日本オリンピック委員会・五輪組織委員会の唯我独尊や我利私欲,その貴族趣味的な非常識が「錦の御旗」にするオリンピック開催じたい,だがコロナ禍のために聖火リレーは大阪府で途切れそうな情勢

 この期に及んででいまだに王侯貴族の気分でいられるらしい,2020東京オリンピックのために存在する五輪組織委員会会長 橋本聖子の世間しらず,なにをいいたいのか支離滅裂で,ごく簡単な常識も感じられない

 

  要点・1 特権意識丸出しJOC五輪組織委員会の面々

  要点・2 世界中がコロナ禍に苦しむ現況のなかで,いまだに,2020東京オリンピックの開催を1年延期してでも実現させたいと妄想する人びと,その極楽トンボぶりときたら,自分たちのことを「鷹か白鳥にでもなれている」のかと思わせるくらいに飛んで(ラリって)いる

  要点・3 馬車の前に馬を出して付けたかのような聖火リレー」のどんちゃん騒ぎは,大阪府ではコロナ禍のために中止になりそうな雲行き


 「大阪で613人がコロナ感染 5人が死亡,変異株246人」東京新聞』2021年4月三日 00時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/95473共同通信

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 大阪府は〔4月〕2日,新型コロナウイルスに感染した5人が死亡し,613人が感染したと発表した。

 1日当たりの新規感染者数としては過去5番目の多さで,600人超は2日連続。4日続けて東京都を上回った。直近1週間で,感染者は3182人と前週の2.4倍に。人口10万人当たりでは36.1人となり,国の分科会が定めるステージ4(爆発的感染拡大)の水準を超えている。

 2日までの感染判明者のうち新たに246人が,変異株PCR検査で陽性と判明。変異株の陽性者は計627人になった。府によると死亡したのは70~90代の男女5人。重症者向けの病床使用率は50%に達した。(引用終わり)

 大阪府の人口 882万人に対して東京都の人口は 1394万人なので,府の感染者数は都に換算すると 1.58倍の数字,つまり  613人 ✕ 1.58 = 969人になる。

 この記述を書いていた段階で一番新しい報道だと思うが,「聖火リレー『中止の方針』の正式決定は来週に  大阪府」『関西テレビ』2021年4月3日 土曜 午前 2:00,https://www.fnn.jp/articles/-/164459 というニュースがなされていた。

 さきには,『MAG2NEWS』2021.03.30,https://www.mag2.com/p/news/491821 が「五輪中止は決定か?  放送権をもつ米NBC『聖火リレー批判』が意味するもの」と題した記事が,つぎのように指摘される意図をもって書かれていた。

 3月25日に聖火リレー福島県をスタートしたものの,いまだ多くの国民がその開催に異を唱える東京五輪。7月23日,予定通りに開会式を迎えることができるのでしょうか。 

 

 今回のメルマガ『国際戦略コラム  有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが,国内の新型コロナ新規感染者増と,米放送局のNBCが聖火リレー中止を訴える記事を自社サイトに掲載した事実に注目。そのうえで,菅政権による再度の緊急事態宣言発令が米国世論を動かし,五輪が中止となる可能性があると記しています。

 聖火リレーを,それもどんちゃん騒ぎとして出発させた五輪組織委員会であるが,このコロナ禍のもとでは,ウイルスをわざわざ拡散させるための行事になっているとしか解釈できない。おまけに菅 義偉はまだ「Go To トラベル」キャンペーンを再開させるつもりがある。コロナ禍の第4波が襲来するという時期に,国家的な行事の音頭によって聖火リレーが開始されたのである。

 この国の最高指導者はいったいどういう神経の持主か?

