テニスプレーヤー大坂なおみは日米混血,それも黄色人種と黒人種の混合特性である立場から発した「人種差別反対の声」

               (2019年9月27日,2020年8月30日)

 アメリカにおける黒人「人種差別抗議の大坂なおみ」いわく,「私のテニスをみるより注目すべき問題がある」

 アメリカの人種差別問題は,日本の問題の民族差別問題に相当する

 1年前に起きていた類似の事件はついて大阪なおみは,直接に発言(反論)しなかったが,このたびは,明確に自分の意思を表明した


  要点:1 有色人種に向ける差別・偏見が自然体でこぼれ出す日本人側の習性は,反面の「欧米:白人系人間への劣等感」と連動か,Aマッソの人種差別発言

  要点:2 「白人」も有色人種〔赤白色〕ではないのか? 白色は色ではないのか? まさか無色ではあるまい

 白人といっても「赤い色系統の肌」をもつ人間も多くいる。

 

   ※ その実例  ※

 

 f:id:socialsciencereview:20200830112003j:plain

  出所)2016年ころのクリントン元・アメリカ大統領画像,https://matome.naver.jp/odai/2145957269428063501/2145973015134732303
 補注)画像によっていろいろ「色合いに違い」があるが,これを選んでみた。

  要点:3 最近は「YOU は何しに日本」から「日本でいま暮らす外国人」に関するテレビ番組まで放送されている。 「日本・日本人・民族をヨイショして」もらい,「ニホンはスゴイといって」もらえるときは,おおよそ,白人系の人びとに語らせるのが定番

  要点:4 だが現実は,スポーツ界に登場している混血「系」の選手たちが,そうした風潮からは「一定の現実的なズレ(齟齬)」を忌憚なく教えている


 🌑 前   言  🌑

    ◆〈天声人語〉試合よりも大事なこと ◆
     =『朝日新聞』2020年8月28日朝刊 =

 出場しようにもコートへの立ち入りを認めてくれない。大会に参加できても,ホテルから宿泊を断られる。長らく白人一色だった米テニス界に挑んだアルシア・ギブソン選手はいくども泣く思いをしてきた。

  ▼ 1950年,白人の著名選手の後押しもあって,黒人女性として初の全米選手権出場を果たす。その後,英ウィンブルドン連覇など偉業を達成した。今日のテニス界で多様な選手がプレーできるのは,彼女が道を切りひらいたからである。

  ▼ 「私はアスリートである前に,一人の黒人の女性です」。大坂なおみ選手(22歳)が出場中の大会の棄権を表明した。再び起きた白人警官による黒人男性暴行に抗議するボイコット。「白人が多い競技で議論を始めることができれば,正しい道へのステップになる」と訴えた。

  ▼ 発端は,今回の銃撃現場に近い都市を拠点とするバスケットボールチームが棄権したことだった。「試合をみるよりも大事なことがあると気づいてほしい」。憤りの波は大リーグへも広がった。

  ▼ 試合に出ることで稼ぎをえてきたプロ選手が,それぞれの生業の場を犠牲にして,抗議の声を上げる。いつまでもやまぬ黒人差別が,アスリートを前代未聞の行動に追いこんだのだろう。

  ▼ 「最大の悲劇は善人による沈黙だ」。大坂選手のライバル,コリ・ガウフ選手(16歳)の渾身(渾身)の演説を思い出す。6月の抗議集会で,故キング牧師の言葉を引いて訴えた。問われるのは,長く沈黙を決めこんできた世の多くの善人たちの姿勢である。

 

 大坂なおみ選手には『漂白剤』が必要と……漫才コンビが差別発言で謝罪」livedoor' NEWS』2019年9月26日 12時32分〔 BBC News 〕, https://news.livedoor.com/article/detail/17140052/

