」『日刊ゲンダイ』2019/07/11 08:20,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/258059

 補注2)同上。「選挙どころではなくなったイラン沖有志連合結成の動き」『天木直人のブログ』2019-07-11,http://kenpo9.com/archives/6180

 補注3)同上。「アメリカが日本に有志連合への協力打診! 選挙後に自衛隊派遣を発表? 日本政府『コメント控える』」『情報速報ドットコム』2019.07.11 12:00,https://johosokuhou.com/2019/07/11/16014/

 いままでもすでに,専制的独裁志向で為政( ⇒ 悪政)を重ねてきた安倍の内政・外交である。そのように解釈されたところで,なにもおかしいことはない。しかしながら,有志連合への参加問題は,いざとなったら必らず「犠牲者(戦死者)が出る」可能性を否定できない。だが,安倍晋三は「1国の総理大臣」の立場にいる政治家として,そのための「本当の覚悟」ができているのか?

 「『東京裁判史観』を批判する平和ボケ」池田信夫 blog』2013年12月31日01:12,http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51882959.html

 右翼の平和ボケは,自覚してないだけ左翼より重症だ。「東京裁判史観」がけしからんとかいう話は,その最たるものだ。東京裁判は敗戦国の指導者を殺すための政治的儀式であり,不公平もへったくれもない。国際法には,法の支配はないのだ。

 そもそも戦犯裁判なんか,第1次大戦までなかった。昔の戦争では,敗戦国の王はもちろん,戦争を指導した貴族も皆殺しにされるのが当たりまえで,それが彼らの特権の理由づけだった。貴族には戦争になったら真っ先に志願する義務があり,これが “noblesse oblige(高貴なる義務)” の本来の意味である。

 補注)問題は,安倍晋三君の場合においてこの「高貴なる義務」を問うてみるに,彼自身が備えているような資質だとは,とうてい思えなかった。ともかく大いに疑問ありの1点であった。この疑問は,もともと「彼の立場にあって」は「オブリス・オブリージェ」など,もとからなにも備わっていなかったと答えるほかないものであった。つまるところ,その程度の首相であった。

 「一国の指導者」であるはずの彼であったが,考えることがいちいちセコイし,なすことがことごとくズルイだけのことであった。なんといっても,『歩くフェイクニュース放送局』みたいな「日本国総理大臣」のことだけはあった。この人がなにかを語れば語るほど,そのなにかが “どんどんむなしくなっていく” だけであった。

〔記事に戻る→〕 どこかで必らず戦争が起こっていた中世ヨーロッパでは,これはフェアなしくみだった。民衆は「戦争になったらあの人たちが死んでくれるんだからしょうがない」と思って税を負担したのだ。おかげで中世の都市国家の税率は30%にも達したが,文句をいう人はいなかった。徴税をめぐって革命が起こるのは,国家が大きくなってこうした税負担と義務の関係が不明になった近世である。

 第2次大戦でも,オクスフォード・ケンブリッジの学生の死亡率は同世代の平均より高かった。彼らはみんな戦争に志願したからだ。逆に「学徒出陣」とかいって(国家の幹部となる)学生をあとまわしにした日本には,そういう権限とリスクは一体だという意識が欠けている。300万人もの兵士を殺して戦争に負けた指導者が殺されるのは当たりまえだ。

 補注)もっとも,敗戦した大日本帝国とともに命をみずかた絶った将星などがいなかったわけではない。この点は後段に言及する。「300万人もの兵士」というのは,いささか不正確。より正確には,こう表現されねばならない。引用している原文は池田信夫の文章であった。

 「満州事変」(1936年9月18日)から15年にわたる旧日帝の戦争は,日本人の軍人軍属などの戦死230万人,民間人の国外での死亡30万人,国内での空襲等による死者50万人以上,合計310万人以上の犠牲者を出した。

〔記事に戻る→〕 この無責任の伝統は,現代にも続いている。東電が実質的につぶれているのに,株主の責任を問わないで納税者が賠償コストを負担することはありえない。それが株主の高貴なる義務だ。東電の破綻処理のような政治的リスクを回避して,ネトウヨの拍手する靖国参拝だけやっている安倍首相は,高貴なる義務を逃れる卑怯者である(引用終わり)

  ここで,以上までの議論に関連させてだが,「日本敗戦史(47)『終戦・敗戦で自決した軍人は一体何人いたのか-ガラパゴス日本『死に至る病』」『前坂俊之オフィシャルウェブサイト 地球の中の日本,世界史の中の日本人を考える』2015/03/22,〔更新〕2017/08/16,http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/5654.html  の記述を,とりあげてみたい。

