かつて経済大国でジャパン アズ ナンバーワンだったこの日本がいまや完全に「先進国中では最後尾に着けている」「後進国」になったと自他ともに認定せざるをえない時代

 安倍晋三前政権が本格的にこの「美しい国」を壊しまくり,菅 義偉現政権が「その仕上げ作業」の最中とおぼしきこの日本国,いまや政治も経済も社会も文化もなにもかも併せて3流国家に沈淪し,没落していく

 コロナ禍への対処を尋ねられた菅 義偉君は,現首相の口から「感想としての言葉」しか述べられない体たらく,先頭に立って国家をまとめ,新型コロナウイルス感染症問題に立ち向かうべき対策を総合的に実行している べき一国首相が,居ても居なくても同然というか,むしろ有害な人物(存在)であり,国家運営の障害物になりはてた事実を,みずから体現

 こうした日本の現状,いかにもミットモナサ過ぎる緊急的な事態を,世界中の首脳たちはなかば軽蔑の眼差しで観ている。そうした国際政治環境を自覚できていない安倍晋三と菅 義偉の “ナンチャッテ・体たらく政府” のおかげで,昨今における日本の国民生活や経済社会の状況はハチャメチャ同然


  要点・1 コロナ禍に対する対応が手抜き以前の〈無策〉である事実そのものにすら,気づこうとしない日本国首相菅 義偉を,浜 矩子は「スカノミクス」の体現者だとあだ名した

  要点・2 このままいったら,21世紀におけるこの国は東アジアの一小国になるほかない,最近,海外の企業から東芝に対する買収話が出ていたが,原発事業部門での経営失敗はこの日本を代表する会社を非一流化させていた

【参考記事】


 「〈大機小機〉いつの間に後進国になったか」日本経済新聞』2021年4月9日朝刊17面「マーケット総合2」

 この日経のコラム〈大機小機〉は,財界・経済団体をほうしか観ていないこの新聞紙のなかでは,ときどきまともな時評を書いてくれる人士が登場する。本日の話題は「21世紀における日本の後進国化」と受けとめていい中身である。ともかく,いまの “日本的な話題” をこのようにうまく網羅的に整理され突きつけられると,人によっては読む気を失うかもしれない。 

〔記事の引用→〕 コロナ禍で思うのは,いつの間に日本は「後進国」に転落したのかという点である。肝心のワクチンは米独英や中ロのような開発国にはなれず,インドのような生産拠点でもない。ワクチン接種率は世界で100番目だ。

 「ワクチン後進国」に甘んじるのは,企業も政府も目先の利益を追う安易なイノベーション(革新)に傾斜し,人間の尊厳を守る本源的なインベンション(発明)をおろそかにしたからではないか。

 「デジタル後進国」も鮮明である。接触確認アプリの機能不全を見逃すなど行政のデジタル化はお粗末だ。中国先行の高速通信規格「5G」では競争に参入できず,得意だった半導体も米国,韓国,台湾の後塵を拝する。

 福島原発事故を経験しながら「環境後進国」に陥ったのは,変われない日本を象徴している。再生可能エネルギー開発は欧州や中国に大差をつけられ,電気自動車も大きく出遅れた。脱炭素の目標設定は大幅遅れで,構造転換の覚悟にも欠ける。

 世界120位の「ジェンダー後進国」は目に余る。コロナ禍で指導力をみせたのは,メルケル独首相やアーダーン・ニュージーランド首相らだが,日本に女性政治家は少なすぎる。20人にもなる日本経団連の副会長にやっと女性経営者が1人選ばれてニュースになるのはさびしい。

 「人権後進国」は日本外交の弱点になる。バイデン米政権の登場で人権重視が世界の潮流になった。新疆ウイグル自治区や香港の人権問題で米欧と連携して中国にきびしく対応しないと世界の信認を失う。ミャンマー軍の弾圧を止めるため先頭に立つべきは軍とパイプのある日本だ。援助停止など手段はある。

 そして「財政後進国」である。コロナ禍で財政出動は避けられないが,日本の公的債務残高の国内総生産(GDP)比は2.7倍に膨らんだ。日銀が大量の国債購入で財政ファイナンスにあたるから規律は緩む。財政危機の重いツケは将来世代に回る。

 日本が「後進国」に転落した背景には,政治・行政の劣化がある。責任も取らず,構想力も欠く。問われるのは,日本のガバナンス(統治)である。コロナ危機下で科学的精神人道主義に基づいて民主主義を立てなおし,資本主義を鍛えなおさないかぎり,先進国には戻れない。(無垢)(引用終わり)

