コロナ禍対策で「勝負の3週間」(?)とは2020年11月25日,西村康稔経済再生大臣が表明したセリフだったが,「勝ったらどうなる? あるいは,負けたらどうなる?」の論点が全然おぼつかない放言

 新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対して11月26日に報道されていたが,コロナ禍対策で「勝負の3週間」を具体的にかたった西村康稔経済再生大臣は,その「勝った・敗けた」の事後措置は,どのように対応するつもりか?

 コロナ禍の疫学的な問題に「勝つ・負ける」という発想じたいが,場違いで見当はずれの表現方法であって,これからまだ数年内はそう簡単に収まる展望のないこの感染症の問題を,単純思考で「勝負の問題」としてとらえたところが錯誤そのもの

 

  要点・1 「丁半」のサイコロばくちであるまいに,「勝つ・負ける」という発想で,コロナ禍対策を唱えるのは異様

  要点・2 そのサイコロ勝負を何回でも振って,「勝つ(勝てる)まで」やるといわけか?

  要点・3 菅 義偉の利権政治のために,国民の生命と健康は犠牲

  要点・4 菅 義偉は2020東京オリンピック大会について,安倍晋三を真似て「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催し、東日本大震災の被災地が復興をなしとげた姿を世界に向けて発信する場にしたい」と表明したが,これに「負ける結果」になったら,どのように責任をとるつもりか,いまからその気持の用意だけはしておくべき

  要点・5 「いまや中央が機能せず,日本は無政府状態ですよ」                   註記)「36都道府県が『外出自粛』要請中 危機感薄い政権に見切り」『日刊ゲンダイ』2020年11月11日,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282541

 

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 「『勝負の3週間』遠い収束『状況なお悪く』『自粛いつまで』 新型コロナ」朝日新聞』2020年12月12日朝刊32面「社会」

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため,政府の分科会が「集中した対策」を呼びかけて3週間。感染拡大に歯止めはかからず,飲食店を対象にした営業時間の短縮要請は各地で続く。いつまで我慢を続ければいいのか,街中では不安や焦りの声が高まっている。(▼1面参照,この記事はつづけて次項で紹介する)

 「結局,状況は悪くなっていくだけだったね」

 東京都では〔12月〕11日も600人近い感染者が確認され,JR新橋駅近くの海鮮居酒屋「根室食堂」店長の平山徳治さん(48歳)は肩を落とした。「勝負の3週間」ともいわれるが,「いつまで『勝負の日々』を耐えていけばいいんだ」とこぼす。

 補注)このとおりであった。少なくとも今年の3月からはこの「勝負の日々」を誰彼となく強いられてきた。それゆえ,いまさら「なにかのための特別週間である」かのように「勝負の3週間」といわれても,

 すでに相当に痛めつけられていて,店じまいを余儀なくされている各種の商売に従事してきた人びとにとってみれば,「なにをいまごろいっている(ほざいている)か,政府の要人だちは……」と感じざるをえまい。

 本当の勝負は3週間に限定されずに誰がその一番の責任を問われるかといえば,いうまでもない,菅 義偉政権の一統である。ところが,この政権中枢の要人たちの発言を聴いていると,コロナ禍などまるで他人ごとであった。

 だからここでは,この社会面の記事につながる記事として,『朝日新聞』朝刊の1面に掲載されていた冒頭記事を,途中に差しこむかたちで引用しつつ,こちらでの議論に少し字数を費やしてみたい

 その1面の記事は,こう報道していた。前半部分から引用する。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は〔12月〕11日,流行が沈静化しない場合に備え,対策の強化を迫る提言書を政府に出した。感染拡大が続く地域では,「緊急事態宣言を回避すべく,対策の抜本的な強化」を求めた。地方自治体に「いままで以上にリーダーシップを発揮して先手を打つ」よう促し,政府には地方の意思決定の後押しを求めた。(▼2面=政府は重い腰,14面=社説,32面=自粛いつまで)

 

 分科会は11月以降に再び急増した北海道や東京,愛知,大阪の一部の地域は,感染状況が4段階のうち2番目に深刻な「ステージ3(感染急増)」相当とみている。3週間程度,集中して対策するよう求めてきたが,1日当たりの全国の新規感染者数は9,10の両日,過去最多を更新し,「必らしも新規感染者数を減少させることに成功しているとは言い難い」(10日の厚生労働省の助言機関)のが実態だ。

