新型コロナウイルス感染症が日本の人口統計(出生数)に与えている影響

 今後の日本は出生数・出生率ともに低下していくほかない趨勢,結婚しにくく子どもを産む気になれないこの国,無策でしかない自民党 政権,この私物(死物)化的な縁故主義でしか政治をしない自堕落政府であるかぎり俺たちに明日はない

 

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   要点・1 結婚できない,したくてもできない社会になりつつある日本

   要点・2 オリンピックをやっている余裕などない日本の人口問題の深刻さ

 

 「1月出生数14.6%減  コロナ影響か」朝日新聞』2021年3月25日朝刊33面「社会」

 この記事を引用する前に,以下のような点を断わっておきたい。本ブログの筆者は,2020年3月ころから顕著となった「コロナ禍の悪影響」のために,日本における出生率に〔も〕負的(マイナスの)影響が加速度的に現われる心配をとりあげ議論してきた。

 その議論は,つぎの2つの記述などでおこなっていた。

※-1

 ※-2(3回に記述した連続もの)

 

 これらの記述のなかで本ブログ筆者は,2020年から2021年にかけて日本における出生率がいかほどになりそうのか,その予測値を探ってみた。その予測じたいはかなり粗っぽくおこなっていたが,つぎのように示してあった。

出生数の予想

 

  ※「出生数の推移」と「2020年と2021年の予想」

     2011年  105.1万人
     2012年  103.7万人
     2013年  103.0万人
     2014年  100.4万人
     2015年  100.6万人
     2016年  97.7万人(前年比 約3万人減)
     2017年  94.8万人(同 上)
     2018年  91.8万人(同 上)
     2019年  86.5万人(前年比 5万3千人減)
     2020年  81 万人(予想:ほぼ妥当か?  前年比 5万人減と想定した)
     2021年  74 万人(予想:控えめか?   前年比 7万人減と想定した) 

 2020年の出生数は結果として,事前の予測からは上方(プラス)にズレていた。なお,その数値については「日本国籍者」分だけであり,「外国籍」分は含まれていない。

 上記の統計においてまた留意が必要なのは,二重国籍者として生まれた新生児も,その数値に含まれていた事実である。この点の区分を明確に指摘する人はいなかったと思う。

 ともかく,「日本国籍者」(二重国籍になる者も含む)である出生数の場合,2020年における婚姻数や妊娠届数を考慮するとき,2021年については2020年とはだいぶ異なる数値,つまり大幅に下方(マイナス)に落ちこむ統計が出てくる。

 さてここから ① の記事を引用する。

 今〔2021〕年1月の出生数が前年同月と比べマイナス 14.6%の6万3742人だったことが、厚生労働省の人口動態統計の速報値で明らかになった。速報値には,国内で生まれた外国人や国外で生まれた日本人も含まれ厚労省によると2000年以降で最大の減少率という。新型コロナウイルスの感染拡大によって妊娠や出産を控える動きが出生数にもあらわれたかたちで,少子化がいっそう進む懸念がある。

 

 1月の出生数は昨〔2020〕年1月の7万4672人から1万930人減った。新型コロナの感染拡大以降では昨〔2020〕年5月の前年同月比9.7%減が最大の落ち幅だった。昨年は通年でマイナス2.9%だったが,今〔2021〕年1月に入って減少幅が拡大した。

 

 厚労省の担当者は「昨年5月から妊娠届の件数が目立って減っている。そのころ,妊娠していた方が出産を迎える時期で,出生数が減ったのだろう」と話す。政府が1回目の緊急事態宣言を出していた時期と重なる昨年5月は,妊娠届が前年同月比17.6%減と大きく落ちこんでいた。

 

 出生数の確定値(国内の日本人の出生数)は,2019年に86万5千人と初めて90万人を割りこんで「86万ショック」と呼ばれた。今〔2021〕年はコロナ禍による出産控えから,80万人割れする可能性があるとの見方が出ている。

