菅 義偉首相は後手後手のコロナ禍対策を「先手先手で対応」するなどといいかえ,1週間お休みを入れておいてから年末年始の「Go To トラベル」を中止させるという驚異的な不徹底を披露

 2020年12月14日に全国一時停止が決定した「Go To トラベルキャンペーン」であったが,年末の12月28日から年始の1月11日(事後1月末に延長)まで全国一斉に「Go To トラベルの運用」を停止することを決定したけれども,その開始までの2週間にかぎっては,この「Go To トラベル」は野放し状態で自由にさせていた

 それでいて菅 義偉首相は,コロナ禍対策として「先手先手で対応」すると語っていたのだから,それこそ語るに落ちた経過になっていた

 「Go To トラベル」の一時停止(中止)であっても,それがコロナ禍対策であるつもりならば,ただちに停止しなければならなかった措置を,2週間も間隔を取ってから実施させたというのは,脳天気以上というよりは新型コロナウイルス感染拡大を促進させてきた「Go To トラベル」を「甘やかす」対策になっていた

 安倍晋三政権から菅 義偉政権へとろくでもなく拙劣な自民党政権が継続しているが,これらの「バカな大将,敵(コロナ)より怖い」を地でいく政治の様相を,面前で展開させられている「われわれ民衆の気持」といったら,やりきれないどころか,いまでは失望する気分にすらなれないほどに呆然自失……。この手の政権の存続を許していたら,この国は完全におかしくなる

  要点・1 今年(2020年)2月,横浜港に寄港したクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」号内における新型コロナウイルス感染問題への対応姿勢から,基本的には,いまだにたいしてなにも変わっていない日本政府の無能・無策

  要点・2 WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は,コロナ禍対策の初歩手順としてPCR検査(テスト,テスト,テストだ……)と強調していたが,日本はいまもなおその検査数は非常に少ない。対策の基本態勢の一環がととのえられていないままにあるから,対コロナ禍対策が不備(穴)だらけになるのは必定であった

  要点・3 結果,国会議員からも初めてコロナ禍の犠牲者が出てしまい,「羽田雄一郎・元国交相が死去 53歳 PCR検査前に体調急変」『東京新聞』2020年12月28日 18時17分 と報道された。芸能人で有名どころとして早くは,2020年3月29日に志村けん,4月23日に岡江久美子がそれぞれコロナ禍で死亡していたが,ここに来て,政治家からの死者が出た

 

 「首相,入国停止『先手で対応』」日本経済新聞』2020年12月28日夕刊1面(最終・4版,3版のこの記事の見出しは「先手先手で対応」)

 この記事の見出しをみた瞬間に失笑(し,すぐにつづいて哄笑)するほかなかった。その理由は冒頭に書いたとおりである。「Go To トラベル」を停止させるといいながら,これを実際に停止(を開始)させるまで2週間はそのままにさせてきたのだから,なにをかいわんやの,むちゃくちゃな首相の采配であった。

 その間においてもつぎの図表をみれば分かるように,コロナ禍の感染者数は増加しつづけている。にもかかわらず「Go To トラベル」を一時停止すると定めた12月28日の開始日までは,ともかく止めてはいなかったという,混迷そのものの〈意思決定ぶり〉であった。いったい,この国の指導者はなにを考えているのかと疑わせていた。

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 この ① の記事を引用する。なお,本ブログ筆者の自宅に配達されるこの夕刊の「3版」の当該記事に書かされていた見出しは,最終版(4版)になった段階では,上記に断わっていたように変えられていた。

 菅 義偉の「先手」などではけっしてありえなかった「現実の様相」に関したこの記事は,見出しの文字に「先手先手」というふうに,「先手」ということばを2度も重ねていた。しかし,この「見出し」の表現は,さすがにまずい(不適当)だと日本経済新聞の担当デスクが直後に考えなおしたらしく,1度だけ使う表現に “更新したもの” と推察しておく。

 ただし「先手先手」といったのは,菅 義偉首相自身であったので,念のため断わっておきたい。なお,「Go To トラベル」キャンペーンの終了期限は当初,1月11日までとされていたが,1月末日にまで延ばされた。