 この前坂俊之の論述はくわしく引用できないので,つぎの個所のみ紹介しておく。上の題名はさらに,こう補足的に綴られていたので,これをさきに出してみたい。まず,最初の段落から。なお,最初の部分は反復があるので承知して読んでほしい。

 「日本敗戦史(47)『終戦』という名の『無条件降伏(全面敗戦)』の内幕-軍人たちは『戦争責任』『敗戦責任』をどうとったのか,敗戦で自決した軍人は一体何人いたのか-,このガラパゴス日本『死に至る病』は,いまも 『3・11原発事故』 に対して責任をとったものが1人もいないという『超無責任国家体制』の悲劇に続く」。

 

 〔ところで〕終戦で自決した軍人はいったい何人にのぼったのか。

 

 『自決-終戦殉国者の記録』永松浅造著(自由アジア社,1962年)によると軍トップの神風特攻隊を創設した大西瀧治郎(海軍中将),阿南惟幾(陸軍大将),杉山 元元帥夫妻(陸軍),田中静壱陸軍大将らのほか合計で自決将兵527人の名前,階級などを挙げている。内訳は大将5人(すべて陸軍),中将11人,少将6人,大佐16人で全体の7%である。

 

 東京裁判でのA級戦犯容疑の多数は免責され,不起訴になった。しかも,判決ではA級戦犯での死刑はわずか7人,BC級裁判ではなんと937人にものぼり,下のものに圧倒的に重罰の裁判となり,「復讐の裁判」との批判を浴びた。

  つぎに,末尾から。

 下の者は責任をとって戦死,自決,自殺していくが,今回の20年にわたる不況,経済失政の責任をとって辞任した政治家,官僚は1人もいないというトップ無責任体制『日本のバカの壁』が,いまも繰り返されている。

 補注)参考にまで触れると,1998年~2011年のあいだは連続して毎年3万人以上が自殺していた。2003年が3万4427人で最高を記録していたが,直近である2019年は2万169人まで減ってきた。

 

 さらに,3・11原発事故に対する総無責任行動は「第3の敗戦」間違いなしであることを示している。

 

 たとえば戦争に敗れた場合,一国一城の主(あるじ)は城もろとも家の子郎党,討死,切腹,自決するのが戦国時代では通例であった。ところが,明治維新で敗れ,賊軍となった徳川幕藩体制のトップ,『最後の将軍』の徳川慶喜は大正2年まで生き延びて長寿をまっとうし,畳の上で亡くなった。

 

 会津白虎隊の少年たちは最後まで勇敢に戦い,多くの戦死者を出しながら敗れた総責任者の会津藩主・松平容保は生き延びている。函館戦争の大将・榎本武楊はその後,明治政府にとりたてられた。

 

 名誉を尊び死を恐れぬサムライの真の姿とは程遠い,このザマである。坂本竜馬西郷隆盛などはまさに例外的なサムライ,日本人なのである。

 

 太平洋戦争も350万人以上の戦死者を出しながら,軍トップ,政治家らのはたして何人が戦争責任,敗戦責任をとって,自決したのか。陸海軍のトップらよりも,下士官のほうが東京裁判,BC級裁判では何十倍も死刑になっているのだ。

 補注)ここでの数値,「太平洋戦争も350万人以上の戦死者を出し」という記述については,不正確な表現だという点のみ指摘しておく。

 

 とくに「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず」(戦陣訓)で軍人・民間人の無意味な自決を強制した東條英機自身が拳銃自殺用に左胸にマークをつけながGHQのMPに逮捕される寸前に撃ち損じるという大チョンボを演じる。軍人トップがこのザマ,なのである。

 

 靖国神社に参拝した安倍首相をはじめ閣僚,自由党の面々は「日本のために尊い命を犠牲にされたご英霊に対し,尊崇の念を表し,御霊安らかなれとご冥福をお祈りいたしました」と口をそろえる。大東亜戦争なるものの「無責任リーダーシップ,支離滅裂な戦争遂行の実態」をしったならば,靖国神社へのリーダーの参拝は変わらなければならぬ。

  安倍晋三君はどう思い,感じるか? それでも「戦後レジームからの脱却」にまだこだわる気か。その脱却した先には「戦前・戦中と敗戦」の,なにひとつ面白くもない歴史が,しかも一揃いになって登壇してきて,「君」を待ちかまえることになる……。

 とはいっても,このような疑問さえ受けつけられない「世襲3代目のボンボン政治家」である彼に対しては,なにをいっても空しさを覚えるほかないところが,それでなくてもすごく悲しい。「こんな安倍晋三・君」が最高指揮官である「日本国」に誰がした?