 2020年において,それでは「日本国籍」の新生児(出生数)はどのくらいになっていたのか? ここではひとまず,あえて,前段に本ブログ筆者が出していた「2020年,81万人という数値」を置いて議論する。

 「今〔2021〕年1月の出生数が前年同月と比べマイナス14.6%の6万3742人だったこと」という記事の数値を単純に12倍し,2021年における出生数として意図的に計算してみると,

  「6万3742人 ✕ 12月 = 76万4904人」

といった数値になる。

 本ブログ筆者は大胆にだが,その数値は(前段でのように)74万人になるのではないかと予測してみた。2021年1月に出産した女性はおおよそでいえば2020年3月ごろ(の排卵期)に妊娠している。

 その後,日本におけるコロナ禍は「2020年7月~8月の第2波」と「2020年11月~2021年1月の第3波」と経てきた(最近の2021年3月になってまたじわじわと増えだしている)。

 こうなると,2021年2月以降に出産を予定している妊婦の数は,さらに減ってこそ増えるという予想はしにくい。母子手帳を発行してもらっている妊婦に関する統計を紹介しておく。

    ◆ 新型コロナによる妊娠届出数の減少が8月以降も続く,                      少子化に拍車かかること必至-厚労省                    =『GemMed』2020.12.25,https://gemmed.ghc-j.com/?p=38107

 

 厚労省は,新型コロナウイルス感染症の流行が妊娠活動などにどういった影響を及ぼしているのかを探るために,「妊娠届出」数の状況を自治体に照会。今年(2020年)10月には「一昨年(2018年)1月から今年(2020年)7月まで」の状況が明らかにされ,さらに今般,「今年(2020年)8月から10月まで」の状況が分かりました。

 

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 「妊娠届出」は,市町村が

   ▼ 母子健康手帳母子手帳)の交付
   ▼ 妊婦健康診査(妊婦検診)

などの母子保健サービスが適切に届くようを妊婦に求めているもので,2018年度には,93.3%の妊婦が妊娠11週目までに届け出をおこなっています。

 

 なお,既報の〔2020年〕「7月までの状況」について数値修正がおこなわれており,その点もあわせてみてみると,つぎのような状況です。

 

【4月】
  ▽ 2018→19年度:  2.1%減
  ▽ 2019→20年度:  0.3%減(修正)
    ▽ 2018→20年度:  2.4%減

【5月】
  ▽ 2018→19年度:  3.3%減
  ▽ 2019→20年度:17.6%減(修正)
    ▽ 2018→20年度:20.4%減(修正)

【6月】
  ▽ 2018→19年度:  6.1%減(修正)
  ▽ 2019→20年度:  5.7%減(修正)
    ▽ 2018→20年度:11.5%減(修正)

【7月】
  ▽ 2018→19年度:  1.5%増
  ▽ 2019→20年度:10.9%減
    ▽ 2018→20年度:  9.6%減

【8月】
  ▽ 2018→19年度:  6.1%減
  ▽ 2019→20年度:  6.0%減
    ▽ 2018→20年度:11.7%減

【9月】
  ▽ 2018→19年度:  4.0%増
  ▽ 2019→20年度:  1.0%減
    ▽ 2018→20年度:  3.0%増

【10月】
  ▽ 2018→19年度:  5.0%減
  ▽ 2019→20年度:  6.6%減
    ▽ 2018→20年度:11.3%減

 要は,前記に計算してみた2021年における出生数の約76万5千人という予想は,結果としてはさらに減るのではないか,という観方が必要になるかもしれない。単純に表現してみるに,2021年各月を通しての出生数が,月平均で6万人ほどになってしまうと仮定したとき,あとの2月から11月分は合計で66万人になる。

