菅 義偉による学術会議新会員6名拒否は,さきに安倍晋三がその模範を示してきたが,科学も学問も理論も実践もなにも判らぬ政治屋たちが「学術研究の世界をぶち壊す」「いまや後進国日本」の哀れな姿(2)

                   (2020年10月9日)

 2016年に首相が安倍晋三であったとき,学術会議「第23期の補充人事」任命の件にさいし,当時の「学術会議が候補として挙げていた複数人」が官邸側から拒否されていた

 2020年にその「第25期の新会員6人」が任命されなかったとき,首相は菅 義偉に代わったばかりであった

 この2人の政治屋は,第2次安倍政権のとき「悪代官と悪庄屋」のゾンビ・コンビであった。菅 義偉が首相になったいま,いよいよ「両悪の散華」がはじまりつつある

 学術(科学研究)の大切さなどろくに理解できていない,この2代の首相のために,日本の学問展開はさらに落ちこんでいく

 今年もいま前後して,ノーベル各賞が発表されている時期だが,日本から受賞者は出るのか?


  要点・1 本当の事実(真実)を研究してほしくない一国の最高指導者こそが,その国にとってみれば最大の有害人物

  要点・2 戦時中(敗戦前)の旧大日本帝国時代,とくに社会・人文科学の分野に対する弾圧の記録は,なにを意味していたのか

  要点・3 というよりは「いまだけ・自分だけ・カネだけ」だった安倍晋三の前政権から菅 義偉の現政権になったところで,日本政治の一大特性である「ウソの,ウソによる,ウソのための政治」に,なんら変化なし。つまり,彼らには国民たちの安寧を願う気持など,頭の片隅にさえない

  要点・4 専制的・独裁主義志向の為政を,民主主義の根本理念を充てて合理的に説明できる理屈などありえない。これは古今東西の普遍的な真理 

  要点・5 無教養人が政治を司ると一国の為政がどうなってしまうか,好例・見本的にその無残さをみごとに体現させつつある現首相:菅 義偉

 

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 「共同・船田・任命拒否は闇討ち。失楽園も時効で,冷飯船田〔元〕は,石破〔茂〕と共に小沢の元に帰ってくる事である」『阿修羅  http://www.asyura2.com/』2020 年 10 月 07 日 10:55:26,http://www.asyura2.com/20/cult28/msg/570.html  から

 石破〔茂〕のように自民党に戻ったものの,見限った宮沢自民党よりもひどく,戻った橋本のころよりもさらににひどく,気違い部落(ママ)になった自民党は,もう,なんだかんだいっても自民党といわれた自民党はなく,自民党議員が馬鹿でも官僚がしっかりしているから大丈夫という評価ももはやなく,自民党のプリンスといわれた船田は馬鹿〔安倍晋三のこと〕のつぎも二浪で法政の馬鹿〔菅 義偉のこと〕の下で一丁上がりでいいはずがなく,小沢のもとで三度目の政権交代に汗を流すべきである。

 註記)〔 〕内補足は引用者。

 この引用は現在では使用禁止の用語も混ざっていたが,その点は断わっておきながら,あえて参照している。また,補足したとおり「馬鹿」とは安倍晋三のことで,「二浪で法政」とは菅 義偉のこと。人間に関するのことがらだから,馬鹿なほうに属する人がいくらいても不思議はないし,大学に入学するのにどこの大学であっても何浪しようとかまわない(菅が大学に進学した時代は大学受験浪人生は珍しくはなかった)。

 要は,そのような誰であって正々堂々と生きていける権利がある。成蹊学園内でトコロテン方式で大学まで進学しようが,法政大学に2浪して入ったとしても,なんらまずいことはない。

 だが,絶対的にいけないと断定するほかない「彼らにまつわる基本の問題点」は,日本国総理大臣になっていながら,完全に支離滅裂・没論理・我利私欲だけの為政(「いまだけ・自分だけ・カネだけ」)を,熱心にやってきたことにあった。総じて「暮れゆく途中にあるこの国(最近では後進国と呼ぶほかない内情にある)」に対して,さらにその速度に対して拍車をかけるごとき為政しかできていない事実が,一番の深刻な問題である。