 補注)本日,『朝日新聞』「オピニオン」欄の〈かたえくぼ〉がいわく,「成功と言い難い」ということを「人はそれを失敗という -- 国民」(東京・やす坊)と切り返していた。

 

 ところが,この程度に「国民」側から叱られている,菅 義偉政権のコロナ禍対策についてであっても,こんどは「ステージ3」の内容をさらに細分して,この段階ではない「あの段階だから・・・・」と,いいわけしつつ,「Go To トラベル」などのキャンペーン続行にこだわっている。

 

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 「勝負の3週間」ともいわれる期間が今月半ば〔12月16・17日〕にも終わることから,来週後半にも感染状況の推移を評価する必要があるとした。その評価は

  (1) 減少
  (2) 高止まり
  (3) 拡大継続

の3段階に分けることとし,段階に応じた対策を示した。

 

 (2)  (3)  の地域では,政府の観光支援策「Go To トラベル」と,飲食店支援策「Go To イート」の一時停止を求めることで一致。一部地域で酒を提供する飲食店などに午後9時や10時までの営業時間の短縮が要請されているが,(2) の段階で,「午後8時まで」に強化するよう検討を求めた。

 

 (3) では,人の動きや接触機会のさらなる低減策が必要として,テレワーク(在宅勤務)の目標を「たとえば5割」にすることなどを提示した。都道府県境を越える移動の自粛要請や不要不急の外出自粛も求めた。

 補注)このように「ステージ3」の中身をさらに細分化して,しかも自粛を要請する形式でコロナ禍対策を進めるかたちは,結局,「自助・共助・公助」の優先順序にこだわる菅 義偉政権の腰が引けた対策の反映にしかなっていない。一言でいってしまえば “無責任” ,いいかえれば “デタラメ,あなた任せの野放図” に等しい対策である。「実効性に疑問がある」とかないとか,その以前の水準での対策にしかなっていない。

 

 要は,なにゆえそこまで菅 義偉は,観光支援策「Go To トラベル」と飲食店支援策「Go To イート」などに執心するのかという問題があった。利権がらみが背景に控え居ているのだから,そうなるほかなかった。「いまだけ,カネだけ,自分だけ」であるコロナ禍対策では,もとより,まともに予防策を立てられるわけがない。

 

 したがって,菅 義偉はまだぐずぐずいうばかりで,「Go To トラベル」を止めさせる気がない。亡国・滅国の首相である1点では,安倍晋三前首相に勝るとも劣らぬと形容されていい,政治屋のやることになっていた。

〔ここで,① の記事に戻る→〕 都は〔12月〕17日まで,営業時間の短縮を要請。店は要請に応じて閉店を午後10時に繰り上げているが,忘年会の予約は入らず,12月だけで数百万円の赤字が出るみこみだ。要請が延長されることも想定しており,「この状況が続けば来年には閉店も考えなくちゃいけない」。

 普段より少ないとはいえ,新橋駅周辺は多くの人が行き来する。帰宅途中だった都内のIT関係の会社員の男性(42歳)は「年末は納期が迫っているものが多いので,会社に出社しなくちゃいけないときも多い」という。飲みにいくことは控えているが,「我慢してと呼びかけながらも『Go To』事業を続けているのは矛盾を感じる」。

 北海道もこの3週間,感染者数が高止まりしており,「集中対策期間」を来年1月15日まで約1カ月延長することになった。今月25日まで札幌・ススキノ地区の飲食店への時短要請なども続けられる。

  (中 略)

 大阪府も感染者数は高い水準でとどまっており,〔12月〕11日までだった大阪市中心部の飲食店への時短要請を,15日まで延長させた。吉村洋文知事は大阪での利用を停止している「Go To トラベル」について,「再開すべきじゃない」との考えを示している。

 補注)都道府県の知事たちに初めから判断を丸投げするような政府の基本姿勢は,問題があり過ぎた。要は,国家が主導する態勢を維持していくとなれば,地方へ支援するための「カネがかかりすぎる」から,そのような対応はもうできないと,初めから逃げ腰になっていた。