 NHKの某番組に登場している〔らしい〕「5歳の女の子」チコちゃんに,〔オマエたち〕「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られること,必至……。

 

 「〈憲法季評〉国民の信託への裏切り 都合優先の政権許すのか」 蟻川恒正稿『朝日新聞』2019年7月11日13面「オピニオン」から

 2015年10月に予定されていた消費増税の先送りを表明した2014年11月の記者会見で,〔安倍晋三〕首相は,消費税引き上げの状況を作り出すためには,成長戦略を推し進め,賃金を上昇させなければならないと述べていた。だからこそ 2016年の「骨太の方針」は,「成長戦略の加速」の一環として「経済統計の改善」をめざしたのである。

 政治主導を背景に,統計の改善が成長戦略とされたことで,めざすべき目標が賃金実態の改善から賃金実態を反映した数字それじたいの改善へと移ったとしても,現下の政官関係のもとではなんの不思議もない。政権もそれを分かっていたはずである。

 a) 憲法27条は,1項で「すべて国民は,勤労の権利を有」すると規定し,2項で「賃金,就業時間,休息その他の勤労条件に関する基準は,法律でこれを定める」と規定している。

 勤労統計は,それをもとにして政府が最低賃金保障や過労死防止などの法整備をするための客観的・科学的前提をなし,「健康で文化的な」(憲法25条参照)労働環境を構築するための土台をかたちづくるものである。これを政権の都合で操作することは,勤労者の憲法上の権利を空洞化することにつながる。

 今〔2019〕年2月4日の衆議院予算委員会で,立憲民主党会派の小川淳也議員は,月に18日間勤務した日雇い労働者が,2018年1月,常用雇用者から統計上除外されたことも追及した。

 b) 厚労省の前記有識者検討会は宙に浮いたかっこうとなった。われわれは,つい最近も,これと同じ光景をみている。

 今〔2019〕年6月,夫婦が老後を30年間生きるとすると2千万円の貯蓄が必要であると試算した金融庁の報告書につき,麻生金融担当相は当初,肯定的受けとめを示していた。

 〔ところが〕世論が反発し,来たる参議院選挙に不利とみるや,国民の不安と向きあって議論することもなく,「世間にいちじるしい不安と誤解を与え」「政府の政策スタンスとも異なっている」との理由で受けとりを拒否した。

 専門性が高い問題であるとして政府自身が専門家に委ねておきながら,意に沿わぬ内容と見るや,さっと手を退(ひ)いて,あたかもなかったことにする。両例には,専門家の熟議に対する敬意の欠如が透けてみえる。だが,それだけではない。

 c) 両例〔 a) と b) 〕の根底には,国民の権利や実質的な生活利益よりも,政権・与党のその時々の都合を平気で優先させる,この政権の本質が横たわっている。政治とは,国民からの預かりものであり,それを一定の期間だけ託された政府が,国民のためにするもの(「国政は,国民の厳粛な信託による」憲法前文第1段落)である。

 前記両例は,この政権が,政治を預かりものとする感覚をもちあわせていなかったからこそ起こりえたといえる。委託者たる国民が受託者たる政府のこのような行動を許しているかぎり,受託者は信託への裏切りを繰り返す。(引用終わり)

 安倍晋三政権は,ウソといつわりだけを充満させた「虚偽の完全なる〈反・国民的な政府〉」である。この首相は,亡国・売国・滅国のためにだけ存在してきた「国難的恥辱内閣の責任者」である。

 

 「2020年8月現在」における安倍晋三首相の健康不安問題

 1) 「『首相非常に元気』西村担当相  官房長官も『お変わりはない』」といわれても,冒頭で文春砲が打ち上げているよう,に「安倍晋三〈13年前の悪夢再び〉潰瘍性」で「大腸炎が再発した」と濃厚に疑われている。

 西村康稔経済再生担当相は〔2020年8月〕26日の衆院内閣委員会で,安倍晋三首相の健康状態について「先週,先々週は少し疲れた感じもあったが,25日は非常に元気で,普段と変わりない様子でさまざまな指示をいただいた」と述べた。菅 義偉官房長官も記者会見で「毎日お目にかかってみていても,お変わりはない」と強調した。

 西村氏は「引き続き体調管理をしっかりとしてもらいながら,リーダーシップを発揮してほしい」とも語った。野党会派で無所属の今井雅人氏への答弁。首相は26日午前10時40分に東京・富ケ谷の私邸を出発し,10時56分に官邸に到着。連日の「午前出勤」となった。

