五輪組織委員会会長の森 喜朗が世界に向けて「日本の男女不平等:女性蔑視」を発信

 日本国の政治屋的な粗大ゴミ「性」を自認する森 喜朗は,「老獪・老練」というよりは「老醜・老害」と形容するのがぴったりであり,そして,まだまだ「オレは辞めない」といいはる増上慢は「オリンピック憲章」とは無縁の思い上がり

 日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で,女性を蔑視する発言を,当然のように語った森 喜朗は,いま世界中から注目を浴びていても,五輪組織委員会会長職は辞めないとがんばっている。

 日本オリンピック委員会『2000年版 Olympic Charter:オリンピック憲章』のなかには,こういう一文があった。「人種,宗教,政治,性別,その他に基づく,国もしくは個人に対するいかなるかたちの差別は,オリンピック・ムーブメントヘの帰属とは相入れないものである」。

 ところが,その「相容れない」「性別に関した露骨な差別感情」を,森 喜朗は堂々と,しかもいささか得意げにも語っていた。これでは,JOC幹部であり五輪組織委員会会長としての森の立場は,完全に空中分解も同然となっている。

 だが,本人はその会長職を辞める気は全然ないと応えている。とりわけ,女性差別発言をしたという意識も自覚もすなおにもてないまま,むしろ,JOCの理事会において女性理事たちが自分の権威を「忖度しない」作法のほうが,よほど気に食わなかったに過ぎない

 

  要点・1   「この国の男たちの恥である女性差別の精神」を正直に体現する元首相森 喜朗が,あらためて「日本全体の恥」となって再浮上したせいで,日本国の評判がさらにガタ落ちすること間違いなし

  要点・2 JOC理事会内で,女性理事がまっとうに発言する事実じたいを邪視するのが森 喜朗である,JOCからこの老人が去らないかぎり,JOCの評判も挽回できない

  要点・3 どこまでつづく森 喜朗流の愚かな発言(応答)なのか

 
 「メダリストからも怒りの声『かなり残念』 森会長発言に」asahi.com 2021年2月5日 5時00,https://digital.asahi.com/articles/ASP2475T2P24UTIL04Q.html?iref=comtop_7_01 

 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森 喜朗会長が,女性を蔑視したと受けとられるような発言をした件は,さまざまな波紋を呼んだ。現役のアスリートたちも声をあげた。

 2012年ロンドン五輪競泳女子200メートル平泳ぎ銀メダリストの鈴木聡美ミキハウス)は〔2月〕4日のレース後,「自分の心にも影響が大きく出ると思いますので,あまり多くは語れない。一言でいうのでしたら,かなり残念なのかなと思いますし,怒りも正直ありました」と話した。

 サッカーなでしこリーグ1部の世田谷でプレーする下山田志帆は3日夜,「久々に怒っています。日本のスポーツ界は,性の多様性を発信するフェーズにまでいけていないということを如実に表していますね」とSNSに投稿。

 さらに,森会長の会見後の4日午後の書きこみで,「一度外に出てしまった言動を撤回することはかぎりなく無意味。むしろ,偏見を認めたうえで対策を考えなければ同じことが起こる」と指摘。「スポーツの現場でもジェンダーバイアスに囚(とら)われた言動をよくみるけれど,そのフローをトップが示せば,現場レベルでもなにか変わることがあるのではないか」と投げかけた。

 

  ★ 問題になった森 喜朗会長の過去の発言 ★

 a)「首相時代」

 「日本の国は天皇を中心とする神の国」(2000年5月,神道政治連盟国会議員懇談会の祝賀会で)

 補注)日本の神道精神にかかわるこの「神の国」発言は,森 喜朗自身が「日本の神道」について,なんらかの勉強なり知識を踏まえていったのではなく,ただそうだと自分の思いつき的な発想で口に出したそれであった。ごく簡単にとらえていえば,「日本,スゴイ」のは「神道的に〈天皇を中心とする神の国〉」だからだというところまで,一気に飛躍できていた発想であった。

