菅 義偉による学術会議新会員6名拒否は,さきに安倍晋三がその模範を示してきたが,科学も学問も理論も実践もなにも判らぬ政治屋たちが「学術研究の世界をぶち壊す」「いまや後進国日本」の哀れな姿(6),自衛隊3軍は米軍の無給傭兵である事情にかかわって

 2016年に首相が安倍晋三であったとき,学術会議「第23期の補充人事」任命の件にさいし,当時の「学術会議が候補として挙げていた複数人」が官邸側から拒否されていた

 2020年にその「第25期の新会員6人」が任命されなかったとき,首相は菅 義偉に代わったばかりであった

 この2人の政治屋は,第2次安倍政権のとき「悪代官と悪庄屋」のゾンビ・コンビであった。菅 義偉が首相になったいま,いよいよ「両悪の散華」がはじまりつつある

 学術(科学研究)の大切さなどろくに理解できていない,この2代の首相のために,日本の学問展開はさらに落ちこんでいく

 今年もいま前後して,ノーベル各賞が発表されている時期だが,日本から受賞者は出るのか?


  要点・1 本当の事実(真実)を研究してほしくない一国の最高指導者こそが,その国にとってみれば最大の有害人物

  要点・2 戦時中(敗戦前)の旧大日本帝国時代,とくに社会・人文科学の分野に対する弾圧の記録は,なにを意味していたのか

  要点・3 というよりは「いまだけ・自分だけ・カネだけ」だった安倍晋三の前政権から菅 義偉の現政権になったところで,日本政治の一大特性である「ウソの,ウソによる,ウソのための政治」に,なんら変化なし。つまり,彼らには国民たちの安寧を願う気持など,頭の片隅にさえない

  要点・4 専制的・独裁主義志向の為政を,民主主義の根本理念を充てて合理的に説明できる理屈などありえない。これは古今東西の普遍的な真理

  要点・5 無教養人が政治を司ると一国の為政がどうなってしまうか,好例・見本的にその無残さをみごとに体現させつつある現首相:菅 義偉

  要点・6 菅 義偉政権が抱く〈本命の狙い〉を隠したまま,アレコレいいわけばかりするそれもきわめて陰険な策謀

 

🌑 前   言 🌑

 本日〔10月13日〕の『朝日新聞』朝刊は,学術会議新会員任命が菅 義偉によって拒否された問題を,さらにつづけて大々的にとりあげた紙面構成になっていた。これをとりあげる議論をしたいところであったが,それ以前にあれこれまだ吟味したい材料が多く残っていたので,そのなかから今回のこの問題には,批判的な立場から報道している朝日新聞社系のネット記事に言及してみたい。

 ところで,菅野 完が官邸前でハンガーストライキを10月2日からしているが,大手マスコミ・メディアは,ほとんど報道しない。ネット記事であるならば,いろいろ読むことはできる。『ゴミウリ新聞』や『惨軽新聞』のように,国家体制側にべったりと張りついた「世界観・価値感」しかもてない新聞紙は,みずからが自国政治を腐敗・劣化・反動化させている事実に気づこうとはしない。いってみれば「亡国のための究極の真黄色新聞」。


  須藤 靖・東京大学教授(宇宙物理学)「『法律論』『学問の自由』をはるかに超える大問題  学術会議の会員任命拒否には誠実な説明が必要だ」論座』2020年10月05日,https://webronza.asahi.com/science/articles/2020100400001.html

 10月1日,日本学術会議が推薦した会員候補のうち6名を菅総理が任命拒否したことが明らかとなった。いいようのない閉塞感と無力感を感じてしまう。各社の新聞,そしてこの論座においても,ただちに多くの論評がなされている。

 私は2011年10月から2017年9月までの6年間,日本学術会議第三部(理工系)の会員であり,現在は連携会員を務めている(学術会議は210名の会員にくわえて,約2000名の連携会員からなる。6年間の任期を終えた会員は,つぎの6年間は辞任しないかぎ限り自動的に連携会員となる)。ここでは自分の学術会議の経験を踏まえたうえで,意見を述べさせていただきたい。

 まず,学術会議に関して寄せられているいくつかの疑問に答えておこう。

   1.   学術会議はそもそもどのような活動をしているのか

 日本の学術全般に関して数多くの意見発信をおこなっている。とくに政府からの依頼への答申や回答,さらにはそれにとどまらず政府や社会に対する提言など多岐に渡っている。これらは,特定の学協会だけに限られた意見の寄せ集めではなく,多様な学術分野を俯瞰した広い見地から日本社会の現状解析と将来展望にもとづいたものである。

