菅 義偉・森 喜朗などはまだ「コロナに打ち勝つための証し」となるオリンピック開催を夢みている,そのせいで新型コロナウイルス感染拡大「問題」の対応は終始,後手後手に後れてきた,日本医師会長中川俊男は「医療崩壊」にくわえて「医療壊滅」とも表現

 日本医師会中川俊男会長は,2021年1月6日の記者会見で「現実はすでに医療崩壊」と危機感を語り,「医療壊滅」の事態に至っているとまで指摘していた。中川いわく「医療じたいを提供できない『医療壊滅』のような状況にならなければ医療崩壊ではないというのは誤解です。現実はすでに医療崩壊です」。

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  要点・1 オリンピック聖火リレーは,2021年3月25日~7月23日を予定しているので,これ以前に余裕をもった期間も確保しておくかたちで「コロナ禍は収束」していなければならないが,そのような予想(想定)を勝手にしていていいのか

  要点・2 菅 義偉の国家最高指導者としての指揮ぶりは落第以前に,まったく及びではない低水準,国民への説明から逃げまわるこの首相は「日本国・民にとってよろず不幸の源泉」

 

  ノンキな爺さんたちの「東京オリンピックの開催」願望は,現実のコロナ禍の推移を完全に無視

 本日朝,配達された新聞朝刊を開いて読み出したら,ただただ呆れるほかない,菅 義偉政権の対・新型コロナウイルス感染拡大「問題」に対する対策が報道されていた。参考にまで触れれば,昨〔2020〕年2月27日に安倍晋三前首相が出していたが,3月2日から学校すべての休校措置を指示した緊急事態宣言は,完全に「愚の絶頂」まで登りつめていた対応であった。あげくが,2020年5月25日になった時点で,つぎのように脳天気きわまりない冗句を吐いていた。

 政府は〔2020年5月〕25日,新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を継続していた東京など首都圏の1都3県と北海道でも31日までの期限を待たずに解除した。対策本部で決定後,官報で公示した。4月7日から実施していた緊急事態が約7週間ぶりに全面解除されたが,経済社会活動の再開は感染状況などをみきわめながら段階的に実施する。

 安倍晋三首相は当時,対策本部に先立つ記者会見で,「世界的にもきわめてきびしいレベルの解除基準を全国的にクリアしたと判断した」と説明,罰則を伴う強制的な外出規制などを実施しない「日本ならではのやり方で,わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束することができた」との認識を示した。

 註記)「緊急事態宣言を全面解除,東京など5都道県で7週間ぶり」『Bloomberg』2020年5月25日 8:41 JST,更新日時 2020年5月25日 20:37 JSThttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-24/QAQ0TNT1UM0Y01

 国民たちが現在(2021年1月8日)までこうむってきている「コロナ禍の実情:災厄」を介して振り返ってみるに,この種の安倍晋三による冗句(空虚な駄言)発散を思い出させられると,これには怒りしか感じない。

 安倍晋三がいったとおりに,本当に「日本ならではのやり方で,わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束することができた」のか? そもそも,その後はどういう経過をたどってきたか? 第2波がそれも盛夏の時期,7月からも確実に襲来していたではないか。

 そしてさらには,2020年11月からの第3波がつづいて襲来しており,2021年1月に入ってからというもの,まさにコロナ禍・真っ盛りの状態に突入しつつある。つぎのコロナ禍に関する表は「日本全国・都道府県に関する統計資料」(1月7日午後7時半現在集計)である。

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 東京都において,1日の感染者数が千人を超えたのは2020年12月31日であった。そして,再度,千人を超えるのは2021年1月5日あった。それらの数値をかかげておくが,この1月に入り,急激に増加しだしている。

 12月31日 1337人(全国合計 4520人) 

 1月1日~4日  783人 → 814人 → 816人 → 884人(この4日分は東京都のみ)

 1月5日 1278人(全国合計 4915人)

 1月6日 1591人( 6001人)

 1月7日 2447人( 7571人)

 1月8日 2392人( 7840人

 

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  現政権に対して「社会の木鐸性」など皆無である『読売新聞』の報道