 安倍晋三が亡国かつ国恥の首相であって,「私利・私欲のための内政」(「ウソの,ウソによる,ウソのための政治」⇒「私物化・死物化・負の遺産化」政治)しかおこないえなかったとすれば,菅 義偉は,そのアベにつづいて「私怨・私恨の采配」しかやろうとしていない。彼らに共通する1点は,まさしくきわめて度量の小さい,日本の憲政史上,最悪の首相であった事実を,就任以来それぞれが実証してきた。

 要はこの2人にあっては,この日本国を破壊し,倒壊させるための為政にいそしむ基本姿勢だけは共通している。「貧しくとも清く正しく生きる人間たち」がなるべく大勢いてほしい,そうした国なってほしいのだが,この2人を観ていると,そのような願望を抱くことじたい,実にバカらしい期待である点を思いしらされる。そうだとしたら,未来への希望はますます抱けなくなる。

 ところで,前段に引用したきだ・みのるの文章は,敗戦直後に公刊した代表的な著作,『気違い部落周游紀行』1948年(昭和23年)に言及して書かれた文章であった。同書は,当時,第2回毎日出版文化賞を受賞したという。そのほか,こまかい点には触れないが,その後は,「気違い」という表現は差別用語放送禁止用語)だとされていた点を,あらためて断わっておく。

【参考記事】


 「自著での主張も記憶にない?  菅官房長官『知らない』」asahi.com 2017年8月8日 16時05分,https://digital.asahi.com/articles/ASK884VHNK88UTFK00K.html
この記事を参照するのは,菅 義偉がいかに身勝手で自身の発言にかかわる矛盾を反省すらしないどころか,その事実を指摘した者を逆恨みする根性の悪さが剔抉されているからである。

 過去には公文書の重要性を訴えていたのに,そのことすら記憶にない。「記録にない」「記憶にない」という政府答弁が相次いでいる学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題をめぐり,菅 義偉官房長官が〔2017年8月〕8日の記者会見で,公文書の公開のありように関する自著での主張を失念してしまっていることが浮き彫りになる一幕があった。

 

 菅氏は野党時代の2012年に出版した『政治家の覚悟』(文芸春秋)で,「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で,議事録はもっとも基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」と記していた。

 

 加計問題で国家戦略特区ワーキンググループの議事録の公開に応じる姿勢を示さない菅氏に対し,朝日新聞記者がこの部分を読み上げ,「これを本に記していた政治家は誰かわかるか」と尋ねたところ,「しらない」と答えた。

 

 記者が「官房長官だ」と指摘し,「政府の現状と照らし合わせて,じくじたる思いやきちんと記録に残すべきだという気持にはならないか」と尋ねると,菅氏は「いや,私は残していると思う」と主張した。

 この菅 義偉のいいぶんを聞かされた人は,おそらくこの応答の仕方に絶句する。もしかしたら,その自著を自分で書いたのではなく,代筆者(ghost  writer)に全面的に任せていたのかと思いたくなる。自著の内容をそこまでよく記憶していないとなれば,このように疑り深く尋ねてみたくなる。当然の疑問である。

 通常,自著を有している人が,その本のなかに書かれている特定の一段落を読み上げられて,これが自分の文章であることを感知できない(ただちには分からない)ことは,いくらでもありうる。だが,菅 義偉の自著の場合は,非常に重要な論点,つまり「公文書の記録」に関した部分についてなのだから,これは「肝」になる箇所であったはずであり,それを忘れていた(故意にか?)という反応は,とうてい解せない態度であった。

 なぜ,以上の記述をしてみたかといえば,本日の新聞に広告の出ていた本,望月衣塑子・佐高 信『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』講談社( +α 新書),2020年7月が謳っていた宣伝文句のなかに,本書の内容紹介の1項目として,菅 義偉に関して「自著の内容問われ大激怒とした菅総理大臣」という文句が置かれていた。

 警察国家官僚を駆使し,国民たちの秘密を暴き,脅迫的に他者を小突きまわすマフィア的な闇政治手法を得意とするこの首相・菅 義偉は,自身のデタラメとウソなどをひとつでも指摘・批判されるとなるや,これに対しては自分本位に勝手に怒りまくるという人間的な特性をもつ政治屋であった。「こんな人」が,いま,この国の最高指導者である。