 学術会議は3年間を一期としており,たとえば2020年の場合,第24期の最後である9月末までに,約70の提言が公表されている。それらはすべて学術会議のサイトから入手でき,その一覧,さらには具体的な内容を読んでいただければ学術会議の活動をよりよく理解していただけることと思う。

 補注)今回における学術会議新会員候補拒否の問題にかかわっては,この学術会議が,このところ長期間「答申」を出していないなどといって,実質「冬眠機関」であるかのように非難・攻撃をする,それも無知にもとづいた批判があった。

 だが,その答申を引き出すためには,政府の側から諮問がさきに提示されている必要には一言も触れずに,そのように口撃していた。すなわち,「諮問⇒答申」の関係すら分からずにモノをいっていた。噴飯モノものも,いいところであった。

 学術会議は諮問の対する答申以外にも,この会議体なりに多くの意見表明をしてきており,それなりに提言をおこなっているが,こちらについてもなんら知識もないまま,非難・攻撃をする「単細胞的な政権寄り応援団」に人たちに共通するのが,実は「基本での無知の共有」であった。

 安倍晋三や菅 義偉という「専制的・独裁主義志向の国家体制」が大好きな政治屋首相たちの感性にとってみれば,前段のごときに加勢をしてくれる「ネトウヨ的単細胞軍団」の存在は,まことに心強い味方でありうる。しかし,いうなれば「フェイク(ウソ・いつわり)の世論形成」に必死になって努力する特定集団,しかも執権党の当事者たちの存在は「社会的な害悪」を意味する。この国の為政は末期的症状を丸出しにしている。

 今回の学術会議をめぐる菅 義偉の,きわめて恣意的で独裁的な国家最高指導者の行動方式をとらえて,スガ・ヨシヒデの姓をもじって「スガーリン」だという呼称を与えた人もいた。旧ソ連の独裁者であったスターリンがどのような人物:政治家であったか,ここでは説明しない。それにしても,『スターリン=スガーリン』などと比称されて,仮にでもひそかに喜べるのが菅 義偉だとしたら,日本の政治はもはや最期を迎えたというほかない。

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    付記)2020年10月14日追補。

 21世紀になり2010年代に安倍晋三の第2次政権が7年と8ヵ月も続くうちに,この日本国は前世紀の末期に迎えていた経済最盛期からは,ひたすらデフレ経済的に衰退するばかりであった。しかも政治的に観ての話となれば,かつては経済面でのみ「Japan as ナンバーワン」と賞賛されたころから大して成長しえていないどころか,いまでは「3流ないし4流の政治」の程度でしか維持されていない国家の実態にまでズリ落ちてきた。

 安倍晋三政治屋として為政は,「世襲3代目のお▼カ政治屋」として,まさに「子どもの〈裸の王様〉」そのものを実践してきた。この首相の右腕(右脚)となって,つまり官房長官となってその政権を支えてきたのがスガーリンであり,その官邸:官房的な政治手法とみれば,前近代的な絶対王朝における宮廷政治を想像させるに十分であった。

 ところが,その官房長官がいまや首相である。この首相は官房長官時代の政治のやり方のほうにまだ重心を置いている。すなわち,一国の最高指導者としての自覚よりも,内閣情報調査室内閣官房に属する情報機関)を手先に駆使し,暗黒政治をこの国に浸透させる謀略的な努力に熱心である。この政治手法は安倍政権時代,菅 義偉が官房長官であった長期間慣れ親しんできたそれであったゆえ,いまとなってはお手のものといえる。

〔記事に戻る ↓ 〕

   2.   会員選出の方法は適切なのか

 かつてはそれぞれの学協会の直接選挙で選ばれていた時期もあったが,その結果,狭い意味での学会代表の集まりとなる弊害が顕在化してきた。現在の規定では,学術会議内に選考委員会をつくり,そこでさまざまな議論を積み重ねて次期の会員および連携会員候補を推薦することになっている。また,会員は2期6年の任期で再選不可かつ70歳定年,さらに学術会議の多様性を担保するために地域およびジェンダーバランスに厳しい制約条件を課している。これらの条件を直接選挙だけで実現することはむずかしい。

 とはいえこの選考方法がベストかどうかは自明ではない。しかし,そのやり方だけをみて,権威主義的あるいは非民主的だと批判するならば短絡である。実際,私が所属する物理学委員会天文学・宇宙物理学分科会では,上記の多様性を満たすように現会員・連携会員がさまざまな観点から議論を尽くして次期候補を挙げ,その結果を,異なる分野からの推薦を集約した上述の選考委員会でのさらなる議論に託している。このように少なくとも私のしる範囲では,きわめて適切な選考がなされているものと確信する。