 「天皇=神」であるかどうかについては,令和の天皇である徳仁をみれば即座に判るように,天皇を神であるかのように観念する宗教的な,つまり「政教一致」的な理解を森 喜朗は語ったことになる。そういうわけがあるといえ,問題ははたしてそこまで森が日本の神道そのものに関する基本的な認識を踏まえたうえで,そういっていたかという点にあった。

 要は,いわなければいいこと(生半可にさえ分かってもいないことゆえ)を,わざわざ「したり顔」でいってみたところで,当時首相であったこの人物に特有の軽佻浮薄さが表現させられていただけであった。

 「(選挙で投票先を決めていない人は)関心がないといって寝てしまってくれればそれでいい」(2000年6月,新潟市の講演で)。

 補注)日本における現行の選挙制度は,組織票は生きるが個人票はなかなか生かされにくい選挙制度になっている(小選挙区比例代表並立の弊害面が顕著である)。この実情を踏まえて森 喜朗がいった発言が,これであった。ある意味では,民主主義下の選挙制度を,平然とないがしろにする森自身の立場をあからさまに語っていた。

 b)「首相退任後の国会議員時代」

 「子どもを1人もつくらない女性を税金で面倒をみるのはおかしい」(03年6月,鹿児島市公開討論会で)。

 補注)これは「なにをバカなことをおしゃいますか」という程度の,森 喜朗の発言である。人類・人間の再生産作業にたずさわるのは,女性だけでなく男性も手伝う。ごく簡単にいえば「男が種付けをして女性は妊娠する」のだから,子どもの種付けをしないほうの「男性〔が居ればこちら〕を税金で面倒をみるのはおかしい」とまでいわないと,つりあいがとれない話題であるはずである。

 ついでに断わっておくが,夫婦間・男女間において子どもがほしくて,そのためのガンバッテいる彼らのうち,女性側が懐妊できない原因を調べると,男女ごとに半々である。昔は,女性が悪い(もっぱらその原因だ)とされてきたが,これは科学的な根拠すらない不当な決めつけであった。

 また,いまでは50代・60代にまで高齢化した「引きこもり層」社会集団のうち,男性が7割以上を占めるが,この男性たちはもちろん配偶者はほとんどいない(結婚していない,同居する異性の相手:配偶者がいないから)。そして,仕事もしていない。

  中央大学山田昌弘教授によると「引きこもりは増加傾向にあり,それは親と同居する未婚者の増加と強く連動している」としたうえで,引きこもりの4分3〔ママ〕が男性であることに関して「男性と女性を比べた場合,日本社会は学歴や職歴で男性により厳しい社会のため,結果として男性が引きこもる可能性が高くなる」と分析。

 

 さらに深刻な問題として「親の経済力に頼っている引きこもりは,親が亡くなったあとどうなるのか。多くが低年金,無年金で,数十万人の生活保護受給者が現われる可能性がある。それは社会保障財政を強く圧迫することになる」と警鐘を鳴らす。

 註記)「中高年の引きこもり “61万人超” …なぜ4分の3が男性? 「学歴や職歴が厳しい」から !?」『FNN プライムオンライン』2019年3月29日 金曜 午後8:15,https://www.fnn.jp/articles/-/1790

 補注中の 補注)男性が多いのであるが,この「中高年の引きこもり」に属する人たちも,森 喜朗にいわせれば,ともかく「税金で面倒をみるのはおかしい」ことになる。なお,ここで指摘されていた「数値61万人超」は控えめの統計だとみておく余地もある。

 c)「大会組織委会長就任後」

 「あの子,大事な時には必らず転ぶんですよね」(2014年2月,福岡市の講演で,フィギュアスケート浅田真央さんのソチ五輪の演技に)。

 「僕は元々,あのスタジアムは嫌だった。生ガキみたいだ」(2015年7月,新国立競技場の建設計画の見直しについて,BS朝日の番組収録で)。

 「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」(2016年7月,リオデジャネイロ五輪の壮行会で)。

 補注)関連する記事をのぞくと,こう書いてあった。「場内ではみんなで声を合わせて歌う『斉唱』ではなく『国歌独唱』とアナウンスされ,ステージ上のモニターにも『国歌独唱』と表示されていた」。