 政府は〔12月〕28日,全世界からの外国人の新規入国を停止する措置を始めた。菅 義偉首相は同日午前,首相官邸で記者団に「国民の命と暮らしを守るために,先手先手で対応するため入国停止を発表した」と述べた。

 

 英国などで感染力の強い新型コロナウイルスの変異種が流行している。日本でも空港検疫や都内で検出されたのを踏まえ2021年1月末まで実施する。中国や韓国など11カ国・地域とのビジネス往来は続ける。政府は28日夕に新型コロナウイルス感染症対策本部を開いて協議する。

 菅 義偉自身は,コロナ禍対策に関係してトンチンカンばかりを発言してきた。たとえば,12月に入ってから「新型コロナの変異種が感染拡大してきた」事態に対して,この首相がなんと答えたというと,当初,問題となっていたイギリスから「日本に入国している該当者は1日につき『1人か2人』だ」と説明し,なにも問題がないかのように印象(操作?)づける発言をしていた。しかし,実際のところはすでに150人が入国していた。

 問題は,「新型コロナの変異種が発生しているイギリス」から日本に入国している人数のものが1人や2人ではなくて,150人であったといった「数のところ」にあったのではなかった。そうした新しい事態の発生を踏まえて,菅 義偉が首相の立場からどのように認識をしたうえで,さらに対策を講じるかが問われていた。にもかかわらず,「数の問題」を「質の問題」にすり替えるがごとくに答え,「日本に問題はない」みたいな反応を示していた。事態に対する認識が大甘であるというよりは,発生している新しい事態をまともに理解できていない。そのために,事態が変化して進行する状況そのものを真剣に受けとめ,これに積極的に構えていこうとする姿勢じたいが確実に用意されていない。

 「こんな,そんな首相」であったからこそ,「Go To トラベル」キャンペーンを年末・年始にいったんだけだが停止すると宣言し,つづいては1月末までその期間を延長させることで,コロナ禍の第3波の襲来をやり過ごせるかのような態度を採っている。はたしてその期待どおりに2021年1月が推移していくかどうか,いまのところなんともいえない。終息する見通しを抱きたがるとしたら,その感覚は楽天的に過ぎる。

 だが,そもそもPCR検査もろくに徹底させないまま,それでいてコロナ・ウイルス感染者数を増やすだけだった「Go To トラベル」キャンペーンを促進させてきた日本政府の愚策ぶりと来たら,菅 義偉も「国民の命と健康を守るため」だといいながら,そのために採られている対策の「基本的な矛盾」(いみじくもあの小池百合子都知事が「アクセルとブレーキを同時に踏む」ようなものと形容したそれ)は,いかんともしがたい。

 来〔2021〕年の2月1日からまた「Go To トラベル」キャンペーンを再開したいというわけでもあるまいが,1月いっぱい待てば,第3波のコロナ禍襲来が沈静する,やり過ごせるとでも期待しているのか? 仮に,このコロナ禍が第3波に収まる気配が出てきたとしても,その後になってこの新型コロナウイルス感染拡大問題じたいが完全に収まるとは思えない。専門家であってもそういっている。

 いままで(12月中における出来事として報道されていた)自民党の幹部議員たちによる,三々五々というかそれ以上の人数でもってもおこなっていた「会食」(3密など完全に無視した食事会)をみせつけられたとなれば,国民たちの側からは,この菅 義偉も含めた自民党のお偉方(いささかボケ気味の方々)は,コロナ禍などなんとも思っていない連中だと観察するほかない。

 冒頭にも触れたように民主党参議院議員の羽田進一郎が新型コロナウイルスに感染して死亡していたが,この件はPCR検査体制の不備をいまさらのように示唆している。

【参考記事】

 

 「特措法,来月改正めざす 政府・与党 感染対策呼びかけ」日本経済新聞』2020年12月29日朝刊1面

 政府・与党は新型コロナウイルスの感染拡大に対応する特別措置法の改正案を来〔2021〕年1月18日に召集する通常国会に提出する。国会提出前に野党と内容を協議して,来年1月中にも成立をめざす。営業時間の短縮要請に協力する店舗への支援と,要請に応じない場合の罰則を盛りこむ見通しだ。

