菅 義偉政権は優雅に「これから」緊急事態宣言を発するというノンキさ,新型コロナウイルス感染拡大問題は一刻たりとて休む間もないにもかかわらず,いつもの後手後手を「先手,先手」と迷訳的にいいかえるこの首相の脳天気なズサン

 「緊急事態宣言」よりも「罰則付きの特措法改正」をもくろみたい菅 義偉政権だが,小池百合子都知事などにせかされて緊急事態宣言を出さざるをえないという体たらくぶりでは,コロナ禍に立ち向かう為政は不可能

 菅 義偉首相は元日のテレビ神奈川の番組のなかで,「新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会・経済活動の両立に全力を挙げる」考えを強調する以前から,「ブレーキとアクセルを踏みながら,あるいは同時に踏むこともある」などと,車でいえば本体じたいをぶち壊すような発言をした

 

  要点・1  「Go To トラブル好きの首相」の国家運営では,コロナ禍に対する根本的な対策は立てられず,効果的な対応もできない

  要点・2 いままでのコロナ禍対策ではすべてが中途半端であり,対策になりえていない,とくに政府と都政のバラバラな対応が大問題,

  要点・3 実現できそうには考えにくい「東京オリンピックの開催」を期待したい魂胆がみえみえ

【参考記事】

 

 「緊急事態宣言,7日にも決定 4都県で1カ月検討   休校求めず,共通テスト実施 首相方針」朝日新聞』2021年1月5日朝刊1面 印刷

 菅 義偉首相は〔1月〕4日,新型コロナウイルス対応の特別措置法にもとづく緊急事態宣言を東京,神奈川,千葉,埼玉の4都県を対象に,7日にも正式に決定する方向で調整に入った。期間は1カ月間を想定。今回,政府は飲食店への営業時間短縮などに対策を集中させ,小中高校への一斉休校の要請はしない方針だ。

 補注)「飲食店」だけがコロナ禍を発生させる場所ということか? 菅 義偉政権のやる新型コロナウイルス感染拡大に対する措置・対策は,断片的・部分的な適用に留まっており,総合的・組織的な視点がない。

 首相は〔1月〕4日の年頭記者会見で,宣言を再び出す検討に入ることを明言した。首都圏の繁華街での人出が先月減らなかったとしたうえで,専門家らの分析を踏まえ「飲食でのリスクを抑えることが重要」と指摘。4都県で集中的に感染対策を取る姿勢を示した。

 補注)昨年末,二階俊博と菅 義偉が8名で密な会食をしていた実績などみせつけられた国民たちの側では,この政権に対するコロナ禍対策については不信を抱いている。国民たちだけがコロナ禍対策をおこなっていればよく,自分たち政権側の幹部政治家たちはなにをやっていいのだ,二階などは「会食をしていたのではなく,集まっていただけだ」などと,子どものリクツ以下の,強引ないいわけを開陳していた。 

 自民党二階俊博幹事長は〔2020年12月〕27日放送のBS朝日の番組で,〔12月〕14日夜に東京・銀座のステーキ店で菅 義偉首相らと8人程度の会食をしたことについて,「別に8人で会っただけで,会食という,そんなことをとくににやったわけではない。飯を食うために集まったのではない」として「会食」を否定したのである。

 補注)この反論に対して,それでは,リモートで会食すればいいという批判がすぐに返されていた。この批判は百%,正解であった。

 

 この自民党の奥の間に控えている実力者のいうことには,論理どころかヘリクツにもなりえない「ガキもどきの口答え」を返していた。その会食に同席していたのは,菅 義偉首相や二階氏のほかに,プロ野球ソフトバンク球団会長の王 貞治,俳優の杉良太郎,タレントのみのもんたたちであった。

 

 なお,菅は〔12月〕16日に「国民の誤解を招くという意味においては真摯(しんし)に反省している」と謝罪していたが,国民たちの誤解を招かねばいくらでも会食オーケーだというド・ヘリクツを披露したことになってしまい,国民たちのヒンシュクを重ねて買う始末を招いていた。