 世界のなかですでに「コロナ禍の〈井の中の蛙〉」になりはてている「この日本の行動様式」は,早々と大きな勘違いをしてしまい,「人類(とくに日本?)がコロナに打ち負けた証し」を海外に向けて発信してきた。それでいながらも,この国は「自国が背負っているはずの真相」については「三猿の要領」で,完全に無視しておきたいのである。それこそ “みちゃーいられない” ほどに,みっともなくも恥ずかしい姿になったこの国の姿が,あらためて目前に開陳されている。

 つぎの ② に紹介する事実も本当にエグい。国税・都税を乱費的に湯水のごとく使いこんでいる五輪組織委員会の執行体制は,いってみれば犯罪的な雰囲気まで強く臭わせるほどタチ(筋)が悪い。

 

 東京五輪人件費『一人1日30万円』 組織委内部資料,実額は非公表」毎日新聞』2021/3/31 (水) 19:56 配信,https://mainichi.jp/articles/20210331/k00/00m/020/336000c

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  東京オリンピックの会場運営を担う企業への委託費の見積額を記した東京五輪パラリンピック組織委員会作成の内部資料を毎日新聞が入手した。委託費を積算するさいの根拠となる人件費単価は1日当たり最高30万円。組織委はコスト積算のための「参考値」であり,この額を前提に発注することはありえないというが,実際の額は非公表。みえない予算のもと,五輪の肥大化が止まらない。

 補注)この五輪組織委員会風に格別であるリクツ⇒「この額を前提に発注することはありえないという」のであれば,この額がなぜ数字として実際に書かれているのかじたいが,そもそもナゾナゾの部類になる。

 それにしてもずいぶんひどくトンチンカンで「説明にもなりえない説明」を返していた。なんといっても,自覚していながら完全にトボケ切った返事であった。要は「中抜き原価(収益=利益)」に相当する「人件費のほうでたっぷり高原価となる」現象が,当然のように裏舞台で登場させられていた。

〔記事に戻る→〕 東京五輪は計33競技339種目があり,これを9都道県の42会場で実施する。各会場で観客誘導や報道対応などの業務が必要で,組織委がそうした運営を企業に委託する。資料は五輪の1年延期が決まる昨〔2020〕年3月より前に作成したものとみられ,観客の入場を制限しない「完全開催」を前提にしている。

 人件費単価は「運営統括」(企業の部長級に相当)を筆頭に「チーフ」「ディレクター」「サービススタッフ」など計10ランクの役職に分類して設定。うち,東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで実施される競技運営を担う企業への委託費は約5億3000万円で,人件費単価は「運営統括」で日額30万円,「チーフ」で同20万円,「ディレクター」で同20万円。

 この企業には他に3会場の運営を委託するが,人件費単価はどれも最高30万円だった。広報担当者は取材に対し「クライアントとの守秘義務で公表はできない」と書面で回答した。(引用終わり)

 この最後のいいわけは,国税・都税に関する「五輪浪費的な使い道」は公表できない,関連の情報は公開できないと開きなおっている。相手=クライアントとの契約から守秘義務が生じているという防御の論理が表面に置かれているが,通常の商取引とは異質の性格になるほかない原価要因がたっぷり含まれているからには,実に奇妙なリクツが前面に出張っている。

 その一方では,五輪実施のために動員するボランティアたちに対する報酬は基本ゼロであって,まさしくブラック・ボランティアだ,感動詐欺だと避難されていた。JOC五輪組織委員会という〈俺さま・たち〉は,「オリンピックの開催」という国際大運動会の実施という計画そのものが,一般大衆に向けられるべき「まるで『錦の御旗』である」と思いこんでいる。

 つぎの ③ 以下につづく記述は,自分たちが特権階級(五輪貴族)とあると倒錯した誤認のもと,日本社会の側に対してあれこれ発言し,厚かましく要求する五輪組織委員会の基本姿勢をとりあげている。

【参考記事】

 

 聖火リレー  私が五輪スポンサーの『お祭り騒ぎ』動画を Twitter から削除した理由」東京新聞』2021年4月2日 14時38分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/94981