 この読売新聞の記事,「緊急事態宣言発令されても『東京〔都〕の感染者 100人未満』2月下旬以降と予測…専門家報告」『読売新聞 オンライン』2021/01/07 07:37,https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210106-OYT1T50211/ は,菅 義偉政権に向けて,まだ希望(!)をもたせうるかのような内容である。

 --新型コロナウイルスの感染を抑えるため,1都3県に緊急事態宣言が再発令された場合,昨〔2021〕年春の緊急事態宣言と同じレベルの効果を想定しても,1日の感染者が東京で100人未満になるのは2月下旬以降になるとの試算を,京都大の西浦博教授(理論疫学)がまとめた。厚生労働省の助言機関で6日,報告された。

 補注)この西浦 博が設定した「昨〔2021〕年春の緊急事態宣言と同じレベルの効果を想定」という,この判断においてミソ(骨格)になっているのは,この想定を「第1波」「第2波」の実際における数値の趨勢をそのまま平行移動的に適用している点,そしてくわえては,そのさい「同じレベルの効果を想定」したという前提条件もあった。しかし,これらの「今後の予測」のために「もちだした想定」は,かなり楽観的に用意されていると観察しておく余地がある。

 西浦教授は,昨春や昨夏に感染者が増加した時におこなわれた対策の分析をもとに,今後の東京の感染者数を予測した。感染者1人が何人にうつすかを示す「実効再生産数」は,現在 1.1程度と推定。今後新たな対策をとらなければ,2月末の東京の新規感染者数は1日3500人に増えるとした。

 補注)1月7日は木曜日であり,感染者数が週のなかでも一番多く記録される曜日であるにせよ,この日のその数がすでに2447人になっている推移に鑑みるに,はたして西浦の予測に(2月末の東京の新規感染者数だといえ),いかほどの妥当性がありうるのか,いまから疑問を抱く。本日〔1月8日〕は金曜日であるが,はたしてどのくらいの数値になるか?

 一方,実効再生産数が0.7程度と,人との接触削減が徹底された昨春の緊急事態宣言と同じレベルの効果を想定した場合,2月25日に1日の感染者が100人を下回ると推定した。飲食店に限定するなど,弱い対策で実効再生産数が1をわずかに下回る想定では,2月末も1日1000人を超える状態が続くとしている。

 補注)ここでも第1波の時のそれをそのまま当てて想定・推定・予測をしているが,これにもまた疑問ありだといっておく。とりあげ,あつかっている数字そのものに「桁違い」(想定にズレ・偏倚)があるのではないか? これはしごく基本的な疑問である。もっとも,この疑問のほうが外れるといいのだが……。

 西浦教授は「実効性の高い対策を取り,短期間に感染者を減らすことが重要だ」と話している。

 補注)この西浦の指摘からはだいぶ離れていたとみなすほかなかった「対・コロナ禍への対策」を,それもイヤイヤに採ってきたのが,安倍晋三の前政権および菅 義偉の政権の基本姿勢であった。読売新聞は「8割オジサン」として有名人になったこの西浦 博教授の弁を借りてだが,政権側に好意的な底意をこめた報道をしている。


  菅 義偉政権の天敵記者がいる『東京新聞』の報道

 「経済委縮を懸念し続け … また遅れた緊急事態宣言   絞った対策で感染抑制できるのか」東京新聞』2021年1月8日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/78633 は,第2回めの緊急事態宣言がはたして「第3波のコロナ禍」に対してまともに「戦える戦術」であるのかについて,基本的な疑問を突きつけている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け,政府が〔1月〕7日に決定した緊急事態宣言の再発令に伴う対策は,昨春の宣言時より対象となる地域や業種の範囲が狭い。経済へのダメージ緩和が目的だが,感染者数は第1波を大幅に上回っており,はたして抑えこめるのか。対応の遅れが指摘され,結果的に対象地域を全国に広げざるをえなくなった前回の事態が想起される。

 

 1)  対策は「限定的,集中的」

 菅 義偉首相は7日,再発令を決定した後の記者会見で「宣言により,なんとしても感染拡大を食い止め,減少傾向に転じさせる」と決意を強調した。対策の柱は,飲食店に対する営業時間短縮の要請だ。昨春のような宣言に先立つ小中高校の一斉休校や,音楽,スポーツイベントなどの中止・延期までは求めない。