 以上のごとき弁明をなしうる首相が,2021年の新年になって緊急事態宣言ウンヌンというかデンデンと来たからには,国民たちの目線に映る菅 義偉の舌先は,間違いなく「真っ赤っか」であったと思われる。安倍晋三の嘘つき政治は菅 義偉にもよろしく伝承されている。

〔記事に戻る→〕 政府は,対象とする区域や期間,具体的な措置など宣言の内容を早急に詰める。宣言するには,前回の宣言解除のさいに今後の感染拡大防止策などを定めた「基本的対処方針」の変更が必要で,〔1月〕7日にも感染症有識者らでつくる諮問委員会に諮る。同日中に衆参両院の議院運営委員会で報告し,対策本部で正式に決めた後に宣言を開始させる方向だ。実際に宣言が出れば昨〔2020〕年4月以来,2回目となる。

 政府高官らによると,今回は飲食店の営業時間短縮などを重視する考えだ。コンサートやスポーツなどのイベントは観客数を減らすなど開催要件をきびしくし,全面的な開催制限は求めないことで調整している。首相は〔1月〕4日夜のBSフジのテレビ番組で「学校(への一斉休校の要請)は基本的に考えていない」と明言。文部科学省は16~17日と30~31日の二つの日程で初めて実施される大学入学共通テストは宣言が出た場合も予定どおりおこなう方針だ。(引用終わり)

 いまもなお,菅 義偉たちの頭のなかにいっぱい詰まっている考えは,1年延期になった2020東京オリンピックを,今夏には絶対開催させたいという強い願望である。

 「コロナに打ち勝って」などと感染症の医学的・生理学的な本質を,歴史的にも理論的にもまったく理解できていない菅 義偉(や安倍晋三もそうであったが)は,だから「新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会・経済活動の両立に全力を挙げる」考えや,そのさいは「ブレーキとアクセルを踏みながら,あるいは同時に踏むこともある」などと,超絶的に不可能な発想をいまだに抱いている。

 つぎには,『読売新聞』と『東京新聞』から関連する記事をそれぞれ引用しておく。

   ※-1イングランド全域をロックダウン…英首相が再導入発表」『読売新聞』2021/01/05 06:16,https://www.yomiuri.co.jp/world/20210105-OYT1T50142/

 【ロンドン=広瀬 誠】 英国のジョンソン首相は〔1月〕4日,新型コロナウイルスの感染者数の急増を受け,イングランド全域できびしいロックダウン(都市封鎖)を再導入すると発表した。ロンドンなどで感染力が強い変異種が流行し,英国内の1日あたりの新規感染者は7日連続で5万人を超え,医療機関の逼迫が深刻化している。

   ※-2「感染拡大止まらず… 否めぬ甘い見通し,遅い対応   緊急事態宣言に方針転換の菅首相」『東京新聞』2021年1月5日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/78003

 a) 新型コロナウイルス特別措置法にもとづく緊急事態宣言に慎重姿勢を続けていた菅 義偉首相が〔1月〕4日,発令にかじを切った。年明け早々に方針転換を余儀なくされた背景には,東京など首都圏1都3県の知事や医師会からの強い圧力がある。感染拡大に歯止めがかからず,世論に押されて観光支援事業「Go To トラベル」の一時停止に踏み切らざるをえなかったときと同様に,見通しの甘さと対応の遅さは否めない。

 補注)菅 義偉政権は「Go To トラベル」を完全に止められないでいる。これは,東京オリンピックの開催を前提に考えているからである。緊急事態宣言の期間を1カ月に限定して実施するやり方は,五輪開催にこだわった措置であって,コロナ禍対策に万全を期して当たるという「現状における日本の政治」に求められている『緊急事態』からは,だいぶ離れた立場を意味する。

 つまり,緊急事態宣言だといっても,菅 義偉の頭中では基本的には「不要不急の対策」としかみられていないのが,実は「緊急事態宣言」なのであった。それゆえ,現実的には自家撞着にならざるをえない「新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会・経済活動の両立に全力を挙げる」といった考えや,そのさいは「ブレーキとアクセルを踏みながら,あるいは同時に踏むこともある」といったごとき,完全に二律背反の思考方法まで示されていた。