   3.   学術会議はなぜ内閣府のもとの組織なのか

 これはある程度歴史的なものであろう。政府が,学術会議の独立性と中立性を尊重するかぎり,内閣府内からの勧告や提言であればそれなりの重みをもつ。そして,政府がなんらかの判断を下すさいに,学術的な観点からのフィードバックは不可欠である。過去の政府と学術会議の間では,たがいいの尊重と緊張関係は最低限守られてきた。

 逆にいえば,現在のシステムは,政府が学術界の独立した意見に誠実に耳を傾けたうえどのように政治的判断を加味するかという見識の信頼関係を前提としている。今回を契機にそれが揺らいでしまうような事態になれば,学術会議を内閣府内におくという関係性を再考する必要があるかもしれない。

 ちなみに,学術会議に約10億円程度の税金が使われていることを問題視する意見が散見されるが,これは世界的にみてけっして多い金額ではない。たとえば全米アカデミーズは約230億円だとのことである。それ以外の各国との比較も参照のこと。

 補注)この学術会議の予算10億円に注目して四の五の,それもわめきたてるように議論する粗野な人びともいた。しかも,そのわめき方と来たら,その10億円が実際にどのように予算として組まれ,費消され,活かされているのか,なにもしらないで,まさしく無知蒙昧な発言を無責任に放っていた。

 ましてや,外国(もちろん主な先進国)において,類似の機関がどのような規模の予算でどのように活動しているかについても,なんら予備知識もない状態で,いきなり学術会議の10億円の予算がどうだ・こうだとわめき出したとなれば,それでは初めからまともな議論などできるわけもなかった。

 以前にも皮肉をこめていわせてもらったが,「無知は力」になってしまっているのである。しかも,この範疇に属する人びとは「自分たちが無知」である点についてさえ「完全に無知」だとなれば,議論など最初から噛み合わない。という以前に,なにも始まらない。ところが,その手の特定集団に属するひとたちにかぎって,今回のような問題に向かい盛んに “無知・無恥な発言” をしてくる。

 安倍晋三がまだ首相だったとき,前世紀中にはなんとか歴代の首相たちが保持してきた「日本はバカの振りで〔アメリカからの軍事的要求を〕やり過ごす」(佐藤 優)術をすっかり忘れてしまい,まさに売国の国家最高指導者である立場を亡国的に露呈させた。この首相の右腕として活躍してきたのが,官房長官を長く務めてきた菅 義偉であったのだから,なにをかいわんやである。

 『AERA』最新号の2020年10月19日号(12日発売)は,「学術会議『任命拒否』 政府の狙いは異論封じと軍事研究」だと解説する記事を掲載している。その副題には「伏線は『安全保障と学術に関する検討委員会』/ 会員手当は210人で4500万円」と書かれている。この学術会議まで政治の意のままになる学究たちの組織・団体になったら,日本は地球の上にはまだたくさん存在する後進国群のほうに戻って,仲間入りさせてもらうほかない。

〔記事に戻る→〕 実際,学術会議の予算は,組織を運営するために必要な経費に限られている。会員・連携会員は給料をもらっているわけではなく,実際に出席した会議に対する旅費と会議費の規定額を受けとっているに過ぎない。つまり,出席した会議以外に膨大な時間を必要とする会員の作業・活動は実質的に手弁当でおこなわれているのだ。この点は一部の誤解を解いておきたいと思う。そのうえで,独立性をより高めるために学術会議の予算の一部を外部資金でカバーするべきであるとの意見も検討する余地はあるかもしれない。

 ただし,学術会議を完全に政府と独立な組織にすることには同意しない。その結果,学術界からの意見が適切に政府に届かなくなり,一部の都合の良い意見だけを学術界の総意であるかのように操作されてしまう危険性が懸念されるからだ。そして,今回の問題はまさにそれが政府の意向として起こりつつあることを示している。

 以上をまとめれば,学術会議の活動が社会にあまり認知されていなかった点については,広報活動を含めて改善が必要である。また,組織の体制についても検討すべき余地は残っている。しかしながら,学術会議が社会的に実際に重要な役割を果たしていることは確かであるし,そこでえられた結論のみならずそれに至る過程での議論を含めてホームページ上で丁寧な文書として公開されていることは強調させていただきたい。

  ※ 学術会議だけの問題でなく ※

 さて,今回の学術会議会員任命拒否問題の本質を,どのように位置づけるかについてはさまざまな解釈がありえる。またすでに論座においても優れた論評がなされているので,それらの観点の繰り返しは避けることにする。