 日本の漫才コンビ「Aマッソ」がイベントで,テニスの大坂なおみ選手(21歳)は「漂白剤が必要」などと差別発言をしたとして,所属事務所が謝罪した。Aマッソはこのほか,「大阪選手は日焼けしすぎ」などと発言したという。

 所属事務所のワタナベエンターテインメントが〔2019年9月〕24日に出した文書によると,Aマッソの2人は厳重注意を受け,ダイバーシティ(多様性)に関する講義を受けた。

 大坂選手はハイチ人の父親と日本人の母親をもつ。22日には,大阪で開催された東レ・パンパシフィック・オープンで優勝。今年1月の全豪オープン以来のタイトル獲得となった。〔記事引用はいったんここで区切る〕

 以上の内容については,今年(2019年)になってから「大坂なおみ」的な話題(「肌の色に関する問題」)が注目されたことがあった。大坂なおみ選手いわく「私の肌は明らかに褐色」。物議を醸したCMアニメはなおみの肌の色をほとんど白に調整していた。

 少し以前になるが,2015年には「日本人」としてミス・ユニバース日本代表となった混血女性:宮本エリアナに対して,特定の疑義を呈した日本人側の問題があった。同年開催の同世界大会で,エリアナはトップ10入りし,健闘した。

 f:id:socialsciencereview:20200830113005j:plain

 出所)上掲画像は,https://mainichi.jp/graphs/20151221/hpj/00m/040/002000g/5

 この「宮本エリアナ」という女性が,2015年に開催されたミス・ユニバース2015世界大会に日本代表として出場し,トップ10に入賞していたわけで,長崎県佐世保市の出身である彼女はこの名前からも伝わるように,「両親」は父親がブライアント・スタンフィールド,母親が宮本麻美子である。

 宮本エリアナの生年月日は1994年5月12日(年齢 26歳)で,身長 173cm,3サイズは87-60-87。学歴はジャクソンビル・ハイ・スクールで,参照している記述には「瞳の色:黒」と書いてあった。エリアナは肌の色は褐色系である。

 宮本エリアナが「ミス・ユニバース 2015 世界大会の日本代表に選出され」たとき,当然のように疑義を呈する者たち(もちろん純ジャパを自認する日本人たちのそれ)があったと聞く。そこまでいうのであれば,混血系の日本人(?)は,いっさい「日本人〔人種・民族〕」として認めなければいい,というところまでいきかねない。

 そういった人間観(人種・民族観)へのこだわり方がきわまるまでもなく,見目形で「偏見と差別」の気持を表出させたい事例が,日本社会のなかではすでに昔から「在日探し,暴き」という手法によく表現されている。ただしこちらの場合は,同じ「黄色の〈肌色〉」同士なので,その「摘発作業」(?)はなかなかむずかしくなっている。

 そこまでこだわって話をしたいとなれば,それでは「純ジャパ」(日本人の典型的な類型)とはなにか,どのように定義されうるかについていうと,これだけは間違いなく,しっかりとていねいにかつ厳密に説明してからでないと,発言するわけにはいかないことになりそうである。

 そのあたりに関心を向けていえば,日本国内における部落出身者・アイヌ民族(ウタリ)・沖縄人の人びとに対する「偏見と差別」も無縁ではない社会問題として存在してきた。

〔ここで最初の記事に戻る→〕 Aマッソの2人も事務所ホームページでコメント文書を発表。「不適切で人を傷つける発言」をしたと謝罪したものの,大坂選手の名前は挙げなかった。Aマッソの村上 愛は書面で,「考えればわかるはずなのに,多くの人を傷つける発言をしてしまいました。 (中略) 本当に無知でした」と述べた。

 補注1)前段にAマッソの画像を借りた記述は,「Aマッソ大坂なおみ発言内容が不適切? アンガールズ田中の警告に ...」(『のびこむ』2019年9月25日,更新9月26日, https://nobiciro.com/geinin/7714/)という題目であったというから,この「Aマッソの村上 愛」の事後談,反省の弁は,やや不可解な要素をまだ残していた。

