IOC会長バッハが来日して菅 義偉首相に会ったときの挨拶で,菅は握手を求めたが,これはコロナ禍の現状認識の甘さを露呈,だが,新聞紙などに写っている姿はその瞬間をとりあげない

 東京オリンピックは開催できるつもりでいるのか? IOC会長も,菅 義偉・森 喜朗・小池百合子も,である。事後の見通しは非常にきびしいはずだが,彼らは自組織・自国政府の利害のみを念頭に置くだけで,表面的にはおたがいにモチャモチャとやりあいながらも,あとは裏舞台で水面下的に駆け引き

  

  要点・1 コロナ禍の最中に五輪という国際大運動会を,まだ本当に開催する(できる)つもりでいるのか

  要点・2 オリンピックにかけられるお金(予算・経費)は,「感動詐欺」や「ブラック・ボランティア」からも搾取的に調達できているが,そのような財務を工夫する余地あるならば,その全体の予算は,いまの時期でもあり,コロナ禍にために費消されるべきもの,本末転倒の五輪ごっこに励むIOCとJOCならびに都知事・政府の関係者たち


 東京五輪開催へ,連携確認 IOC会長,首相と会談」朝日新聞』2020年11月17日朝刊1面

 菅 義偉首相は〔11月〕16日,国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と首相官邸で会談し,来夏に延期された東京五輪パラリンピックの開催実現に向けた連携を確認した。観客を受け入れる形での開催をめざすことでも一致した。(▼2面=思惑一致,12面=深めた自信)

 補注)「思惑一致」? それはそうである。しかし,それ以外にも双方の思惑が幾重にも絡みあってもいるゆえ,今後における推移のなかでのおたがいいの駆け引きが見物。

 会談は約30分間おこなわれた。冒頭,首相は大会開催を「人類がウイルスに打ち勝った証し」と位置づけ,「東日本大震災から復興しつつある姿を世界に発信する」と強調。「大会を実現する決意だ」と述べた。バッハ会長は「決意を共有する。われわれは日本側に立つ」と応じた。首相は観客の参加を想定して大会の準備を進める方針を伝え,バッハ会長も同調したという。

 補注)人類は,ウイルスとは否応なしに共存させられてきた長延なる歴史を経てきている。にもかかわらず,あいもかわらずこのように,東京オリンピックの開催ができれば「人類がウイルスに打ち勝った証し」になるなどと,本気で妄想できているとしたら,それこそ「伊達や酔狂」ではありえない “本物の狂気である” というほかない。

 ウイルスと人間は共存してたがいに生きてきたし,これかも同様にして生きていくほかない生物同士である。この点のなにを勘違いしたのか,完全に無知である政治屋が好き勝手に与太話をしている。菅 義偉も菅 義偉なら,バッハもバッハ。ちなみに,バッハ(Bach)と小川とか細流という意味のドイツ語。「真実は細部に宿る」というが,ここの話題には直接,なにも関係ないか……?

〔記事に戻る→〕 バッハ会長はこの日,東京都の小池百合子知事や大会組織委員会森喜朗会長らとも会談した。新型コロナのワクチンが開発された場合,選手たちが来日前に母国で予防接種を受けられるよう最大限努力する考えを示した。記者会見では,IOCとして接種費用を負担することを明言した。


 「(時時刻刻)来夏に五輪,思惑一致 IOC会長・菅首相朝日新聞』2020年11月17日朝刊2面

【NHKニュースの参考画像】

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    補注の 補注)以下の記述のなかでは,この世界全体におけるコロナ感染者数については,

         5400万人を超えたという情報源もある。すでに,今日〔11月17日〕あたりでは,                   5500万人を超えているかもしれない。

 

【これは引用中の記事から】

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【これは『日本経済新聞』から】

 最近,ぱっとしない小池百合子都知事のうれそうな顔つき。

 

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 新型コロナウイルスの感染が再び拡大するなか,国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が〔11月〕16日,菅 義偉首相らと会談した。来夏の東京五輪開催を強調する考えは,五輪を最大の政権浮揚策と位置づける現政権とも一致する。だが,国内外の第2波,第3波は深刻で,先行きは見通せないままだ。(▼1面参照)(以下につづく長文の記事は後略)

 東京オリンピックは1年中止・延期になっているが,それでもなんとか開催しないとまずい理由や事情が,バッハ側にも菅 義偉側にもあるのかもしれない。だが,単なる一時の花火大会みたいな国際大運動会を,パラリンピックまで含めて合計4週間分の日時を充てて開催したところで,はたして,人類の歴史においていま,深刻で重大な感染症となっている新型コロナウイルスの問題解決のために,なにか「益」になることがあるのか。

 オリンピックに費やす膨大な予算・人手・設備などが,仮にそれらのすべてを,コロナ禍対策のために融通できるのであれば,この日本だけでなくて,世界中の「人びとの健康と生命」を守るためによほど役立ちうる。

