「1,2,3(イチ,ニ,サン)」以上の数値は「イッパイある」としか表現しない(できない?)「菅首相の算数力」の恐ろしさ,たとえば最近,イギリスから日本へ入国した数は「1人か2人」だと断定していたが,実は150人(新型コロナ・ウイルス関連報道)

 あるとき〔5年以上前〕官房長官を務めていた菅 義偉は,安保関連法案(2015年夏)を合憲だという憲法学者は「イッパイいる」といったけれども,本当のところは「3人」だけであった

 数日前,イギリスで感染力が強いとされる変異した新型コロナウイルスが広がっていることを受けて,菅 義偉はイギリスから日本に入国している該当者は1日につき「1人か2人」だと答えたが,しかし実際は150人

 註記)国土交通省「ロンドン-東京」間の航空便は週15便あるといい,また厚労省は1週間(2020年11月29日~12月6日)においては,692人の英国滞在者が日本に入国した事実(コロナ感染検査にもとづく)を明らかにしていた

 そのような現実の様相が進行中であっても,菅 義偉自身の形容によると「問題ない,問題ない,……」とか「その批判は当たらない」となるのだから,噴飯モノだという以前に,この人とは対話が不可能・不成立

 もともと「いち・に・さん以上の算数:計算」は無用(?)な政治屋だったのか


  要点・1 「もともと滑舌が悪い。差しで話していても,なにをいっているのか分からないことがあるんです。国会で厳しい質問が来ても,年金問題を追及されたさい, “人生いろいろ。会社もいろいろ” とかわした小泉元総理のような芸当はむずかしい」

  要点・2 「付言すれば,これだけ守備の発言に徹していた割りには,消費税増税やむなしと言及し,波紋が広がると翌日,『10年は上げない』と慌てて修正したり,『自衛隊憲法で否定されている』と事実誤認の発言をしたりと,失言めいたことも。ますます先が危ぶまれる」(週刊新潮』」2020年10月1日号参照)


 「『安倍氏を予算委に』 野党一致 自民は議運委想定 『桜』問題」朝日新聞』2020年12月24日朝刊

 安倍晋三前首相が「桜を見る会」前日の夕食会の問題で東京地検特捜部に任意聴取されたことを受け,野党4党の国会対策委員長が〔12月〕23日,国会内で会談した。テレビ中継され,丁々発止のやりとりができる予算委員会の場で安倍氏が説明するよう,与党側に求めることで一致した。

 会談後,立憲民主党安住淳国会対策委員長は記者団に「118回も国会でうそをずっとつきつづけてきた予算委員会での招致,テレビ入りでしっかりやることを求めていきたい」と語った。

 自民党は,予算委員会ではなく,法案の審議日程や議事進行などについて与野党が決める議院運営委員会の理事会を想定。理事会ならば非公開で,なおかつ議事録にも残らない。この点について,安住氏は「非公開というのはとんでもない話だ」と語った。その一方で,自民党が予算委を受け入れる可能性が低いことから,議運委でも,公開であれば受け入れる可能性をほのめかした。

 立憲の国対幹部は「(虚偽の答弁をした場合に偽証罪に問われる)証人喚問を求めても自民党は拒否する。そうなると野党側は来年の通常国会で審議拒否で対抗せざるをえなくなる。コロナ禍で国会を止めるのは国民に理解されない」と明かす。

 しかし,野党内には証人喚問を求める声が根強くある。共産党穀田恵二国対委員長はこの日の会見で「安倍氏がうそをつきつづけてきた場が本会議であり,予算委員会。議運は筋が違う」と話した。立憲の原口一博国対委員長代行も22日夜のネット番組で「最低でも予算委員会」と語った。(引用終わり)

 現在は菅 義偉が首相となって政権を担当しているが,安倍晋三が首相の座に就いていた以前の7年8ヵ月は,控えめにみて最低でも3回は内閣が吹っ飛ぶような醜聞:極悪政治を積み(罪)重ねてきた。それでも,国会(衆議院)内では「自民党1強〔凶・狂〕」がそうした後進国家的な為政・内政を可能にさせている院内勢力図があって,日本の国内政治は(先進国だと自称したいのだしたら),まさしく「政治4流国」にまで落ちこんでいる。