 東京五輪聖火リレーで目立つスポンサー車両を映し,ツイッターで約90万回再生された動画を3月28日,私は削除した。大音量の音楽やDJ(ディスクジョッキー)による異様な演出を問題視した動画で,削除という判断には「おかしい」という抗議の声もいただいた。

 なぜ削除したのか。背景にはメディアの動画公開を撮影から「72時間」とし,公道で撮影した動画すら規制する国際オリンピック委員会(IOC)の独自ルールがあった。(原田 遼記者,以下はこの記者の記事)

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 ◆-1 相次いだ抗議

 問題の動画は,私が聖火リレー初日となった〔3月〕25日午後4時53分に南相馬市の県道で撮影した。日本コカ・コーラなどスポンサー4社が走らせるトラック型宣伝車が大音量の音楽をかけ,観覧客で密になる沿道の間を通過する光景を映した。一部のDJはマスクをつけずに「楽しみましょう」と絶叫していた。

 補注)聖火ランナーは,この(上の画像の)宣伝車コンボイやその他の多くの車輌のなかに「埋もれて走るような風景」になっている。

 その日夜,ツイッターの個人アカウントで動画を公開。翌日,東京新聞のウェブサイトでは,「大音量,マスクなしでDJ… 福島の住民が憤ったスポンサーの『復興五輪』」のタイトルで記事を掲載し,動画を埋めこんだ。

 ツイッターのコメント欄ではどんちゃん騒ぎ」「復興五輪が聞いてあきれる」などスポンサーや大会組織委員会への批判が並んだ。私がツイッターに添付した動画は89万回再生され,リツイートは1.9万件に上った。

 しかし〔3月〕28日午後4時30分,私はみずからのツイッター投稿を削除した。会社にもウェブ記事から動画のみを削除してもらった。この措置をツイッターで報告すると,「IOCに従うのはおかしい」「公共性の高い動画をなぜ消すのか」という抗議が相次いだ。

 ◆-2 IOCの「72時間ルール」

 経緯は2月25日にさかのぼる。組織委がメディアに対して聖火リレーのオンライン説明会を実施。参加者にはメールで「ニュースアクセスルール」と書かれた資料が配られた。

 そこには聖火リレーの放送,配信の権利は放映権を持つ事業者(NHKと日本民間放送連盟各社)にあることと,放映権をもたないテレビ局や新聞メディアに対して「イベントから72時間経過するまでの間にかぎり,非独占的に,ディレイで(すなわちライブではなく)放送し,あらゆるプラットホーム(インターネットを含む)経由で配信することができる」と明記されていた。

 つまり,新聞社はウェブサイトやSNSで聖火リレーの動画を配信する場合,撮影から「72時間」に制限されるという内容だ。そして違反者に対しては「著作権,商標,刑事,不正競争,不正利用に関連する適用法令にもとづき,法的責任に問われる可能性がある」と明記された。

 ◆-3 「おかしい」と感じたが…

 説明会で私は「明らかにおかしい」と感じた。放映権をもつテレビ局の利益保護が理由とはいえ,公道でおこなわれる事象に対し,なぜIOCに規制する権利があるのか。

 私は質疑応答で「万が一,事件や事故が起きた場合など公共性の高い報道が必要になった場合はルールの順守は困難かと思われる。柔軟に対応してほしい」と要望した。組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンは「IOCが決めているルール。われわれはルールのみを伝えることしかできない」と,回答を拒んだ。

 補注)なお,JOC五輪組織委員会はIOCに全面的に絶対服従するという契約関係の間柄にあるゆえ,否応なしにつまり問答無用的に,このような説明がなされている。

 他の参加者からは一般の観覧者に対する動画公開について質問があり,高谷氏は「沿道の一般の方に対してのルールはない」と答えた。一般の人は無制限に動画を公開できて,メディアは駄目というのは理屈が合わないが,私以外にルールに異を唱える参加者はいなかった。

