少子化どころか無子化の高齢社会に進んでいく日本国の恐怖的な現状,出生数・出生率の問題をめぐる「安倍晋三前政権」の忘れ物的置き土産,関連する社会政策の必要緊急性(2)

 少子・高齢社会がつづくのではなく,無子・高齢社会へとひたひたと歩を進めている,現状日本の懸念

 あのアベノミクスが,仮に実際になにかをなしえていたとしても,現状における出生数・出生率のさらなる減少・低下は,この国の存在基盤をみずから掘り崩してきた安倍晋三前政府の為政:「無策・無能」によって加速された

 

  要点・1 出生率・出生数の傾向的低落傾向に歯止めがかからない現状

  要点・2 その傾向は半世紀近くも前から周知の事実であったが,主に政権を担ってきた自民党は恒常的に無為・無策であった

  要点・3  「女子供」のいない国,オンナ・こどもを大切にしない国

「本稿(1)」は以下のリンク(住所)】


  河合雅司「2021年,ベビーショック到来!  コロナ禍で少子化が急加速すると… コロナ後の未来年表(2)」『現代ビジネス』2020年11月24日,https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77092

 新型コロナウイルスの感染拡大により,その前でも危機的な状況にあった日本の少子化は一気に進行していく。20年後,勤労世代は激減し,国内マーケットが急速に縮小してゆく……。88万部超のベストセラー『未来の年表』シリーズ著者で,ジャーナリストの河合雅司氏が現状を冷静に分析します。

 1) 新型コロナで急加速

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で,少子化が急加速しそうだ。厚生労働省の妊娠届け出数の緊急調査によれば,〔2020年〕1~4月は前年と大差はみられなかったものの,5~7月は前年同期間に比べて2万6331件少ない20万4482件であった。率にして11.4%の激減である。

 とりわけ大きく減ったのが5月だ。前年同月比 17.1%もの下落を記録した。妊娠届け出は法令上の時限はないが,厚労省は妊婦健康診査などの母子保健サービスを適切に受けられるよう,妊娠11週までの届け出を勧奨している。5月といえば政府の緊急事態宣言中で,届け出が遅れた人も相当数いただろうが,こうした事情を割り引いても,大きな下落幅だ。

 6月は反動で5.4%減とわずかにもちなおしたが,7月は 10.9%減と再び〔この現象の数値が〕上昇傾向にある。感染が深刻化するのと歩調を合わせて,妊娠を避ける夫婦・カップルが増えてきたとみるのが素直だろう。新型コロナウイルスの感染拡大が少なからぬ影響を与えていることは間違いない。

 妊娠届け出数の減少と並び少子化の加速を予感させるのが,婚姻数の減少である。厚労省の人口動態統計速報によれば,1~8月は前年同期間と比べて5万2922件少ない35万510件だ。率に換算すると 13.1%もの大幅減である。

 日本は結婚と妊娠・出産とが強く結びついており,非嫡出子の割合は2.29%(2018年)と各国と比べてきわめて低い。結婚したカップルのすべてが子供をもうけるわけではないが,婚姻件数の減少は出生数の減少に色濃く影響するため,妊娠件数はしばらく低水準が続きそうである。

 2) 妊娠件数が減った二大要因

 感染拡大後に妊娠件数が大きく減った要因は主にふたつある。

 ひとつは,妊娠中の感染リスクへの懸念だ。不安から妊婦のなかには通院を抑制している人は少なくなく,「里帰り出産」の自粛を求められるなど妊産婦が孤立感を深めているケースもめだ立つ。出産後,子供への感染を懸念する声もある。こうした情報を耳にして,子供をもつことをためらう人が増えたものとみられる。

 もうひとつは,景気悪化に伴う収入の減少や将来への不安だ。第2子以降の妊娠については,夫の育児参加や経済面の安定が大きな決め手となっている。勤務先の業績悪化で仕事を失ったり,給与やボーナスが減ったりする人が,ライフプランをみなおさざるをえなくなり,子供をもつ余裕を失った夫婦・カップルが増えたとみられる。収入の不安は,出生率に影響を与える。