  ※ 都市部の人出,減少ばらつき ※

 政府の分科会が「集中した対策」を呼びかけて以降,都市部の人出に変化はあったのか。ソフトバンクの子会社アグープのデータによると,主要駅の半径500メートルの人出の減少幅にはばらつきがある。

 3日に独自基準で非常事態を示す「赤信号」を初めて点灯させた大阪・梅田では,11月20日から22日の平均の人出と比べると,2週間後の12月4~6日では人出が26%減少した。一方,同じ期間では,札幌・すすきので11%減,名古屋・栄で8%減とわずかに下がったものの,東京・新宿では2%減,福岡・天神では1%減とほとんど変わっていない。(引用終わり)

 つぎの ② は『日本経済新聞』朝刊のほうからも,当該の記事を紹介する。

 

 「『勝負の3週間』減らぬ人出 大都市繁華街,今週1割減止まり」日本経済新聞』2020年12月12日朝刊3面「総合2」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け,政府が「勝負の3週間」と位置づけて集中的な対策を呼びかけてから2週間が過ぎた。しかし大都市の繁華街などの状況を分析すると,呼びかけ前に比べて人出に大きな減少はみられない。足元では感染者は過去最多の水準が続いており,対策の「緩み」を防ぐ必要がある。(1面参照)

 政府が「この3週間が勝負だ」(西村康稔経済財政・再生相)と対策強化を打ち出したのは11月25日。〔だが〕その後の人の往来はどうなっただろうか。

 日本経済新聞はドコモ・インサイトマーケティング(東京・豊島)のモバイル空間統計を使い,全国の主要都市の繁華街と観光地の人出を分析した。12月7~10日と,呼びかけ前の11月16~19日で午後7~10時の来街者数の平均を比較すると,東京・新宿の歌舞伎町付近では 2.4%減にとどまった。

 名古屋市の繁華街,錦付近は11%減,大阪市の北新地付近では16%減だった。大都市の中でも東京の減り幅の小ささが目立つ。福岡市の中洲,札幌市のすすきのを合わせ5都市の繁華街の減少率を単純平均すると,8.6%だった。

 各地では酒類などを提供している飲食店に対し,営業時間を午後9時や同10時までにとどめるよう要請中だ。だが同じ期間の午後10時~翌午前0時までの人出をみると,大阪の北新地で15%減,名古屋・錦で8%減にとどまる。新宿は8%増,札幌・すすきのは3%増とむしろ人出が膨らんでいた。

 都は飲食店に11月末から約3週間,午後10時までの時短営業を求めている。しかし長引くコロナ禍で経営は苦しく,応じない店もある。

 新宿3丁目の焼肉店の男性店長は「春と夏は要請を順守していたが,少しでも顧客を取りこめるよう今回は午前0時まで営業を続けている」と話す。歌舞伎町の個室居酒屋の店長は「周辺の競合店が午前0時まで営業しており,うちだけ出遅れるわけにはいかない」という。

 人出の状況は緊急事態宣言の発令で休業や休校,外出自粛が広がった時期と大きく様相が異なる。4月20~23日の人出をみると,新型コロナの感染が拡大する前の1月20~23日と比べ,新宿や大阪・北新地で8割以上,名古屋・錦で7割以上減少していた。今回の「第3波」では,外出手控えなど自粛の度合いが緩いといえる。

 補注)コロナ「慣れ」(?)でも生じているのかと思いたくもなるが,現実は新型コロナウイルス感染拡大が進行中であり,しかもいまその「第3波」のさなかにあり,年末・年始にかけて,その「本当の山場」を迎えそうだと医師たちは心配している。

 東京都医師会による最新の記者会見は「【ノーカット】 “医療体制ひっ迫”  新規入院が急増  東京都医師会会見(2020/12/08 にライブ配信)」(以下の動画資料)で視聴できるが,同会長の尾崎治夫が実質主張していた点は,「Go To トラベル」などは即刻中止にせよという意見になっている。