 さらに,「不愉快にしてしまった御本人様,皆さま,イベントにかかわっていただいたスタッフ様,出演者の皆さま,本当にご迷惑をおかけして申しわけございませんでした」と謝罪していた。

 補注2)参考記事をひとつ挙げておく。「〈表現のこれから〉大坂なおみへの差別ネタ,若手芸人Aマッソが謝罪『笑いと履き違えた最低な発言だった』。-大坂なおみ選手に必要なものについて,『漂白剤。あの人日焼けしすぎやろ!』と発言したという。」『HUFFPOST』2019年09月25日 11時02分 JSThttps://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d8ab7a4e4b08f48f4ac5fe5

 加納愛子〔画像では右側〕も「笑いと履き違えた,最低な発言であったといまあらながら後悔しています。 (中略) 1人の人間として絶対にあるまじき言動であったと思います」と語った。

 日本では今〔2019〕年の1月にも,日清食品がPRアニメで,大坂選手の肌の色を実際よりも白く描いて「白人化」したと批判され,謝罪した。

 付記1)以上の記事の元の英語記事は “Duo apologise for Osaka 'bleach' remark.”

 付記2)本(旧)ブログ内ではすでに関連する記述として,2019年1月24日のつぎの題名のものがあったが,本ブログ内では現在,未公表である。

 『肌の色「描写」で批判が起きた「大坂なおみ選手のCMアニメ」を日清食品が削除,というのも「色の白いは七難隠す」「色は黒いが南洋じゃ美人」とするのが日本国の「肌色」観』。

 Aマッソの2人は,過去に大坂なおみが「偏見と差別」の対象に実際になってしまい,大問題となって日本社会を騒がせていた事実を,きっと念頭にはまったく介在させる(浮上させうる)こともなく,大坂なおみに「漂白剤が必要」だとか「日焼けしすぎ」だと漫才のなかでしゃべくっていたと思われる。

 「色の白いは七難を隠す」とは,ごく平凡に日本的な「肌の色合い」に関する〈絶対的な価値観」であり,その善し悪しはさておいて伝統的な感じ方でもある。この伝統的な精神のあり方に即して,Aマッソも,うっかりというかごく自然に,大坂なおみの肌の色について,率直にだが潜在意識に常駐していたらしいその観念を,まずいことに漫才のなかで披露した。

 当人たちは,その付近になにかマズい点があるかもしれないという社会常識以前の感覚的な理解からして,もともと欠落していたと観るほかない。ごくごく自然なかたちで,漫才のなかでそのように「主に日本人の通常的な感覚に訴えて笑いをとるためにネタにしていた」というしだいであった。

 補注)以上の記述に関してとなるが,最近〔2020年8月26日の『朝日新聞』朝刊13面「オピニオン」に,「〈耕論〉『美白』は差別か」という論断を立てて,「黒人の命も大切だ(BLM)」運動のなかで,欧米では化粧品の「ホワイトニング」などの表記をやめる動きが出ている。「美白」は差別なのか。日本人の肌の色をめぐる意識とは」という問題意識のもと,ケイン・樹里安(社会学者),眞嶋亜有(明治大学専任講師,近現代日本社会・文化史),齋藤 薫(美容ジャーナリスト)の3人に議論させていた。

 それらの議論をここではいちいちとりあげて吟味することができないが,話題の前提付近にまだ留まっていると受けとめておく。とくに,差別社会学文化人類学の観点からする徹底した考究がほしいところであるが,まだそうした視覚からする検討はこれからといえる。

 スポーツ選手の『日本「国籍」⇔ 日本人 ⇔ 日本民族性(ことば・伝統・文化)』の問題を詮索していったら,大坂なおみの場合はかぎりなく “アメリカ(など)のほうに重心” があって,日本のほうは付け足し(愛嬌)程度に付いてまわっているに過ぎない。