〔記事に戻る ↓ 〕
 b)「宣言なしで可能」一転「強いメッセージ必要」。首相は〔1月〕4日の年頭会見で,緊急事態宣言について「1都3県では3が日も感染者数は減少せず,全国の感染者の半分。状況を深刻に捉え,より強いメッセージが必要だと考えた」と説明した。

 昨〔2020〕年12月25日の年末会見で,宣言なしでも「(感染防止へ国民の行動変容は)可能だと思っている。必らず理解いただける」と明言したばかり。わずか10日後に,自身の認識の誤りを事実上認めた。

 もともと政権内では,経済活動が大きく落ちこみかねない緊急事態宣言には慎重論が根強かった。すでに感染拡大の「急所」と位置付ける都市部の飲食店に対する営業時間の短縮は要請済み。現行の特措法には,要請に罰則や補償の規定はなく「やれることは今とあまり変わらない」(政府関係者)との考えからだ。

 c) 医師会,4都県知事ら「早急に有効な対策を」〔以下は省略〕

 --以上のような迷采配ぶりが発揮されているなかで,一般庶民の日常生活のなかからは,つぎのような悲鳴が上がっている。

    ◆ 時短要請「もう限界,店たたむ」「閉めても他店に行列」◆
 asahi.com 2021年1月4日 22時00分,https://digital.asahi.com/articles/ASP1474W8P14UTIL037.html?ref=mor_mail_topix3_6

 

 昨〔2020年の〕春のように,再び街は静まりかえるのか。新型コロナウイルスの感染拡大で,首都圏を対象にした緊急事態宣言や時短要請に向けた動きが一気に加速した。「しかたがない」「なぜうちが」。飲食店を中心に,あきらめや戸惑いが広がっている。

 

 「もう店をたたむかもしれない。今回の時短営業の要請は,とどめになる」。東京・神保町でダイニングバーを営む40代男性は,午後8時までの閉店を求められるというニュースが流れると,そうこぼした。(以下,後略)

 いずれにせよ,救済措置(補助金・支援金)の伴わない「緊急事態宣言」では,今後も日本経済・社会をさらに決定的に衰退させていくほかない。午後8時から深夜までの営業によって大半を売り上げが確保できるという飲食業種に対して,その午後8時で営業を終わりにせよというのは,オマエたちの商売は「死んでもかまわない,死ね!」といいはなっているのと同じである。

【参考記事】

 

 「〈天声人語〉後手後手のチャーチル朝日新聞』2021年1月5日朝刊1面

 巣ごもりを余儀なくされたこの年始,海外ドラマ「ザ・クラウン」に引きこまれる場面があった。舞台は1952年のロンドン。濃霧に大気汚染がくわわる災害が起き,患者で病院が逼迫する。

  ▼ ときの宰相チャーチルの耳には,不安に沈む人びとの声が届かない。重い腰を上げて病院へ足を運んだ日,患者と医療者の苦境を目の当たりにし,自分の鈍感さを悔いる。ドラマゆえの脚色は多々あろうが,民意をすくい上げられない首相の姿を描いてリアルだった。

  ▼ 首都圏に再び緊急事態宣言が出される見通しとなった。きのう菅 義偉首相の会見を聞きながら思ったのは,昨〔2020年〕秋以降の政府の見通しの甘さ,動きの鈍さである。各地で感染が増えつづけ,医療の逼迫もたびたび指摘されていたのに,

  ▼ 事態が深刻になり,政策のゆきづまりが誰の目にも明らかになって,ようやく方針を転換する。この展開は Go to 停止でみたばかりだ。後手後手の流れはもう繰り返してほしくない。

  ▼ 〈「最善を尽くす」と口にしても無駄なことだ,必要とされることをやり遂げないかぎり〉。ドラマではなく実在のチャーチルが残したこの言葉を,いま菅首相に届けたい。実効性のある対策を国としてやりとげないかぎり,コロナという難関はとても乗り切れない。