 安倍晋三が政権の座に居た時期,この政権は「アベ1強〔凶・狂〕」的な強権政治を連続してきた。そして,この政権の官房長官として辣腕(?)を振るってきた当人が,いまは首相になっている。この人が首相では,この国の “まつりごと” が正常に動くとは思えない。2020年10月になって俄然,世間を騒がせる話題となった学術会議新会員6人の任命を菅 義偉が,拒否・排除した。

 

 ②「国論二分する政策に学術界から批判受け人事に関与始める?〈学術会議任命拒否〉」東京新聞』2020年10月8日 05時50分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/60366

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 日本学術会議の会員候補の任命拒否問題をめぐり,政府は〔10月〕7日の国会審議で,推薦者のうち6人を除外した理由について「総合的,俯瞰的観点」にもとづく判断だとし,首相が会議の推薦通りに任命する義務はないとする政府の立場について「学術会議法の解釈を変更したものではない」と重ねて強調した。ただ,安倍前政権下で人事への関与を始めたのは,安全保障関連法など国論を二分する政策を推し進め,学術界からの批判が相次いだ時期と重なる。

 補注)菅 義偉の理屈はリクツになっていなかった。というのは,ここで「『総合的,俯瞰的観点』にもとづく判断だとし」て,「首相が会議の推薦通りに任命する義務はないとする政府の立場」そのものが,まだなにもまともに説明していないからである。

 ただ強引に自分の思いを「総合的,俯瞰的観点」だと,たいそう「上から目線」でのみ決めつけ,問答無用の押しつけをしていた。このいいぶんである「総合的・俯瞰的な観点」とは,いったいどのような中身として説明できるのかと問われても,「そうだからそうだ」という雰囲気でもって応じるだけで,論理的に理解できる内実はなにも返してこない。

 前段では,菅 義偉がかつて自著のなかに書いていたことをすっかり忘却していたことに触れ,菅 義偉の記憶力の不確かさ言及していた。しかし,この段落で話題にしている問題でいいかえれば,菅は自分が口に出していた主張・見解についてすら,その論拠(リクツづけ)を相手に向かって具体的に説明できないでいる。菅 義偉が「大学」は「2浪して法政に入った」という話題以前に控えていた問題性があった。

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 1) 秘密保護法,安保法など多くの学者反対

 立憲民主党今井雅人氏は〔10月〕7日の衆院内閣委員会の閉会中審査で,内閣府が首相に学術会議の推薦通り任命する義務はないとする内部文書をまとめた時期について,特定秘密保護法や安保法,「共謀罪」の趣旨を盛りこんだ改正組織犯罪処罰法をつぎつぎと成立させたあとの2018年だと指摘。「多くの学者が反対していた。関係があるのでは」という見方を示した。同党の柚木道義氏は学術会議が2017年の声明で,軍事応用できる基礎研究を助成する国の制度に懸念を示したことに触れ,法解釈検討の「発端か」とただした。

 2)政権批判高まった時期に人事介入始まる

 野党が疑念を深めるのは,学術界からの政権批判が高まった時期を境に,政府が「学者の国会」と称される学術会議の人事に介入しはじめているからだ。学者らが秘密保護法や安保法に反対する活動を展開した後の2016年には,官邸が欠員補充のための候補者に難色を示し,推薦見送りの事態に発展。2017年の改選期には,推薦枠を超える候補者の提示を求める異例の対応を取っている。

 内閣府の担当者はこの日の内閣委で,首相の任命権に関する内部文書の作成は「官邸の指示に基づいていない」と主張。学術会議があらためて6人を任命するよう求めていることについては「今般の手続は終了した」と拒んだ。

 以上の経過・事情に関しては,「学術会議の会員任命拒否  衆院内閣委で『新たな火ダネ』に」『日刊ゲンダイ』2020/10/07 16:50,更新日:2020/10/07 16:50,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279697/3  が,つぎのように補足する報道をしていた。

 2017年といえば,安倍政権が防衛省の安全保障技術研究推進制度の予算を約20倍に増やすなど軍事研究に力を入れる姿勢を示したことに対し,学術会議が『政府による研究への介入がいちじるしく,問題が多い』と表明した時です。おそらく政権側はこの声明に怒って介入を決めたと考えるのが自然です。今後,内閣府の学術会議事務局でなんらかの政府関与の文書が出てくるかもしれません」(野党議員)。

