菅 義偉は首相である自分には「説明できること」と「説明できないこと」とがあるといいはっている,だが,本当は「説明する気がない逃げ腰の意思」と「説明できる能力がもともとないこと」とが「ともに同居している」に過ぎない

 本日〔2020年11月5日〕朝日新聞』朝刊の12面「オピニオン」欄が,菅 義偉君をおちょくっている が,首相はこの諧謔くらいは,よーく理解できるはず。

 ※-1 「〈かたえくぼ〉答弁」⇒『自助でやってよ……国民』(大牟田・はぜくち)

 

 ※-2 「朝日川柳,西木空人選」から首相関係の3句を紹介

   ☆-1  もう少し   顔を上げてよ   菅首相(福岡県,吉原鐵志)

   ☆-2  「自助」の人 「メモを早く」と   目が泳ぎ(宮城県,大塚正宸)

   ☆-3  「問題ない」  口まででかかる   科白(せりふ)かな(東京都,富山茂雄)

 

  要点・1 この日本は全体主義の政治体制に向かっており,警察などが国民たちを監視,統制し,抑圧・管理する国家になりつつある

  要点・2 オーウェル『1984年』をもちだすまでもないが,菅 義偉も「後世の歴史」には,安倍晋三と並んでこの国において悪政を成就しえた総理大臣と記録される予定

 

 「政府があらゆる記録を残すのは当然」 菅首相の新書から消えた言葉の重み(2020年10月21日 配信『毎日新聞』)などから

 菅 義偉はスガーリン的な専制的・独裁主義志向になる,すなわち,官邸警察官僚を手先にした特高警察的な為政を必死になって展開している。自分が破壊する(粉砕し撃墜する)目的に据えた標的に対しては,徹底的にあら探しをし,恫喝・脅迫の材料に料理することが得意であった。しかし,いざ自分の立場がその逆の関係性のなかに放りこまれると,必らずしも「攻撃は最大の防御なり」という原則は有効になりえていなかった。

 菅 義偉が官房長官時代に磨きをかけてきた警察監視国家体制の強化・充実は,どこまでも自分から攻撃をくわえ,破砕してしまおうとする相手に対して活かされるべきものであって,まさか自分の立場に跳ね返ってくる,ブーメラン効果が発生するなどとは,わずかも「想定していなかった」と思われる節があった。

  

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 菅 義偉『官僚を動かせ 政治家の覚悟』文藝春秋企画出版,2012年3月は,自民党がまだ野党であった時期に,菅が公刊した自著であった。そして,本書の実質的な増刷になって2020年10月に,体裁だけは四六判を新書版に変更して再度発売されたさい(首相になったのは9月16日),その内容に見逃せない加工(訂正や修正ではなく変更)がなされていた。

 すでに有名な話題であるので,世間においては周知の事実となっているところだが,その問題「点」をとりあげた報道をまず,引用しておきたい。

 1)「『政府があらゆる記録を残すのは当然』 菅首相の新書から消えた言葉の重み」『毎日新聞』2020年10月21日 10時00分,最終更新 10月21日 11時10分,https://mainichi.jp/articles/20201020/k00/00m/010/342000c

 菅 義偉首相が2012年に刊行した本を改訂した『政治家の覚悟』(文春新書)が〔2020年10月〕20日に発売されたが,もとの本にあった「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」などと書かれた章が削除されていた。

 菅氏はいうまでもなく安倍政権の官房長官として公文書の改ざんや隠蔽問題の渦中におり,これまでもたびたび引用されてきた一文だった。出版社は「編集上の理由」と説明するが,ネット上では「自分の言葉も改ざんするのか」などと批判が広がっている。どんな言葉だったのか,あらためて振り返る。

 菅氏は,自民党が野党だった2012年3月に刊行した著書『政治家の覚悟  官僚を動かせ』(文芸春秋企画出版部)のなかで,旧民主党政権が東日本大震災の時に十分に議事録を残していなかったことを批判〔していた〕。〔そしてつぎのようにまっとうな批判を繰り出していた〕。

 「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で,議事録はもっとも基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為であり,歴史的な危機に対処していることへの民主党政権の意識の薄さ,国家を運営しているという責任感のなさが如実に現れています」

 と,公文書管理の重要性を強調していた。

 しかし,安倍政権では森友・加計学園桜を見る会で公文書の改ざんや隠蔽,桜を見る会でも不自然な廃棄が発覚。新型コロナウイルス対策をめぐっても政府の会議の詳細な議事録を残していないことなどが批判されてきた。

 菅氏の旧著〔2012年〕での一連の言葉は,そうした状況のなかでたびたび引用されてきた経緯がある。官房長官記者会見でのやりとりも大きな話題になった。

 加計学園の大学獣医学部新設をめぐる公文書管理が問題になっていた2017年8月8日,朝日新聞の記者がその部分を読み上げ,「この発言を〔菅 義偉官房長官は〕おこなっていた,本に記されていたのはどなたか,ご存じでしょうか」と尋ねると,菅氏は「しりません」といったのだ。自身の……。(後略)