 註記)「『国歌歌えない選手,日本代表じゃない』」森 喜朗氏」asahi.com 2016年7月3日 18時56分,https://digital.asahi.com/articles/ASJ735KMZJ73UTIL021.html

 「いままでの約束事をご存じのない方が来てガチャッと壊した」(2016年11月,五輪の競技会場見直しの考えを示した小池百合子都知事を批判して)。

 「ここで私が心の中に迷いがあったらすべてに影響する。淡々と進めていくという以外ない」(2021年1月,組織委職員向けの年頭あいさつで)。

 補注)要は「オレのいうことを聞け,黙ってしたがえ」という命令調の文句に飜訳できそうなセリフであるが,延期になった2020東京オリンピックの開催について,「心の中の迷い」を吹っ切ろうとして,このような発言になったと解釈できなくはない。

 「そんな判断の基準があるかというと,ない」(2021年1月,組織委が唱える「安心,安全な大会」について)。

 補注)五輪については過去,テロ事件も発生した大会の記録もあり,そのときは選手たちから犠牲者が出ていた。この種の問題については,ハナからなにも応えたくないみたいな森 喜朗の態度であった。

 「有名人(の聖火ランナー)は田んぼを走ればいいとの意見もある」(2021年2月,自民党の会議で)

 補注)これ聞いた「ロンドンブーツ1号2号」の田村 淳(47歳)は2月4日,東京オリンピック聖火ランナーを辞退すると発表した。聖火リレーのさい,客寄せパンダの役目を芸能人に果たさせる計画であったとすれば,田んぼの中を走ればいいといわれた田村は,内心ではおそらく激怒していたはず……。


 「IOC『森会長は謝罪した。この問題は終了と考える』」asahi.com 2021年2月4日 20時15分,https://digital.asahi.com/articles/ASP246KSXP24UHBI022.html?iref=comtop_list_01

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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森 喜朗会長(83歳)が,〔2月〕3日の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で女性を蔑視したと受けとれる発言をしたことについて,国際オリンピック委員会(IOC)の広報担当者は4日,朝日新聞の取材に「この問題は終了と考えている」と答えた。

 ◆「森会長,謝罪会見で投げやりに  組織委幹部『逆効果だ』」(←これは,引用した記事内でリンクが張られた別の記事の見出し)

 広報担当者は朝日新聞にメールで回答。「ジェンダーの平等はIOCの根本原則で,将来を見据えた五輪ムーブメントの長期計画,アジェンダ2020でも重要な柱に据えてきた」としたうえで,「森会長は発言について謝罪した。これでIOCはこの問題は終了と考えている」とした。

 森会長は4日の記者会見で,「辞任するという考えはない。皆さんが邪魔だということであれば,老害が粗大ごみになったのかもしれませんから,そうしたら掃いてもらえばいい」と述べ,みずから身を引く考えはないとした。

 補注)この発言,「皆さんが邪魔だということであれば,老害が粗大ごみになったのかもしれませんから,そうしたら掃いてもらえばいい」という点は,完全に開きなおった森 喜朗の気持があらわであった。「このオレをクビにできるものなら,そうしてみろ,いったい誰がそうできると思っているのだ」と,逆に恫喝するかのような捨て台詞の発言である。

 粗大ゴミで邪魔者そのものである「この醜悪な老害政治家」「五輪組織委員会会長の存在」が,わざわざみずからの口を使い,世界に向けて「日本は女性を差別する国ですし,とくにJOCはそれを実践しています,しかも私(森 喜朗)が率先してその範を示しています」といったも同然の発言を,重ねておこなった。

〔記事に戻る→〕 記者会見ではみずからIOCに説明するか問われ,「そんな必要ないでしょう。いまここでしたんだから」と答えていた。大会組織委員会武藤敏郎事務総長は会見終了後の4日夕,IOCに一連の経緯を報告したことを報道陣に明かした。

 IOCの対応について,組織委幹部は「IOCも(森会長に)辞められたら困る。代わる人がいない」との見方を示した。(引用終わり)