 すると,以上の仮定によった計算は,1年間の出生数を「6万5千人 + 66万人」=「72万5千人」と計算できる。あるいは多めに「6万5千人」✕「12月」で計算するとしたら「78万人」になるが,2020年中のコロナ禍の進行状態を考慮するとしたら,後者の場合のように計算するのは “楽観的(甘め)の予測” とみておく余地もある。

 いずれにせよ,2021年における出生数は80万人を切りそうだと懸念されている。だが,さらにこの数値はもっと落ちこむといったところで,必ずしも「深読み」にはなるまい。婚姻の件数が減少しているし,結婚している者たちであっても,さらに子どもを儲けにくくさせている「コロナ禍の時期」にある。こうした条件を踏まえて考えれば,2021年の出生数が相当に減ると予想したほうが順当である。

 

  立川智也「新型コロナ禍で2020年の婚姻件数は激減  出会いの機会も減り独身者は焦るばかり」『BLOGOS』2021年03月23日 11:41,https://blogos.com/article/524948 から

 この記事の題名は,最近日本における社会事情のひとつ「婚姻の問題」に関しているが,人口統計上「特定の懸念すべき傾向」が明確に出現してきた事象を指示している。この立川智也の記述はやや長めゆえ,適宜に拾いながら記述する。

 a) コロナ禍が本格化してからすでに1年が経過したが,「そんな激動の1年」「日本の未来を指し示す重要な指標」である「『婚姻数』はどう変化した」か?

 厚生労働省が〔2021年3月中の〕先日〔に〕発表した人口動態統計速報によれば,2020年の婚姻数は過去最低の53万7583組(実数)であった。

 その数値は,2019年の61万5652組から7万8069組も減少しており,この前年比マイナス12.7%というのは実に,1950年以来の減少率である。

 原・註記)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2020/12.html,『厚生労働省人口動態統計』から立川智也・作成。

 b) 2020年の婚姻件数が大幅に減少した要因を探ると,まず「過去10年の婚姻数の年次推移を示したグラフからは,2020年の婚姻件数が目立って減少していることが分か」る。「なぜここまで大きく減ってしまったの」か。 

 昨〔2020〕年〔立川智也が〕『BLOGOS』に寄稿した「『コロナ婚ブーム』は到来するのか?  婚活市場は男性側が有利に働く可能性も」は,以下の3要因をもって2020年の婚姻数は減少すると予測した。

 1.   新しい生活様式(在宅勤務,3密回避,マスク着用等)による出会いの減少

 2.   前年の令和婚による増加の反動

 3.   経済活動の停滞による先行き不安

 これらが実際に,どのような影響を与えたのか,ひとつずつ振り返ってみる。

 「 1. 」のために「在宅勤務や移動の減少で物理的接触が減った」こと,「テレワーク導入率の上昇とそれに伴う通勤や人の移動の減少により,結婚に繋がる物理的接触が減ったということが」できる。

 「 2. 」の点,「前年の令和婚による増加の反動」,この図表(厚生労働省人口動態調査より立川智也作成,前掲にあった厚生労働省公表とほぼ同一)に一目瞭然である。

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 「改元のタイミングである2019年5月の婚姻数が突出して高くなってい」たが,「そういった特殊事情により婚姻数が増えれば,2020年はその分のシワ寄せとして下がることは容易に想像でき」る。

 「そもそもコロナがなくともこの令和婚による反動で2020年の婚姻件数が減ることは明確だった」ところにくわえて,「コロナ禍が組み合わさって大幅減となった」。

 「 3. 」の「経済活動の停滞による先行き不安」は「先行き不透明な経済活動の影響」によって発生していた。

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 「厚生労働省が発表した一般職業紹介状況(参考URL,https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000726615.pdf)は,2020年の平均の有効求人倍率が 1.18倍で,前年に比べて0.42ポイントも低下して」おり,「その下落がどれほどのインパクトなのかは想像にかたくない」。「これほどの下落が人びとに与える心理的影響は大きいはずで」ある。