 3) 悲観的シナリオに近い水準に

 そもそも,「コロナ前」においても,日本の少子化は危機的状況にあった。2019年の年間出生数が,前年より5.8%も下落し,86万5239人にとどまったのだ。わずか1年間で5万3161人もの大激減であった。

 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が86万人となると予測していたのは,4年後の2023年であった。90万人割れも推計より2年早かった。いわゆる「86万ショック」である。

 新型コロナウイルス感染拡大のニュースに世間の関心が集まって大きな話題とならなかったが,合計特殊出生率も 1.42から 1.36に急落した。「 1.3 台」となるのは,2011年以来である。これにコロナの影響がくわわったら,出生数は一気に減る。

 ちなみに,2020年の年間出生数はさらに減りそうだが,2年連続での激減とはならないみこみだ。妊娠から出産まで約280日のズレがあるため,2020年は「コロナ前」に妊娠した母親の出産が中心となるからである。

 コロナ禍の影響を受けた出生数の激減が数字として表われるのは,2021年以降となる。仮に,婚姻件数や妊娠件数が前年比10%近い下落のまま推移したならば,2021年の年間出生数は75万人程度にまで減る可能性が出てくる。

 補注)本日記述の話題に関連して本ブログは,2019年の9月8日と10月22日にとりあげ議論していた。後者の記述のなかで,つぎのように「今後における出生数」の予測を挙げていた。

【出生数の予想】

 

  ※「出生数の推移」と「2020年と2021年の予想

     2011年  105.1万人
     2012年  103.7万人
     2013年  103.0万人
     2014年  100.4万人
     2015年  100.6万人
     2016年  97.7万人(前年比 約3万人減)
     2017年  94.8万人(同 上)
     2018年  91.8万人(同 上)
     2019年  86.5万人(前年比 5万3千人減)
     2020年  81 万人  (予想:ほぼ妥当か? 前年比 5万人減と想定した)
     2021年  74 万人  (予想:控えめか?  前年比 7万人減と想定した)

 ここで参照している『現代ビジネス』の記事・著者は,2021年の出生数を「75万人程度にまで減る可能性」があるとの予想を立てていた。昨今日本の社会経済はとくに,若い女性たちにとっても非常に生きづらい世間を作っている。

 なかでもシングル・マザー(子持ちの単身女性)の立場・状況にとなると,特別に経済面で恵まれている事情・背景でもないかぎり,いきなり貧困層に転落させられる事例がめだっている(3人に1人が生活維持に困窮している)。

 少子高齢社会だといっていちおう大騒ぎしているらしい自民党公明党(「平和と福祉の党」〔?〕を自称)の野合政権は,彼女らを救済することなど,実際にはそれほど関心がない。

 ちなみに,夕食となれば5万円(前後・以上)の高級料理に舌鼓を毎晩堪能している現首相の菅 義偉(や前首相の安倍晋三)は,少子化対策と自分たちの豪華な晩餐との意味づけがまったくできていない。まるでマリー・アントワネット現代日本版。

 安倍晋三や菅 義偉たちは,少子化少子化……と騒ぐ(たいして問題にしていないか?)一方で,せっかく子どもを産んでくれた彼女たちを十分に大事にしない,しっかりと護ってあげない為政を,いまもなお平然と継続している。国家体制の「私物化・死物化・負の遺産化」としての「いまだけ,カネだけ,自分だけ」の政権運営では,少子化問題がこのままだと,いつの間にか,無子化の問題のほうにまで滑降していかざるをえない。
 
〔記事に戻る→〕 社人研の当初の推計では,75万人となるのは2039年であった。もし18年も早い到達が現実のものとなったら,2021年は「ベビーショック」として歴史に刻まれるだろう。それは,人口減少対策のための「残り時間」を一気に消費してしまうということを意味する。