 

 対象地域も東京都と埼玉,千葉,神奈川の3県に絞った「限定的,集中的」(首相)な内容。西村康稔経済再生担当相は7日の政府会合で「経済活動を幅広く止めるのではなく,効果的な対策を徹底していく」と説明した。首相側近は狙いを「経済への打撃を最小限にする」と解説する。

 

 2)疑問は政府内外から

 だが,政府内外から効果や期間の妥当性に疑問の声が上がる。厚生労働省幹部は2月7日までの期間に関し「半年だとトンネルが長い。まずは1カ月で努力するということではないか」と指摘。日本医師会(日医)の中川俊男会長は,対象地域が1都3県のままで沈静化に向かうかどうかについて「状況によっては全国的な発令も考えないといけない」と話す。

 

 実際,感染拡大が続く愛知県の大村秀章知事は「傾向が変わらなければ,国への宣言の要請を視野に入れなければならない」と説明。大阪府の吉村洋文知事は7日,宣言の要請に言及した。

 

 3)  第1波の二の舞

 首相が官房長官を務めた安倍政権では第1波の対応で,中国の習 近平国家主席の訪日実現にこだわって初期の水際対策が遅れた。感染の拡大中,東京五輪パラリンピックを延期するかどうかの検討で時間が経過し,決定を待ったことが緊急事態宣言発令の遅れにつながったと批判を浴びた。

 補注)冒頭でも指摘した点であるが,1年延期になった「2020東京オリンピックの開催」を,菅 義偉も安倍晋三と同じに,「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として東京で五輪・パラリンピックを開催する」と信じる政治屋の立場に嵌まっている。

 

 オリンピック聖火リレーは,2021年3月25日に開始する予定を組んでいた。そうなると,少なくとも2月中のなるべく早い時期において,現在,第3波として襲来しているコロナ禍が収束してほしいと考えているはずである。

 

 しかし,医療関係の専門家の意見には,2月いっぱいは第3波の猛威がはつづくと指摘する人もいる。しかも,今回の第3波が収束に向かう時期が来たとしても,コロナ禍じたいが全体として沈静化するという予想はできず,一定水準で感染者数は出つづけると予測するのが妥当である。

 

〔記事に戻る→〕 宣言の発令時,当時の安倍晋三首相は「やみくもに出せない」として対象地域を7都府県に決めたが,感染が収まらずに10日足らずで全国へと切り替えた。今回は菅首相が,感染拡大後も対策の強化が経済に与える打撃を懸念しつづけた。

 

 昨〔2020〕年12月に入ると,野党などから宣言発令を求める声が上がったが,観光支援事業「Go To トラベル」の一斉停止を決めたのは,全国の新規感染者が3000人を超えた後の昨年12月14日。同25日の記者会見では,緊急事態宣言の発令に否定的な考えを示したが,全国の新規感染者は増加をつづけた。

 

 首相はこの日の会見で対策の効果に関し「この1年間で学んできている」と繰り返した。「的を絞って,徹底しておこなうことが大事だ」とも強調したが,経緯をたどるかぎり,第1波の二の舞いも現実味を帯びる。

 補注)この首相はいままで,「オリンピックの開催」が気になって仕方なかったらしく,そのために意図的にだったのだというほかなかったが,後手後手にしか対・コロナ禍措置を講じてこなかった。

 

 そして自分自身だけは,「 “3密な会食” はするな」と国民たちに対しては要請(要求)したその舌の根も乾かぬうちに,つまりそういっていた当日の夜に「8人で会食」していた。

 

 この政治屋「首相」の対・コロナ禍に立ち向かう基本姿勢をみるに,国民たちの感情・意識などなんとも思っておらず,完全にバカにしきっている事実があまりにもあからさまであった。

 つぎ ④ は,西浦 博教授の「100人」水準までコロナ禍が減ればウンヌンの問題に関係する記事を引用する。

 

 菅首相会見の主な内容 / 西村経済再生相の国会質疑 緊急事態再宣言,首都圏4都県に」朝日新聞』2021年1月8日朝刊24面「特集」から

 ② の読売新聞の記事から引用していた点,つまり「1日の感染者が東京で100人未満になるのは2月下旬以降になるとの試算」をした西浦 博の意見に関係させて,この『朝日新聞』の記事からも,関連する段落を引用する。