 二重(多重)国籍の選手の場合,自身が選んで名乗った国籍で一貫して競技に参加する決まりがあるが,強い選手であればあるほどともかく「わが国所属の選手」になってほしいという動向(働きかけ)があることは,当然のなりゆきであった。

 たとえば,「ロードバイク陸上競技,日常のことまで幅広く書いています」という副題の添えられたブログが,陸上競技をめぐって「混血が進む日本人アスリートを通して考える」(『毘沙門天の出陣記』2019/5/22,2019/9/6,https://velo.work/mixed-japanese-athlete/)という文章を書いているが,

 前段のごときに触れてみた “思考として必要な枠組” が言及されていないか,関心をもって読んでみたが,さっぱり要領をえない中身だったので,残念に感じた。この点では前段の『朝日新聞』「オピニオン」の議論のほうが的確な方向で話題を定めている。

 

   ※「前畑がんばれ!!」※

 

 1936年,ナチスの支配体制のもとに開催されたベルリンオリンピック大会では,日本人の女性選手として200m平泳ぎに出場した前畑秀子が,マルタ・ゲネンゲル(ドイツ)と競って1秒差で優勝し,オリンピック史上,日本に初めてとなる金メダルを獲得した。

 

 この試合を日本へラジオの実況中継を担当したNHKの河西三省アナウンサーは,興奮のあまり途中から「前畑ガンバレ! 前畑ガンバレ!」と20回以上も絶叫し,真夜中にラジオ中継を聴いていた当時の日本人を熱狂させた。その放送は現在でも語り草となっており,レコード化もされている。

 註記)ウィキペディア参照。

 そのベルリン・オリンピック大会ではマラソン(当事は男子のみの種目)で,当時は旧大日本帝国の植民地出身者であった孫 基禎が優勝していたが(3位にも同じく南 昇龍が入っていた),日本側はその直後から帰国した孫たちを犯罪人(謀反人?)あつかいする始末であった。

 補注)本ブログ内の記述として,つぎの記述を参照されたい。

 ベルリン・オリンピック大会では,アメリカの黒人陸上選手ジェシー・オーエンスが,100m,走り幅跳び,200mでそれぞれ1位となっただけでなく,4×100mリレーの第1走者として出場して優勝もし(世界新記録),1人で4つもの金メダルを獲得していた。

 この大会は,当時のドイツにおいて独裁指導者であったアドルフ・ヒトラーナチス党が,持論である白人種(なかでもゲルマン民族)の優越性を証明することを望んだ大会であった。しかし,ベルリンの人びとは,オーエンスを「オリンピックのヒーロー」として迎えたというから,ヒトラーの思いどおりに「白人たち(とくにゲルマン系)に期待したかった結果」は出ていなかった。

 以上の説明は,日本⇒「朝鮮(韓国)」および「ドイツ⇒アメリカ黒人」という方向をもって,「偏見・差別〈感〉」を維持させ高揚したかった点,つまり,まずは黄色人種同士の「日本と朝鮮」の関係において,そしてさらには,有色人種に関する「ドイツの白人(など)と黒人」の関係において,それぞれ存在すべきとされた「 “偏見と差別” の固定(予定)観念」が,ヒトラーなどの期待に反して粉砕された出来事として語られている。

 20世紀前半の時代にくらべて21世紀のいまの時代は,世界各国間にまたがる「人種面の交配」が顕著に進んできた。そのなかで,こんどはともかく,「肌の色」はさておいて,自国の選手としてオリンピックや各競技の世界大会でメダルをとれる者であれが,どこの誰であっても自国側の選手に引き入れようとする「時代」になっている。

 しかし,人間の再生産は,男女間において生じるおたがいの交流があってこその出来事であるゆえ,国際化が大いに進んでいる現在,いろいろな国家・民族・人種間において,次世代の人間たちが多種多様に誕生している。