  ▼ ちょうど9カ月前,初めての緊急事態宣言が出される直前の,重く張りつめた空気を思い出す。これで収束に向かうのか。暮らしは大丈夫か。いま不安に沈む人びとの声は首相の耳に届いているのだろうか。(引用終わり)

 --官房長官時代の菅 義偉が得意だった例のセリフを思い出す。「まったく問題ない」「批判は当たらない」という文句しか吐けなかったこの官房長官は,それこそバカのひとつ覚えでもって,一方的に相手を無視するだけの,無礼千万の話法を常時使っていた。だが,首相となったいまではそうした口調の為政は「まったく通用しない」し,誰がみても「問題だらけになっていた」。

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 「国会の質疑や会見で問われたことに正面から応じるか」といわれた基本の姿勢は,政治家としては問われるまでもなく,しごく当たりまえの作法である。菅 義偉は,官房長官時代にすっかり身に着けていたその「横柄・傲慢な口調」が,首相になってもなかなか抜けず,ただヒンシュクを買うだけの品性の悪い日本国総理大臣になりさがっていた。要は,自分なりにまともな理由やそれらしい理屈でもいい,それをきちんとつけて自分の考えを述べねばなるまい。

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 なによりも菅 義偉の顔面に付いている目玉には輝きがない,あるのは暗い,ジメジメした視線を投げ出すだけの黒目と,これをかこむ白目の部分だけである。長年の集積であるその眼球の造りであるゆえ,一朝一夕にその輝きの性質(品質)が変わるわけはないとはいえ,他者からはあまり直視したくないその〈眼光〉を発する目玉2つである。それで「まったく問題ない」とはいえまい。


 「〈社説〉宣言再発出へ 対策の全体像速やかに」朝日新聞』2021年1月5日朝刊

 政府が首都圏1都3県を対象に,新型コロナ対応の特別措置法にもとづく緊急事態宣言を週内にも再び発出する見通しとなった。きのう菅首相が表明した。首相は宣言に一貫して消極的だったが,感染拡大に歯止めがかからず,今〔1〕月2日の4知事の要請を受けて方針を転換した。

 大みそかに1千人超の感染者が確認された東京都をはじめ,首都圏では検査した人の陽性率が軒並み10%に達している。これは,政府の分科会が定めた4段階の警戒レベルのうち,「緊急事態宣言を検討せざるをえない」というステージ4に該当する。すでに医療現場の一部では機能不全が起きており,要請されるまでもなく,より強い対策を講じるべき段階だ。

  昨〔2020〕年11月上旬に「第3波」の到来を指摘されながら Go To 事業の継続に執着するなど,政府の対応は後手後手に回った。それは各知事も同様だ。分科会が再三にわたり,感染抑止の「急所」として飲食店などに営業時間の短縮を要請するよう提言したにもかかわらず,小池百合子都知事らは応じなかった。政府・自治体双方の甘い認識が,この状況を招いた一因であるのは間違いない。

 準備不足も否めない。安倍,菅両政権は昨〔2020〕年5月に最初の宣言を解除した後も,政策の検証や特措法が抱える課題の整理をしてこなかった。社説はその必要性を指摘したが,政府は動こうとせず,野党が先の臨時国会に提出した特措法の改正案も審議しなかった。

 そしていまになって,時短や休業の要請を実効あるものにするために法改正をする必要があるといい出した。〔1月〕18日召集予定の通常国会での早期成立をめざすという。要請に応じた事業者への財政支援の明確化などに異論はないが,従わなかった場合に罰則を科すことの是非やその内容など賛否の分かれる論点もある。拙速に流れず,開かれた場での丁寧な議論が必要だ。

 宣言発出に向けて政府は現行法のもとで,飲食を介した感染防止を中心に対策の詳細や期間を詰めるようだ。効果が上がらなかった場合,つぎにいかなる手を打つか。解除に向けた出口戦略をどう描くか。指標で示せるところは極力そうするなどして全体像をわかりやすく打ち出し,情報を随時公開する。そうした姿勢が施策への信頼感を高め,協力の機運にもつながる。