 政府内では厚生労働省の妊娠届出数の調査結果に衝撃が走った。出生数の激減は一過性で終わらないからだ。「コロナ前」の2019年に 1.36にまで下落した合計特殊出生率のさらなる低下は避けられない。

 補注)本ブログ筆者は2020年10月22日の記述においても,この出生率じたいの推移がも気になっており言及していたが,隣国,韓国でも合計特殊出生率(1人の女性が生涯に生む子供の数)の低下が止まらず,2018年に初めて1を割りこみ,2019年は0.92で世界最低水準となっていた。

 なかでも,人口の2割を占めるソウル市の出生率は0.76ともっとも低いという。韓国でこの大都市部において低い出生率は,いうまでもなく日本においても共通・類似している。韓国はさらに2020年上半期の出生率は(なんと)0.88まで下落していた。

 かといって,日本がこの隣国の出生率の急激な減少傾向を,他山の石として眺めていられるような現状にない。この事実認識は,専門家でなくともすぐに理解できる。

〔記事に戻る→〕 日本の少子化の構造的原因は,過去の少子化の影響で女児の出生数が減りつづけてきたことにある。収束の見通しが立たない新型コロナウイルスの感染拡大の影響で,一挙に年間出生数が減ってしまったならば,将来母親となりうる年齢の女性数も想定以上のスピードで減っていくことになる。

 社人研の悲観的シナリオの下落カーブを描いたとすれば,2045年の年間出生数は約59万1000人,2065年には約41万6000人となる。47都道府県で割ってみると,平均出生数は9000人弱となる。

 東京都など大都市部を抱える都道府県の出生数が相対的に多くなることを考えれば,5000人に満たないような県がいくつも登場するだろう。そんな状況では,とても「地方創生」などとは言っていられなくなる。

 4)マーケットが早く縮小する

 出生数の減少の影響は広範に及ぶ。たとえば,おおむね20年後に勤労世代(20~64歳)の不足となって表われる。2019年の実績値は6925万2000人だが,死亡数が想定通りに推移したとすると,2040年には2019年比で1414万人減る。これは当初の推計より31万人ほど少ない。

 こうした当初の推計との開きは年々大きくなり,2050年には 158万人,2060年には268万人ほど少ない水準となる。2050年は当初からみこまれていた人口減少分を含めると2019年比で2210万人も減ることになり,各産業の人手不足も想定以上に深刻化するだろう。

 勤労世代は同時に「中心的な消費者」でもあるため,当初の推計との開きは,その分だけ国内マーケットが早く縮小することを意味する。しかも年を経るごとに若い世代ほど少なくなるのだから,ベビー服や学用品といった子供向けビジネスは20年も待たずして影響を受けることなる。少し遅れて大学や洋服などのファッション,住宅など,若い消費者を主要ターゲットとしてきた業種につぎつぎと波及していく。

 少子化が進んだからといって,高齢者数が増加する見通しは当面変わらないため,高齢化率は相対的に上昇することになる。若い世代が想定より減る分,世代間の支えあいとなっている社会保障制度はより脆弱となるだろう。

 このように少子化は,その影響が果てしなく広がっていく国難であるが,菅 義偉政権が打ち出した目玉政策といえば,不妊治療への健康保険適用である。

 保険適用となって治療費の自己負担が減れば,経済的理由から断念する人が減って出生数増につながるとの思惑も政府内にはあるようだが,治療を受ける人の数や,1人あたりの治療機会が多くなったからといって,妊娠に結びつく確率が単純に大きくなるわけではない。

 補注)不妊治療の健康保険適用問題は大事な課題であるが,菅 義偉政権はこの問題を一点豪華的に,つまり自政権(自分自身の立場)の宣伝材料に利用する観点から強調しているが,少子化問題の一番肝心な核心はそこにはない。要は,重要であるが少子化対策としては重点をズラした,相対的に判断するに,より副次的な問題を強調したがる提唱をおこなっている。