 ◆-4 最終的には削除を決断

 痛恨なのは,その後のみずらの行動だ。ルールに疑問をもちながらも,「1人ではなにもできない」と諦め,IOCに直接抗議をするなどの働きかけをしなかった。

 そして3月になり,メディアが聖火リレーのランナーや式典を取材するために必要な「メディアライブラリー」に登録した。登録には「ニュースアクセスルール」の順守が条件とされた。登録した時点で,IOCの不条理なルールに従わざるをえなくなったのだ。

 リレーの動画撮影から「72時間」が迫った3月28日夕方,私は依然として伸びつづける再生回数を見ながら迷った。公道で撮影した動画の公開がIOCに制限されるはずがなく,万が一,訴訟を起こされても負けるリスクは少ない。「動画の公開を続けるべきではないか」。そうも考えた。

 しかし,IOCは民間組織で気に入らないメディアは自由に排除できる。「ルール違反」を理由に私だけでなく,東京新聞のすべての記者を聖火リレーから排除しかねない。もっとも心配したのは五輪本大会での取材パスだ。

 もし申請が却下されれば,競技会場には入れず,選手の活躍を報じることはもちろん,今回のように大会の「闇」を内部から伝えることはできない。新聞社としては致命的だ。3日間の動画公開で一定の問題提起ができた,とも感じており,私は最終的に動画の削除を決めた。

 あらためて〔3月〕30日,IOCの担当部署に「公道で撮影された動画に対し,なぜIOCが公開の権限をもっているのか」と質問をメールで送ったが,回答は放映権者への配慮をにじませるものだった。

 補注)このあたりの商法的な権利義務関係に関する説明は,素人にはほとんど分かりえない背景があった。IOCに対するJOCの関係そのものの立場じたいが,絶対的な上下関係にある。そのせいか,こうした問題が現出したとき,問題のありか・本質を適切に説明してくれる人がいない。JOC五輪組織委員会もきちんと説明する気すらない。

 ただし素人のわれわれにも明確に伝わってくるその「IOCとJOC」の上下関係は,日本の国民たちに対する場合の問題としてだが,さらには「JOCと一般の人びと」との間柄までも,その種の「上下関係」でもって絶対的に服従させようとするごとき五輪組織委員会のきわめて横柄な〈権柄尽くの態度〉」だけは,みごとなまで表出・具現されている。要は「JOCは何様のつもりか」という批判を,われわれの側からはきびしく打つけておく必要がある。

 ◆-5 批判重く受け止め

 公共性の高い記録を消してしまったことに対して「メディアの責任を放棄した」という批判を重く受けとめたい。同時にやはり多くの人が東京五輪に対して疑問をもっていることを実感した。今後も五輪の問題を追究しつづけることが,私の責務だと感じている。

 ◆-6 オリンピックは民間資金で運営

 IOCから本紙にあった回答はつぎのとおり。

 IOCの目的は,オリンピックとそれに関連するイベントをメディアが最大限に報道し,世界で可能なかぎり幅広い視聴者に届けることです。

 

 ただし,ご存知かもしれませんが,オリンピックムーブメントは民間資金で運営されており,放送報道は,IOCが世界中でオリンピズムを推進し,人びとがオリンピックの魔法を体験するという使命を果たすための主要な手段のひとつです。

 

 IOCは,オリンピックおよび関連するすべてのイベントの所有者であり,その内容は知的財産権の対象であり,世界中のメディア企業に権利を割り当て,その販売からかなりの収益を生み出し,その90%はオリンピックムーブメント全体に配布されます。

 

 IOCが放送局を保有する権利に独占的権利を付与した結果,IOCは,放送局の独占権と,オリンピックの完全な報道を確保することの間のバランスをみつける必要があります。これはオリンピックとオリンピック聖火リレーのニュースアクセスルール(NAR)に反映されています。

 