 来年1月の2020年度第3次補正予算案の審議と並行して野党と協議する。与野党で内容に合意すれば3次補正が1月下旬にも成立した直後に短期間で改正案を成立させる計画だ。自民党立憲民主党国会対策委員長が28日,早期成立をめざすと確認した。

 政府は28日夕,首相官邸新型コロナウイルス対策本部を開いた。菅 義偉首相は海外で流行する感染力の高い変異種が国内で確認されたことを受け,マスクの着用や会合の自粛などをするよう国民に呼びかけた。

 補注)前項でとりあげたこの「海外で流行する感染力の高い変異種が国内で」も出はじめている。だが,菅 義偉が示したの認識「ぶり」は,説明したように,きわめて「フザケタ」態度になっていた。それでいてこんどはマジメになって,このように認識している点を断わっていた。菅は,自分が日本の首相として相手にしている感染症が “人間ではない事実” について,みずから理解しようとする姿勢が希薄であった。

〔記事に戻る→〕 首相は変異種に関して,

  (1) 感染力がこれまでと比べて 1.7倍強い,

  (2) 海外で接種が始まったワクチンに効果がないとの証拠はない,

  (3) 感染対策は従来のウイルスと変わらない

と説明した。「ウイルスに年末年始はない。高い緊張感をもって対策を徹底してほしい」と関係閣僚に指示した。(引用終わり)

 この菅 義偉の発言「ウイルスに年末年始はない」というものには,失笑モノというか爆笑モノである。「コロナ禍に年末年始がない」ことなど当たりまえに過ぎた理解であった。

 だいたいが,年末年始に「Go To トラベル」キャンペーンを停止させるという発想じたいにかかわっていえば,この年末年始を特別にウンヌンしているところが,もともとこの時期にこだわっていた〈奇妙な発想〉であった。この時期に人間の移動が増えるという点を踏まえても(「Go To トラベル」キャンペーンはこの点に大いに期待していたはず),あるいは踏まえなくとも(「Go To トラベル」なしであっても),コロナ禍はいまは年中に発生しつづける感染症としての疾病になっている。

 年末年始だからこそ「Go To トラベル」で,関係業者に少しでもなんとか儲けさせようとしてきた「二階俊博⇒菅 義偉ライン」としての「自民党的な私物化政治」路線は,コロナ禍の怖さなど「オレたち」には通じないとまでいいそうな雰囲気さえ感じさせてきた。だが,いまとなっては相手の怖さがいかほどかについては,ようやく理解しだした様子が感じられるようにはなった。

 いずれにせよ,昨今における国民たちの立場にとってみれば,新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対して政府の立場より当面してきたはずの,安倍晋三前政権以来の「バカな大将,敵(コロナ)より怖い」というしかない「現状におけるこの日本政治」ほど,これ以上に本当に恐ろしいものはない。

 そして森 喜朗以下,五輪組織委員会の面々は,1年延期の措置になっていた2020東京オリンピックを,まだ本気で開催する(できる?)つもりでいる。しかし,どれほど遅くても,2021年の3月中までにはその開催の可否を最終的に判断しなければならない。

 だが,日本政府・自民党政権は,コロナ禍の世界的な大流行(パンデミック)を目前にしていながら,いつまでもぐずぐずと五輪の開催にこだわってきた。それゆえ,自国のコロナ禍に対する本格的で真剣な対処は,実質的には半ば放置してきたも同然の対応に終始してきた。そのなかで,観光業でも一部にしか儲からない「Go To トラベル」キャンペーンという疑似国家行事そのものが展開されてきた経過は,異常であると描写すべき風景になっていた。

 現在もまだ,コロナ禍の集中発生地域として問題ありである東京都の知事小池百合子は,その第1波が襲来してきたときは「ロックダウン」するとか,「東京アラーム」の発令だとかいって大いにはしゃぎまわり,おまけに都庁やベイブリッジを真っ赤にライトアップしてお楽しみになっていた。

 けれども,いまはどうか?  「その後および最近の様子における彼女の演技ぶり」はとみれば,都財政の準備金の枯渇のせいもあってだが,東京都独自の立場としてなんら実効性あるコロナ・ウイルス対策を立てられないでいる。とりわけ,この東京都と政府との連携が必要であるコロナ禍対策については,初めから双方が協調性を保って共同戦線を形成しつつこの感染症に戦うという意向が,まったくみられなかった。