 「Go To トラベル」がどれほど大事な事業なのか,菅 義偉を初め誰も,適切な評価や位置づけに関する説明をしようともしていない。現段階では「それ」が非常に有害であるほかない事実だけは分明である。

www.youtube.com

〔記事に戻る→〕 観光地でも同じ傾向だ。先週末の12月5,6日と,「勝負の3週間」直前の3連休だった11月21~23日の午後2時台の平均の人出をみると,京都市の嵐山付近では53%の大幅減となったものの,東京・浅草や神奈川県の箱根付近ではいずれも約10%減にとどまった。箱根などではコロナ感染拡大前の1月18,19日に比べ,人出が多い。

 新規感染者数は過去最多の水準が続く。地域別でみると,新規感染者は北海道で減少傾向にある一方,東京,愛知,大阪は横ばいか増加傾向が続く。感染者に占める中高年や高齢者の割合が高まり,重症者や死者の増加にも歯止めがかからない。医療提供体制の逼迫は続く。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は〔12月〕11日の提言のなかで「多くの人はこれ以上の行動自粛要請にへきえきしている」と指摘。国や自治体の対策が効果を発揮しない背景に,国民の自粛疲れがあるとの見方を示した。

 東京慈恵会医科大の浦島充佳教授は「冬は気道感染症が重症化しやすく,いままでより致死率が高くなる恐れがある」と懸念する。そのうえで「国民の行動変容を促すため,国は専門家や自治体とよく話しあい,足並みをそろえて方針を打ち出すべきだ。忘年会のような場はなるべく避けて移動も最小限に抑え,年末年始もなるべく自宅で過ごす方がよい」と話す。(引用終わり)

 しかし,菅 義偉は一国の首相,この国の最高指導者の立場からだが,前段のような「必要性」に関して自分なりの見解を,国民たちに向けて明確に語りかけようとする姿勢がまったくない。

 ちまたから聞こえてくる意見のなかには,菅 義偉が高齢者の命を,コロナ禍にさらして選択する気だという疑いまでもたれている。この首相がふだん披露している「国民たちに対するあの目線・表情・態度」に照らして受けとめれば,正鵠を射ている指摘である。

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     付記)この画像の左側「ポスター」は自民党内で評判悪く,「売れ残っている」との噂あり。

 

【参考記事】


  この年末・年始の時期を迎えてドイツのメルケル首相がコロナ禍に対して語る姿勢は,菅 義偉とは雲泥(天地)の差

 以下に紹介するのは,若田悠希・稿『HUFFPOST』2020年12月11日 12時55分 JSThttps://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fd2ca07c5b68256b113c436  に,「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」関連として掲載されていた記事である。菅 義偉には真似どころか,とうてい期待すらできない「国家指導者・像」がヨーロッパには実在する。

  メルケル首相,感情を露わにしてドイツ国民に訴える。「祖父母との最後のクリスマスにしないで」(新型コロナ) -「心の底から申し訳なく思います。けれど,私たちが払う代償が,1日590人もの命だとしたら,それは到底容認できません」-

 

 冷静沈着でしられるドイツのメルケル首相が感情を露わにして,国民に新型コロナへの警戒を呼びかけた。ドイツでの新型コロナによる死者数は12月9日,過去最多の1日590人に上った。これを受けてメルケル首相は同日,連邦議会で演説をして「クリスマス前に多くの人と接触することで,祖父母と過ごす “最後“ のクリスマスになってはならない」などと強く訴えたのだ。

 

 「心の底から申しわけない。けれどとうてい容認できません」。ガーディアンによると,死者590人という数字について,メルケル首相は「あってはならない」とし,より厳格なコロナ対策をおこなう必要があると主張。高齢者や持病をもつ人を訪ねる場合は,事前の最低1週間は,他者との接触を控えるよう求めた。

 

 「クリスマス前に多くの人と接触し,その結果,祖父母と過ごす最後のクリスマスになってしまうようなことはあってはなりません」。つねに冷静な対応でしられるというメルケル首相が感情を露わにして訴えたことを,現地メディアは驚きをもって報じている。

 

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 DW News が Twitter に投稿した動画からは,メルケル首相が両手をあわせ懇願し,拳を握り強い口調で演説している様子がわかる。

 補注)DW News は,2015年夏に設立されたドイツの公共国際放送会社Deutsche Welle が提供するグローバルな英語のニュースおよび情報チャンネル。

 

 メルケル首相は,クリスマスまでの期間,ホットワインやワッフルを屋外で楽しむ習慣に理解を示しながらも,「心の底から申しわけなく思います。けれど,私たちが払う代償が,1日590人もの命だとしたら,それはとうてい容認できません」と訴えた。