 先日,関東地方では大都会の東京と南側に県境を有し,北側に群馬県と栃木県に接する埼玉県における「2021年1月の新生児・出生数が前年比で23%も減少した」というニュースがあった。この報道はすでに本ブログ内では触れてみた事実であったが,『朝日新聞』はこう説明していた。

  埼玉県によると,1月の出生数が昨年比で1千人以上減り,23%も少ない約3500人にとどまったことがわかった。昨〔2020〕年5月以降,市町村に届けられる「妊娠届」が急減しており,新型コロナウイルスの感染拡大を受けた影響とみられる。少子化に拍車がかかることが心配され,対策が急がれる。

 註記)「1月の出生数,昨年比2割以上減 新型コロナの影響か」asahi.com 2021年3月9日 11時00分,https://digital.asahi.com/articles/ASP3873RFP36UTNB00V.html

 以上のごとき埼玉県内の出生数の減少傾向は,県内の各地域によっていかほど差があったのか関心をもつが,ここでは直接言及できない。ただ,現在において日本という国は,若者たちに希望を与えにくい政治体質に変質してきた。

 日本の将来を担う若者たちが結婚しづらくなり,子どもを作りにくくなり,「家・家族」という生活のあり方にも期待をもてなくなった時期になっている。日本が経済大国であった事実,世界中において日本の会社が旺盛に活動していた記憶など,いまでははるか昔の話,だいたい30年(控えめにみても四半世紀)も前の思い出になった。

 

 ジャパン・アズ・ナンバーワン(原題:Japan as Number One :  Lessons for America)は,社会学エズラ・ヴォーゲルが1979年に書いた著作

 ヴォーゲルは,敗戦後における日本経済の高度経済成長の要因を分析し,日本的経営を高く評価した。日本語版は,広中和歌子・木本彰子訳『ジャパン アズ ナンバーワン-アメリカへの教訓-』として,TBSブリタニカから,英語版より1ヶ月遅れで出版されていた。

 同書は,日本人自身が日本特有の経済・社会制度を再評価するきっかけのひとつとなり,70万部を超えるベストセラーとなった。「一世を風靡した」本だと形容された。現在でも,日本経済の黄金期(1980年代の安定成長期,ハイテク景気⇒バブル景気)を象徴的に表わす語としてしばしば用いられる。

 同書の主要なテーマは,単に日本人の特性を美化するにとどまらず,なにを学ぶべきで,なにを学ぶべきでないかを明瞭に示唆した点である。実際最後の章はアメリカへのレッスンと書かれているほどであった。

 註記)以上,ウィキペディア 参照。

 そうだとすると,21世紀の現段階における日本という国家のありようは,いったいどのように理解され,把握しておけばいいのか? いまとなっては,ヴォーゲルの〈日本ヨイショ本〉である性格の限界を乗り越えられる「冷徹な日本認識・本」が必要である。

 ヴォーゲルの『ジャパン アズ ナンバーワン』は,日本・日本人にとってみれば「最高の甘味(スイーツ)」であった。しかし,いまのこの国とその人びとにとっては,それとはまったく別に喫緊である「辛口にならざるをえない自己認識」が要求されている。いったい,なにか?

 安倍晋三の為政をアホノミクスと呼んで蔑称した浜 矩子は,菅 義偉の為政をスカノミクスと名づけてくれた。つまり,多分そうだと思われるだが,浜は「アベはアホ,スガはスカ(カス)」だと断定した。それも学問的な見地から裁断していた。

 現首相の菅 義偉がコロナ禍に立ち向かっている「国家最高指導者としての姿勢」は,どうみても,いつもおぼろげにしか感じられない。菅は,新型コロナウイルス感染拡大「問題」に真正面から対決するための「日本国総理大臣としての自覚」を欠いていた。アベ政権時は「前官房長官」を7年と8カ月もやってきたスガであったけれども,いざ首相に就任したとなるや,木偶の坊同然に自身の非力さを暴露してきた。

 金子 勝『平成経済 衰退の本質』岩波書店,2019年4月がアベノミクスの総括をくわえていた。

 本書は以下の意図と構成で執筆されていたが,2021年になっても,ただ暗雲だけ垂れこめているごとき「最近日本」の全般的な様子は,1年遅れになっていて,しかも開催できるかあやしい「2020東京オリンピック」の開催に,びっちりとまとわりついているコロナ禍も考慮するとき,このままいったら,この国はいったい地獄の何丁目まで落ちこむのかが非常に心配である。

 ★-1 内容説明

 バブルとバブルの崩壊から始まった平成時代。マクロ経済政策も,構造改革も,「失われた20年」を克服できないどころか,症状を悪化させてきた。セーフティーネット概念の革新,反グローバリズム,長期停滞,脱原発成長論などをキー概念に,一貫して未来を先取りした政策提案をおこなってきた著者による30年の痛烈な総括。