 不妊の要因は1つではないが,一般的に年齢が上がるにつれて妊娠しづらくなる。不妊に悩む人が増加した背景の1つに「晩婚・晩産」が進んだことがある。この点に手を付けず,自己負担だけ軽減してみたところで効果は限定的だろう。

 不妊対策の強化を否定するつもりはないが,こうした政策だけでは不十分だといわざるをえない。コロナが少子化を加速させる「悪夢」を振り払うには,根源的課題を解決する政策が急がれる。(引用終わり)

 それでなくとも初産の年齢が高まってきた現況のところへ,折り悪くも,コロナ禍が襲来した。このために全体社会的にだが,それこそ,一気にせっぱつまったかのような「出産をめぐる情勢」が起きている。そう解釈しておいていいはずである。

 不妊治療の問題をとりあげるのも,大いにけっこうである。だが,それ以上にまた同時に,出産年齢を可能なかぎり若い層のほうに引き下げられる社会政策を,急遽,打ち出してこれを重点的に展開しないことには,少子化の現象が昂進するばかり環境のなかでは,まるで無子化社会の印象まで想起させかねない雰囲気さえ醸し出されている。

 そもそも,子どもを再生産できる女性,それも若い世代の女性たちの「生活全体像・人生設計策」を,積極的に支援しない現政権(とくに安倍晋三前政権からの)の「少子化対策」は,実質的には空っぽに等しいといわざるをえない。

 さてつぎに,ここで参照する図表として,

  a)「日本の出生率と出生数をグラフ化してみる(最新)」『ガベージニュース』2020/09/30 05:22,http://www.garbagenews.net/archives/2013423.html

  b)「母の高齢出産状況をグラフ化してみる(最新)」『ガベージニュース』2020/09/29 05:24,http://www.garbagenews.net/archives/2013446.htm

を挙げておく。これらの図表に関して語られている内容も聞いておきたい。

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  出所)同上。

 a)〔以上にかかげた図表のうち最初の〕グラフは,過去8年間にわたる各年齢階層別合計特殊出生率の推移を示したものであるが(各年齢階層の値を全部足すと,その年の合計特殊出生率となる),「25-29歳」までの年齢階層が漸減し,それ以降の層が漸増している様子が分かる。

 ただし,2016年以降は30-34歳層,2018年以降は35-39歳層でも前年比で減少に転じており,これが合計特殊出生率の減少につながっている。(中略)

 補注)以降の図表(つづく3表)については,いちいちの説明をくわえなくとも,みてのとおりであって,たやすく理解できる中身である。

 少子化の原因は多様におよび,複数の要因が複雑に絡み合った結果である(ひとつの事象がひとつのみの原因に帰することなど滅多にない)。晩婚化(初婚年齢の上昇),未婚化,女性の高学歴化,住環境の問題,経済状況の悪化,社会風土の変化などが,個別の理由として挙げられている。

 この「少子化問題」を解決するには,まずはひとつひとつの絡みあった要因を解きほぐし,その上でできることから解決していかねばならない。同時に社会全体のさまざま問題を解決していくための,(他の方面にひずみを起こしうる)安易で短視的な手法ではなく,中長期的な戦略眼のうえでの対策が求められよう。

 b) 戦前・戦中までの日本においては(他国同様),衛生面や社会インフラ,医療技術の点などで,現在と比べてはるかに死亡リスクが高く,その結果平均寿命が短いため,出産が国策的に奨励されていたことが要因(「産めよ増やせよ」「富国強兵」あたりのキャッチコピーをしっている人も多いはずだ)。

 また生物学的・本能の面でも,人口の維持増大のためには健康であるかぎり,高齢でも出産をする社会的性質も後押ししていた。いわば「多産多死」の状態だったことになる。

 出生数そのものが減っているのはそのとおりだが,高度成長期以降は若年層(赤系統色)による出生が減り,その上の層(青系統色)が増えているのが,このグラフからはよく分かる。出生数の変化は単なる減少ではなく,若年層による出生数の減少と,中年層による出生数の漸増という状況変化を伴ってのものである。