 菅 義偉は安倍晋三のいいぶんをオウム返しにして,東京オリンピックが開催できれば「人類がウイルスに打ち勝った証し」になるなどと,完全に見当違いの確信=妄信的な標語を,これからも「▼▲のひとつ覚え」のように復唱していくつもりか。

 そもそも「人類がウイルスに打ち勝った」ことなど,人類の歴史いおいてはありえなかったし,これからもありえない。関連する医学史の本を1冊でも読んでみるがいい。もっとも,日本語の読解力には相当程度に問題があり過ぎる彼に,読書の勧めはふさわしくないにしても,ひとまず,ともかくそのように力説しておきたい。

 つぎの ③ は,政権の私設応援団を自認する『産経新聞』(蔑称「惨軽新聞)でも,パンデミックと化した新型コロナウイルス感染拡大問題について,その今後(年末・年始に起こりそうな現象)についての予測を報道していたので,これを参照したい。

 

 「コロナ『第3波』ピークは1月前後か?  感染者3千~5千人規模も」産経新聞2020.11.13 18:45,https://www.sankei.com/life/news/201113/lif2011130037-n1.html

 新型コロナウイルスの全国の新規感染者が過去最多を更新し,第3波への突入が現実的となった。このままのペースで感染拡大が続けば,東京都だけで1日の感染者が1千人を超えるとの試算があり,全国的には3千人,5千人規模も危惧される。気温がもっとも下がる1月前後がピークになるとの見方もあり,第2波を上回る大きな波への警戒が求められる。

 全国の新規感染者は〔2020年11月〕12日に1660人。今〔11〕月5日以降ほぼ連日1千人を超えており,第2波のピークだった1597人(2020年8月7日)を一気に上回った。12日の東京都のモニタリング会議では,都内の直近7日間平均の感染者が前週の1.5倍ほどの244人となり,この増加ペースが続けば,1カ月後には1160人に上るとの試算が示された。

 補注)今年の8月7日といったら,遅かった梅雨明けのあとにすぐ,猛暑が襲ってきた時期であった。同日の最高気温 35.4度,最低気温 26.0度を記録していた。いうまでもないが,この8月7日は,東京オリンピックの開催が予定どおりであったならば,その期間中に当たっていた。盛夏の時期にも新型コロナウイルス感染拡大を経験してきたわけだが,今冬にもこのコロナ禍は必らず襲来する。

 関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は「第3波の定義はないが,新しい波が来ているのは間違いない。全国では1日3千人とか5千人規模の感染者は現実味がある」と指摘。政府は緊急事態宣言や「Go To」キャンペーンの縮小に後ろ向きだが,「なにも対策をしなければ1万人単位にもなりうる」とみる。

 補注)ここでは,「第3波の定義はないが,新しい波が来ている」と確言されている。ということは,さらに「第何波」が来るという表現では,必ずしもうまく捕捉できないコロナ禍がすでに進行しつつあるとの認識も示されている。その点に照らしても,まだ「緊急事態宣言や『Go To』キャンペーンの縮小に後ろ向き」な菅政権の対・コロナ禍対策の基本姿勢は,行政のありかたとしては “迷走状態” にあると判断されていい。換言すれば,実質的に政治指針が “錯乱的な状況” にハマっているなどという以前に,それじたいが “不在” である様相をみせている。

 感染拡大が一時的なもので収まらないであろうことは,1人の感染者がうつす平均人数を示す「実効再生産数」でも分かる。10月21日時点で中京圏 1.55,関西圏と東北 1.38,北海道 1.36,関東圏 .06で,軒並み「1」を大きく超える拡大傾向がみられる。

 「8,9月にもう少し減らしたかったが,だんだん減ってくると行動が緩む要素があり,十分減り切らなかった」。厚生労働省幹部はこう振り返る。この幹部によると,医療態勢に負荷がかかった状態でつぎの波を迎えたため,第2波より深刻に受けとめている専門家もいるという。

 第3波のピークはいつ訪れるのか。勝田氏は「気温との関係でいえば,1月ごろと考えるのが妥当。コロナウイルスは気温0度前後でもっとも活発化するといわれるが,寒くなるほど換気がおろそかになる。冬のほうが感染拡大要因があり,夏場だった第2波より大きな波になるだろう」と推測する。(引用終わり)


 「IOCバッハ会長『N95マスク』で菅首相グータッチ」livedoor' NEWS』2020年11月16日 13時9分,https://news.livedoor.com/article/detail/19229992/(元記事は『東スポ Web』)

 来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66歳)は〔11月〕16日,菅義偉首相(71歳)と首相官邸で会談し,来年夏に延期した東京五輪パラリンピック開催への方向性を確認した。