 NARは,IOCの規則と規制を尊重することを考慮し,オリンピックに認定されたすべてのメディア組織に適用されます。認定されたメディアは,オリンピックと参加アスリート,IOCに代わってオリンピック放送サービスによって作成された資料,権利をもった放送局からのコンテンツに対して,オリンピックとオリンピック聖火リレーを取材する目的で特権的にアクセスできます。

 オリンピックに格別の関心を抱けない本ブログ筆者のような人間は,営利・商業主義に徹してきただけのIOCが,一部の幹部たち=五輪貴族だけの「利益と反映と見栄のために開催してきたこの国際大運動会」の必要性を,いっさい感じたことがない。同時にまた,なぜそれほどまで世界スポーツ祭典を神聖視できるのか,その虚偽的・独善的な基本精神がまったく理解不可能であった。

 とくに “ボランティア動員の問題” については,それでなくとも東京の気候が最高の酷暑・猛暑の時期を迎える「7月下旬から8月上旬」に五輪を開催することじたいからして,運動学的に観てまさに犯罪的という意味まで含意されて当然である「殺人的な企画」である。にもかかわらず,アメリカの放送網にとってのみ一番都合のよい時間帯を取っているのが,その盛夏の時期に東京で開催される五輪のあり方だというのだから,なにをかいわんやである。

 IOCに服属するJOCが本日の新聞報道を賑わせたのが,つぎの ④ の話題である。五輪組織委員会会長の橋本聖子が「業務」という表現を使用している点が興味深い。五輪はいまでは完全に単なる儲けのよい商売になりはてている。それも特定の『どこかの・誰かだけが・すごく儲かる(いい思いができる)よう事業(業務)の展開』になっている。結局,橋本は自分たち組織に特有であるその目的じたいを必死に守るために,その種の発言をしているに過ぎない。

 

 「五輪の開会式案,報道の文春に組織委抗議 『業務妨害』掲載誌回収求める」朝日新聞』2021年4月3日朝刊31面「社会」 

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 開会式の演出案を報じた週刊誌報道をめぐり,東京五輪パラリンピック大会組織委員会文芸春秋に抗議し,掲載誌の回収を求めた。「秘中の秘」の情報が漏れ,危機感を強める組織委だが,専門家からは「表現の自由を脅かしかねない」との声が上がる。

 「報道の自由を制限するということでは全くない。ただ,280ページに及ぶ内部資料が入手されており,組織委の秘密情報を意図的に拡散し,業務を妨害したと判断した」。

 補注)あえて混ぜっ返して,つぎのようにいっておく。IOCとJOCのやることなすことは,すべてこの秘密情報(業務秘密?)のたぐいに属していた。1年延期になっている「東京オリンピック」については,この延期という事態が生じたがために,JOC五輪組織委員会に関した内部情報や,その本末転倒の反時代性を再考するうえで参考になりそうな資料・情報が外部に漏れてきた。

 森 喜朗前五輪組織委員会会長の女性差別発言は,日本の五輪組織委員会そのもの体質である以上に,日本の政治社会全体の〈後進国性〉を世界に向けてさらし出す契機になっていた。また,日本のスポーツ界内部にいままで潜在させられてきたパワハラ・セクハラ問題も,この間になってこそ判明してきた。東京オリンピックの開催が1年遅れているせいで,森 喜朗君になどにいわせれば,五輪組織委員会に対するトンデモなく筋違い「批判」の嵐に襲われてしまったことになる。

 この『朝日新聞』4月3日朝刊の記事をさらに参照する前に,つぎの記述から冒頭部分だけ引用しておく。前後の論旨に根幹からかかわる示唆を与えている。

     ★ “もったいない” 五輪開催費用「3兆円」!                             どこへ行った「世界一コンパクトな大会」★
 =『Media Close-up Report』2020年12月23日 17時24分17秒,https://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015/e/bb3f9e2f7a76ab4e9d5bfbd53ad75f1a 

 