 IOCはJOCの上部・総括機関である。IOC側が,オリンピック憲章に明確に反する意見を,それもJOC幹部として吐いていた森 喜朗の言動について,東京オリンピックの開催に関係させてだが,「IOCも(森会長に)辞められたら困る。代わる人がいない」といった理由をもって,もしも放置しておくつもりだとしたら,まさしく世界の世論が批判の目を集中させている,それも森 喜朗が自白していた「女性差別」の問題を棚上げする姿勢を,IOCがJOCとグルになって支持することを意味する。換言すれば,IOCとJOCは,女性差別観を共有しているとみなされるほかない。

 なんといったらいいのか,JOCもIOCもいい加減に「▼カなことをいう」のは,ほどほどにしてもう止めにすべきである。森 喜朗が五輪組織委員会会長を辞めない理由(リクツ)として,IOCの関連性もちだした手口そのものが,卑怯千万であった。

 つぎの ③ に『東京新聞』の関連する記事を引用し,以上の議論に関してだが,そもそもどこに,なにが,どのような「日本側における五輪関係の問題」として存在していたのか説明する材料としたい。

 

 「森 喜朗会長の女性蔑視発言『日本の男女不平等を世界に発信』JOC山口香理事も批判」東京新聞』2021年2月5日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/84126

 東京五輪パラリンピック組織委員会の森 喜朗会長が,女性蔑視とも受けとれる発言をした日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会は,女性理事の積極的な任用についても議論していた。各競技団体などで女性役員を増やすことが求められるなか,逆行するような発言に,女性理事の山口香筑波大大学院教授は「日本はまだ男女平等が進んでいないと世界に発信してしまった」と残念がる。

 ◆-1 五輪精神

 「発言を撤回したい。五輪・パラリンピック精神にもとづいた大会が開催できるよう努力していきたい」。森氏の謝罪会見では,質問する側,答える側双方から「オリンピック精神」という言葉が繰り返された。国際オリンピック委員会(IOC)は五輪憲章で「男女平等の原則の完全実施」をかかげる。

 森氏の発言は,憲章に反するとの批判が相次いでいる。6月の理事改選に向けて役員選考の見直し作業を進めてきたJOC。その目的の1つが女性理事の任用で「幅広い視点から議論をおこなうため,女性理事を積極的に任用できる選考方法を構築する」としている。

 ◆-2 女性4割

 JOC理事は現在25人いるが女性は5人。JOCはスポーツ庁がまとめた競技団体の運営指針に沿って,女性理事を40%に引き上げる目標を大きく下回っている。森氏が臨時評議員会で「女性理事を選ぶっていうのは文科省がうるさくいうんです」と発言したのは,この動きを指す。

 評議員会は競技団体の代表や国会議員,大学関係者など63人で構成する。3日の臨時会はこの役員選考方法の見直しが主なテーマで,会場に評議員18人を含む約40人がいたほか,評議員33人がオンラインで参加していた。

 森氏はJOCの名誉委員の立場で参加。議事終了後に38分間,スピーチした。女性理事任用に関する場面で「女性が入った理事会は時間がかかる」発言があったが,参加者から異論は出なかった。「私が言うと,また悪口を書かれる」と続けると笑いが起こった。

 補注)森 喜朗がこのように「議事終了後に38分間,スピーチした」という点が気になる。本ブログ筆者も一時期であったが,某公益財団法人の常任理事職を務めていたとき,同僚の理事たちが諸行事の冒頭で挨拶をするさい,なかにははじめに与えられた制限時間(講話:スピーチをするための具体的に)何分という制約をまったく守れず,約束された「分数(じかん)の2倍以上」は平気でなんどでも話す理事もいたりで,この点には非常に困った。

 そうしたダラシ(締まり)のない理事(こういう理事にかぎって,スピーチの内容も下手で面白くない)に対しては,事後,彼が講話をする機会があるときにはすぐうしろあたりに座り,こう注意した。「長々と話しをすることがないように,与えられた約束の制限時間を厳守するように」と,そのつど声がけしていた。だが,それでもその理事はいつまで経ってもまったく改善できなかった。そういう理事は講話などしないほうがよいし,また理事職など就くべきでもない。