 2019年7月から事務局長に就いている福井氏は,それまで公文書管理を担当する内閣府大臣官房公文書監理官。桜疑惑では内閣府の公文書管理をめぐる問題が注目されたが,「アベ政治負の遺産」があちこちに残っていそうだ。

 安倍晋三の第2次政権の7年と8ヵ月は,日本の政治にとって大きな損傷を与えてきた。前段の軍事研究問題にしても,つまるところは「対米服属路線」に嬉々と追従するしか能のなかった,この「世襲3代目のお▼カ政治屋」のせいであったといえる要因が含まれていた。

 日米安保関連法下の日本は,当面,アメリカの軍事基地(在日米軍基地)を一気に除去させることができないにせよ,未来に向かってそのあり方を考えるさい,アメリカへの従属を強化するための外交しかなしえなかった,安倍晋三流に「子どもの〈裸の王様〉」として残した “多大な負の業績” は,まず,沖縄県民の立場からすれば絶対に許容できないし,つぎに,同じような立場に置かれているそのほか在日米軍基地周辺で暮らす各県の人びとの立場にとっても,同じ意味を有する。

 

 菅首相母校・法大の田中優子総長が声明 日本学術会議問題は『見過ごすことは』できません」J-CASTニュース』2020年10月05日19時37分,https://www.j-cast.com/2020/10/05395973.html?p=all

 法政大学の田中優子総長は,日本学術会議の新会員として推薦された研究者6人を菅 義偉首相が任命しなかった問題をめぐり,「見過ごすことはできません」と抗議する姿勢を大学の公式サイトで示した。法政大は菅首相の母校としてしられ,菅氏の首相選出時に大学は「ご活躍を祈念いたします」とコメントしていた。

 1)研究の質で任命判断は「不可能」

 政府は2020年10月1日付で日本学術会議の新会員として99人を任命。しかし,会議側が新会員に推薦したのは105人だった。任命されなかった6人は安保法制や共謀罪法などで政府姿勢に反対の立場を取っていた学者だ。学術会議の新会員に任命されないケースが出たのは初だとされ,その是非が議論になっている。会議は3日に6人の任命を求める要望書を菅首相に提出した。

田中総長は〔10月〕5日,法政大学の公式サイトを通じ「日本学術会議会員任命拒否に関して」と題した声明を発表した。田中総長は,会議が戦時下の科学者の戦争協力への反省から設立され,その「独立性」「自律性」を日本政府と歴代首相も認めてきたと説明。会員は「各分野における国内でもっともすぐれた研究者」で,学術の発展において大きな役割を果たしているとし,

   「内閣総理大臣が研究の『質』によって任命判断をするのは不可能です」

と主張した。

 今回の任命拒否は憲法で保障される「学問の自由」に違反する行為だとし,「全国の大学および研究機関にとって,きわめて大きな問題であるとともに,最終的には国民の利益をそこなうもの」と警鐘を鳴らした。

 1983年の学術会議法改正時に当時の政府関係者が「かたちだけの推薦制」「推薦いただいたものは拒否しない」と国会で答弁していたことが報じられていることを受け,田中総長はこれを引き合いに出し「その時の説明を一方的に反故にするもの」と主張。また,今回の任命拒否については「理由が示されておらず,行政に不可欠な説明責任を果たしておりません」とした。

 2)過去の声明も引用

 過去に出した声明も引用した。2018年春,自民党杉田水脈衆院議員は,政権批判的だった法政大学の山口二郎教授に対し,巨額の科学研究費(科研費)が支給されていると批判。山口教授はこれに反論し,2人の間で論戦となっていた。

 こうした問題を受け,田中総長は2018年5月16日に大学の公式サイト上で「適切な反証なく圧力によって研究者のデータや言論をねじふせるようなことがあれば,断じてそれを許してはなりません」と抗議し,さらに「たがいの自由を認めあい,十全に貢献をなしうる闊達な言論・表現空間を,これからもつくりつづけます」と宣言していた。田中総長は今回の声明で宣言を引用し,

  「その約束を守るために,この問題を見過ごすことはできません」

とした。

 田中総長は今回任命拒否された研究者は法大の教員ではないとしつつ,

 「この問題を座視するならば,いずれは本学の教員の学問の自由も侵されることになります。また,研究者の研究内容がたとえ私の考えと異なり対立するものであっても,学問の自由を守るために,私は同じ声明を出します。今回の任命拒否の理由は明らかにされていませんが,もし研究内容によって学問の自由を保障しあるいは侵害する,といった公正を欠く行為があったのだとしたら,断じて許してはなりません」