 「西村康稔経済再生相が〔1月〕7日午後,衆参の議院運営委員会でおこなった事前報告と質疑の主な内容」から,つぎのやりとりを紹介する。

 

 ◆ 自民・松本洋平氏  緊急事態宣言の解除についてどのように考えているのか。

 

  ◇ 西村氏  感染や医療の逼迫の状況を踏まえてステージ3の対策が必要となる段階になったかどうかということを判断していくことになる。機械的に当てはめるものではないが,1点申し上げると,1週間あたりの感染者数が10万人当たりで25人を下回ることとなっている。東京都に当てはめると,1日あたり約500人の水準。こうしたことを目安にしながら,この1カ月で感染を抑えたい。

 

 ◆ 立憲・枝野幸男氏  今回,残念ながら菅 義偉総理の出席と説明がない。国民に直接,状況を説明し協力をお願いすることこそがリーダーの責任。総理に自覚が欠けていることははなはだだ残念だ。「Go To トラベル」へのこだわりなど感染拡大防止よりも経済を優先してきた(政府の)姿勢が後手後手の対応を招いた。宣言が遅れた理由と合わせて認識は。

 

  ◇ 西村氏  特措法の審議で付帯決議でも,専門家の意見を聞いて慎重に判断すべきだという意見をいただいたところ。昨年12月23日の専門家の分科会でも「緊急事態宣言を出すような状況にはない」とされた。だが,年末年始の人出が首都圏で減らず,感染拡大が続いてきた状況,医療がさらに逼迫してきた状況を受けて宣言の発出となった。

 以上の応答のうち西村康稔経済再生大臣が「東京都に当てはめると,1日あたり約500人の水準。こうしたことを目安にしながら,この1カ月で感染を抑えたい」と答弁していた点に注目する。すでに引用していたように,西浦 博の意見によれば「1日の感染者が東京で100人未満になるのは2月下旬以降になるとの試算」をしていたとなれば,この「2つの意見」である「1日あたり500人」と「100人」の関係付近を詮索してみる余地がある。

 要は,1月7日発令の緊急事態宣言から1カ月後の2月7日を「目標の期限(期日)」に切って置いたうえで,そうした感染者数の水準までに収束していけるみこみがあるかについては,いまのところ,確かな判断材料は与えられていない。ひとつだけいえるのは,なかなか困難であるという予測(予想・展望)だけである。

 東京都における新型コロナウイルス感染者数が統計的に描いてきた波動(前掲の統計図表)は,とくに第2波の時期(7月~8月あたり)を参考にすれば分かるように,西村康稔経済再生大臣はこの第2波の時期における感染者数,「1日あたりの感染者数が500人未満(以内)」を目安にした対策が可能になれば,という発言をしていた。

 つまり,2020年の2月7日時点において,東京都(オリンピックの開催地である)での感染者数がその500人以内(未満)に収まっていれば,多分,オリンピックの開催に漕ぎ着けると「いまから想定(期待・希望?)している」のかもしれない。

 この画像資料は既出であるが,もう一度かかげておく。

 

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 それにしても,現時点ですでに日本医師会会長中川俊男がコロナ禍による感染者数の増大が医療現場の崩壊=壊滅に至りつつあると,深刻な表情を浮かべて言明してもいるなかで,延期になった「2020東京オリンピックの開催」をいまだに夢見ているかのような政府と都の立場は,理解に苦しむ。


 東京五輪,開催危ぶむ声も『3月までに解除されなければ…』 緊急事態宣言」朝日新聞』2021年1月8日朝刊26面「社会」

 開幕まで200日を切った東京五輪について,大会組織委員会の内部でも「緊急事態宣言が3月までに解除されなければ,大会開催そのものが危ぶまれる」との見方が出ている。

 組織委は現在,選手や大会関係者向けの新型コロナ対策のガイドラインを作成中で,1月中にも各国・地域のオリンピック委員会などとオンライン面談を始める予定だ。組織委の幹部は「日本の感染拡大がどう受け止められるか心配だ」。3月末には福島を皮切りに聖火リレーが始まる予定で,同時期に政府主導の調整会議で大会時に観客の入場制限を行うかどうかの結論を出す見通しだ。