 2)「菅首相本『議事録残せ』削除  官僚支配は自慢  改訂版出版」『しんぶん赤旗』2020年10月21日,https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-21/2020102101_04_1.html

 菅 義偉首相の著書『政治家の覚悟』(文春新書)が〔10月〕20日,緊急出版されました。同書は2012年に文芸春秋から出した単行本の改訂版ですが,単行本で政府の会議録を残すことの重要性を強調していた章が,改訂版では削除されていることが分かりました。その一方で,人事権は「伝家の宝刀」だと強調し,霞が関への影響を強めたとの自慢はそのまま。政府に不都合な情報を国民の目から隠し,官僚への強権支配を強める政権の危険な性質をあらわにしています。

 

 単行本では東日本大震災当時の民主党政権の対応について,「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で,議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」だなどと批判していました。

 

 しかし,菅氏が官房長官を務めた安倍政権のもとでは,森友疑惑や桜を見る会疑惑で多くの公文書が廃棄,改ざんされ,新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議の議事録をつくらなかったことが批判されました。

 

 他方,「伝家の宝刀  人事権」の章は丸ごと残しています。「人事権は大臣に与えられた大きな権限です …  効果的に使えば,組織を引き締めて一体感を高めることができます」とし,NHK「改革」で総務省の担当課長を更迭したことなどを自慢。「とりわけ官僚は『人事』に敏感で,そこから大臣の意思を鋭く察知します」と,官僚の “忖度” を引き出すことを意図するような記述をしています。

 といったふうな,とても調子のいいだけの,つまりご都合主義によって自著を改ざん的に増刷した発行の仕方は,いってみれば「頭隠して尻隠さず」の典型例になっていた。なんともみっともない,権力者の立場に居る者であれば,その種の傲岸さ・専横さをムキだしにしても,文句などいわれる筋合いはない(「いわせないぞ」)とでも思いあがった態度を,あからさまに露出させていた。
 
 菅 義偉のそうした高慢ちき一辺倒である「首相としての基本姿勢」は,自著のなかにもあざやかに反映されていた。つまり,完全に自家撞着する「前後した発言内容」が,10月末日の時点であらためて批判されていた。つぎの 3) の発言主(執筆者)についてはさきに紹介してから,本文を引用する。

※人物紹介※ 南 彰(みなみ・あきら)は1979年生まれ,2002年,朝日新聞社に入社,仙台,千葉総局などを経て,2008年から東京政治部・大阪社会部で政治取材を担当。2018年9月から2020年9月まで全国の新聞・通信社の労働組合でつくる新聞労連に出向し,委員長を務めた。

 

 現在,政治部に復帰し,国会担当キャップを務める。著書に『報道事変 なぜこの国では自由に質問できなくなったのか』『政治部不信 権力とメディアの関係を問い直す』(朝日新書),共著に『安倍政治100のファクトチェック』『ルポ橋下徹』『権力の「背信」「森友・加計学園問題」スクープの現場』など。

 

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【参考記事】

 

 「いま,菅さんに聞いてみたいこと 10年前,自民議員が鳩山首相に鳴らした警鐘【 #金曜日の永田町 】」『YAHOO!JAPAN ニュース』2020/10/31 (土)  7:00 配信,https://news.yahoo.co.jp/articles/a551a1cde0c95a33ef0dcc9d863696b1f4173b31?page=2(withnews)

 ☆-1 菅さんは素っ気なく「しりません」

 ところで,今〔10〕月,菅さんの著書『政治家の覚悟』の復刻版が発売され,話題になりました。私は,2012年発売のオリジナル版のほうを愛読していました(いまや,ネット上で数万円の値段がついて,入手も困難ですが … )。たとえば,東日本大震災発生時の政府の会議で議事録を残されていなかった問題に触れた下りがあります。

 「千年に一度という大災害に対して政府がどう考え,いかに対応したかを検証し,教訓をうるために,政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で,議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為であり,歴史的な危機に対処していることへの民主党政権の意識の薄さ,国家を運営しているという責任感のなさが如実に現われています」。

 安倍政権が森友・加計学園をめぐる疑惑で,「記録にない」「記憶にない」という苦しい弁明を重ねていたころ,私〔南〕は官房長官だった菅さんにこの一節を思い出して欲しいと思い,尋ねたことがあります。2017年8月8日の記者会見でのことです。

 「歴代の政治家は歴史の検証に耐えられるように,公文書の管理に力を入れてきた。ある政治家は『政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で,議事録はもっとも基本的な資料。その作成を怠ったことは国民への背信行為』と記している。そのことを本に記していた政治家は誰か分かりますか」。