 実際私は,これは学術会議と政府,あるいは学問の自由と政府,という観点よりもはるかに大きな問題を提起していると考えている。学術会議法の規定にある「任命」という行為が,法的にどのように解釈されるのか私には分からない。しかしそれとは無関係に,当然の疑問に対して誠実に回答しないという強硬な姿勢は,民主的な社会のルールから考えて承認できるものではない。

 補注)この「当然の疑問に対して誠実に回答しないという強硬な姿勢は,民主的な社会のルールから考えて承認できるものではない」という批判は,安倍晋三自民党政権のときからつづいている「菅 義偉政権の傲慢・独断・専横」の政治姿勢であった。

 およそ,民主主義的な価値観からかけ離れた為政の態度は,この首相が当然のごとく維持してきた。デジタル化のためにデジタル庁を創設するというが,政治の目的と手段をとりちがえた為政の方法は,単にオーウェル流『1984年』の構築を狙っている本心を,表面的に糊塗しているに過ぎない。

 仮に,任命しないという行為が法的に正当化されるという論理を展開するとしても,ではなぜ任命しなかったかを納得できるように説明しなくてよい,という理屈にはならない。これは法律以前にもっと基本的な社会のルールである。そしてこの不可解な姿勢こそ,前政権で顕在化し店晒しのままとなっている諸問題と同じく,国民に真実をしらせることなくみずからの決定をゴリ押しするという悪例の発展形にほかならない。

 いまや小学校では道徳の授業が科目化されている。しかしながら,多様かつ自由な意見の交換,反対意見であろうとその立場を理解しようとする態度,といった社会生活においてもっとも大切な原則が政府から失われつつある現状を,小学生たちにどのように教えることができるのだろう。

 都合の悪いことにはけっして答えない,さらには小学生が聞いても呆れてしまうような意味不明の答弁を官僚トップが繰り返す国会中継,は計りしれない負のインパクトをもたらす。優秀な大学生ほど,国家公務員や官僚のキャリアに見切りをつけているという現状は,今回の問題を学術会議とか学問の自由といった観点だけに矮小化してはいけないことを如実に物語る。

 反対意見を排除して多様性を隠して突き進む体制は,長期的な社会の安定性をいちじるしく損なう,進化論的にもマイナスの選択だ。世論を二分して,どちらかが絶対悪,どちらかが絶対善,といった議論を助長することは絶対避けるべきだ。

 ちなみに,有志により「菅首相日本学術会議会員任命拒否の撤回を求めます」というサイトが立ち上げられていることも付記しておきたい。これらの声に代表されるように,自分とは異なる意見にも寛容な政府と社会であることを切に望みたい。繰り返すが,今回の問題はけっして学術会議だけの問題ではない。(引用終わり)

 この最後の指摘,「今回の問題はけっして学術会議だけの問題ではない」は,これじたい正しいものに感じられる。が,しかし,まだ表層的な意見・理解に留まっていないか? 安倍晋三から菅 義偉へと移ってきた「自民党」+「下駄の▼ソ:公明党」の野合政権は,とうとう学術会議まで手を突っこんできた。その意味では,「アベ・スガ」自民党政権の極右・反動性は,その仕上げ段階にまで到達したと観るべきである。

 安倍晋三の為政に対して批判をした学究が今回,学術会議の新会員に任命されず拒否された事実は,この組織・団体がこれからにおいて,もしも単にスガーリン政権のためにだけ存在を許されるものに変質したときは,すでに一巻の終わり,その存在価値はなし,自沈を指示する。

【参考記事】

 

 補注)すでになんどか触れた関連の説明であったが,再度,ここにかかげておく。

  ◆「前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)@brahmslover」                       10:01 PM · Oct 9, 2020  いわく ◆

   おそらくこんな経緯」

     :学術会議から推薦者名簿が内閣府に届いた
       →内閣府が杉田官房副長官に名簿を説明
       →杉田副長官が全員の身辺調査を内調に指示
       →身辺調査の結果を携えて杉田副長官が菅首相・加藤官房長官と相談
       →菅首相が6人の排除を決定→6人を除いて起案するよう杉田副長官から          内閣府に指示

         補記)「内調」とは内閣情報調査室のこと。

 

  高橋真理子朝日新聞科学コーディネーター「学術会議の会員任命拒否の『とんでもなさ 学術界と社会の健全な関係作りをぶち壊す菅政権」論座』2020年10月03日,https://webronza.asahi.com/science/articles/2020100200004.html

 日本学術会議の新会員候補105人のうち6人が菅首相から任命されなかった。その決定過程,理由,いずれも明らかにされていない。こんなルール無視のごり押しが「法律上可能」(加藤〔勝信官房長官)として実行されるとは,学術界と社会の健全な関係づくりをぶち壊すとんでもない暴挙である。