 当時の首相安倍晋三にしても,この都知事小池百合子にしても,自分だけの見栄え,それも当面だけ庶民受けする,したがって,対・コロナ禍政策としては統一性も統合性も有機性もなにもない個人演技(パフォーマンス)に熱心であった。要は,2020年3月から5月にかけての第1波コロナ禍の襲来時,彼らが採ってみた対応策(それもデタラメばかりでその場かぎりのそれ)は,まともに有効性を発揮できていなかった。

 

  菅 義偉政権「世論調査・支持率」に対する2020年12月の報道

 1)「菅内閣不支持率49%,初めて支持上回る  コロナ対策評価せず62%  毎日新聞世論調査」『毎日新聞』2020年12月12日 18時34分(最終更新 12月12日 23時11分

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 毎日新聞と社会調査研究センターは〔12月〕12日,全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は40%で,11月7日におこなった前回調査の57%から17ポイント下落した。不支持率は49%(前回36%)で,菅内閣発足後,不支持率が支持率を上回ったのは初めて。

 菅政権の新型コロナウイルス対策について聞いたところ,「評価する」は14%で,前回の34%から20ポイント下がり,「評価しない」は62%(前回27%)に上昇した。新型コロナ対策の評価が下がったことが,支持率の大幅減につながったようだ。

 2)「内閣支持42%,不支持36%(NHK世論調査)」2020年12月(12月15日更新)http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/

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 NHKは,今〔12〕月11日から3日間,……世論調査をおこないました。菅内閣を「支持する」と答えた人は,先月の調査より14ポイント下がって42%,「支持しない」と答えた人は,17ポイント上がって36%でした。

 支持する理由では,「他の内閣より良さそうだから」が36%,「人柄が信頼できるから」が21%,「支持する政党の内閣だから」が16%などとなっています。

 支持しない理由では,「政策に期待が持てないから」が38%,「実行力がないから」が29%,「人柄が信頼できないから」が17%などとなっています。
 
 3)「内閣支持率39%に急落 Go To 停止『遅すぎ』79%」asahi.com 2020年12月20日 22時45分,https://digital.asahi.com/articles/ASNDN6TWRNDNUZPS003.html?iref=pc_extlink

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 朝日新聞社は〔12月〕19,20日に全国世論調査(電話)を実施した。菅内閣の支持率は39%(前回11月は56%)に急落した。不支持率は35%(同20%)に増えた。菅 義偉首相が政府の観光支援策「Go To トラベル」を年末年始に全国で一時停止することを決めたタイミングについて聞くと,「遅すぎた」が79%だった。

 男性は支持43%,不支持38%。女性は支持36%,不支持33%だった。支持はすべての年代で5割を切った。50代以上は不支持が,支持を上回った。

 自民支持層の内閣支持率は67%(前回11月は83%)に下落。無党派層も22%(同39%)に下がった。自民党政党支持率は38%(同39%)で横ばいだった。

 新型コロナウイルスに対する政府の対応を「評価しない」は56%で,11月の40%から大きく増えた。「評価する」は33%だった。菅首相が新型コロナ対策で指導力を「発揮していない」は70%に対し,「発揮している」は19%だった。

 「Go To トラベル」を〔12月〕28日から来年1月11日に全国で一時停止することに「賛成」は78%,「反対」は15%。一時停止に「賛成」と答えた人のうち,タイミングが「遅すぎた」は84%にのぼった。

 政府が感染防止策として大人数の会食を控えるよう呼びかけるなか,菅首相が5人以上の会食に出席していた。これを「問題だ」と答えたのは66%で,「問題ではない」の28%を上回った。「問題だ」は自民支持層でも57%あった。

 東京五輪パラリンピックについてどうするのがよいか,3択で聞いた。「来年の夏に開催」は30%(前回10月は41%)に減った。「再び延期」は33%(同26%),「中止」は32%(同28%)だった。

 4)「菅内閣の支持率45%,16ポイント減 … 読売世論調査」『読売新聞 オンライン』2020/12/27 22:02,https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20201227-OYT1T50157/