と宣言。

 今後は大学人や学術関係者,「幅広い国内外のネットワーク」と連携して「今回の出来事の問題性を問い続けていきます」とした。菅首相は1973年3月に法政大学第一部法学部政治学科を卒業。大学は2020年9月16日の首相選出時,公式サイトで「ご活躍を祈念いたします」とコメントしていた。(引用終わり)

 要するに,菅 義偉は安倍晋三と同様であったが,「私はあなたの意見には反対だ,だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」といった民主主義の実践にとって必要不可欠である政治精神は,寸毫ももちあわせていない。問題はしかも「学問の世界」における議論になっているが,菅 義偉の「無教養ぶり」については,前述のとおり川勝平太静岡県知事から痛烈な批判が寄せられており,さもありなんであった。

 つまり,今〔10〕月になって降って湧いてきたその問題「学術会議新会員6人を拒否した」菅 義偉政権の「21世紀的に愚昧なアナクロぶりの采配」に対して,学者出身でもある川勝平太は,菅にあっては「教養のレベルが露見」したとまできびしく裁断していた。この種の批判を介してわれわれは,菅が首相の立場から強権的に振るっている,その非民主主義的な政治体質を観てとる必要がある。

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 安倍晋三政治の傲岸性・独断性は菅 義偉政治においてもりっぱに継承されているが,これは全国民的な見地からいえば,けっして望まれている民主主義の態様ではない。全有権者の4分の1しかえていない彼ら自民党の政権(+「下駄の▼ソ」の公明党)が,好き勝手ばかりをやっており,しかも,この国を壊滅させる方途に向かわせつつあるとなれば,これを黙過することはできない。

 

  高野 孟「〈永田町の裏を読む〉人事をいじくり回す権力誇示でアカデミズムを敵に回すのか」日刊ゲンダイ』2020/10/08 06:00,更新日:2020/10/08 06:00 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279671

 安倍晋三前首相と菅 義偉首相に共通する趣味,といって悪ければ,「権力の神髄ここにあり」とする信念は,人事のいじくりまわしである。

 菅は安倍内閣官房長官として,

  2013年3月の黒田東彦日本銀行総裁任命による「アベノミクス」発動,

  同年8月の小松一郎内閣法制局長官任命による「集団的自衛権」容認,

  2014年の「内閣人事局」設置,

  そして今〔2020〕年,これは失敗に終わったけれども,黒川弘務元東京高検検事長を無理やり検事総長に押しこもうとする策謀に携わってきた。

 それですっかり味をしめ,自分が最高権力の座に就いたら,そのいわば初仕事として,日本学術会議の新会員候補105人のうち6人を任命拒否し,「どうだ,俺はこんなことだってできるんだぞ」とみえを切ってみせたのである。

 しかし,日本のアカデミズムを内外で代表する同会議は独立性をもって政府に政策を勧告することを主眼とし,その独立性を担保するために日本学術会議法の第1条で「内閣総理大臣の所轄とする」と定められている。それはアカデミズムの独立性を政府が尊重するからこそ,文科省などの担当分野とせずに首相みずからがそれを所轄するという趣旨であるというのに,菅は自分の気に入らないやつは任命しないという人事介入の武器として,その条項を悪用した。法の根本趣旨を真逆にまで曲解することなど許されるはずがない。

 今回,任命を拒まれた6人は,いずれも特定秘密保護法共謀罪集団的自衛権解禁など安倍政権の剣呑な戦争のめりこみ政策に異議を唱えた人たちで,それに対するいかにも粘着的な性格の菅らしい執念深い意趣返しである。

 さらにその背景には,2015年度から始まった防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に対して学術会議が強い懸念を表わす声明を2017年3月に発したことへの怒りがあるのだろう。この声明は控えめな表現ながら,戦前に科学者が戦争に協力したことへの反省を踏まえて戦後に同会議が創設された歴史をあらためて思い返しつつ,軍学共同研究に安易に手を染めるべきでないことを訴えている。菅は任命拒否の6人だけでなく,日本のアカデミズムそのものを敵に回すつもりのようである。