 補注)安倍晋三政権のときもそうであったが,いまの菅 義偉政権も「オレたちのいうこと・やることが法である」という感覚を,当然の前提で政治をやっている。むろん,民主主義とは無縁のそうした政治の世界がいまの日本にあっては,大手を振っている,つまり,のさばっている。

 会員選出法がいまのかたちになったのは,2004年度の法改正を経てからだ。当時の学術会議会長だった黒川 清さんは「びっくりした。まずいね,ものすごく。どうしてこんなことをしたのか分からない。議論をした形跡がないし,そういう権力パターンになっちゃったんだね。これは恐怖政治ですよ」と語った。

 1)戦後まもなく設立,会員は選挙で選ばれた

 日本学術会議は,「日本学術会議法」という法律によって定められている機関である。法ができたのは1948年,会員が選ばれて発足したのは1949年だ。「学者の国会」という異名があったのは,当初は会員が科学者たちによる選挙で選ばれたからである。7つの部門に分けられ1部門30人ずつ,計210人。選挙権および被選挙権は,おおざっばにいうと大学卒業後2年以上経た研究活動にかかわっている人のほとんどがもっていた。

 基本的には,政府に勧告したり,ときには政府から諮問を受けて答申したりする(だけの)機関だが,創設してしばらくはまさに「学者の国会」として存在感をみせていた。戦時中の科学のあり方について反省する科学者も多く,「科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて,科学者の総意の下に,わが国の平和的復興,人類社会の福祉に貢献し,世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし,ここに設立される」(法の前文)という組織に率先して貢献したいと考えた科学者も多かったろう。

 補注)しごく簡単なある理屈が安倍晋三自身にはあった。いうまでもなく,彼は「戦後レジームからの脱却」を標語にしていて,これを寝言のようにささやいていたこともあった。だが,戦前・戦中においては,学術会議などという組織・団体が国家側に意見を,それも学術的な体場から具申する組織・団体として存在することじたい,けしからなかったし,もともとおよびではなかったはずである。

 敗戦後の日本国であったからこそ,「科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて,科学者の総意の下に,わが国の平和的復興,人類社会の福祉に貢献し,世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし」て発足した学術会議の存在意義があった。けれども,現在における国際政治の実際問題としては,とくに日本がアメリアに隷属(服属・従属)する日米間の軍事同盟が形成されている,いいかえれば,米日安保関連法の時代になっている。

 それゆえ,この現状に対して少しでも意義を申し立てたり反対したりする人員を含む「国家的な制度・機関の存在」は許さないという理屈しか残されていない。この付近の問題は,なにもいまに始まった学術会議のあり方をめぐるものではなかった。

 しかし,1959年に科学技術会議が「科学技術会議設置法」にもとづいて総理府に作られ,ここが国の科学技術政策について政府に答申することになった。研究予算の配分については,1967年に文部省に設置された学術審議会が審議するようになった。こうして,政府は徐々に学術会議を科学技術政策から遠ざけていった。

 1984年,会員選出方法が選挙から学会推薦制に変わった。当時,有権者約22万人,投票率60%超,という会員選挙が実施されていたが,選挙や組織の在り方に内外から疑問の声が出るようになっていた。

 2)中央省庁再編の時期に大幅改革

 さらなる改革が進んだのは,中央省庁再編と同時期である。このときは朝日新聞論説委員としてウォッチしていたが,学術会議は内部での自律的な議論によって変革を進めようとしていたと思う。もちろん,省庁再編という外部からの圧力があってのことだったが,そうした国内事情だけでなく,世界のアカデミアが学問の世界に閉じこもることなく社会に積極的にかかわっていこうと共同歩調を取りつつあった国際事情にも影響を受け,日本の科学者を代表する組織はどうあるべきかが議論された。自分たちの要求を実現させる圧力団体に堕することなく,「学問全体を俯瞰して社会が必要とする助言を出せる組織」が目標として浮かび上がった。

 こうして,学術界と社会の健全な関係作りをめざす現在の学術会議のかたちができあがった。会員選出は,「選挙人も被選挙人も学会推薦」という構造から,「科学者としてもっとも業績をあげた人を選ぶ」構造へ。そのために,現在の会員がつぎの会員を選ぶ「コ・オプテーション」方式をとる.7つの部門に分けていたのは,「人文・社会科学」「生命科学」「理学・工学」の三部制に変更。会員は従来通り210人,1期3年で半数ずつ改選し,1人の任期は2期6年,70歳定年制をとる。