 ところが,菅さんは素っ気なく「しりません」と回答。私は「官房長官の著作に書かれている。2012年に記したその見解と,いま政府で現状起きていることを照らしあわせて,忸怩たる思いはないのですか」と指摘しました。

 ☆-2 いま,菅さんに聞いてみたいこと

 そんな菅さんに,いま,聞いてみたいことがあります。「『党内から異論や批判の声がほとんど出ていない,説明責任を果たしていない』。こう警鐘を鳴らしていた政治家はどなたかご存じでしょうか」。

 こんどはしらないといわれないでしょう。それは菅さん〔だから〕です。

 衆参両院の本会議場での代表質問が終わり,週明けの月曜日(11月2日)からは,いよいよ菅さんが首相として初めてとなる予算委員会が始まります。一問一答形式で丁々発止のやりとりになるので,答弁者も質問者も,その真価が問われます。

 補注)今日は10月5日であり,冒頭出紹介した川柳などに表現されているように,すでに,庶民の側からは菅 義偉への皮肉が投じられていた。

 いま,学術会議の任命拒否問題をめぐって,かつての国会答弁との政府の説明が食い違う事態が起きています。国民の代表が集まる国会でのやりとりが刻まれた議事録は,先人たちの議論をいまに生かし,将来世代へその確認事項を引き渡していくための大切な記録です。

 国会に面した記者会館で作業しながら,その議事録の重みに値する誠実な議論を期待しています。

付記)《来週の永田町》の国会日程予定

   11月2日(月)・4日(水衆院予算委員会菅首相が出席し,与野党の代表と質疑

     5日(木)・6日(金参院予算委員会菅首相が出席。

 

 「〈社説・コラム〉《時代ななめ読み》ある政治記者の現場復帰」西日本新聞』オピニオン面,永田 健稿,2020/9/20 11:00,2020/9/28 15:04 更新,https://www.nishinippon.co.jp/item/n/646719/

  ※ 永田 健の時代ななめ読み ※

 a) 菅 義偉氏が第99代の首相に就任した。メディアはたたき上げとかパンケーキ好きとか,ご祝儀相場的な報道に余念がないが,私の印象に残る菅氏のエピソードは以下のようなものだ。

 菅氏は第2次安倍晋三政権で官房長官を務めた。官房長官は内閣のスポークスマンとして毎日記者会見をおこなう。2017年8月8日の会見では,森友,加計学園問題で「記録にない」を繰り返す安倍政権の姿勢に関する質問がなされた。そのさいのやりとりである。

 記者「ある政治家が『政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で,議事録とはその最も基本的な資料。その作成を怠ったことは国民への背信行為だ』とおっしゃっている。その発言を本に記されていたのはどなたか,ご存じですか」。

 

 官房長官(そっけなく)しりません」。

 

 記者「官房長官の著作に書かれているんですが」。

 政治家がみずからの発言に対していかに無責任であるか,これほど瞬時に浮き彫りにしたやりとりも珍しい。菅氏はその場では平静を装ったが,しばらくは番記者の取材にも応じないほど激怒したとされる。

 補注)菅 義偉がそのさい「激怒したとされ〔てい〕る」という経緯があったわけだが,菅(スガーリンとの愛称〔ないしは尊師的な敬称?〕あり)が,事後,どのような対応をしてきたかはすでに,庶民の側もしっている。

 b) 戦前・戦中風にいえば,特高憲兵隊のやり方に似た巻き返しがあった。以前なされていた件が,前川喜平文科相次官に対する国家権力を行使した悪質な嫌がらせ,それも官邸付きの補佐官たちの指揮のもと,内閣情報調査室がそのガセネタを提供して『読売新聞』(ゴミウリ新聞社)の幹部記者にかかせた “デッチ上げ記事” は,その代表的な事例であった。

 朝日新聞社の記者:南 彰が首相になる菅 義偉に対して,著作における「自説隠蔽」「工作(みえみえのそれだったが)」を指摘したところ,菅のほうが「激怒したとされる」点は,第3者の立場から観て笑止千万。

 他者のあら探しは必死になって,それも権力機関(内閣情報調査室)を足場にして,つまり圧倒的に有利な立場から嵩にかけてやってきた人物が,自分のデタラメ(著書内容の改ざん)を記者に質問・指摘されるや,これには一気に,瞬間湯沸かしのように「激怒」(した!)というのでは,笑い話にもならない。実に身勝手で呆れた反応だと軽侮される。

 菅 義偉は,安倍晋三における場合と比較していうが,こちらの首相は本当に覚えていないのかもしれないと思わせるほど,国会における発言・応答に関する記憶の程度が,完全かつ高度に支離滅裂さを堅持しつづけてきたように映っていた。だが,菅の場合となるとまだ,自著のなかに書いてあった1節〔を増刷版のなかで削除・抹消した件〕については,記者に指摘されてすぐに「激怒する(できる)」くらいの記憶力は保持していた。