 「純ジャパ」の観点にこだわっているようだと,日本のスポーツ界はすでに十分に成立しにくくなっている。たとえば日本相撲協会は,相当以前からその種の明解な実例を,「日本の伝統競技」(それも実は国技という名目のもとに金儲けをしつつ維持されるスポーツ団体組織)として,体現させている。

 

  ラグビー日本チームの代表選手たち

 つぎの画像資料は『日本経済新聞』2019年9月21日朝刊「スポーツ」面から切りとったものである。この画像は「松島,快走3トライ」といった見出しの文句をつけていた。この松島は明らかに,同じ有色人種であっても肌の色が「両親の片方が黒人系(黒色か褐色)」であり,その人相も両方の遺伝子がほどよく混じっている色合いなども伝えている。

 f:id:socialsciencereview:20200830114832j:plain

 この場合,ラグビーW杯が現在開催中であるゆえ,その関連で日本の試合はとくに大きく報道されている〔印象を受けた〕。日本代表については,本日〔2019年9月27日〕の『日本経済新聞』朝刊のスポーツ欄に出ていた,「対・アイルランド戦」における日本代表チームのメンバー表を紹介しておきたい。

 f:id:socialsciencereview:20200830114957j:plain

 補注1)なお「代表キャップ数」とは,日本ラグビーフットボール協会の用語によると,国を代表するチームの一員として,テストマッチに出場してプレーした場合に与えられる帽子または顕彰である。

 補注2)このなかに在日韓国系らしい選手が1人いたので,調べたところ,こういう人物であった。

 f:id:socialsciencereview:20200830115239j:plain

   

  f:id:socialsciencereview:20200831215005j:plain

 具 智元(画像)は,韓国ソウル出身の日本代表選手である。具は,中学校時代から日本で暮らしていた。身長 184cm,体重 122kgで,ポジションはプロップ, 日本代表キャップは9(2019年9月現在)。

 補注)ラグビーでプロップとは支柱の意味で,フォワード1列の両端に位置する2人のプレーヤーのこと。

 父親は元ラグビー韓国代表の具 東春(延世大学からホンダヒート),兄は具 智充(拓殖大学からホンダヒート)というラグビー一家で,智元はU20日本代表に選ばれたことがある。 

 f:id:socialsciencereview:20200830115535j:plain

 氏名からもすぐに外国人系の選手だというメンバーがけっこうな人数いて,なかには上記の韓国人選手が1人,この日本代表に入っていた。また日本人選手であっても,松山のように混血系らしい選手もまざっていた。氏名をみただけでも,混血系(片親が「外国人」)である日本人選手もいた。

 大坂なおみにしてもプロテニス界で頂点に立った選手であり,ラグビーW杯のために日本代表として集めた選手たちは,別の意味でいえば多国籍でありながらも,その国別代表としては頂点の集団を組んでいる。他日の新聞のスポーツ欄には,ラグビーは「多国籍の日本チーム」だといったような見出しも躍っていた。

 「ラグビー代表に外国人選手がいる理由は?  背景には発祥地『大英帝国』の歴史」『siRUto』2019年9月19日,https://shiruto.jp/sports/1573/  は,「外国出身者の多いチーム編成が可能なのは,オリンピックやサッカーのワールドカップなどとは異なり,ラグビーでは代表選手になるのに代表国の国籍は必要ないからだ」と説明している。

   ※〈参考記事〉 ラグビー代表の資格 ※

 

 「ラグビー国代表資格 継続居住条件『60ヵ月間』への改正時期は2022年1月1日に延期」『RUGBY REPUBLIC 2019』2020.08.07,https://rugby-rp.com/2020/08/07/nations/53260

 

 ワールドラグビーでは,競技に関する規定第8条「国の代表チームでプレーする資格」に関し,条件のひとつである,当該国・地域に継続して居住する必要のある期間について,2021年1月1日付にて「36ヵ月間」から「60ヵ月間」へ変更する改正を予定していたが,改正時期を2022年1月1日に延期することが承認決定された。