 今回,新会員の候補が105人という中途半端な数字になっていたのは,210人の半数を改選したからである。作業は今年1月から始まり,推薦書を受け付け,選考委員会・分科会による選考を経て幹事会に提出,幹事会が審議して候補者を決め,7月には臨時総会を開いて承認する,という手続を踏んできた。こうして8月31日に推薦する105人の名簿を安倍晋三首相に提出。

 ところが,9月28日に届いた会員名簿には99人しか掲載されていなかった。学術会議事務局が政府に問い合わせたところ「事務ミスではない。任命しない理由は答えられない」と説明されたという。

 3)ルールに則って決めた候補を拒否する「非常識」と「みっともなさ」

 やり方の横暴さに唖然とする。公的な機関が,法律および組織で決めたルールに則り,時間と人手をかけて決めた候補を,なんの説明もなく拒否する。それだけでも,社会常識としてあるまじき行動である。そのうえ,説明を求めても,説明しない。「適切に対応した結果だ」とだけいいはる。社会人としての基本を身に着けてから出なおしてこいといいたくなる。

 補注)このように菅 義偉を批判したところで「カエルの面になんとか」であった。,恥も外聞もなにもない現政権〔の本性:お里〕にとってみれば,「ルールはオレたちが決めている」と妄信できている。いわばアウトロー的な,徒党集団・一族郎党的な政治集団である以上,そうした姿勢以外にはとりえないでいる。

 したがって,そもそも初めから,彼らは他者から寄せられる批判をなんとも思っていない。しかも,彼らの側において展開してきた一連の策謀は,以前から仕組まれ実行されてもいたともなれば,いまさらなにをいっても「アベ以後のスガーリン」体制は,けっして聞く耳などもたない。

 任命されなかった6人は,宗教学,政治思想史,行政法学,憲法学,日本近代史,刑事法学のそうそうたる学者たちである。いずれも,政権にとって都合の悪い意見を表明してきた人たちだ。「理由はいえない」といい張っても,だれの目にも理由はみえてしまう。

 気に入らない人,気に入らない組織に対する嫌がらせ。「こっちの方が強いんだ」とみせつけたいためのみせしめ。みっともない。「学問の自由」が学問の発展にどれほど大事か,そうして発展したお陰で社会がどれほど恩恵を得てきたか,そんなことはなにも考えずに決断しているのだろう。もう一度いう。みっともない。

 補注)このあたりの指摘・批判については,敗戦前,つまり戦時中の「日本の学問の状態」をあらためて想起してみればよい。「学問の自由」など皆無だった時代と比較しつつ考えてみる必要がある。

 戦争中の末期,敗戦の色も濃厚どころか,完全に負け戦の段階であった昭和20〔1945〕年の2月に,経営学の専門書としてつぎの本が出版されていたが,その内容編成たるや惨憺たる中身であった。この本の編者となった増地庸治郎は,「序」を欠いた昭和19年4月の時点で,こう語っていた。

 経営経済学徒の職域方向の一端として,苛烈なる大東亜戦争下の戦力増強に,本性が幾分の貢献をなし得ればと念じている(序,2頁)。

 このように経営学者が念じていた戦争協力が,いかほどその大東亜戦争のために貢献しえていたかと回顧してみるに,実際には皆無であった。実際には,というよりも,本当のところは逆効果であった。上記に氏名の出た増地庸治郎は,1945年3月10日未明からの東京大空襲のさい,防火活動のなかで命を落としていた。娘もそのときいっしょに命を奪われていた。

 米日安保関連法のもとに置かれているいまの日本は,もしも,アメリカ主導になる戦争がまたもや始められたとき,こんどは自衛隊3軍も前面的・全面的に戦闘行為に出動できる態勢がととのえられている。イラク戦争(2003年3月20日から2011年12月15日)で,アメリカは,なにを,どのようにやってきたか?

 そもそも戦火を開いた理由からしてでっち上げであった。フセインは大量殺戮兵器を保有しているというウソ話をさきに創てから,アメリカ軍がイラク侵略を始めていた。それでは,アメリカ側はABC各種兵器を保有していないかといったら,これもウソになる。

 自国にかぎっては,この「A:アトミック,B:バイオ,C:ケミカルの3種の兵器」を,いろいろ豊富に取りそろえてたっぷり保有している。「オレの国は特別で別格だ」というわけ……。いまの大統領であるトランプのあのデカイだけの態度をみれば,一目瞭然のことがらである。

 アメリカはイラクを破壊し,中東情勢を決定的に不安定化させただけでなく,自国内にあっては,イラク戦争に参加した兵士たちが生きて帰ってきても,精神障害にとりつかれたり,あうるいは,アメリカ軍が砲弾に劣化ウラン弾を使用してきたために,その放射性物質の被害を受けたり者たちもいた。