 「一方で,2020年は婚姻数について上昇に寄与しそうな要因もあり」,「それは『コロナ禍によって結婚への機運が高まる』というもので」あった。婚活大手の株式会社IBJが今〔2021〕年3月に発表したデータ(参考URL,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000479.000007950.html)は,コロナ禍で20代の3人に1人が婚活意欲が高まっていると回答してい」た。

 「確かに結婚への機運は高まった」が,「しかしそれをすべて吹き飛ばすほどに,結婚しにくい要因が複数」出現してしまい,「かつそれらが強すぎたのが2020年だったといえ」る。

 以下,立川智也は,論述するための「視点をミクロにして,2020年に婚活を始めた独身者はどのような方々だったのか,よすが結婚相談所での事例〔2件を〕紹介し」つつ,結婚しにくい社会情勢がコロナ禍の影響で醸成された事情を指摘していた。それら事例の紹介と分析・解説ははぶき,結論の部分にだけ聞きておきたい。

 c)   コロナで高まる結婚への機運-行政は必要な施策を。昨〔2020〕年から今〔2021〕年にかけて,婚活業界では「婚活は不要不急か?」というテーマが大いに議論されてきた。むずかしい論点であるが,私〔立川〕個人としては,感染対策をしつつも結婚につながる活動を続ける工夫は可能だと考えている。

 経営学者ピーター・F・ドラッカーが「もっとも確実な未来予測は人口構造の変化である」と指摘したように,国の未来と出生数は強く結びついている。その出生数に大きくかかわるのが,今回取り上げた婚姻数である。

 

 「コロナ 人口減   くい止めよ-結婚の意識改革を促そう」日本経済新聞』2021年3月22日朝刊7面「〈核心〉オピニオン」

 この『日本経済新聞』の記事は “結婚を促そう” と強調しているが,この国の現状においては「結婚・出産」に対しては,あれこれと悪条件ばかりがそろっているゆえ,そう簡単には改善できる願望ではない。

 記事は後半部分でつぎのように主張している。けれども残念ながら,この指摘は可能であるよりも不可能であると受けとるほかない。日本の関連するもろもろの〈現実的な状況〉は,あまりにもい貧弱・不備であるゆえ,この記事の要望がかないそうな現段階にはない。

 --歴史人口学者の鬼頭宏静岡県立大学長は「可能性はあるが確実ではない」という。補償的増加につなげるには,

   イ) 経済活動が復調し,若い世代の就労状況や収入が改善するか,

   ロ) 結婚・出産など家族形成への価値観と意欲に衰えはないか,

   ハ) 在宅勤務が出会いの機会を奪うなど障害にならないか

という不確実性を晴らすのが条件になるとみる。

 それでも問題は残る。合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子供数の理論値)が上向いたとしても,出生数の増え方は緩やかにとどまるか,下手をすれば減りつづける。出産適齢の女性がすでに減少局面に入っているからだ。

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 流れに任せていては,年金をはじめとする社会保障は制度破綻の危機にひんし,自治体の消滅が続出しよう。国の根幹が立ちゆかなくなるのは明らかだ。その阻止が私たち現世代の責務である。

 すぐに実現すべきは,出産を望む人への経済支援だ。とくにコロナで打撃を受けた女性を中心に,国庫から現金の直接給付を急ぐ必要がある。

 パート女性らのうち勤務シフトが5割以上減り,かつ休業手当を手にしていない「実質的失業者」は,昨〔2020〕年末の90万人から今〔2021〕年2月には103万人に増えたと,野村総合研究所が推計している。その5割強の世帯年収は400万円に届かず,4割は配偶者をもたない。出産をあきらめたり先送りしたりするのがこの層に多いのは,想像がつく。

 人工妊娠中絶は2019年度に15万6400件。日本家族計画協会の2016年調査によると,その理由に母体保護法(旧優生保護法)が認める「経済的余裕がない」をあげた人が4人に1人いた。経済支援の正当性を示す数字である。負の所得税を含めた給付つき税額控除の制度化も,喫緊の政治課題とすべきだ。