 さて,安倍晋三にしても菅 義偉にしても,自分たちだけは「全能感」に浸ってこられたごとき,いわば,元「首相と官房長官」の「悪代官と悪庄屋」のゾンビコンビであった。だが,こんどはその官房長官が首相になりあがったとなれば,菅1人でもってその「悪代官と悪庄屋」の2役を兼ねて,孤軍で奮励努力する自民党政権となっている。

 佐高 信などはたとえば,出演しているネット番組『デモクラシータイムス』のなかで,「菅 義偉の強烈なコンプレックス(劣等感)」意識を指摘している。だから,学術会議のごとき学究の組織体,それも政府が主管する団体を目の敵にしたいのではないかと示唆する発言をしていた。

 註記)「【平野貞夫 × 佐高信 × 早野 透】3ジジ放談 生配信!  菅を許すな!  学術会議と馬毛島疑惑」『デモクラシータイムス』20201006, https://www.youtube.com/watch?v=MeQu5YIsViA

 安倍晋三の場合は,例の有名な,秘書官から補佐官になっていた今井尚哉などを重用するかたちで為政に取り組み,数々の失敗:ヘマを犯してきた。しかも,最期はとうとう仮病的な症状を理由に長かった首相在任期間を終わりにしていた。それに対して菅 義偉は,警察官僚群を使い,非常に陰険かつ粘着質に,安倍の為政を補助してきた段階からさらに歩を進めるかっこうでもって,このたびは「警察国家監視体制」を,より揚力に敷いた為政をやっていくつもりである。

 菅 義偉が学術会議会員交代の時期を狙って露骨に6名の新会員を排除したのは,そうした態勢でもって,これから構築していこうともくろんでいる「デジタル化国家体制」にとってみれば,まず最初から目障りそのものであった,学者たちが構成する学術会議への介入を始めたに過ぎない。

 それゆえ,本日の『読売新聞』(通称『ゴミウリ新聞』)は,「学術会議を行革対象に… 政府勧告10年なく,組織・運営の見直し検討」という見出しの記事を,なにかいくぶんかうれしそうに報道していた。この記事は出だしの段落で,

 「年間約10億円の国費で運営されているにもかかわらず,法律にもとづく政府への勧告が2010年8月以来,おこなわれていないことなどから,河野行政・規制改革相の下,妥当性を検証する」と強調していた。

 だが,このゴミウリ新聞は,学術会議がその間,実際にどのような活動をしてきたのか,政府側はどのように対応してきたのかといった現実的な内容の展開にまつわる論点は抜きにしたまま,そのように,いくらかでも確かに扇動的に聞こえる報道姿勢を採っていた。

 なかでも,学術会議に付けられている予算の10億円をウンヌンしたのであれれば,安倍晋三政権がたくさん重ねてきたムダ使いのうち,たとえば「アベノマスク」の件はどうであったか? 最近ようやく明らかになった事実は,このマスク1枚の購入原価(単価)が¥143であったと教えていた。いまの時点での話題となるが,143円で不織布のマスクが何枚買えるか?

 楽天市場には「マスク50枚で,¥350」の値段で売られている品物まで出品されている(本日:2020年10月9日の話)。外税抜きで計算しても1枚の価格7円である。以上,現在になっての計算による比較ではあっても,あのろくでもなくひどい綿製マスクであった「アベノマスク」のために国家予算が無駄使いされた事実を想いおこすとき,あえて学術会議の予算10億円を比較すると,どうなるか?

 補注)わが家に送られてきたアベノマスク2枚セットは,いまも近くの引き出しのなかに放りこんである。アベノミクス・アベノポリティクスのアホらしさを忘れないためにも,ときたま引き出しを開けて観ることにしている。

 話題を少し変え手論じる。ところで,安倍晋三は外交面でいったい,いかほど無駄使いしてきたか?