 ということで,日本の自衛隊員は,今後においてはいつでも,自分たちも「軍事同盟国の彼ら」と同じ目に遭うことを覚悟したうえで,任務に従事していかねばならない。なにせ,日本の軍隊はアメリカの “体のいい傭兵” である(給与は〈戦地手当〉も含めて,もちろん日本国防衛省がもつ)。

 なんといっても,集団的自衛権をいつでも発動できる日本になっている。最近では,日本は「敵基地攻撃能力」まで口にしだしている。アメリカ軍のお尻の動きを観ているだけだが,その手でやっていることを,そっくりそのまま真似するつもりである。

〔記事に戻る→〕 だいたい,学術会議の会員は210人だと法律に書いてあるんですよ。それが現在204人しかいない。法律違反の状態にしたのは菅総理です。「任命しないのは法律上可能」という見解をおもちですが,その結果法律違反の状態になることは考えなかったのでしょうか。法律は違反をよしとするわけがなく,結果が法律違反になるのなら「法律上不可能」と考えるのが普通ではないですか。

 こんな暴挙は許せない。(引用終わり)

 --暴挙といったら,安倍晋三政権や菅 義偉政権そのものが,現行の選挙制度小選挙区比例代表並立制」の恩恵をこの上なくこうむっており,不当にも,といっていいくらいにまで “過半数の国会議席” をえていた。

 例の,自民党の「下駄の▼ソ」であり,創価学会の飼い犬である公明党議席もくわえてだが,現政権はやりたい放題をしている。この点にこそ,日本の政治に圧政・暴乱がもちこまれつづけている真因があった。アベ第2次政権以来だけでも,デタラメとウソに満ち満ちた「こんな政治」が,もう丸々8年近くつづいてきた。日本国民たちにとってみれば,これ以上に不幸・不運な政治環境はない。

 以上,本日の記述は『論座』の2編を紹介しつつ議論しただけで,いつもの分量になってきた。これで本日はお終いにするが,本日の『朝日新聞』朝刊においても,さらに盛んにこの学術会議新会員候補拒否の問題が報道・解説・議論されていたが,後日に利用する材料としたい。

 菅 義偉政権のやること・なすことは,安倍晋三政権が「子どもの〈裸の王様〉」だったとすれば,こんどは「おとなの〈裸の王様〉」だと形容するほかなく,自分が裸である点は重々承知した菅首相の采配ぶりは,一言でいって「姑息」につきる。このところが,安倍晋三よりもさらにタチが悪いと評価されている。

【参考記事】

 

 この参考記事では  https://bunshun.jp/articles/-/40856?page=3 から,つぎの段落をつぎに引用しておく。

 

 天井の2つのスピーカーから総理の声が……。「空席が出るのは傍聴して理解できた。『傍聴部屋の撮影は禁止』『ニュースの配信は終了後』と規制だらけ。映像はなく,天井の2つのスピーカーから菅の声が流れてくる。校内放送で教頭の話を聞かされているようだ」『日刊ゲンダイ』2020年10月12日付。

 

 スピーカーから菅首相の声が流れてくる! それをじっと聞く多くの記者たち! 王様みたいだ。『日刊ゲンダイ』は『エセ会見 仏特派員も激怒「あり得ない閉鎖性」』と書いたが,いや,これはフランスの特派員だけでなく日本の記者も声をあげなきゃダメだろう。

 

 菅首相は答弁やトーク力を不安視されている。NHKの国谷裕子キャスターに生放送でツッコまれたら菅サイドが激怒して本番後にクレームがきたという「伝説」もある。

 

 菅氏はこれまでは裏回しとしてやってきたが,しかし自分も番組MCという主役になりたいと手をあげて首相になったのだ。それなら人前で堂々と喋らないと。そしてなにより報道する側は一国の首相をオープンな場で喋らせないと。

 

 首相官邸報道室がこのやり方を決めているというかもしれないが,SNSで記者たちが世界中に問題点を発信するなど打開策はいろいろあるはず。こんな王様みたいな謁見を続けていたら,海外からは日本のマスコミも含めて “裸の王様” にみえるに違いないのである。(引用終わり)

 

 などというよりは,間違いなく,スガは王様を演じている。それゆえ,ただその裸を他者にはみせたくないだけのこと,というふうに解釈しておけばいい。

 