 1970年では20代までで7割強だった出生数が,直近2019年では4割を切る状態にまで減少している。なお昨今の高齢出産化は晩婚化や医療技術の進歩,社会観の変化などが要因となっている。( ① の引用はここで終わり)

 仮に(これは実は,かなり無理筋の「仮定の置き方」なのだが,あえてこう語ってみる)いま,20代の女性が7割の出生率をになっている条件があるとすれば,「産めよ増やせよ」の要領で出産の奨励をできなくはない。ところが,現実はとみるに,なにせ出産(初産)年齢の高齢化が進行してきたゆえ,出生数・率ともに減少傾向を回避できない情勢にある。

【参考記事】

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 はたして,出生数が減少していく状況のなかで出生率を上昇させる方途を狙い,その出生数そのものの減少傾向を回避させうる方策がありうるのか,もし,それが可能だとしてもいつごろまでにその転回点とでも表現できる時期を迎えうるかなど,まったくおぼつかないでいる。コロナ禍の襲来はこの困難をさらに深めている。

 現在の菅 義偉政権のもとでは,前段の a)  が触れていたが,「安易で短視的な手法ではなく,中長期的な戦略」の樹立,その計画化,そして実行案に対する期待はできない。そもそも,国家全体をめぐる将来像をしかと念頭に置いた為政を推進しえていない「いまの自民党による政治」が,いままで丸々8年間もつづいてきた。このために生じた「後遺症の傷跡」は広範に記録されている。

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 最近発売された月刊誌『中央公論』2021年1月号の主要論題が「『女子供』のいない国」であった。もちろん,いまのこの国に本当に『女子供』がいないわけではないが,なにかのときにはどうしても「弱い立場」に追いこまれやすいこの “人たち” を,安倍晋三にしても菅 義偉にしても,だからこそ「大事に護り,育てる」という国家次元における「政策的な問題意識」をもちあわせていなかった。

 安倍晋三に至ってはすでにさんざんに「亡国の首相」だ,「国辱・国恥の総理大臣」だと非難・罵倒されてきた。だが,それでも彼は,自分が「その種の批判」を受けてきたという「この意味(真意)」を,わずかも理解できていなかった。

 安倍晋三はしょせん,「世襲3代目のお▼カ政治屋政治屋に過ぎなかった。あるいは「初老の小学生・ペテン総理」(『くろねこの短語』命名として,「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」(本ブログの形容)だけが売り物の,しかも「子供の〈裸の王様〉」であった。

 かくして,日本は,とくに人口統計面に関するその中身からうかがえる国勢として,小松左京日本沈没』というSFが描いた物語に漸近しつつあるようにも映る。だが,いまの自民党公明党が野合的に合体している政権は,歴史的な傾向として明白であるその事実:傾向を直視できない。

 公明党は「平和と福祉の党」などと,自民党政権のコバンザメ政党としてならば,いまどきになってもまだ,コッケイきわまりない政治理念をかかげている。安倍晋三前政権の腰巾着・幇間・提灯もちの役割しかはたしていなかった,この中途半端な「政・経未分離」政党の履歴に照らしていえば,少子化対策についても本式に期待できそうな内実はみつからない。

 以上,① の記述だけでだいぶ長くなったが,ここまでの議論を踏まえて,こんどはつぎに ② に引用する昨日〔2020年12月17日〕『朝日新聞』社説を読んだら,さらにどのように感じられるか。この点を再考してもらうために以下に引用してみたい。この社説に “生ぬるさ” を感じてもらえるのではないか?