 ※「大会経費総額1兆6440億円 V5公表」※

 〔2020年〕12月22日,東京2020大会組織委員会と東京都は,新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された大会の開催経費を総額1兆6440億円とする予算計画第5版,「V5」を公表した。昨年末公表した1兆3500億円に,延期に伴って新たに必要となった2940億円をくわえたものである。

 

 a) 支出については,会場整備費では,会場使用料や仮設設備の一時撤去・再設置など「仮設等」に関する費用の増加額が最も多く,730億円増,計3890億円となった。

 

 大会運営面では選手村の維持管理や競技用備品の保管など「オペレーション」費用が540億円増で計1930億円,事務局の人件費など管理・広報費が190億円増,輸送費が130億円増となっている。

 

 今回新たに計上されたコロナ対策費は960億円で,全額,国が負担する。

 

 b) 一方,収入増は910億円をみこみ,その内訳は増収みこみの760億円と収支調整額の150億円。増収みこ込みの760億円のうち,500億円は不測の事態に備えて加入していた損害保険で,大会スポンサーの追加協賛金や寄付金などが260億円である。収支調整額の150億円は,組織委員会が賄いきれない費用について東京都が負担するもので,すでに組織委員会と東京都で合意されている。

 

 大会経費における実際の負担額は組織委が7060億円,都が7170億円,国が2210億円に膨らんだ。

 

 チケット収入については,コロナ感染対策を踏まえて決定される観客数の上限が来春まで決まらないことから,前回と同じ900億円で据え置いた。

 

 組織委によると,国際オリンピック委員会(IOC)の負担金は850億円で変わらないが,IOCがスポンサーの追加協賛金に対するロイヤリティーを放棄した分は760億円の増収みこみのなかに計算されている。また国際オリンピック委員会(IOC)はマラソン競歩の札幌移転に伴う経費として20億円弱を負担するが,これもV5には織りこみ済としている。

 

 c) また焦点の開閉式については,大会延期に伴い,電通と締結している開閉会式の制作など業務委託契約の期間延長も承認。式典は簡素化を図りながらもコロナ禍を踏まえたメッセージを演出内容に反映するする内容に変わるが,延期に伴う人件費や調達済資材の保管料などの経費増や演出内容の見直しに伴う経費増で,予算の上限額を35億円増の165億円に引き上げた。

 

 開閉会式の予算増額は今回で2度目,招致時では91億円をみこんだが,演出内容の具体化に伴い昨〔2019〕年2月に130億円まで引き上げた。2012年ロンドン大会の開閉会式の経費は160億円といわれ,東京2020大会はこれを上回る史上最高額となる。

 

 d) 1年延期に伴う開催経費増は約3000億円,新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収まる気配がないなかで,さらに巨額の資金を投入することに対して,都民や国民の納得がえられるかどうか疑念が大きい。「人類がウイルスに打ち勝った証し」をかかげるだけのは最早,前には進めない。開催を可能にする条件として競技数や参加選手数の削減,開閉会式な大胆な簡素化など大会規模の縮小が必須だろう。まだ時間はある。

 

 いまさら「人類がウイルスに打ち勝った証し」などといった表現を口にすることじたい,バカらしいことこのうえない。それにしてもいまだに,この種の表現が絶えないでいる。コロナ禍のせいで「2020東京オリンピックの開催」が1年延期にされた状態になっている。この現状の事態を,そのように逆立ちして形容したり,あるいはまったくの見当違いを恥ずかしげもなく披瀝できるところは,ただに無知(無恥)がいわしめた文句であった。

 

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 以上の引用枠内の文章は,つぎの住所のものである。さらにくわしく世みたい人は,こちらを直接のぞいてみてほしい。 

〔記事に戻る ↓ 〕
 文芸春秋への抗議文の狙いについて,組織委の橋本聖子会長は〔3月〕2日の定例会見でこう強調した。

 組織委にとって,開閉会式の演出内容は本番までの「秘中の秘」。だが,記事には国際オリンピック委員会(IOC)へのプレゼン資料と思われる画像が複数枚,掲載された。組織委の法務部長を務める弁護士は「資料をそのままコピーしてウェブや誌面に掲載しているのが,著作物の複製になる」と指摘。このほか,不正競争防止法違反や業務妨害の罪が成立するとも訴え,掲載誌の回収やオンライン記事の全面削除を求めた。