 「余  話」

 この話題は,自衛隊の軍兵士たちは旧軍とそれほど変わらぬ日常生活を強いられている点について,ほんのつまみ食い的に触れてみる。

    ★ 元陸上自衛隊の俺が内部の実態について語ろうと思う 元陸自隊員の体験談 ★
       =『togetter』2020年2月23日,https://togetter.com/li/1472350

 上記「住所:リンク」の記述内容から,上方に記入されている項目から適当な段落までを,切り張りしつつ紹介する。日付は,2019年12月28日。

 a) 最近中東派遣で話題になっているので,元陸上自衛隊員の俺が内部の実態について語ろうと思う。まず自衛隊についてだが,ぶっちゃけ「軍隊」である。人を助ける「災害救助」が仕事ではなく,人を殺す「戦争」が仕事である。コレは前期教育隊でみっちりと「教育」される。

 さらには君たち「国民」を守る為に戦うのではなくて,「国体」を守る為に命を賭ける点も強調される。政治を守るのであって,国民はそのつぎだ。「守りたい人がいる」。アレは広報の大ウソだ。

 b) 軍隊なので縦社会。上が「黒」といえば「黒」の世界。年齢ではなく,自衛隊で食ってきたメシの数で序列が決まる。先輩は神,後輩は奴隷。一言でいえば最悪な体育会系のノリだ。

 補注)大昔,旧大日本帝国の軍人たちにおいては,とくに下級兵士たちの慣習というかしきたりとして,こういうものがあった。

 バッジの星の数が示す階級よりも,メンコ(飯)で食事を重ねた軍隊生活の長さ(年数)が幅を利かせるというそれがあって,上級兵士といえども古参兵には頭が上がらないという意味をもっていた。 

【参考画像】

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 当然,パワハラは日常茶飯事。ベテランからいわせると「パワハラ」ではなく「指導」らしい。

   殴るのも「指導」
   怒鳴りつけるのも「指導」
   長時間残業させるのも「指導」
   飲み会に強制参加させるのも「指導」
   休日に外出禁止にして駐屯地に拘束するのも「指導」

 便利な言葉だ,「指導」って。パワハラ相談窓口もあるが,俺のいた部隊の場合,パワハラの「犯人」が「パワハラ相談員」だった。ものすごくタチの悪い冗談だと思った。

 c) 衣食住はタダといわれているが,実は違う。衣→官品はもらえるけど,全然足りないので結局PX(売店)で買う。食→実は給料から天引きされてる。住→家賃はかからないが,電気代取られる。

 あと,演習の出費が痛い。ベッド,コンテナボックス,リュック,手袋,防寒着,工具などなど…。さらにはジップロックは大量に消費するので大人買い。普通に数万円飛ぶ。前はケツ拭く紙まで有料だった。

 d) さらには中隊費,宴会代,旅行費,無理矢理加入させられる保険の出費が毎月ある。はっきりいって「搾取」である。 ちなみに保険に加入させられるが,この保険。戦争と災害は対象外。

 なんでそれなのに無理やり加入させるかというと,この保険会社は自衛隊OBの就職先だからだ。大人の事情絡みまくりなので,一般隊員が諦めて加入するまで普通に嫌がらせを受ける。俺も受けた。

 e) 陸自隊員の1日

    6:00  起床,点呼
    ↓
    7:20  中隊へ出勤し雑用をこなす
    ↓
    7:40  間稽古(筋トレ等の謎の時間)
    ↓
    8:15  国旗掲揚

    ※ ここ(  ↑  )まで無給

      掃除,草刈り,整備,訓練など

    17:00  国旗降下

    ※ ここ(  ↓  )から給料出ない

    17:15  陸曹の仕事の手伝いなどの雑用
    ↓
    19:00  幹部室清掃
    ↓
    19:30  営内へ
    ↓
    23:00  就寝

 f) 自衛隊は残業代がつかないので,ぶっちゃけブラック企業みたいなものである。法的にはみなし残業になって払われていることになっているが…。それで総支給20万以下は酷すぎる。国がそれを認めているだけにタチが悪い。

 g) 一番厄介なのは演習時。演習時は睡眠時間3時間も取れればいい方。酷い時はそれが2週間続いたりする。居眠り運転続出だし,普通に事故る。演習場で車両や戦車がひっくり返ったりはよくある話。(話題はまだまだ続くが,ここでお終い)

 旧大日本帝国の軍人たち(下級兵士たち)がとくに唄ったあるはやり歌には,こういう「1番」の文句があった。もしかすると,21世紀の日本国自衛隊員兵士たちをかこむ実体の核心は,質的にはそれほど進歩していないのか?

 いやじゃありませんか軍隊は カネのおわんに竹のはし 仏さまでもあるまいに 一ぜん飯とは情なや  ……

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