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 読売新聞社が〔12月〕26~27日に実施した全国世論調査で,菅内閣の支持率は45%となり,前回(今月4~6日調査)の61%から16ポイント下落した。不支持率は43%(前回27%)に上昇した。

 支持率は,9月の内閣発足直後の74%から3か月余りで29ポイント下落した。読売新聞社が毎月の全国世論調査を開始した1978年3月以降の歴代内閣で,発足直後の調査から3か月後の下落幅を比較すると,今回の菅内閣麻生内閣と並んでもっとも大きかった。

 5)「内閣支持率42%に急落  本社世論調査  不支持が逆転」nikkei.com 2020/12/2
2:00,https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67766110Y0A221C2MM8000

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 日本経済新聞社テレビ東京は〔12月〕25~27日に世論調査を実施した。菅 義偉内閣の支持率は42%で11月の前回調査から16ポイント低下した。不支持率は16ポイント上昇の48%となり,支持率を逆転した。政府の新型コロナウイルス対応を「評価しない」割合は59%と11ポイント上がった。

 以上,この12月における各紙の世論調査における菅 義偉内閣の支持率やコロナ禍対策に関する評判を,それぞれ聞いてみた。ここまで悪評を受けなければ自分のやり方をかえようとはしなかった菅 義偉の “首相としての指揮ぶり” は,国家最高指導者としては落第点を着ける水準よりもはるかに下方にあったといわざるをえない。

 菅 義偉は内閣官房長時代,政府に対する批判をすべて「問題ない,問題ない,問題ない」とか「その批判は当たらない」などといって,門前払いのそのまた以前において,そもそも相手の存在そのものを認めない対応を,徹底的に貫いていた。だが,いま首相である立場においては,そのような態度はまったく通用しない。なにせ,相手は人間たちではなく,新型コロナウイルスになっている。

 

 ④ 東京オリンピックをまだ開催できるつもりで,各方面から人材を動員させる意向をいまだに維持しているものの,とうとうその考え方を変えざるをえなくなっているが,もしも開催されなければすべてが無駄骨の計画や組織となるばかりか,そのために費消してきた膨大な予算もドブに捨てる結果となる。

 2020年の2月・3月ころには第1波の襲来が始まっていたコロナ禍のその後における感染状況に対して,いま(12月段階)まで政府や東京都が採ってきた態度は,本格的に取り組んできたとはみなせなかった。

 小池百合子都知事安倍晋三首相による「自分の演技(パフォーマンス⇒宣伝)」のみを意識した対策は,結局,この12月までにたどってきた新型コロナウイルス感染拡大状況の推移をみれば一目瞭然であるが,それが拡大していく状況をさらに悪化させる事態しか生んでこなかった。コロナ禍はいまや第3波まで迎えており,より深刻な状況・段階に至っている。

 そのなかでJOCの五輪組織委員会はいまだに,つぎのようなドタバタ劇を演じつづけようとしている。ここに引用するネット記事は,「専門家や組織委理事が『五輪は無理』… それでも菅首相は開催強行,医療逼迫を無視して1万人の医師・看護師を無償で五輪に動員」『リテラ』2020.12.27,https://lite-ra.com/2020/12/1-2.html  である。一部分だけの参照となる。

 信じられないのは,組織委がいまも競技会場で活動する医師・看護師らを無償のボランティアとして1万人以上,集めようとしていることだ。〔12月〕22日の予算計画発表で医師や看護師をどうするのかという質問が出たが,武藤〔敏郎〕事務総長は「当初計画と変わらず原則無償で依頼する」と語ったという(東京新聞)。

 

 新型コロナで医療現場が逼迫し,医師や看護師の離職者が急増しているというのに,組織委はいまなお無償で五輪のほうに,1万人以上も動員をかけようというのだ。国民の健康や生命より東京五輪の開催を優先しようとしているとしか思えない。  

 しかし,武藤敏郎事務総長は以上のごときに,いまどきになってもまだ “タワケテいる” としか形容できないのだが,それも完全に営利主義・商業化した国際大運動会(2020東京オリンピック)の開催に向けて「医者や看護師までも完全にただ働きで動員させる」企図を捨て切れないでいた。だが,コロナ禍がここまで悪化してきたために,とうとうその魂胆:思惑どおりにはいかなくなった。