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 さて,上にかかげた画像資料はいまから4年半ほど前のものであるが,森 喜朗のうしろに立っている選手たちの表情をよく観察してほしい。森のあいさつを一生懸命に聞いている表情を浮かべているようには映っておらず,皆が一様に面白くなさそうに立っているとしかみえない。

 ◆-3 発言「理解できない」

 「国内では現状,大会の延期や中止を求める意見が多い。イメージダウンしかねない」。柔道の元世界女王の山口 香さん(筑波大教授)は〔2月〕4日,本紙などの取材に対し,森氏の発言を批判した。

 山口氏は3日のJOC評議員会にオンラインで参加。森氏の発言を聞き,「すぐに理解できなかった」と困惑。「五輪のホスト国である日本,東京,そこの組織委員会の発言。大会の信用にかかわる」と嘆く。

 山口氏はIOC委員で2017年に死去した岡野俊一郎さんに生前,「五輪やワールドカップ(W杯)の開催は世界に窓を開くこと。日本の文化,風習でいいことも,世界に合わないこともみられてしまう。変わらないといけない」と聞かされたという。

 「欧米に比べて,ジェンダーバイアス(性別の固定観念)が強く残っている」と感じていた山口氏。招致をきっかけに政府とともに女性活躍を推進し,「一歩一歩努力して改善に向かってきた」と感じていただけに「理解できない」と失望は大きい。

 スポーツ界をつかさどるJOCの立場として「開催に向けてオープンな議論をして,機運を高めるしかない」と話した。(引用終わり)

 2020東京オリンピックの開催が1年延期された状態になっている。だが,はたして,この夏に開催できるかどうかは非常にあやしい。それでも,IOC関係者はあいもかわらず能天気に近い感覚(発想)でもって,まだ,この盛夏に日本・東京で五輪を開催したいらしい。

 なかでも,つぎのように指摘されている事情,つまり,医療関係者の無料奉仕動員を前提とした話しを,いまだにできる橋本聖子五輪担当大臣の政治的な無神経ぶりには,非常に驚かされる。コロナ禍の最中である現実は,いまもなお継続しているのであるが,このようなJOCに特有である〈傲慢な対・社会「基本姿勢」〉は,社会常識的にも問題があるにもかかわらず,いまだに是正される兆候がない。

 ……中止なのか,このまま開催なのかの決断時期は3月中旬ごろだろうか。国内の新型コロナ感染は収束のメドが立っていないうえ,医療崩壊の懸念も目前の問題として解決が求められている

 

 橋本聖子五輪相は大会期間中に「1万人の医療従事者に交代で従事してもらう」という案も示しているが,目下の状況では,国民にも関係者にもこうした案に対するコンセンサスをうるのはむずかしい。

 

 日本のみならず,世界各国の人びとが目前の生活もままならない状況にあるなか,観客と選手両方が納得する結論をIOCは出せるのか。

 註記)「五輪中止を全否定したIOCが進める『開催シナリオ』驚きの中身 デッドラインは『3月中旬』か」『PRESIDENT Online』2021年2月3日https://president.jp/articles/-/42955?page=4

 コロナ禍が猛威を振るっているいまの時期である。1年延期になっていた2020東京オリンピックを開催したところで,日本の社会全般がすでにひどく被ってきている「その打撃や困難」が,当面,大幅に改善されたり基本から克服できたりする可能性はもてない。

 それでもなお,わざわざ五輪を開催したとなれば,目下の日本におけるコロナ禍を無用に(不要不急的?)にさらに拡大・深化させかねず,さらには,世界的な次元においてまで余計な混乱:悪影響をもたらしかねない。こちらの危険性が発生する事態のほうがより心配である。

 菅 義偉首相は,2月4日発売の「2月11日号の文春砲」に息子の不始末な行状を攻撃されていたが,五輪問題については安倍晋三をオウム返しに真似つづけており,ともかく「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として東京で五輪・パラリンピックを開催するとの決意」を語るだけであった。

 どだい,「感染症の問題」と「五輪開催の問題」を同じ土俵に乗せて語るところからして,はなはだしき勘違いであり,みそくそ的な暴論であった。いったいいつまで,そのような “繰り言・戯れ言” の政治的主張を復唱しつづけられるというのか,実に暗愚・固陋のかぎりである。

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