 ある大会関係者は「日々の暮らしに苦しむ人や医療従事者のことを想像すると,大会どころではない」と吐露する。組織委は当初,年明けから職員全員が原則出勤する計画だったが,新型コロナの感染拡大で見送った。緊急事態宣言が出た後も,現状で5割ほどの出勤率を維持する方針だ。組織委幹部は「大会開催が迫り,テレワーク中心はむずかしい」と話す。(引用終わり)

 そもそもの話,日本が2020年に入ってコロナ禍の第1波襲来に出遭ったさい,これへの対応を遅延させた唯一・最大の妨害要因が「2020東京オリンピック開催」へのこだわりであった。その結果,日本における新型コロナウイルス感染拡大「問題」の取り組みは,その後もいちいち後手後手に回ってき。それだけでなく,いまだにPCR検査すら徹底的に実施しようとしていない防疫体制は,この日本がまだ,お話にならないほどに「後進国的な医療体制」水準に停滞している事実を教えた。

 いまの日本では,コロナ禍よりも以前に,それもただちに撲滅しておくべき対象があった。それは,2020東京オリンピック開催をいまでも狙っている〔らしい〕IOCやJOC〔こちらにはまだ本気度をだいぶ残している(らしい)〕など組織体である。ごく一部の「五輪貴族」だけがいい思いをしていながら,一般市民に対しては「ブラックボランティア」や「感動詐欺」を押しつけるだけのオリンピックに堕落している。この人たちば主催する国際大運動会に,われわれ側が勝手に乗せられて感動などする必要などまったくない。

 オリンピックはすでに,35年以上も前から完全に「商業主義・営利追求のための国際大運動会」になりさがっていた。日本の東京都で2回めの開催となるオリンピックは,大枚な予算(当面,国税3兆円など)をさんざん浪費している。しかもその大会の開催期間は,パラリンピックもほぼ同じ期間であるが,それぞれわずか2週間ほどしかない。五輪に対する観方にはいろいろな見地があるとはいえ,膨大な無駄遣いである事実は隠しようがない。

 だが,今回のコロナ禍に対する日本国の対応ぶりとみたら,まったくに腰抜けぶりばかりがめだっていた。「国民たちの健康(生命)や生活」を護る任務を,国政や都政を担当する立場において課せられている「首相や都知事たちの仕事ぶり」ときたら,まるでその真逆の執政しかみせていなかった。オリンピックのために費消されている予算に比較してみると,コロナ禍対策用の経費計上はしぶしぶである。

 それというのも,延期になった2020東京オリンピックの開催にいまだにこだわっているからであって,いままでこの問題の取り組みに大いに精力を費やしてきたけれども,コロナ禍対策のほうは大きく妨害(阻害?)されてきた。この事実に関連させていうと,安倍晋三前政権から菅 義偉政権に継承されてきた五輪関連予算が,コロナ禍対策のほうになるべく転換して利用できれば,どれほどに有意義であるかについては,贅言を要さない。

 一番肝心である「国民たちの健康(生命)や生活」の保護・養生などそっちのけにしたまま,自分たちの私物化政治(「いまだけ,カネだけ,自分だけ」)にかかわる欲望充足のみが「彼ら政治屋たち」が熱心に追求する対象である。

 コロナ禍に向けて効果があるつもりだった「Go To トラベル」政策が,実は「Go To トラブル」にしかなっていなかった。それ政策は,まさしく「Go To the Hell」への片道切符を意味した。いってみれば,この「Go To トラベル」は,まるでこの国・民のためにみずから墓穴を掘る顛末を招来させていた。

 「Go To トラベル」政策は,「コロナ禍対策」としてみるに「アクセルとブレーキを同時に踏みこむ」ものだといわれたけれども,本当のところは,完全に馬鹿げていた「対策」と「対策」との「相殺どころではない〈最悪の組みあわせ〉」であった。現段階においてなお昂進(感染者数が急激に増加)しつつあるコロナ禍の「拡大状況」のなかで,いまごろになってようやく,「Go To トラベル」に対するブレーキをかけたところで,たいした効果は望めない事実は,ご覧のとおりである。

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