 

 「〈社説〉少子化対策 予算も増やしてこそ」朝日新聞』2020年12月17日朝刊

 全世代型社会保障の改革方針が閣議決定された。現役世代の負担が過重になるのを避けるための高齢者の負担増と並び,少子化対策を柱と位置づけた。方針がかかげる「長年の課題を前へ進める」との言葉を,絵に描いた餅に終わらせてはならない。

 菅首相肝いりの不妊治療支援は,2022年度からの保険適用をめざす。それまでの間,いまの助成制度は所得制限をなくし,金額も増やす。

 待機児童解消に向けて,2024年度末までに新たに14万人分の保育の受け皿を整備する方針も示した。男性の育休取得を促すため,企業に制度の周知を義務づけることや,子どもが生まれた直後に休みをとりやすくする仕組の導入も検討するという。

 即効薬があるわけではない。個々の施策の実効性を高めるとともに,働き方の見直しや社会の意識改革なども含めた,重層的な取り組みが必要だ。

 一方,新たな待機児童対策にかかる約1400億円のうち,1千億円は事業主の負担,残りの大半は児童手当の縮小で捻出することになった。たとえば子ども2人で,扶養する配偶者がいる年収1200万円以上の人には,月5千円の特例給付が支給されなくなる。

 児童手当の特例給付は,旧民主党政権が年少扶養控除を廃止して導入した一律支給の「子ども手当」を,当時は野党だった自民・公明との協議で所得制限をつけた児童手当に戻したさい,手当を受けられなくなる世帯に配慮してできた。

 すべての子育て世帯を社会全体で支えるという理念に照らせば,所得にかかわらず支給するのが理想だ。5月に決定した新たな少子化社会対策大綱は児童手当について,多子世帯や子どもの年齢に応じた「拡充」の必要性も指摘している。特例給付を縮小するのであれば,拡充策と一体で検討するのが筋だ。

 不妊治療では,将来の保険適用を視野に助成制度の所得制限をなくす方向で,一貫性にも欠ける。だが政策の優先度や,現金給付と保育サービスのバランスも考えねばならず,見直しをいちがいには否定できないだろう。

 そもそもの問題は,子育て支援に充てる日本の予算が先進諸国のなかでも手薄なことにある。大綱は,児童手当の拡充だけでなく,男性の育休取得を促すための育休中の給付金の拡充も検討課題に挙げたが,財源のあてがなく議論が進んでいない。

 施策を充実させようにも新たな安定財源を確保できず,子どものための予算のなかでやりくりしてしのぐ。それでは,子育て支援に政権が本気で取り組んでいるとは,とてもいえない。(引用終わり)

 政府が,コロナ禍を踏まえて用意してきた補正予算(第3次まである)の費消内容,その仕方は問題だらけである。福島第1原発事故の復興・復旧事業のための予算が実際に有効に生かされていたかといえば,疑問ばかりを残している。

 そんなこんなに下手くそな「安倍晋三前政権下の為政」が進行してきたなかで,少子化問題はもはや歯止めが効かないほどに,せっぱつまった地点にまで来ている。そしてさらに,現首相の菅 義偉君にそのあとを任せるといったところで,実質的にたいした対策は講じられておらず,初めから高がしれていた。

 だから,人口統計面から観察してすなおに判断する日本の問題は,もはや「日本沈没」が開始されたといっても,けっしておおげさにならない。隣国の韓国における2019年出生率は,0.88というものすごい低率になっていたが,一部には文 在寅大統領は「南北統一」でなんとか・かんとかという記事まであって,ビックリさせられる。

 だが,日本には,そうした荒技カラクリ的(?)にであっても,アテにできそうな(期待だけはしてみたいが)その種の材料すら,全然もちあわせない。ただし,いままで,外国人技能実習生を実質,半・奴隷的な労働力として国内に移入させるといったごとき,それも法務省・入管技法的には,非常に小賢しくも悪質な「人口減少対策(低賃金労働者群の日本産業経済への提供)」の実行であるならば,確かに,蔭でこそこそと成就させてきた。

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「本稿(2)」の続き「本稿(3)」は,以下(  ↓  )になる】

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