 それにしてもその「激怒」の件は,ひたすら身勝手な反応であった。出版元が気を利かせて問題の箇所を削除してくれたのかどうか,著者自身にその旨連絡があったはずだと思う。そう解釈するのがごく常識的な判断である。

 c)「余  論」 本ブログ筆者は昔,某なんとか◯◯社という出版元からある専門書を公刊したとき,こういう体験をしていた。

 担当の編集者が「まえがきで,1箇所,ある文句」を,著者である「私」に断わりもなく入れてあった。また本文のほうでは,1箇所でほぼ1行足らずぐらいではあったものの,こちらへその旨を教えてくれることもないまま,勝手に削除していた。

 

 その担当者は「私:著者」のほうでは,その操作が分かるまい(気づかないに違いない)というズルをして,そのように手をくわえていた。だが,「私」は,実際に完成して発刊された当該の本を手に取り,開いてみて,すぐにその点は気づいていた。ところが「彼は,私がそのような手入れをした事実には気づかないはずだ」と,高をくくっていた。おかげで,よくない思い出ができた。

 

 本の出版をしたことがある人は分かると思うが,校正の段階で使われるゲラ刷り(修正を赤筆で記入する制作途中の本の全頁を印刷したもの)というものがあり,前段の出版社は,そのゲラを筆者の元にはいっさい残さず回収しておく形式を採っていたので,こちら(筆者:私)にはそうした操作は,多分,バレないものだ判断していたと思われる。しかし,けっしてそうはなっていなかった。

 以上,話がわき道にそれた。

〔記事に戻る  ↓  〕

 d) この質問をしたのは朝日新聞の南 彰記者(41歳)。前述のやりとりを読めばあら探しの好きな嫌なやつ,との印象をもつかもしれないが,会えば人柄の良さが伝わってくる,周囲の信望も厚かろう,とすぐ分かる(つまりこのコラムの筆者とはまるで違う)人物だ。

 南さんは2018年秋から政治取材の現場から離れていた。干されていたわけではなく,新聞労連(各新聞社の労働組合が加盟する産別組合)の中央執行委員長として出向していたのだ。日本マスコミ文化情報労組会議の議長も兼任し,安倍政権下で進むメディア分断や記者会見形骸化の危うさについて積極的に発信した。

 その南さんが9月,菅政権発足とタイミングを合わせたかのように,政治部記者として現場に復帰した。なんでも本人は若手のポストである総理番を希望したらしいが,国会取材を仕切る国会キャップに落ち着いた。こんどは国会内の記者席から菅氏の発言をチェックすることになる。

 権力者は自分の都合のいいことを報じるメディアを重用し,批判するメディアを遠ざける。遠ざけられると権力中枢の情報が入らないので,どうしても政治部記者は権力者の顔色をみて動くようになりがちだ。

 e) 安倍政権はメディアを選別することで報道のコントロールを図った。菅氏もその中心人物だ。都合の悪い質問は「まったく問題はない」「指摘は当たらない」と理由も示さず切り捨てるのが「菅流会見術」である。

 現場に戻った南さんに「政治部記者なんですよね?  大丈夫?」と余計な心配を告げると,南さんは「政局ばかり追うと相手に取りこまれる。政局だけではなく国会論議の中身を掘り下げ,ファクトチェック(発言の内容が事実かどうかチェックすること)をして,問題を提起していきたい。これからの政治報道に求められるのはそこだと思うんですよね」と語る。

 安倍「1強」政権下,巧妙かつ露骨にメディア統制を図る官邸の圧力に報道機関は押しこまれてきた。どこまで押し返せるか。攻防は次のラウンドに入った。(特別論説委員・永田 健)(引用終わり)

 この西日本新聞特別論説委員の書いた記事は2020年9月20日に書かれており,菅 義偉が首相になったすぐあとの執筆であった。菅は自分の〈御意〉にそぐわない記者たちの指摘(批判になるものや都合の悪い質問)には,いっさいまともに答えないで,「まったく問題はない」「指摘は当たらない」と,その理由もまともに示さず切り捨てるのを「得意の会見術」にしてきた。ところが,自著内にしこまれていた「完璧なる矛盾点」をのちに削除していた事実そのものは,そう簡単には隠蔽できなかった。

 菅 義偉は,記者会見の場を介して南 彰がその点を指摘したことを,八つ当たり的に「激怒したとされる」というのだから,これほど身勝手な「日本国総理大臣」もいない。自著に関する「今回の矛盾の発生」についてだけはさすがに,「まったく問題はない」「指摘は当たらない」とはいえず,ひたすら頭を抱えていたにちがいあるまい。菅が激怒する相手は,ほかならぬ自分自身であった。