 そうした2010年代の大半の時期において政権を握ってきた「自民党公明党の野合政権」は,とくに安倍晋三の「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」としか形容するほかなかった国内政治政の必然的な結果として,日本の内政も外交もすでにめちゃくちゃに破壊されつくした。

 コロナ禍に見舞われたこの2020年中の経過を観察すると,このパンデミック現象に対してとなれば,異常・非常な緊急事態の発生とみなして,これに国家が総力を挙げて対処するためのヘッドクォーター(Headquarter:「司令部・対策本部」のことで,保阪正康が指摘していた)の設置が,必要不可欠になっていた。

 ところが,にもかかわらず,安倍晋三も菅 義偉もそれに相当する国家次元の機構を設置させないまま,その代わりに専門家会議や分科会なる対策委員会次元にとどまった組織をもってだけ当たらせてきた。これでは,国家運営の存立基盤を揺るがしているコロナ禍に対して,即応的な対策・機動的な行動などできるわけもなかった。

 安倍晋三も菅 義偉もともに,行政学経営学の教科書のなかには「これ,ダメ!」として解説されている実例を,ひたすら追加していくだけの「日本国総理大臣」でありつづけてきた。

 

 安倍氏『全ての発言,責任を伴う』 『桜』,国会答弁は」朝日新聞』2020年12月23日朝刊

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 「桜を見る会」と夕食会をめぐる問題で,安倍晋三前首相が問われている責任は政治資金規正法違反の疑いだけではない。国のトップが国会で積み重ねた答弁の信頼性が揺らぐという,政治的な責任も負っている。安倍氏は国会でなにを語ったのか。

 〔2020年〕2月17日午前の衆院予算委員会で,立憲民主党辻元清美氏が問いかけた。

 辻元氏 「明細書はホテルからもらっていない。宛名のない領収書をホテルが発行した。何回も何回も繰り返し答弁されている。それが事実でなければ責任をとる覚悟で,そこに座っていらっしゃいますか」

  安倍氏 「私が把握していることを正直に述べている」

 

 辻元氏 「事実と違ったら,きちんと責任をとられるということですよね」

  安倍氏 「私がここで総理大臣として答弁するということについては,すべての発言が責任を伴う」

 〔こういって〕安倍氏は答弁への責任があることを明言した。

 国会では昨〔2019〕年11月から,野党が夕食会の問題を追及していた。参加者から5千円が徴収されたが,夕食会を主催した後援会などの政治資金収支報告書に記載がなかった。野党は,5千円は相場より安く,安倍氏側が費用を補填した可能性を指摘。政治資金規正法違反(不記載)や公職選挙法違反(寄付行為)の疑いがあるとして,安倍氏に明細書などの開示を求めた。

 これに対し,安倍氏の国会での説明はこうだ。

 ▼ ホテル側から見積書などの発行はなかった。明細書について,ホテル側は「営業秘密」のため開示できないと述べている。

 

 ▼ 夕食会場の入り口で,安倍事務所の職員が参加者から5千円を集金し,ホテルが発行した宛名が空欄の領収書を参加者に渡した。

 

 ▼ 受け付け終了後,集金した現金をそのままホテル側に渡すというかたちで参加者からホテル側への支払いがなされた。後援会に収支は発生していない。差額の負担もしていない。

 辻元氏はこの日,夕食会の会場となったホテル側から質問の回答をえたと説明。文面を読みはじめた。

 「2013年以降の7年間に貴ホテルで開かれたパーティー・宴席についてお伺いします。 (中略)  貴ホテルが見積書や請求書明細を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか。回答,ございません」。

 これまでの安倍氏の説明と異なる内容だった。安倍氏は「それは,私の事務所で開いたものということでおっしゃっているのでしょうか。おそらくそうではないんだろう」と反論した。

 辻元氏の質問を受け,安倍氏は事務所に指示し,ホテルに問い合わせた。午後の予算委で安倍氏は「ホテルに確認したところ,辻元議員にはあくまで一般論でお答えし,個別の案件は『営業の秘密』にかかわるため,回答には含まれていないとのことだ」と述べ,辻元氏がえた回答は一般論であることを強調した。