 

 日本ラグビー協会の通知によれば,2020年12月31日までに36ヵ月間の居住を満たし,かつ,代表戦に出場することで代表資格を得る可能性のあった選手が,新型コロナウイルス感染拡大による試合中止等の影響を受ける状況を考慮し,延期することになったという。現行の「36ヵ月間」の居住期間による代表資格は2021年12月31日まで適用されることとなる。

 

 国の代表チームでプレーする資格としては,上記の継続居住条件のほか,「当該国で出生している」または「両親,祖父母の1人が当該国で出生している」という条件があり,2017年5月に承認された改定では「通算10年の居住」によっても資格取得が可能となった。これらのうちいずれかを満たせば資格をうることができる。国籍は問われない。ただし,他国の代表チームで試合出場がないことが前提となる。

 

 上記のような条件を満たせば,当該国の国籍がなくても代表になることが可能であり,外国人選手の上限数(いわゆる「外国人枠」)も存在しない」と,関連する解説が与えられていた。

 

 そうした条件にあてはまるラグビー選手は,いまの時代であるから,いくらでも存在する。あとは,本人があるいはまわりが働きかけて,優秀な選手であればあるほど,各国の代表選手として「奪いあい」になる。

  この記事に添えられていた写真があるが,これがラグビーでは,日本チームの面々である。これを初めて観たときは,どこかヨーロッパのチームかと感じた。

 

f:id:socialsciencereview:20200830130937p:plain

    ★「編集余話」『統一日報』2019年9月26日 ★
  http://news.onekoreanews.net/detail.php
?number=86487&thread=01r04 =

 

 ラグビーワールドカップ日本大会が開幕した。地元開催とあって,日本ではかつてないほどのフィーバーぶりだ。開幕試合で日本代表に勝利をもたらしたキープレーヤーが,3トライを挙げた松島幸太朗選手だ。

 

 ▼ 松島選手は,ジンバブエ人の父親と日本人の母親との間に,南アフリカで生まれた。小学校から日本の学校に通っていたが,中学時代に一時留学していた南アフリカラグビーに出会った。

 

 ▼ 高校時代は日本で全国制覇を経験したが,国内の大学には進学せず,18歳で海外に挑戦。着実に力をつけて20歳以下の南アフリカ代表候補になるまでに成長したが,その誘いを蹴っての日本代表入りだった。

 

 ▼ 開幕戦には韓国人選手も途中出場した。プロップの具 智元選手だ。具選手の父は,かつて「アジア最高のプロップ」と称された名選手だった。

 

 ▼ 日本に来たのは中学生の時。高校,大学,社会人と日本でキャリアを重ね,ついにW杯の大舞台に立った。その恵まれた体格で,スクラムを最前線で支える,チームに欠かせない選手だ。

 

 ▼ さまざまな背景やキャリア,国籍の選手が同じ目標に向かっている。前回大会で南アフリカを撃破したのちに,五郎丸歩選手はこうツイートしている。

 

 「ラグビーが注目されてるいまだからこそ,日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び,日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ」。

 

 日本の第2戦は〔2019年9月〕28日,世界ランク1位のアイルランドが相手だ。

 

  結論のような議論

 以上のごときラグビー界の選手をめぐる話題となれば,「肌の色」に漂白剤などかける余地などまったくない。逆にはまた,日焼けサロンにも通う必要もない。

 だが,日本社会のなかでは「Aマッソ」たちのような感覚・感性を,誰もが完全に捨てきれていない実情・ホンネがある。それは,隠すまでもなく実際に「ある」(心のなかに意識的と無意識的とを問わず抱えている)のだから,Aマッソたちのように,つい思わずして,自然にしばしば「口をついて出る」ことになってもいた。