 

 東京新聞』や『読売新聞』などが報道した「菅 義偉的に基本から矛盾する問題」-前後して噛みあわない発言の露呈,とりつくろえない論理の破綻,激怒する前に自分の至らなさを反省することとも無縁のデタラメ総理大臣のもとで,今後におけるこの日本国の運営は大丈夫か-

 1)「麻生氏『引退考えてない』 辻元氏の世襲批判が飛び火」『東京新聞』2020年11月4日 21時41分(共同通信),https://www.tokyo-np.co.jp/article/66384?rct=politics

 〔11月〕4日の衆院予算委員会で,選挙地盤を親族から引きつぐ「世襲」をめぐり,立憲民主党辻元清美副代表が菅義偉首相を追及した。「以前に菅氏は世襲を許せば自民党は死ぬといっていた」と迫り,議論は隣席の麻生太郎副総理兼財務相にも飛び火。息子を後継者にしたいか問われた麻生氏は「まだ引退は考えていない」とし,明言を避けた。

 首相は世襲候補であっても自動的に公認するのではなく,事前の党員投票を実施していると釈明したが,辻元氏は「首相はそれも批判していた」(※)と変節ぶりを非難した。

 麻生太郎が,

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 以上の『東京新聞』の報道は『読売新聞』になると,つぎのように記事を書いていたが,どこがどのように異なるかもよく吟味してみる余地もありそうである。(※)のように『東京新聞』が報じた点は,『読売新聞』のほうではあまり伝わってこない。

 2)「麻生副総理『まだ引退考えてない』,議場沸く一幕…辻元氏が突然の質問」『読売新聞 オンライン』2020/11/04 22:22,https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201104-OYT1T50214/

 「まだ引退することは考えてないから」。4日の衆院予算委員会で,80歳の麻生副総理兼財務相から早くも「現役続行」宣言が飛び出し,議場が沸く一幕があった。国会議員の世襲の是非をただした立憲民主党辻元清美氏への答弁。

 辻元氏は,菅首相がかつて世襲について問題提起したことを取り上げ,「世襲問題は自民党のタブー。そこに首相は斬りこんだ」ともちあげた。辻元氏は突然,麻生氏に矛先を向け「勇退したら息子さんを出したいか」と質問した。衆院選は任期満了の来〔2021〕年10月までにおこなわれる。(引用終わり)

 いずれにしても,国会のなかで菅 義偉君にあっては,首相としてまともに受け答えするための基礎的な能力・知力を備えていない事実は,明白になっていた。わけても,菅が世襲議員の問題について以前,問題ありだと議論していた事実は,自民党議員にこそ世襲議員が一番多い事実に照らしてみても,まさにやぶ蛇そのものであった。そこでつぎに,そのようにやぶ蛇だと解釈できる理由・根拠を説明してみたい。

 

  世襲議員が国政を壟断している現状の日本という国家体制は欠陥そのものである-菅 義偉君はいいところを突いてくれたが,根本的な改革はできそうにない-

   ◆ 日本の政治を劣化させた根源は「世襲議員」にあり!〈村上正邦氏〉◆
    =『HARBOR BUSINESS Online』2019.06.24,https://hbol.jp/195285/2

 

  世襲議員が日本を滅ぼす ※

 戦後ほぼ一貫して政権を握ってきた自民党は,いつの間にか安倍晋三総理,麻生太郎副総理兼財務相はじめ,世襲議員の比率が異常に高くなっています。

 

 村上正邦  安倍,麻生の2人はもちろん,総裁選を戦った石破 茂や政調会長岸田文雄,外相の河野太郎,若手の小泉進次郎,女性首相候補の1人である小渕優子など,みな世襲議員です。小泉純一郎以降の総理は,安倍,福田康夫,麻生とすべて世襲政治家。大名の子は大名,百姓の子は百姓だった世襲制度の江戸時代に戻ってしまったようだ。

 

 2年前に総選挙があったが,小選挙区で当選した自民党議員218人のうち世襲議員は72人で全体の33%を占めた。つまり,3分の1の自民党議員が世襲政治家というわけだ。世界広しといえども,これほど世襲議員が蔓延っているのは日本だけですよ。

 

 世襲議員は親から地盤・看板・カバンを引きつぐ。徒手空拳で選挙に挑もうとする志ある青年にとって,世襲議員は巨大な壁です。

 

 明治維新が成功したのは,挑戦精神に富んだ,優秀な下級武士が改革の先頭に立ったからです。彼らは世襲制度を崩し,野にあった優れた人材を積極的に登用しました。これからの日本には解決すべき課題が山積しています。新しい時代を切り拓くために,自民党世襲政治を打破する覚悟をしなければならない,私はそう確信しています。

 