   東京五輪  医療従事者に手当や協力金 コロナ対策,原則無償から一転して方針転換 ★
  =『東京新聞』2020年12月29日 05時50分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/77184

 

 東京五輪パラリンピック新型コロナウイルス対策に関し,政府や大会組織委員会は,選手村や競技会場で活動する医師や看護師への手当や,派遣元である医療機関への協力金を支給する方針を固めた。

 

 当初は原則として無償で協力要請する計画だったが,コロナの感染拡大を受け,負担が増す医療現場や世論の理解をうるため方針転換。財政措置が不可欠と判断した。複数の大会関係者が〔12月〕28日,明らかにした。

 

 大会経費に関する4日の政府と東京都,組織委の合意では,コロナ対策費として960億円を計上。このうち検査体制の整備などで国が負担する160億円の枠内で,協力金や手当を賄う方針だ。

 

 これと別に,海外選手らと交流するホストタウンの対策経費として2020年度第3次補正予算で127億円を確保しており,交流事業にさいして必要となる各地の自治体での検査費用や,保健所スタッフの人件費も国が負担する。

 

 政府や組織委は支給額や支払い方法など,具体的な支援策の検討に入っており,感染状況をみきわ極めながら,医師会や看護協会といった関係機関に協力を要請する見通し。(共同)

 

 【関連記事】 東京五輪〉  医師ら5000人を無償で確保できるの? コロナ延期前の計画変えず… 医療界に困惑広がる」(⇒この人数については1万人の医師・看護師が必要だと指摘する意見もある)。

 

  それにしても,いまどき,どいつもこいつも,すごくフザケテいる自民党幹部・有力議員たちの言動

 1)「『飯を食うために集まったんじゃない』『意見交換を考えてやっている』(二階自民党幹事長)・・・天に唾する老害政治屋!!」『くろねこの短語』2020年12月28日,http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-50fcf9.html

 自民党議員の忘年会が後を絶たないなか,特高顔のカス総理が電波芸者田原総一朗君と会って,「もう会食しない」「自身の責任問題になりかねない」って愚痴ったそうだ。「自身の責任問題になりかねない」って,すでにに「責任問題」になってることも理解できないノータリンってことか。

 でもって,その田原君のBSの番組に土建政治の二階君が出演して,ステーキ会食についてこれまた居丈高なものい言いしてくれたってね。いわく,

 「飲食店でやったというだけで飯を食うために集まったんじゃない」

 「そこで出会って意見交換をすること,いまの事態に対してどう対応するかということを考えてやってる」

 これまたノータリンだよね。誰も会食じたいを批判してるんじゃなくて,国民に自粛をお願いしているというタイミングを問題にしてるんだよね。そもそも,野球選手や俳優を相手に,コロナ禍にあってどんな意見交換するのか,それもまた一般大衆労働者諸君にとっては論外なことなのだ。

 心が醜いとみかけも汚らしくなるもので,こういう不潔な爺さんの存在ってのは,まさに「老害」そのものってことだ。(引用終わり)

 二階俊博にITを使い,リモートで意見交換しろといってもムリか? Zoom だとか Skype だとかフェイスタイムだとか,これらの名称を挙げても,もとより理解すらできないか? 老害などという程度では済まない悪弊政治による不適実例が,日本の政界では生身の幽霊のごとく徘徊している。

 菅 義偉や二階俊博たちが,王 貞治杉良太郎みのもんたなどを呼んでいっしょに食事をすることで,いったいいかほど「現状に関した政治の話をすることができた」というのか? 馬鹿らしいやら,阿呆らしいやら……。お呼ばれした王や杉,みのたちは,どのような顔していっしょに〈密な会食〉をしたのか?