 註記)『東京新聞』2020年8月26日 13時01分(共同通信),https://www.tokyo-np.co.jp/article/51237

 補注)いまどきの日本国総理大臣が「連日」「午前出勤」と記録・報道されているが,「なに,これ?」という印象。午前中に重役出勤する一国の首相の行動記録に,なにか特別な意味でありうるというわけか? 「まともな大会社」の「ふつうの最高責任経営者」であったら,なんというか? 多少は,想像だけでもしてみたらいい。

 2)「内田 樹氏が明かす『安倍首相は28日に辞意表明の確率高い』として政権総括の原稿依頼」『デイリー』2020. 08. 26,ttps://www.daily.co.jp/gossip/2020/08/26/0013637719.shtml

 神戸女学院大学名誉教授で思想家の内田 樹氏が〔2020年8月〕26日,ツイッターに新規投稿。健康不安が取り沙汰されている安倍晋三首相が28日に記者会見する予定になっていることを受け,同日にも「辞意表明の確率が高い」として「新聞社2社から原稿を頼まれた」ことを明かした。

 内田氏は「新聞社2社から相次いで『安倍政権の総括』原稿を頼まれました。28日に辞意表明の確率が高いということでの予定稿です」とツイート。そのうえで「村上春樹ノーベル文学賞受賞の予定稿は毎年書いてますけれど,安倍総理辞任の予定稿ははじめてです」とつづった。

 リプ欄には「予定稿が無事掲載されますように」「辞めないと思います」「辞任と騒がれているが,実はそうではなく,内閣改造するぞの会見じゃないかと。五輪開催と憲法改正にはもの凄く執着がある御仁ですからね」「いつも重大な発表は金曜日の夜だもん」などの反応が続いた。

 安倍首相は定期健康診断から約2カ月後の今〔8月〕17日に都内の慶応大学病院で検査を受け,24日にも同病院で再検査。28日開催で調整に入っている会見では新型コロナウイルス対応を説明する方針だが,自身の体調にも言及する見通しとなっている。官邸での記者会見が実現すれば,通常国会閉会翌日の6月18日以来となる。(引用終わり)

 安倍晋三がもしも,2度にもわたり「同じ健康上の理由」によって首相の座を降りたとしたら,今回における辞去のほうは「飛ぶ鳥跡を濁さず」ではまったくありえず,「落ちた鳥がもがいてその跡を引っかきまわす」姿にしか映らない。彼が8月28日に本当に,辞めることを公表したとしても,ともかく醜悪の一言に尽きるだけの話題。

 21世紀において,この「美しい国へ」とめざしたはずであった安倍晋三流の「戦後レジームからの脱却」物語は,対米服属路線ばかりを整備・充実させてきた以外,国家・国民全体にとっては「利益も恩恵もなにもない,その真逆な結果」だけを残してきた。

 沖縄県の米軍普天間基地辺野古沿岸地域に移転させるその工事の進捗状況を,よくみよ。その完成じたいが,いったい何(十?)年先になるのかこの見通しすらついていない。それだけでなく,仮に完成したあとであっても,非常に弱い地震の発生があっただけで,その基地は海中への「崩落・瓦解の危険性がある」と,いまから事前に警告されている。

 要するに,国家最高指導者になってはもっともいけない「世襲3代目のお▲カ政治屋」が,自身の第2次政権を担当しはじめてからというもの,すでに7年と8ヵ月が過ぎた。国家的な損害として積み上げてきたその実害たるや,とうてい計りしれないほどに甚大であった。

 安倍晋三は対米従属路線には嬉々と盲従していながら,本来の国利・民福のことなこれぽっちも考慮していなかった。内政の方向性は,まさしくファッショそのものなのだが,「自分だけ良ければ他者はどうでもいい」という志向が,いいかえれば「私物:私物」化のためにしかならなかった安倍の政治が,一生懸命に維持されてきた。いまさらながらだいぶ遅くになっているにせよ,1日でも1分,1秒でも早く,この政権を終息させねばなるまい。

 「安倍晋三の幸福」は,不幸を押しつけられてきた国民たちの立場,つまり「21世紀第2・十年代の過去」と抱き合わせであった。それだけに,結局において「偉大なる〈負のレガシー〉」しか残せなかった彼のみじめな悪業績は,その「失政の実録集」となって,未来永劫に語りつがれる。

 いってみればコロナ禍が,安倍晋三のひどく陰険で暗黒的な前近代風の政治手法の結論を,とうとう全面的に暴露させたといえなくもない。

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【参考記事】

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