 私は若いころ,炭鉱で働きながら夜間高校で学び,組合運動にも力を注ぎました。劣悪な職場で働く仲間の安全を確保するための環境整備,そして生活向上をめざし,書記長選挙に立候補したことがあります。

 

 政治の恩恵は,恵まれない者,陽の当たらない者にこそ注がれるべきだと考えていました。乳母日傘の世襲議員には,こうした人々への温かい眼差しが徹底して欠けています。そうした意味でも,世襲議員が大手を振っている現状を変える必要を痛感します。 

 「【出口治明との質疑応答 15】 なぜ,日本だけ,世界でも突出して世襲議員が多いのか?」『DIAMOND online』2019.11.15 3:30,https://diamond.jp/articles/-/215786

 なお出口治明は,立命館アジア太平洋大学(APU)学長である。

 出口  前回,最後にちょこっと触れた投票率について話しましょう。どこの国でも既得権をもっている人が20%前後はいるそうです。今〔2019〕年の参議院議員選挙での政権与党の絶対得票率が17%ですから近い数字ですね。

 

 既得権をもっている人や,補助金をもらっている人が投票にいくのは,なんとなく分かりますね?

 

 分かりやすくいえば,既得権のある人はみんなで後援会をつくって投票にいく。政権が続いたほうが自分たちに有利ですから。そういう人たちがどこの社会でも20%くらいいる。

 

 a) 投票率が50%前後と仮定します。あなたが政治を変えようと思って立候補しても,既得権をもっている人たちはあなたに投票してくれません。彼らの代表者に投票します。

 

 つまり,あなたの対抗馬は既得権をもっている人の代表で多くは現職です。投票率が50%前後ということは,20%は黙っていても投票してくれるわけですから,現職の人はあと何人とれば選挙に通りますか? 5人ですね。

 

 あなたは何人とらないといけない? 25人ですね。ということは,5人対25人は何倍? 5倍ですね。あの短い選挙期間に5倍も得票できますか? ということは冷静に考えたら誰も立候補しないでしょう。

 

 b) 投票率が80%になったらどうなりますか? これは先進国レベルの投票率です。既得権をもっている人は何人とらないといけない? 20人ですね。

 

 投票率が80%になれば。20+20=40。あなたは40人とらないといけない。しかし,40と20なら2倍。2倍くらいだったら,自分は若いし,イケメンだから通るかもしれないと思えば,選挙に出ますよね。

 

 だから投票率が低いとなにが起こるかといえば,新しい血が政治の世界に入らず,世襲議員ばかりになってしまうのです。現にわが国の政治家の5割以上が世襲議員だといわれています。

 

 これほど世襲議員の多い国は世界中で日本だけのようです。ほとんどの先進国は,たとえばG7でみると,国会議員のなかでの世襲議員の割合は1割以下だといわれています。

 

 だから,なぜわが国の社会が変わりにくいかといえば,投票率という数字できれいに説明できる。一般論でいえば,既得権をもつ後援会に推されて当選した人が既得権を壊すことはできません。

 

 どこの国であれ現在の政権与党にとって一番都合がいいのは,選挙ってアホらしい,政治家ってロクなもんじゃないと国民に思わせることなのです。そうしたら誰も投票にいかない。投票率が下がれば下がるほど,既得権者,つまり後援会に推された候補者が当選しやすくなる。

 

 だから昔,ある総理大臣経験者〔あの森 喜朗君だった〕が,「若い人は投票なんかいかなくていい。家で寝てくれ」といったのは,とんでもない暴言だといわれましたけれど,それは違うのです。本音を正直にいっただけなのです。

 

 だから,構造的に考えたら,社会が変わりにくい原因も数字できれいに説明ができるのです。

  だから菅 義偉君は,こちらの世襲問題にかぎっては,たいそうよいことを述べていた。その理由・根拠は,以上のように村上正邦出口治明が分かりやすく説明してくれていた。しかし,菅 義偉君は,自民党内政治の「内輪倫理」的な話題としてならば,わざわざいわなくもいい事実そのものをとりあげ,批判までくわえていた。この点は失敗(失点)であった。政権内における現世的な利益で考えれば,確かにそうだとしかいいようがないからである。

 ということで,菅 義偉君は,なにかにつけては「説明できること」と「説明できないこと」とがあるとかいいはり,しかも「説明するも・しないもない」そのまた以前におけるド・ヘリクツだけを,強引に開陳するに留まっていた。

 総理大臣になってもまだ,官房長官時代の詭弁にもなりえない駄弁ばかりをを他者(国民たちのこと)に向けて,いい放つ菅 義偉君である。それでも,まだまともに「説明できること」(=批判すべきこと)であった「自民党(など)の世襲問題」を,過去において下手(適切に?)にもちだしていた発言が,まさか,いまごろになって荷重な負担に転換していた。