 補注)そのプレゼン資料がなぜ,どこから,誰によってどのように漏れたのか? この点はJOC五輪組織委員会じたいというか,内部の責任にかかわる問題である。が,ともかくその資料を社会に向けて漏らした者が悪いといった論法である。要は,かなり幼稚で身勝手ないいぶん。

 大会関係者によると,式典の演出は8割ほどできており,延期前の案も採用される見通しだった。組織委は文芸春秋に対し,記事掲載で演出内容に変更が生じた場合,追加経費に関する損害賠償を請求する可能性にも言及しているという。

 組織委が強硬姿勢をとる狙いについて,ある大会関係者は「情報管理に一石投じたい」と解説する。組織委は,警察に相談しながら内部調査にも着手し,開閉会式を業務委託した電通に対し,徹底調査と報告を求めた。組織委関係者の受け止めは割れている。「とても腹立たしい」として当然の措置だと捉える関係者がいる一方,別の関係者は,「後ろ向きな話をしている場合じゃない。冷めている」。

 開催都市の東京都の小池百合子知事は〔4月〕2日夕,記者団の取材に応じ,「組織委の方でしっかりガバナンスを利かせてほしい」と述べた。

 補注)このごろの小池百合子都知事は,自分が目立つために使える材料にこと欠いているせいか,いっていることがまったく冴えない。毒にも薬にもなりえない発言に終始していて,自分の個性を打ち出すための主エンジンが故障中(整備中?)とみうける。

 週刊文春編集部は2日,「巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることは高い公共性がある」と反論するコメントを出した。

 補注)「2020東京オリンピックの開催」のために大枚の国税・都税が支出・充当されているのだから,その内容を五輪憲章にてらして考えれば,当然「高い公共性がある」というほかない。

 1)「表現の自由を脅かす問題」専門家

 憲法学を研究する志田陽子・武蔵野美術大教授は「組織委の抗議は憲法21条が支える『表現の自由』を脅かしかねず,大きな問題がある」と指摘する。

 「多額の税金が投入される五輪の内実を伝える報道は国民の知る権利に応えるもので公益性も高い。今回の抗議は著作権法などをもち出すことで文春の報道に法的問題があるとの誤ったイメージを世間に与え,その価値をおとしめる恐れがある」。

 文春は,五輪開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクターだった佐々木宏さんがタレント渡辺直美さんの容姿を侮辱するメッセージを送っていたことを報じるなど,組織委の五輪運営の内幕を報じてきた。

 「開会式は国民の文化度を象徴するもので,いまの日本にとってふさわしいものになるのか,国民の多くが疑問をもっており,週刊文春はその疑問に答えてきた。組織委は国家プロジェクトを担う公益団体として,報道機関の取材や批判に謹んで対応するべきだ。痛いところを突かれる報道だとしても,それを封じるような態度は許されない」と指摘する。

 組織委は「文春が著作権法に違反している」と主張しているが,主張に正当性はあるのか。

 知的財産権に詳しい上野達弘・早稲田大教授は「今回の文春報道の記事本文は著作権を侵害しているとはいえない」と指摘。著作権法は「報道目的」であれば,著作物を「正当な範囲内」で利用することを認めており,今回の報道はそのケースにあたる公算が大きいという。

 「開会式の動画や商品を勝手に販売するなどフリーライド(ただ乗り)をすれば問題だが,今回の報道でそうした経済的損失が出る恐れはない。今回の報道があくまでも開会式の運営の内幕を速報するものである以上,プレゼン資料などの掲載も『正当な範囲内での利用』の可能性が高い。これが認められないと,報道のさいに事前に資料掲載など著作物を利用する許可をとらないとならなくなり,報道の自由が妨げられる」。