 時間をかけて推し進めるべきは,結婚の意識改革だ。日本の婚外子比率は2%と,英国43%,フランス49%,スウェーデン55%にくらべ格段に低い(2015年版厚労白書)。子供は法律婚を経た夫婦から生まれるものという固定観念を解きほぐすときだ。大学への保育所設置や奨学制度の一段の充実で学業と子育ての両立を手助けするのもよかろう。

 ただし出産を国家が督励する時代への逆戻りはありえない。望んでも子供をもてない人への配慮は当然である。真の意味で私たちはコロナに打ち勝てるのか。それは,出産を望む自然な心にどこまで親身になって伴走できるかにかかっている。(引用終わり)

 以上,『日本経済新聞』の人口問題に対する主張は,もっともな意見ばかりである。ところが,この国のなかでは「別姓はいけない」とか「事実婚はいけない」とかいいはってやまない愚かな一群,すなわち唐変木的そのものである「極右反動の政治思想的な肥だめ」にハマっている政治集団がいないわけではない。

 とりわけ「日本の家では〈家族の絆〉」が大事だなどといった〈奇怪なイデオロギー〉--どこの国ではそれはとても大事であることに変わりなし--にこだわっているうちに,その家族を構成する員数そのものがみるみるうちに減少してきており,それゆえ,その員数によって支えられている「家や家族じたいの数」も急激に縮少してきた。

 明治謹製の「家と家族に関する旧套の観念や慣習」にこだわりつづけ,そのイデオロギー的な枝葉末節に拘束されれているようでは,この国における少子化現象に抑制がかかるわけがない。21世紀のいまでは,それとこれとはまったく別問題である現実さえ,まったくみえて(みようとさえして)いない人たちには,そもそも当該の問題を議論する資格がないはずである。

 コロナ禍が進展する社会経済状況のなかにあって,若い女性層の貧困化は解決する見通しがもてない現象になっている。男女雇用機会均等法の趣旨徹底が,先進国中一番遅れている日本である。「ジェンダー・ギャップ」に関して日本が位置づけられている順位は,恥ずかしくていえない。

 また,この国のなかではとくに,「事実婚の問題」をうんぬんするさいになされる「その甲論乙駁ぶり」ときたら,まったく先進国らしくない真相まで暴露させる始末であった。

 なんといっても,自公民政権には少子化問題を基本からその方向性(ベクトル)を変えるための基本政策がない。もちろん,そのために必要な政治理念や具体的な社会政策ももちあわせていない。

 いまの日本は,裕福な階層ではないと「家族・家庭」のなかで,子どもを安心して儲けることができなくなっている。このままだと,現状のごとき少子化の趨勢は,これまで以上にさらに加速されざるをえない。

 ところで,現在の菅 義偉政権に少子化対策はあるのか? 五輪を開催できればこれがコロナに打ち勝つ証しになるなどと,昼あんどん的かつ奇想天外な,コドモじみた発想しかできないでいるうちに,少子化現象はおかまいなしにどんどん進行していく。

 2021年3月25日,1年延期になっていた2020東京オリンピックの開催に向けて,聖火リレー福島県から出発していた。だが,五輪というドブのなかに放りこむ国家予算があったのであれば,これを少子化対策に向けるべき必要があった。にもかかわらず,膨大な国家予算がその国際大運動会のために,それも一時の宴でしかない五輪大会のために乱費されてきている。

 かつて,Japan as No.1  と称賛されたことがなかったわけではないこの国であるが,このところは「各国家を品評する〈各種の国際的な物さし〉」を当てられると,どれもこれも「2桁の50番台どころか,3桁の百番台以下にまで後退している。

 最近は「日本はもはや後進国になった」といわれて,これをくつがえすだけの材料がみつけにくい現状にある。

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