  ※「私が話しているのがまさに真実」※

 質問に立った無所属の小川淳也氏(現在は立憲)は,ホテル側から書面で回答をもらうよう求めた。

 しかし,安倍氏は「私がここで話しているのがまさに真実です」と強調。「いい加減にやっているんだと決めつけるのであれば,もうコミュニケーションがみなさんとはなりたたない」と述べ,文書での回答を拒んだ。さらに安倍氏は「私がうそをついているというのであれば,うそをついているということを説明するのはそちら側ではないのか」と述べた。

 補注)「ウソの,ウソによる,ウソのための」自分の政治をやってきたのが,まさしく安倍晋三君。このようなウソウソなやりとりを,他者にまで要求したとなれば,味噌もクソもいっしょくたにするというよりも,「ウソをウソとも思わない政治屋安倍晋三君そのものの,このウソ的な存在そのものが大問題。

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 日本国の民主主義としての国家体制は,2012年12月26日から2020年9月16日まで安倍晋三君がこの国の最高責任者であるあいだに,回復不能なまでの打撃・損傷をこうむった。さきに,安倍晋三君の政権は最低でも3度は潰れていて当然であったという指摘は,しかし実際には潰れていなかったがために,さらにいっそう濃く「ウソまみれ」になっていった「自民党:アベ政権」が,日本の民主主義を “亡き者同然にした” と断定されても,なんらおかしくない。

〔記事に戻る→〕 朝日新聞はその日の夜,安倍氏側へどのような回答をしたのか,このホテルを取材し,広報担当者からメールで回答をえた。

 ホテルは安倍氏側への問い合わせに,「『一般論として答えた』と説明しましたが,例外があったとはお答えしておりません」とした。さらに「『個別の案件については営業の秘密にかかわるため,回答に含まれない』と申し上げた事実はございません」とも回答。夕食会の案件は含まれていないと主張する安倍氏の答弁の一部を否定した。

 補注)日本語としていうに,

  まず,「一般」の対応語は「特殊」,

  つぎに「個別」の対応語は「全体」,

  そして「原則」の対応語は「例外」

であった。これらのコトバの「対」はその「語彙じたいのもつ意味」からみて,それぞれ反対側の意味を独自に表現している。つまり,ことば同士が対応する関係性は,それなりに備えてはいるにしても,それぞれが「別種の意味を対立的に有することば」の組みあわせとして提示されているからか,そこに意味されている相反性が意識されにくい点も残している。

 そのあたりに発するそれらのコトバに固有の「意味の関係性」を,

  イ) 意識的に区分しつつ対照させたうえで,なおかつ相互に関連させて理解することをしないまま,

  ロ) すなわち,対比的に関連させえてこそ,よく発揮されるそれぞれの底面に潜む含意(文意)をろくに理解できないまま,

  ハ) おまけに意識的になっていないまま,ハチャメチャにまでごたまぜにしてきたアベ君の反論は,

初めから成立不能であったというほかない。もとよりまともに耳を傾ける価値もなかった。

 だいたい,自分の話してきた中身がウソなのか本当なのかに関した区分・識別の問題からして,度外視するほかなかったアベ君の立場(観念:理屈?)については,これに他者が無理に合わせてマジメに議論をしていたら,こちら「他者の立場」のほうが混乱を来たす(攪乱させられる)ばかりになる。

〔記事に戻る→〕 野党は安倍氏が語った「事務所は関与していない」「明細書はない」「差額は補填していない」の三つの答弁は事実と異なる可能性が高いとみる。衆院調査局によると,安倍氏はこれらの答弁を少なくとも118回おこなっているという。

 

 「変異種対策,きょう制限強化 首相,英から入国『1人か2人』…  実は150  新型コロナ」朝日新聞』2020年12月24日朝刊

 新型コロナウイルスの変異種が発見されたことを受け,政府は〔12月〕23日,英国からの入国制限強化を発表した。24日から実施する。菅 義偉首相は英国からの1日〔当たり〕の入国者について「1人か2人」と受けとれる発言をして安全性を強調していたが,実際は約150人にのぼることも判明した。

 補注)菅 義偉は首相として発言したこの数字「1人か2人」というのは,どこから仕入れたたものであったのか? 国土交通省にしても厚生労働省にしても,そのような情報は菅「首相」に提供していなかたとしか思えない。多分,菅自身が勝手に決めつけ的に想像して口にした人数だったと推測できる。菅は両省に関連の情報を提供するよう指示もしていなかったと思われる。アベがウソの政治屋だとしたら,スガはデタラメの政治屋だといえる。