 3)「菅首相,予算委デビュー『押されちゃった』」の声 学術会議問題でメモや耳打ちたびたび」『東京新聞』2020年11月2日 22時09分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/65988

 菅 義偉首相は〔11月〕2日,就任後初めて予算委の審議に臨んだ。用意した答弁書を読み上げる本会議の代表質問とは異なり,1問1答形式。野党との質疑では,すぐに答えられなかったり,険しい表情を浮かべたりする場面があった。

 日本学術会議の会員任命拒否問題をめぐり,立憲民主党今井雅人氏は経緯や理由を説明するよう繰り返し追及。首相は「人事に関する答えは差し控える」などと,これまで同様の説明を重ねたが,秘書官からたびたびメモの差し入れや耳打ちを受けたり「先ほど申し上げたとおり」と短く切り上げたりした。野党席からは「操り人形か」「答弁拒否だ」など挑発的なヤジが飛んだ。

 ◆向いてない?◆  委員会は予告なしの質問が多く,実務型の首相は一対一の討論に向いていないとの見方もある。自民党からは「首相は誠心誠意の答弁に努めた」(野田聖子幹事長代行)との評価の一方で,「押されちゃっている」(閣僚経験者)と今後の論戦を不安視する声も漏れた。


 「任命義務否定の文書『説明なく,存在も知らぬ』 学術会議,山極前会長」朝日新聞』2020年11月5日朝刊1面

 日本学術会議会員の任命拒否問題で,除外された6人を推薦した前会長,山極寿一・京都大前総長がメールで取材に応じた。内閣府の学術会議事務局が2018年に作った「(首相に)推薦のとおりに任命すべき義務があるとまではいえない」などとする文書について,「みせられたことはないし,存在もしらなかった」と明かした。臨時国会では「まずは任命を拒否した理由について,杉田(和博官房)副長官に尋ねるべきでしょう」と指摘した。(▼3面=新たな判断基準←この記事は参照しない)

 日本学術会議法は会員は会議の「推薦に基づいて」首相が任命すると規定。210人の半数が3年に1度,秋に交代する。1983年の国会では「形だけの推薦制であり,学会から推薦された者は拒否しない」と政府側が答弁した。

 だが,事務局が内閣法制局に確認して作った2018年11月の文書は「(首相が)任命すべき会員の数を上回る候補者の推薦を求め,そのなかから任命するということも否定されない」などとしている。事務局は今〔2020〕年10月の野党ヒアリングで「担当者が事務局長まで話をして作成した」と説明。

 加藤勝信官房長官は今〔10〕月2日の衆院予算委員会で「事務局長が文書の内容を(山極氏に)口頭で報告したと聞いている」と述べた。一方,山極氏は「説明を受けた覚えはない」とし,会長への報告なしに文書が作られたことを「ありえないこと」と批判した。

 文書作成の約3カ月前の2018年8月には,欠員補充をめぐり,会議側が推す候補者案に首相官邸が難色を示し,補充が見送られた。山極氏は「事務局長を通じ(杉田氏に)なんども面会を申し出たし,任命できない理由を尋ねたが,『来る必要はないし,理由も答えない』という返事で,面会は実現しなかった」と振り返った。

 事務局は9月上旬から法制局に相談を始めた。事務局関係者は取材に,補充人事に対する官邸の難色が会議側への「実質的な圧力」になり,文書作成につながったとの見方を示した。会議側は今年,交代人数の105人を官邸に推薦し,6人の任命が拒まれた。山極氏はこの人事でも,杉田氏との面会を「つねに求めているが断わられている」とした。(引用終わり)

 さて,菅 義偉が「説明できないこと」にしていたる人物の1人が,官邸のなかでとぐろを巻いている1人,「警察官僚の杉田和博」であった。この人物は国民が選挙で選んだ政治家ではなく,官邸が重用している国家官僚であり,ふつうであればとうの昔に退任しているべき者である。民主主義体制を崩壊させている日本国の「首相官邸の一角(隅の石のひとつ)」を象徴する人物が,この杉田和博である。

 

  この国はすでに警察監視国家体制主導の菅 義偉政権になっている

 以下に,安藤健二・稿杉田和博官房副長官はどんな人? 日本学術会議の『6人排除』に関与と報道警察庁出身で危機管理のプロ。副長官としての在職日数は歴代2位」『HUFFPOST』2020年10月13日 19時28分,https://www.huffingtonpost.jp/entry/sugita_jp_5f856aa6c5b6e5c3200375a3 を引用する。

 科学者の代表機関「日本学術会議」が推薦した会員候補105人のうち6人を菅義偉首相が任命しなかった問題に,杉田和博官房副長官が関与したという報道が相次いでいる。杉田氏はどんな人物なのか調べてみた。