 昨春以来なんどもみせつけられてきた,政府と自治体,とりわけ小池知事との間の責任の押し付け合いや確執に終止符を打つ時でもある。それらがいかに不安と失望を増大させたか。政治指導者としての資質が問われる局面だと肝に銘ずべきだ。(引用終わり)

 ⇒ https://socialsciencereview.hatenablog.com/?page=1609456138

 本ブログ筆者は,2020年12月29日の記述(  ↑  )で,以上の『朝日新聞』社説も指摘していたような,菅 義偉の「後手後手になる」ばかりであった対・コロナ禍対策を批判的に論及してみた。それにしても,年末も年始もなく活動している新型コロナウイルス感染拡大「問題」を,人間側だけの勝手な考え方でもって,対策のほうを休み休みにおこなうという対処方法は,理解に苦しむほかない。

 政府側の対・コロナ禍対策がなぜ,そのような逡巡・遅滞・回避・頓挫を起こしているのかといえば,なんども指摘しておくが,それはなんといっても「東京オリンピックの開催」「可否の問題」が控えているからであった。

 オリンピックとパラリンピックの開催は,ほぼ2週間ずつの時間を割く。しかし,このためにコロナ禍の対策がおろそかにされるというよりは,無視したも同然の基本姿勢を反復してきた「日本におけるコロナ禍」は,天災である要素よりも人災である要因が強く働いてきたと判断されても,なにもおかしい点は生じない。

 とくに問題となるべき点は,こう表現できる。コロナ禍を担当する日本政府の大臣が「西村喜美康稔経済再生大臣」であって,なぜ,厚生労働大臣ではないのか? あるいは,このコロナ禍の猛威に対応するためであれば,特任・臨時職としての担当大臣が置かれていても,なんらおかしくない。

 そうした政府の状況が「新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会・経済活動の両立に全力を挙げる」とか,しかもそのさいに「ブレーキとアクセルを踏みながら,あるいは同時に踏むこともある」といったごとき,より明確にいえば二律背反的な対応を平然と実行できるつもりで推移してきた事実は,これがそのままコロナ禍対応策の不徹底となるほかなかったし,実際,その感染を輻輳的に拡散していく原因を提供した。

 昨〔2020〕年中からさらにくわえて問題であったのが,都知事小池百合子が終始一貫して個人プレーだけでコロナ禍の対応に当たってきた事実である。彼女は自分自身がめだつことにしか関心がなく,都民からコロナ禍の災害(パンデミック)をなるべく少くするための都政としてなにをおこなえばいいのかという点を,結局はないがしろにする演技に熱中してきた。

 小池百合子は2020年11月段階における発言として,新型コロナウイルス対策で「ロックダウン(都市の封鎖)」に触れた3月下旬の自身の発言について「急速な感染の拡大に歯止めをかけることができた」と逃げ口上を述べ,週末や夜間の外出自粛を要請するため「専門家が使った言葉を用いて,都民にわかりやすく発信した」と,自分の手柄を強調していた。だが,その実態とみれば,『東京新聞』都が政府とまともに協調することもなく,ただ抜け駆け的に都独自の対策だけを先行させるだけで,日本全体としてのコロナ禍対策を混乱させていた。

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 上の図表は東京都のコロナウイルス感染者数統計である。小池百合子の我田引水にもなりえない唯我独尊,その責任転嫁だらけの,それでいて的外れでしかないコロナ禍対策の迷走:独走ぶりが,日本全体のその対策に関してもいかほど妨害因子となっていたか。それは,計量的には推定できないほどに害悪をもたらしてきた。ここに触れた問題=小池百合子的な害悪性については,つぎの『日本経済新聞』に聞いてみたい。


 「政府と都県,責任押しつけ合い 首都圏の感染拡大」日本経済新聞』2021年1月5日朝刊4面政治

 菅 義偉首相は首都圏1都3県を対象に週内にも緊急事態宣言を再発令する。一連の過程で政府は飲食店への時短営業の要請強化を求め,都県側が早期宣言を迫るなど責任を押しつけあう構図が浮き彫りになった。