〔記事に戻る→〕 政府は英国を含む約150カ国・地域からの入国を拒否する一方,例外的な出入国緩和を進めている。10月からはきびしい条件を付け,3カ月以上の滞在者を中心に新規入国の受け入れを再開。11月からは短期の海外出張から戻る日本人などについて,帰国後の2週間待機を免除している。

 これらの緩和策は全世界が対象だったが,24日以降は対象から英国を除く。英国に住む日本人が帰国する場合も,陰性を確認した証明書の提出を求めるなど,従来の対策を強化する。

 英国が変異種について発表したのは〔12月〕19日。欧州各国は飛行機の乗り入れ禁止などに乗り出し,日本政府も21日に対策強化の検討に入った。そんななか,首相は同日夜のTBSの番組で「特別の方にかぎりですよね,日本に入って来られるのは。日本人の方でイギリスに住んでいらっしゃる方とか。1日1人か2人だそうです」と発言した。

 補注)不思議なくらいにデタラメな発言……。スガが官房長官だった時期,自分の気に入らない記者に対して露骨に示していたが,その理不尽に冷たい粗暴な態度を想起するに,首相になっているスガがこんどは,国民全体を相手にこのように粗雑以前とも形容されるべき,きわめていい加減な発言をしている。間違えたとか勘違いしたとかいった種類の発言というにはとうてい収まりきらないほど,そのデタラメさはきわまっていた。一言でいえば「国民たちの1人ひとりまでも完全に舐めきった場当たり的な発言」が平然となされている。

 だが,実際は英国と羽田を結ぶ直行便は1週間に15便ある。加藤勝信官房長官は〔12月〕23日の記者会見で,12月の英国からの入国者は1日平均で約150人(うち約140人が日本人)だと説明。首相発言について「英国に滞在歴のある陽性者数を念頭に置いていたのではないか」と釈明した。

 補注)この加藤勝信の釈明も高度にデタラメである。どこからスガはその該当する情報をえていたのか。政権側の高官たちはその関連の事情についてさえなにもしらないまま,「……ではないか」(?)というのも,これまた非常なる無責任。当該部署に確認を入れてから応答にすべきところを,いまの政権内部の幹部役職たちはかくのごとしにデタラメを常習とする。

 立憲民主党枝野幸男代表は23日,衆院国土交通委員会の閉会中審査で首相発言は事実と違うと批判。終了後,記者団に「政府全体としての危機感の欠如だ」と指摘した。政権幹部からも「あの首相発言はきつい」と懸念する声が漏れている。

 つぎの ④ からの記述は5年半前にまでさかのぼった話題となる。

 

 「安保法案『合憲』の学者3人列挙〔菅 義偉〕官房長官nikkei.com 2015年6月11日 0:34,https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H54_Q5A610C1PP8000

 菅 義偉官房長官は〔2015年6月〕10日の衆院平和安全法制特別委員会で,安全保障関連法案を「合憲」と判断する憲法学者として,百地 章日本大学教授,西 修駒沢大学名誉教授,長尾一紘中央大学名誉教授の名前を挙げた。

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 当初は「たくさんいる」と発言していた菅長官が具体名を挙げたのが3人にとどまり,野党は「法案を撤回すべきだ」と反発した。

 菅長官は「数ではないと思う。憲法の番人は最高裁で,その見解にもとづいて法案を提出している」と反論。この後,合憲とする憲法学者の人数に関して「私自身のしっている人は10人程度だ」とも述べた。(引用終わり)

 この記事のなかにも,菅 義偉が官房長官時代であったが,自分側の主張を唱えるさい,きわめていい加減でデタラメな話法を「堅持していた」事実が理解できる。ここでとくに断わっておくべきは,「集団的自衛権を合憲とする」憲法学者は全員「日本会議」関係者である事実についてである。

 「日本会議」については,ここでは触れないことにし,つぎの漫画による解説に任せておきたい。出所は「漫画で解説 日本会議とはの巻」『毎日新聞』2016年11月14日 09時52分,11月14日 09時52分,https://mainichi.jp/articles/20161106/mul/00m/010/00800s  である。

 つづけては,この ④ の記述については,つぎのようにも表現されていたので,こちらからも該当する段落を紹介しておく。

 民主党辻元清美議員から「(集団的自衛権を合憲とする憲法学者が)こーんなにいる,と示せなければ,法案は撤回した方がいい」と指摘された菅官房長官

 