 

  ※ ドイツでのコロナ対策は? ※
 CNNによると,ドイツでは〔2020年〕11月からレストランやバーなどの飲食店の営業を中止していたが,学校や小売店などは閉鎖されていない。しかし,死者数の増加を受けメルケル首相は,科学者の提言にもとづき,より厳しい措置が必要になるとの考えを示した。また,クリスマス後の数日間,場合によっては2週間,都市をロックダウンする必要があるとの考えも明かしている。

 以上の『HUFFPOST』の記事を読んでみて,「日本におけるコロナ禍対策の現状」と比較してみたらよい。

 a) 日本は「Go To トラベル」などを推進しながらコロナ禍対策をしている,いわば不思議の国,ヤーパン」である。あの小池百合子が,めずらしくもうまく形容していたが,「アクセルとブレーキをいっしょにかける」ような,国家の「コロナウイルスの積極・拡散策(「Go To コロナ」)」と「予防・抑制策(「Go To ?」)」になっていたゆえ,その本当のところでの意味は,どうみても 支離滅裂でしかなかった。

 b) 国家最高指導者としての役割(演技)がドイツのメルケル首相とは比較のしようがないくらい拙劣(下手)なのが,菅 義偉君であった。メルケル首相はコロナ禍がドイツに最初に襲来したときも,ドイツ国民たちに真剣に訴えており,国内外に対して感銘を与えていた。だが,こちら側の菅 義偉(当時はまだ安倍晋三が首相だったが)の対・コロナ禍「指揮ぶり」といったら,それこそみてはいられない。

 c) いったい,この国をどこへ「Go To」させたいのか,菅 義偉の意向(決断)した方向がまったく不詳かつ不可解のまま,現在まで来ている。定例・通常の記者会見すらろくにできず,国民たちの面前でその様子を公開できないほど,国家指導者としての資質に問題のあり過ぎる菅 義偉君であった。

 d) 前段の記述には「メルケル首相は,科学者の提言にもとづき」というくだりがあったが,日本の首相は安倍晋三のときから,科学者たちの提言・意見・見解をいい加減にあつかい,そのときどきに都合よくつまみ食い的に利用だけしてきた。要は不真面目であり,反・科学的でしかありえない基本姿勢がめだっていた。

 e) だから,前日に少し触れてみたような指摘,菅 義偉政権はコロナ禍を奇貨(奇禍?)として,国民の命(もちろん主な対象は高齢者)の選別をひそかに期待しているのではないかという疑いまでかけられている。それは,あながち的外れの解釈ではない。

 「こんないまどきの首相」のコロナ禍対策・指導体制では,国民たちはろくでもない目に遭わされるに決まっている。

 

 東京新聞』の記事から

 1)「『勝負の3週間は誰が見ても負け』 分科会,『ステージ3』を苦肉の3分割して知事らの決断促すが… 」『東京新聞』2020年12月11日 22時20分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/73854

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は〔12月〕11日,新たな感染拡大防止のための提言をしたが,経済失速を避けたい政府の反応は鈍い。感染拡大を抑える「勝負の3週間」の終盤に入っても,収束に向かう兆しはない。分科会は新規感染者数が高止まりの状況にあることに危機感を強める。

 以下の引用は,この記事の小見出しのみ紹介する。若干の本文を添えるものもある( ⇒ 以下の文章)。

 ◆-1 印象和らげ,宣言しやすく

 ◆-2 経済と両立めざすためにも,今

   ⇒分科会メンバーの東京都立駒込病院の今村顕史医師は「Go To を止めてもすごく効くわけではないが,少なくとも(人の移動を促す)ブースター効果はかけないでほしい」という。

 ◆-3 知事が早めに手を打って

   ⇒分科会のこの日の記者会見では,政府や都道府県ではなく,分科会がステージ判断をしたほうがよいのでは,という質問が出たが尾身 茂会長は否定した。

 今春の「第1波」のさい,医学的見地から対策を助言した「専門家会議」(当時)は「政府との役割分担が曖昧」と批判を浴び,現在の分科会に衣替えした。政策決定には踏みこまないようにしており,尾身会長は「知事が早く判断していただきたい。早めに手を打ってください」と訴えた。