 会談の冒頭で菅首相は「人類がウイルスに打ち勝った証し,東日本大震災から復興しつつある姿を世界に発信する復興五輪・パラリンピックとして来年の東京大会の開催を実現する決意である」,バッハ会長は「五輪の聖火はトンネルの先の明かりになる」と話した。会談を終えた菅首相は「きわめて有意義なやりとりができた」と満足げに語った。

 補注)この記事の内容は具体的にはなにも語っていない。この時期にもなって,なお「来年の東京大会の開催を実現する決意」が語られたり,「五輪の聖火はトンネルの先の明かりになる」から,バッハと菅 義偉のあいだで「東京オリンピックの開催という話題について,きわめて有意義なやりとりができた」といわれても,なんのことやら,さっぱり理解できない。

 その「決意」が「きわめて有意義」であったとしても,東京オリンピックの開催そのものが,「東日本大震災から復興しつつある姿を世界に発信する復興五輪・パラリンピック」になりえ,くわえて〔ついでに?〕「人類がウイルスに打ち勝った証し」ともなりえるという〈信念というか勝手な思いこみ〉は,脳天気も度が過ぎていた。

 菅 義偉君の場合,東京オリンピックの開催「問題は,日本学術会議」の「新会員・拒否・断行(!)」の問題とはまったく異次元である事実を,まだよく認識できていない。その点は,バッハに会った瞬間に思わず出てしまったが,握手を求める動作にみごとに反映されていた。

〔記事に戻る→〕 東京大会の延期決定後に初めて来日するバッハ会長にとって,菅首相とは初対面。そのファーストコンタクトでは絶妙なやりとりがあった。2人が対峙し,菅首相から握手を求められたバッハ会長は一瞬,ためらいをみせた。すると,その躊躇(ちゅうちょ)をかぎとった菅首相は瞬時に「パー」の手を「グー」に変更。バッハ会長も呼応し,絶妙なタイミングでグータッチが成立した。コロナ感染対策への意識の高さを象徴するワンシーンだった。

 補注)この段落に関係した画像資料は冒頭にかかげてあった。引用している記事の文章は,菅が「躊躇かぎとった」などと表現しているけれども,実際の解釈としてより正確に指摘するとしたら,菅は「コロナ禍の世界的な流行に異様なまで敏感になっている」バッハ自身が,今回着けていたマスクが医療用のN95マスクであったその姿を,初めから漫然とみていたのか,としか受けとれない。 

 ちなみに,この日もバッハ会長は医療従事者が使用する高機能の「N95マスク」を着用。ネット民からは「危険地帯だとわかってるんじゃん」と突っこまれているが,東京五輪開催を進める一方でコロナの脅威はしっかり認識しているようだ。

 最後に,1週間前の記事から引用になるけれども,『日本経済新聞』2020年11月10日朝刊が,関連するコロナ禍の進行状況を,つぎの図表(※-1)を作成して表現していた。ヨーロッパ地域をみればどうなっているかは,よく伝わってくるものがある。

 くわえて,世界における感染状況を地図に表記した画像資料(※-2)と,さらに,本日『日本経済新聞』に掲載されていた,2020年11月9日付における世界各国の感染者統計(※-3)もかかげておく。※-2に記されている感染者総数は,世界全体ですでに5400万人を超えている点を教えている。

【※-1】

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【※-2】

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 【※-3】

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   補注)2020年11月16日時点ですでに,この世界における感染者数は5300万人になっていたと,別途,報道されている。 

 2020東京オリンピックの開催は1年延期になっているが,これでも開催は大丈夫だと請けあえるのか?

 小池百合子君,森 喜朗君,そしてとくに菅 義偉君は「人類がウイルスに打ち勝った証し,東日本大震災から復興しつつある姿を世界に発信する復興五輪・パラリンピックとして来年の東京大会の開催を実現する決意である」などと力強く宣言していたけれども,なにせ相手は「新型コロナウイルス」である。もともと “ケンカにもなりえない(勝てもしない〔という形容することじたいに違和感:ズレがあるが〕)相手” に向って,自分1人だけで空疎な強がりをいっている。

 とりわけ,菅 義偉が首相の立場に立ち,内閣官房室的な政治権限にもとづく人事権を握っているかたちで,国家高級官僚を相手にして,なにかしらに「打ち勝ち」つづけてきた組織現象などとは,まったく事情が異なっているのが,「新型コロナウイルス感染拡大」による疾病被害である。この大事な事実を忘れてはいけない。

 しかし,「わかるかなぁ,わかんねぇだろうなぁ~」 --この文句は,松鶴家千とせ(1938年生まれ,漫談家・歌手・司会者)が得意だったセリフであり,1970年代に流行らせていた。菅 義偉君は日本語力の難ありとされていたが,本日の記述との関係で,この語感,わっかるかなぁ……。

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