  長尾一紘中央大学名誉教授
  百地 章・日本大学教授
  西  修・駒沢大学名誉教授

 

の3名を「集団的自衛権を合憲とする憲法学者の具体名」として挙げた。

 

 大方の反応は,「あれだけ『たくさんいる』と豪語していたのに,たった3名とは……」というものだろう。しかし筆者はむしろ「やはりこの3人か」となかば呆れ返る印象を抱いた。

 註記)「集団的自衛権を合憲とする」憲法学者は全員,日本会議関係者-シリーズ【草の根保守の蠢動 第9回】」『HARBOR BUSINESS Online』2015.06.12,https://hbol.jp/45061

 

 コトバに詰まった菅 義偉が吐いた理屈が,その「数が問題ではない」。これでは,こどものリクツを超えられていない。

 いまでは,官房長官から首相になっている菅 義偉の立場であるが,いまもなお変わらず確実に継続して「呆れかえる印象を抱」かせる政治屋の立場だけは,確実に堅持されている。

 

 「〈活動ブログ〉安保法制『合憲』の憲法学者は,3名とも『徴兵制は違憲』の政府解釈に反対?! 『(徴兵制は)単なる環境の変化で法的評価が変わるはずもない』と横畠長官」『辻元清美 official website2015. 6. 19https://www.kiyomi.gr.jp/blog/5796/
 
 本日〔2015年6月19日〕午前中に「安保法制特別委員会」で菅官房長官と横畠法制局長官に「安全保障の環境が変化した場合には,徴兵制も可能になるのか」と質問しました。(中略)

 菅官房長官が先日,限定的な集団的自衛権憲法に違反しないという政府の立場を支持する3人の憲法学者の名前を挙げたことについて,民主党の辻元議員は,3人とも徴兵制も憲法に違反しないという考えを示していると指摘しました。

 「(憲法学者の)3名の方はご自身のイデオロギーや主張に合わせて,菅さんが名前を挙げられた方ですよ。私,この3名の方のご主張を調べてみたんです。3名とも,この徴兵制は憲法違反とする政府の解釈は間違いであると,ご主張されている方でびっくりした。ご存じでした?」(民主党辻元清美衆院議員)

 「そのことは私はしりませんでした。それはあくまでも憲法学者の一つの意見だろうと思っています」(菅 義偉官房長官)。

 補注)この回答はほとんどオトボケ(ないしはただのボケ噛まし)の意識世界におけるものであった。徴兵制の問題を現憲法の問題に対してとりあげるとき,なににつけては,恣意的に短絡・直結・曲解させる議論が,もしも憲法学者である法学者が語ったとすれば,これは初歩的(=意図的)に粗雑な無理解である。

 安倍政権は,歴代の政権が憲法に違反すると解釈してきた集団的自衛権について,安全保障環境が変わったため限定的な行使は認められると主張しています。辻元議員は,こうした憲法解釈の変更がなりたつなら,現時点で安倍政権が,憲法上許されないとしている徴兵制についても同じように安保環境の変化を理由にして解釈を変えれば,将来,可能になるのではないかとただしました。

 憲法解釈の変更をめぐる政府の矛盾をあぶり出そうとする民主党に対し,政府側は法制局長官が答弁に立って専門的な理論を展開していて,依然として一般には分かりにくい説明が続いています。(〔2015年6月〕19日 11:38)

  ※『共同通信 47NEWS』徴兵制違憲は「不変」 法制局,安保特別委 ※

 横畠裕介内閣法制局長官は〔2015年6月〕19日の衆院平和安全法制特別委員会 で,徴兵制が憲法解釈の変更によって認められることはないとの認識を示した。「単なる環境の変化で法的評価が変わるはずもない。今後とも違憲という判断に変更はありえない」と述べた。菅 義偉官房長官も,憲法が禁じる「意に反する苦役」に当たるとして「憲法上,許容されないと解されている」と述べた。

 質問した民主党辻元清美氏は,安倍政権が憲法解釈を変更して歴代政権の禁じた集団的自衛権行使を容認したことを指摘。「同じ手法で時代環境が変われば徴兵制も認めかねない。憲法規範が揺らぐ」と批判した。

 