 首相は〔1月〕4日の記者会見で「北海道や大阪など時間短縮した地域は結果が出ている」と指摘した。1都3県は「三が日も感染者数が減少せず,きわめて高い水準だ」と緊急事態宣言を検討する理由を説明した。

 首相は昨〔2020〕年末まで緊急事態宣言を「考えていない」と繰り返してきた。年末年始に人出が少なくなれば感染拡大が抑制されるとの読みがあった。そのためにも東京都を中心に飲食店の営業時間の時短強化に踏み切ることを期待した。新型コロナ対策分科会の尾身茂会長ら専門家も「人の流れが減っていない」と語り,都に営業時間短縮の要請を強化するよう警鐘を鳴らした。

 営業時間の短縮や,さらに踏みこんだ休業を要請する権限は都道府県の知事にある。新型インフルエンザ対策特別措置法は24条で宣言を出す前であっても,知事が休業要請を出せると定める。罰則はないため緩やかな要請にとどまる。国の権限は同法20条で「総合調整できる」と定めるが,地方自治体を飛び越えて,強い指示は出せない。

 東京都の小池百合子知事は記者会見で忘年会や新年会など会合の自粛を訴えたが,専門家が求めた午後8時への営業時間短縮の強化に距離を置いた。首相は年明けに「東京は全然必要な対策をとっていない。病床だってまだ確保できる余裕がある」と周辺に漏らした。

 補注)この菅 義偉の意見,「病床だってまだ確保できる余裕がある」という理解は不可解である。昨年中からすでに東京都医師会,日本医師会ともにその不足を必死になって強調していたのだから,このように事実に反する答えを平気で語る首相は理解不能とまでいってもいい。

 一方,小池氏ら4都県の知事が主張したのは国の緊急事態宣言の再発令だった。〔1月〕2日,西村康稔経済財政・再生相との面会で検討を要請した。西村氏は逆に時短拡大を知事側に迫った。

 面会後,小池氏は記者団に「実際に店の方々がどれくらい協力していただけるかがポイントになる。効果のある方法をより国と連携しながら進める」と話すにとどめた。政府が宣言を出してからでないと,時短要請の効果は限られるとの立場だった。

  ※ 時短の強化が先か,宣言の再発令が先か ※

 都は〔2021年1月〕3日になって,隣接する3県と時短要請を飲食店全般に拡大し,営業時間を午後8時に短縮する検討に入った。政府からの要請を先に受け入れ,宣言の再発令を促す戦術に切り替えた。

 首相も歩み寄る。〔1月〕「4日の記者会見では『検討』と話します」。3日夕,東京都の新規感染者数が816人,重症者数は101人と高水準に上った状況を踏まえ,関係閣僚にこう話した。

 新型インフルエンザ対策特措法は民主党政権時代の2012年に成立した。当時は私権制限を伴う措置について地方自治体の裁量を重視し,国の権限を抑制的にした面があった。

 2020年4月の宣言発令時には,都が発令後に百貨店などを含む幅広い業種に休業要請をしようとしたところに国が再検討を求めた。隣接する県や国との調整が必要になり,実際に都が要請するまで時間がかかった。

 政府は18日召集の通常国会に特措法改正案を提出する。改正の目玉は要請に協力する店舗への支援措置と従わない事業者への罰則の検討になる。国と地方の権限の位置づけまでは現時点で議論が及んでいない。(引用終わり)

 「改正の目玉は要請に協力する店舗への支援措置と従わない事業者への罰則」などという以前・以外にもすでに,個人の問題としてはたとえば,コロナ失業や収入減のために,ローンの支払いに困窮する人がかつてないほど増えてもおり,コロナ禍の被害・損失は2021年に入ってさらに広範囲にわたり深刻化する様子まで現出している。

 いまの菅 義偉政権,そして小池百合子都政は,以上のごとき2021年中にさらに深化していくに違いない経済・社会問題に対して,いかほど国家為政者・都政担当者として対応できるのか,残念ながら深甚な疑問しか湧いてこない。

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【参考記事】

【疑  問】

 看護系大学の教育はどうなる? 無責任な動員要請である。

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【参考記事】

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