 またいえば,ネット上に溢れている「在日探し・暴き」は,日本人とほとんど同じか,ある意味では日本人以上に日本人らしい「韓国・朝鮮」系の人びとに対した,その出自に関する〈捜査令状〉(!)になるだけに,その “ものいい” のいちいちが陰険であり,かつ精神暴力的にもなっている。

 大坂なおみに対した発生していた(いまも・これからもなおあるかもしれない)「偏見と差別」の精神構造が,どちらかといえば〈陽性〉(顕在性)であるのに対して,在日外国人(韓国人中心)に対するそれは〈陰性〉(潜在性)である。いずれも,21世紀に生きる日本人の立場としては,実にみっともなくも恥ずかしい未熟な理性の発露である。

 平成天皇がいつかこういっていた。 “2002 FIFA World Cup” に日韓が共同でサッカー試合を開催したころの話題である。ウィキペディアは,こう説明している。

            天皇明仁の発言 ◆

 

 2001年12月18日,天皇誕生日前に恒例となっている記者会見において,天皇明仁は翌年に予定されていたサッカーワールドカップ日韓共催に関する「おことば」のなかで,こう述べていた。

 

 「私自身としては,桓武天皇の生母が百済武寧王の子孫であると,『続日本紀』に記されていることに,韓国とのゆかりを感じています。武寧王は日本との関係が深く,この時以来,日本に五経博士が代々招へいされるようになりました。また,武寧王の子,聖明王は,日本に仏教を伝えたことでしられております」。

 この発言は,テレビ各社のニュースでは重ねて報じられたが,日本の新聞各紙の報道は簡素だった。だが,韓国では大きな反響を呼び,「皇室は韓国人の血筋を引いている」,「皇室百済起源論」「日王が秘められた事実を暴露」などの発言意図から逸脱した報道も多くおこなわれた。

 そのほか,当時の金 大中大統領が年頭記者会見で歓迎の意を表わすほどだった。なお,天皇明仁は平城遷都1300年記念祝典の挨拶でも,百済とのゆかりについて同様の趣旨を発言している。

 いうなれば,それだけに(地理的にも一番近い国同士なのだから)「日韓の古代史」のなかでも,両国がとても深い両国の関係があった事実は否定しようがない。けれども,天皇だった明仁が当時そのように発言したさい,かなり沈黙的にでありながらも非常に「嫌がるような反応をみせていた日本側のマスコミのあからさまな姿勢」が実在していた。

 ふだんは,天皇のいうことであれば,いちおうは無条件的に慎重に反応し,十二分の敬意を表しながら耳を傾ける日本人たちが,ことが隣国に関する「歴史問題」(!?)になるととたんに,最低限必要な冷静ささえ失ったかのようにして,しかもその「本心」を絶対に覚られたくないようにしてでも,基本的には必死になって,ともかく無視(でなければ徹底的に軽視)を決めこみたい気分を,言外においてまでも確実に表出させていた。その反応ぶりは,社会学的に観て非常に興味深い現象となっていた。

 しかし,最近における大坂なおみの実例を代表にして思うに,スポーツ界の現実的な流れに鑑みれば,「日本人(純ジャパ)」という観念に関しては,だいぶ以前から再定義が要求されていた。すなわち,そうした要求が「時代の流れ」としてもはっきり浮上している。

 確認のために再言しておくと,大坂なおみの場合は,コマーシャルに使用された彼女のアニメ画像が,いちじるしく「漂白されていた」。黒色に近い彼女の褐色の肌色は,日本・日本人にとってみたくないものであるかのような印象を,そのCM動画は意図していたと受けとれる余地さえあった(この話題は本稿ではくわしく触れていないが,別項にて説明したい)。

 日本において「色の白いは七難隠す」ということわざが「本当に使われなくなる日」(古語的なことわざになる日)は,はたして来るのか? もしかしたら,日本人・民族の頭のなかの脳ミソそのものを,なにかのためにいったん漂白しておく必要があるのかもしれない。

------------------------------