 だが,菅 義偉首相はこの日も「トラベル」の一時停止を否定し,小池百合子都知事も「政府で対応してほしい」と語るだけだった。新たな対策が取られないまま,全国で重症者は増えつづける。分科会メンバーの1人は「誰がみても,『勝負の3週間』は負け」とつぶやき,強い感染拡大防止策を求める。別のメンバーも「今のやり方では駄目」といらだちを隠さない。

【関連記事】  Go Toトラベル「ステージ3の一部で一時停止を」コロナ分科会が提言

【関連記事】「GoTo即刻中止を」 日本病院会

 結局,われわれも「誰がみても,『勝負の3週間』は負け」(だった,それも決定的に)というみかたに傾かざるをえない。だいたい,コロナ禍のなかでこの新型ウイルスと「勝負している」と表現する「政治家たちが」疫学「観」そのものが,反科学的・非学問的・無理論的な立場を意味していた。

 それでも,延期になった2020東京オリンピックの開催にこだわるあまり,四の五のいいいつつ「Go To トラベル」キャンペーンを実施していき,その開催に備えていくつもりである。だが,このように “活きの悪い” 思考をもって,五輪開催に執心しつづけるコロナ禍対策では,初めから失敗を約束されていた。その往生際の悪さといったら,菅 義偉も安倍晋三も同質・同類であった。

 東京新聞社は五輪に対してはスポンサー企業(オフィシャルパートナー)になっていないゆえ,まともに,2020東京オリンピックの問題もコロナ禍の問題も真っ向から批判できる記事を書いているが,『日本経済新聞』はさておき,『朝日新聞』もまだへっぴり腰で書いていないとは限らない。

 2)「『Go To 即刻中止を』 日本病院会が求める」東京新聞』2020年12月11日 22時15分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/73856(共同)

 日本病院会(相沢孝夫会長)は〔12月〕11日,新型コロナウイルスの感染拡大で医療崩壊の恐れが高まっているとして,政府の需要喚起策「Go To キャンペーン」の即刻中止を求める声明を発表した。

 註記) その声明はこちら  ⇒ http://www.hospital.or.jp/pdf/06_20201211_01.pdf

 声明では「このままでは爆発的な拡大につながりかねない」「医療従事者の心身の疲弊は限界にある」と指摘。政府に,感染防止策を最優先にするよう訴え,キャンペーンの一時的な中止と,3密(密閉,密集,密接)の回避を国民に徹底させるための十分な対策を取るよう要請した。

 キャンペーンについては「感染制御がされたあとの再開を妨げるものではない」としている。(引用終わり)

 最後の付帯意見は余計(蛇足)だと思われる。当然の意見を添えていたに過ぎない。なお,日本病院会については下記を参照されたい。自民党との親密度の高い日本医師会とは別組織である。

 要は,菅 義偉政権のコロナ禍対策は,基本的・本質的に完全に手抜きである。「国民たちの生命と健康を護る」のだという堅忍不抜の決断をしないで済ましてきた。ただし,東京オリンピックの開催実現だけは,2021年盛夏めざして必死になってはいるものの,コロナ禍の関連を医学的・疫学的に,まともに真剣に検討している様子はない。もっとも,通常に考えれば盛夏の時期に東京で国際大運動会を開くというのは,スポーツ医学的な見地からして,どだい狂気の沙汰としか形容できていなかった。

 二階俊博自民党幹事長が「全国旅行業協会の会長を務めている」から「Go To 優遇」ではないかとの疑問に対して,菅 義偉首相は「特別じゃない」と応えていた。だが,それはそうである。「特別ではなくて,ごくふつうに」「そうしえている」,つまり「特別に」というほどのこともなく,自然にその種のコロナ禍対策が,たやすく利権的に実行されている。

 しかし,「Go To トラベル」などのキャンペーンは,コロナ禍の拡大に向けて,故意にアクセルを踏みつづけさせて(ブーストさせて)いる。菅 義偉の,昔風にいっても,その「非国民的な宰相ぶり」は度外れである。

 最後にこういっておく。

 菅 義偉の利権ファースト政治  止めますか,それとも「国民の命」 捨てますか。

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【参考記事】

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