 「菅長官が発言訂正 『自衛隊憲法で否定』の真意問われ」 asahi.com 2020年9月9日 12時40分,https://digital.asahi.com/articles/ASN99438TN99UTFK007.html

 自民党総裁選に立候補している菅義偉官房長官は〔2020年9月〕8日夜のTBSの報道番組のなかで「自衛隊の立ち位置というのが,憲法のなかで否定をされている」と述べた。この発言について,菅氏は9日午前の記者会見で真意を問われ,「若干,言葉足らずだったため,誤解を招いたかもしれない」とし,「憲法に違反するものではないというのが政府の正式な見解だ」と発言を訂正した。

 8日の番組内では,菅氏と同じく総裁選に立候補している石破 茂元幹事長が,菅氏に自衛隊を明記する憲法改正についての考えを質問。菅氏は自衛隊が災害対策などで国民に歓迎されているものの「憲法のなかで否定されている」とし,「(憲法に)自衛隊の位置づけというものをしっかり盛りこむべきだ」と述べた。

 だが,政府は自衛隊について,憲法9条2項で禁じられた戦争を遂行する能力がある「軍隊」ではなく,合憲の存在との立場。安倍晋三首相は「多くの憲法学者自衛隊違憲としている」ことを挙げて,自衛隊の明記を主張してきた。

 このことについて菅氏は9日の会見で,「私の発言は,自衛隊違憲と主張する方々もいるという趣旨で申し上げたものだ」と釈明。菅氏は記者団から「首相と同じ立場であるといいたかったのか」と問われ,「そのとおりだ」と答えた。(引用終わり)

 本日のこのブログの記述は,菅 義偉が首相となる以前から数字については「1,2,3……」以上を数える点が苦手である(らしい)事実に触れてみたが,それ以外にも日本国憲法の基本理解についても基本から至難があった事実が露呈されていた。

 

 菅首相世襲批判トーンダウン  衆院予算委」時事通信』2020年11月04日17時38分,https://www.jiji.com/jc/article?k=2020110401068&g=pol

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 〔2020年11月〕4日の衆院予算委員会で,菅 義偉首相が過去に唱えた「政治家の世襲制限」について,立憲民主党辻元清美副代表から追及を受ける一幕があった。首相は世襲を「既得権益,あしき前例主義」の一つと位置付けていないのか,かつての歯切れのよさは影を潜めた。

 辻元氏は,首相がインタビューで「世襲を許せば自民党は死ぬ」などと語っていたとし,「政治に新規参入者を招き入れることは大事だ」と指摘した。首相は「世襲は制限すべきだ」とする一方,自民党から世襲候補が選挙に立候補する場合は,各地元で党員投票を実施して公平性を担保しており問題ないとの認識も示した。(引用終わり)

 菅 義偉がその後「首相になって」からこの世襲制に関して与えた説明(釈明)は,世襲制の弊害を除去するという課題そのものから逃げていた。菅がもしも,世襲制批判を自民党内で徹底していったら,逆にただちに,自分の立場が危うくなる。

 もっとも,菅が本気で世襲制の問題を根本から改革するといい,実際にその意図を実現させる努力を最大限に傾注するとしたら,本ブログ筆者は菅を支持してもいい気持になれるかもしれない。そういえるほどにその打破は至難。

 実は,このように指摘される以前において,菅 義偉の政治屋としての本質は,つぎのように批判されている。

     ★ 喋れば喋るほどショボさが際立つ菅,思考停止&いつも同じ言い回し ★
  =『まるこ姫の独り言』2020.12.22,http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2020/12/post-0a34d7.html

 この人,柔軟な思考が全然できない人というのがよく分かった。一度自分の脳内にインプットしたものは永遠にアップデートできないのが特徴だ。最初の時点で思考停止。

 ところが,菅 義偉は,世襲制を “どうするのか” あるいは “こうしたらどうか” という自民党内部的な克服課題については,「一度自分の脳内にインプットしたものは永遠にアップデートできない」のではなく,また「最初の時点で思考停止」させるのでもなくて,この世襲制の問題についてだけは,どういうわけか,とても柔軟に対応しえていた。ところが,ただし現在は思考停止同然になっており,ほぼ凍結状態にさせられている。

 以上は,別に皮肉をいったのではない,ただ事実について語ってみたにすぎない。

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