 補注)国会における菅 義偉の首相としての答弁は,この杉田和博に代弁させれば一番よく答えられる(?)はずである。それにしても,菅は杉田から関連する基本的な経緯・事情は十分に説明されているにもかかわらず,つまり「説明できないこと」ではないにもかかわらず,「説明できること」ではないと,一貫してゴマかしつづけている。それだけのことであり,だからかえって「ないもしらない」かのようにトボけつづけているほかない。

 1)「6人を選別」「首相に報告」と報道される

 菅首相は10月9日の報道各社インタビューで,会議側が提出した105人の推薦リストを「みていない」と発言。6人を除外した99人のリストをみただけだと説明した。6人の排除に関与しなかったかのようないいまわしだった。

 しかし,時事通信社は12日,関係者からの情報として「政府の事務方トップである杉田副長官が首相の決裁前に推薦リストから外す6人を選別。報告を受けた首相も名前を確認した」と報じた。

 つづけて共同通信社も同日,政府関係者からの情報として「杉田和博官房副長官内閣府の提案に基づき,任命できない人が複数いると,菅 義偉首相に口頭で報告していた」と報じた。

 これを受けて13日,立憲民主党枝野幸男代表は「誰が6人を推薦リストから外したのか。報道では,官房副長官の名前が出てきている。周囲がサポートするところまでは分かるが,菅総理大臣が判断しないで,ほかの人が判断したということであれば,そのことじたいの適法性が疑われる」と述べた。野党ヒアリングなどの場で,政府に説明を求める構えだ。

 2)  杉田和博氏とは?  警察庁出身で危機管理のプロ。副長官としての在職日数は歴代2位

 官邸公式サイトによると,杉田氏は1941年4月生まれの79歳。埼玉県出身で,1966年に東京大学法学部を卒業後,警察庁に入庁した。1982年の中曽根内閣では,同じく警察庁出身の後藤田正晴官房長官を「秘書官事務取扱」として出向して支えた。

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 その後は警察庁で出世し,鳥取県警察本部長,神奈川県警察本部長,警察庁警備局長を歴任。1997年の橋本内閣で,情報機関「内閣情報調査室」の室長に就任。2001年に小泉内閣では「内閣危機管理監」となり,2004年に退官するまで内閣の危機管理を担っていた。

 退官後は,シンクタンク「世界政経調査会」の会長を務めていたが,2012年12月の第2次安倍内閣発足に伴い内閣官房副長官に就任。菅内閣でも続投したことで,約8年間にわたって務めている。副長官としての在職日数は歴代2位。2017年からは中央省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局長も兼ねている。

 安倍内閣時の2017年7月13日,朝日新聞デジタルは,杉田氏についてつぎのように報じていた。

 杉田氏の執務室は官邸内で首相と同じフロアにあり,各省庁幹部が政策の説明や人事案の相談で頻繁に出入りする。歴代の事務副長官は旧自治省,旧厚生省の出身者が少なくないが,杉田氏は警察庁出身。情報収集を得意とする「警備畑」を長年歩んできた。その経験を生かして霞が関ににらみを利かせ,首相や菅氏の意向を踏まえて差配する。

 杉田氏はこれまでも,学術界の人事に介入しようとしてきたという報道もある。AERA dot. が10月4日に掲載したインタビュー記事で,元文部科学省事務次官前川喜平氏は,学術会議の問題について「菅政権で起こるべくして起こった」と指摘。つぎのように語っていた。

 私が事務次官だったとき,文化審議会文化功労者選考分科会の委員の候補者リストを官邸の杉田和博官房副長官のところにもっていきました。候補者は文化人や芸術家,学者などで,政治的な意見は関係なしに彼らの実績や専門性に着目して選びます。それにもかかわらず杉田さんは「安倍政権を批判したから」として,二人の候補者を変えろといってきました。これは異例の事態でした。

 日本の国内政治はいま,まともに機能していない。オーウェル流の『1984年』的にならば,確実につまり不善に機能してきた。ファシズムの国家体制に身半分はどっぷり漬かっている前首相が安倍晋三であり,いまの首相菅 義偉である。安倍晋三の為政は,杉田和博のような公安・警察官僚を使い,民主主義の基本機構を破壊してきた。菅 義偉もその路線を忠実に継承・発展・拡大させようとしている。

 そうした政治偏向の基本路線が,民主主義のあり方としてまともに「説明できること」などありえない。それゆえ,菅 義偉は,自分たちが説明したくないすべてについて「説明できないこと」とされていても,なんら「問題はない」,ひとつも「その批判は当たらない」としか答えない。これほど正直に “国家全体主義の方向性” を語るコトバはない。

 日本の民主主義はすでに満身創痍の病状を呈している,いまやその仕上げを菅 義偉が試みている段階にまで追いこまれている。学術会議新会員拒否の問題は,単にその一端に過ぎない。

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【参考記事】

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【2020年11月7日,追加分】

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