 こちらの方面における国家予算の乱雑な費消は,ある意味では犯罪的だとみなす余地すらある。なにせ「費用対効果」がなかったどころか,外交の実際的な効果としてはマイナスになっていたからである。たとえば安倍晋三は,北方領土の返還交渉をほぼ不可能な線にまで後退させてしまい,ダメにした。

 プーチンがロシアの大統領に就いている期間はもちろん,それ以後も交渉を困難にさせてしまった。ところが,その間,ロシアへの経済協力だけは3千億円の単位で約束させられていた。「外交のアベ」だといわれていたらしいが,冗談にもならない「子どものいいぶん」であった。

〔マスクの話に戻る→〕 当初,「アベノマスクの予算:費用」は466億円を計上していたが,そのうち260億円に減らされ,200億円あまりが圧縮されていた。これについて政府関係者は,「予算額を多めに見積もっていたことや当初のみこみみよりも安くなった」などと,ずいぶんいい加減な(寝ぼけた?)いいわけを繰り出していた。学術会議の予算10億円,その使途がどうなっているかは,ネット上にも説明が出ているが,100億円単位でデタラメ同然の財務がおこなわれている政府(安倍晋三君の)の為政は,いったいなんのか?

 「偽造・捏造・安倍晋三」とか「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」の安倍晋政権という形容そのものになる為政が,そのまままかり通り,いまだに反省することをしらない自公民政権である。


 「学術会議問題 説明拒む政府の不誠実」『東京新聞』2020年10月8日「社説」

 日本学術会議会員の任命拒否は,学問の自由を脅かすだけでなく国権の最高機関である国会への重大な挑戦だ。臨時国会の開会を待つことなく,菅 義偉首相出席のもと下,徹底的に追及すべきである。

 衆院内閣委員会の閉会中審査が昨日,開かれた。新型コロナウイルス対策を審議するために与野党が合意したものだが,臨時国会は今〔10〕月26日まで開かれない。新内閣発足後,首相の所信表明演説が5週間以上もおこなわれないのはきわめて異常な事態だ。まずは政府と与野党に猛省を促したい。

 補注)菅 義偉がこの「所信表明演説」をおこなえないでいる現況は,どうみても,かなり異様である。当人じたいはもちろんのこと,周囲でその菅・所信を準備しまとめる立場にあって,その役目を任されている国家官僚たちも,おそらく非常に困っているのではないか? この「困ったチャン」首相の一番の難点は,すでに川勝平太静岡県が喝破したように,菅自身の限界,つまり,この政治屋自身の「教養のレベルが露見」していた事実に関係する。

 内閣委の審議は,喫緊のコロナ対策にとどまらず,日本学術会議が推薦した候補の会員任命を,菅首相が拒否した問題に多くの時間が費やされた。当然であろう。

 野党側は任命を拒否された6人が「なぜ選に漏れたのか」「理由を説明すべきだ」と迫ったが,政府側は「総合的,俯瞰(ふかん)的な観点から日本学術会議法にもとづいて会員の任命をおこなった」(大塚幸寛内閣府官房長)との答弁を繰り返し,任命拒否の理由説明を拒んだ。

 同法は,会員は同会議の「推薦に基づいて,内閣総理大臣が任命する」と定め,政府はこれまでの国会答弁で,首相の任命は「形式的」なものと説明してきた。首相に裁量の余地を認めていない。

 しかし,政府側は,首相が学術会議の推薦通りに会員を任命する義務はないとする内部文書を2018年に作成していたという。三ツ林裕巳内閣府副大臣は「学術会議法の解釈を変更したものではない」と強調したが,事実上の法解釈の変更である。政府側の説明には無理があり,不誠実だ。

 この文書は,国会での議論も経ず,国会に報告もされていない。これまでの国会審議を通じて確立した法解釈を根底から覆すようなことを,政府の一存で,しかも内密に決めていいはずはない。

 こうした政府の行為は,唯一の立法府である国会が有する立法権の侵害であり,主権者たる国民の代表で構成する国権の最高機関に対する冒涜(ぼうとく)にほかならない

 内部文書作成は首相官邸の指示で始めたものですらないという。官僚の暴走ではないのか

 菅政権が継承するとした安倍政権下では,集団的自衛権の行使容認や黒川弘務元東京高検検事長の定年延長など,政府による法解釈の一方的変更が相次いだ。

 憲法は「法律を誠実に執行」することを内閣に求める。前内閣から続くこうした粗雑な法運用をこれ以上,許してはならない。

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【参考資料】 平成30〔2018〕年11月13日内閣府日本学術会議事務局『日本学術会議法第17条による推薦と内閣総理大臣による会員の任命との関係について』

  ⇒  https://static.tokyo-np.co.jp/pdf/article/8231df729f15f597b64fb0789ac8af41.pdf 

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【未 完】 「本記述」は(3)まで書く予定である。

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