 事情はどうあれ,コロナ禍でのその生活感覚も疑われる。もっとも,政治の話は出なかったとすれば,それはそれで菅 義偉は,不急不要の会食の機会を,あえて設けていたことになる。

【参考記事】

 2)「『大きな功績あったから議員辞職必要ない』(山口公明党委員長)・・・さすが下駄の雪,頭が溶けかかってるようで!!&コロナ変異種で28日から外国人入国停止の“水漏れ”作戦!!」『くろねこの短語』2020年12月27日,http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-02947a.html

 ペテン師・シンゾーの「秘書がやりました」いいわけにどんどん綻び出てくるなか,連立政権の下駄の雪のくせに当事者意識のカケラもない発言が公明党山口メンバーから飛び出した。

 「首相として政策を作って実行し,国際社会で日本の存在感を示した大きな功績があった。(今後も)国会議員として果たせるものがある」。

 だから,議員辞職の必要はないってさ。てことは,功績があったらなにやってもいいってことか・・・なんて突っこまれるのは当然なんだね。創価学会の皆さんも,こんな公明党をいつまでのさばらせてるつもりなんでしょうねえ。

 そんなことより,コロナだ。なんと,イギリス由来の変異種が日本でも発見された。それに対して,〔12月〕28日から1月末まで外国人の入国を原則停止にするってんだが,なんで28日からなんだ。ああ,そっか,「Go To トラベル」一時停止の日程に合わせたってことね。

 こんな水際ならぬ水漏れ〔支離滅裂な対コロナ禍〕作戦に,ヤッシー田中君が Facebook にこんな書きこみして笑ってます。

 凡人には理解不能な水漏れ作戦!? 自笑 #専門家 説明してくれ💥

 日本政府は12月28日から2021年1月末まで

   (1) 全世界からの外国人の新規入国の停止を発表

   (2) 日本人や日本在住の外国人の帰国や再入国は可能

   (3) 明日到着の皆さんはウエルカム

 おっしゃるとおりなんだね。変異種感染のなかにパイロットがいるそうで,航空機のパイロットって空港検疫の対象外なんだってね。これほどのパンデミックにあって,航空関係者の特例措置は甘すぎというより間抜けなんじゃないのかねえ。

 そんななか,Go To に取り憑かれた国交相の赤羽君は,「感染拡大の状況もみながら可能なかぎり来月12日以降,事業を再開したいという考えを示しました」とさ。

 30人の懇親会で酒飲みすぎて救急搬送された元沖縄担当相なんてのもいるようで,自民党のシェンシェイたちって,どいつもこいつも褌緩みっぱなしのヘンタイ野郎なんだね。(引用終わり)

 3)   毒蝮三太夫「『最後の防波堤』医療現場の人件費を安く済ませるな」『BLOGOS』2020年12月28日 07:12,https://blogos.com/article/506051/  という記述がある。この寄稿は,コロナ禍問題の一端に関して,きわめて妥当な見解を披露している。ここでは引用せず住所(リンク)のみ指示しておく。

 数日前,日本看護協会会長の福井トシ子が語ったことには,現状のような苦境に追いこまれている病院関係の労働者のうちでも,新型コロナ・ウイルス感染者対応で働く看護師については,時間給で1時間あたり4000円を加給してほしい(手当の支給のことで,一月で20時間をとして月8万円),国家が補助していほしいと訴えていた。

 北欧のある国では本俸の220%の加給をするところもあるなかで,日本においてはささやかな要請であるが,コロナ禍の第3波が頂点に向かい猛威を振っている時期,福井トシ子に前段のようにいわせているようでは,とてもではないが「お話にもならない」。ところで「Go To トラベル」キャンペーンのために国家は,いったいどのくらい予算を浪費しているのか?

  キャンペーンの対象期間は 7/22~2021/1/31 までとされていますが,「Go To Travelキャンペーン」の予算は約 1.1兆円,宿泊旅行換算で約5,500万泊分であり,単純計算で国民1名あたり1泊以下となるため,早めにキャンペーンが終了する可能性も大いにあります。

 註記)「旅行最大半額補助『Go Toキャンペーン』最新情報」『TRAVELZOO』2020/12/02,https://www.travelzoo.com/jp/blog/go_to_campaign/

 この国では国民たちの人命よりも,観光業者の経営のほうがより大切なのである。もちろん,それは「いまだけ,カネだけ,自分だけ」の私物化・利権政治が最優先される随伴物であった。

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【参考記事】

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