 組織委は不正競争防止法など他の法律も根拠に挙げているが,上野氏は「いずれも裁判所に認められるような説得力は弱い」と話している。

 2)「権威的な政治権力のような対応」

 報道をめぐっては,表現の自由が脅かされると問題視された事例はある。

 自民党は2014年の衆院選に際して,各放送局に対して,4項目の具体例を挙げたうえで選挙報道の「公平中立」を要請した。2016年には高市早苗総務相(当時)が,政治的な公平性を欠くと判断した場合,放送局に対し電波停止を命じる可能性に言及した。

 今回の事態をどうみたらよいのか。

 組織委は公益財団法人で,前会長は森 喜朗元首相,現会長に橋本聖子前五輪相,事務総長に武藤敏郎・元財務次官など,要職には政権の中枢にいた人物が就いている。

 コラムニストの小田嶋隆さんは組織委の対応の背景について「五輪の開催を担う組織委は,自分の主張を権威づける『錦の御旗』があると思いこんでいるのではないか。権威的な政治権力のような振る舞いのようにみえる」と話す。「回収まで求めるとは驚いた」と非難する。(引用終わり)

 要するに,JOC五輪組織委員会の面々,とくにその会長である橋本聖子の立場にあっては,世間の常識や法的にまともな感覚が欠落していた。スポーツ脳だからといってウンヌンして批判を繰り出すのは,ときに紋切型の偏見に近寄くおそれもある。

 だが,よりによってその相手がこのJOC五輪組織委員会会長の話題だとなれば,過去において自身がパワハラ・セクハラ問題を堂々と起こしていても,平気の平左でいられた「聖子オバサン」の立場から「文春砲」に対する反撃を繰り出したところで,その説得力はない。

 1年延期中の「2020東京オリンピックの開催」が,現状のごときにまた悪化しはじめているコロナ禍のせいで,もしも本当に開催中止になったら,いったいなんのための五輪開催準備であったかという始末にあいなる。

 そもそも,なんのために「2020東京オリンピックの開催」をしたいといっていたのか? 偶然にもコロナ禍に襲来された時期に遭遇したところで,安倍晋三や菅 義偉は「人類がコロナに打ち勝つ証し」などと,的を外したやぶにらみ的な発言をしていた。こうした態度にこだわっているようでは,それこそ引っこみがつかなくなるではないか?

 もしも,現状のコロナ禍の情勢を受けて本当に五輪中止になったら「五輪終」だなどとダジャレも聞こえてくるなかで,いったいなんのためにこの「2020東京オリンピックの開催」を準備してきたのかという結末になる。この疑問=批判だけが残る。

 無駄……,無理……,ムラばかりの五輪開催予定の中身であった。このためにかけられてきた膨大な予算こそ,「人類がコロナに上手に対応するために有効に充てられる」べきものであった。だが,そのような問題意識のかけらもないのが,JOCとこの五輪組織委員会,そして日本政府。

 最後に本日『日本経済新聞』朝刊の書評欄からつぎの段落を引用しておく。

 女性蔑視と批判された東京五輪パラリンピック組織委員会の森 喜朗前会長の発言にも通じる「女性は感情論で話す」との声には,「男社会において,男性の間で通じる話法が『論理的』と評価されているだけで,女性はそれとは違う論理を展開しているかもしれない」と疑問を投げかける。それに気づかず「要するになにがいいたいのか」と問いつめることは「俺のわかるように話せ」と,相手を拒絶することにつながると喝破する。

 註記)「『さよなら,男社会』尹 雄大著  どのように生じ何が問題か」『日本経済新聞』2021年4月3日朝刊27面「読書2」

 なかんずく,「橋本聖子の生きている世間」は,この「森 喜朗的ワールド」のそのまた内部の「狭い空間」に限定されていたと観察できる。

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