 

 ★-2 目 次

  第1章 資本主義は変質した
   1 バブルを繰り返す時代へ
   2 1997年で経済社会が変わった―「失われた30年」とは何か
   3 「失われた30年」の深層

  第2章 グローバリズムから極右ポピュリズム
   1 グローバリズムと「第三の道」―1990年代の錯綜
   2 移民社会の出現と新しい福祉国家
   3 対テロ世界戦争とリーマンショック

  第3章 転換に失敗する日本
   1 振り子時計と「失われた30年」
   2 周回遅れの「新自由主義
   3 転換の失敗がもたらしたもの

  第4章 終わりの始まり
   1 出口のない “ネズミ講
   2 経済・財政危機の発生経路
   3 産業の衰退が止まらない

  第5章 ポスト平成時代を切り拓くために
   1 社会基盤として透明で公正なルールが不可欠である
   2 教育機会を平等に保障しなければならない
   3 産業戦略とオープン・プラットフォームを作る
   4 電力会社を解体せよ
   5 地域分散ネットワーク型システムに転換する
   6 時間をかけて財政金融の機能を回復する

 金子 勝は,コロナ禍対策に有効でありうる実践的な予防医療活動とこのための理論面からの指導もおこなっている児玉龍彦という人物と,若い時代から親友である。とくに,この児玉やさらに上 昌弘のような医療専門家が正式に,「国家の立場から活躍させられない」現状のごとき日本の医療体制のもとでは,国際大運動会の開催はおろか,少子化社会の歩を加速しはじめているこの国の「コロナ禍」を救うことはできない。

【参考記事】

 金子は『平成経済 衰退の本質』の「はじめに-失われたものを取り戻す」の冒頭と末尾で,こう断言していた。

 ※-1 「日本はもはや先進国とはいえない」。

 ※-2 「なによりも戦後直後にもう一度戻る気持で,やりなおす謙虚な気持をもたなければならない」。「そうしなければ,日本は半永久的に生成することはできず,『失われた50年,100年』になってしまう」。

 そうである。東電福島第1原発事故の後始末(廃炉も含めてという意味)は,半世紀・1世紀単位の眺望をもってするほかない「格別の忍耐力」を,われわれ対して強いている。ところが,東電も国(経済産業省・エネルギー資源庁)も,あとわずか数十年で廃炉工程が終えられるかのように,いいつづけていた。

 もしかしたらいまの日本は,東電福島第1「原発事故に対する後始末の仕方:現状」にも似た「《国家政治》衰退の方途」をたどりつつあるのではないか。政治・経済・社会・文化・伝統のすべてが停頓気味であるか,あるいは,顕著に後退の現象をみせている。そうとまで思いこみ,いいきっても,けっして誇張にならない。

 とりわけ2020年からのコロナ禍のせいもあって,この国が少子化への歩調を急に速めざるをえない兆候も現われてきた。

 日本の,2020年における出生数(日本人以外も含む)は86万人に減り,出生率も 1.36に下がった。2021年のそれは80万人を切ると予想されてもいる。

 隣国韓国の,2020年に生まれた子どもの数(出生数)は,前年比10%減の27万2400人で,過去最少となった。しかも合計特殊出生率は,なんと0.84まで落ち,過去最低を更新した。世界のなかで,その数値が1倍を切った国はほかにない。

 かといって,韓国の2020年における少子化への急傾向をとらえて「他山の石」視できないのが,こちら日本の内情である。日本の人口は韓国の2.5倍あり,仮に2021年に関してとなれば(コロナ禍の影響のために日本の出生数の大幅な減少が予測されている),計算上では,日韓間における少子化の急傾向の方向性そのものに「質的な差」があるとはいえない。

 大昔,貧乏人の子だくさんという表現があったが,このごろは貧困のために子どもなしというか,それ以前に男女が「結婚しない」「だから子ども作らない」。さらに,事実婚は日本ではきわめて少ない割合でもあるため,少子化の傾向は確実に人口減少を促進していくほかない。

 菅 義偉の為政の実態はひとまず置き,安倍晋三の為政の時期において,国民たちが喜んでというか,進んで子作りをしたくなるような「日本社会の雰囲気」を提供できていたかといえば,まったくそうでなかった。

 安倍晋三夫婦に子どもはいないが,菅 義偉夫婦には何人かいる。しかし,ろくでもない息子もいて,スガ流のネポティズムによって内政を攪乱する暗愚を,父子の間柄を利用するかたちをもって発現させていた。

 結局,そんな・こんな政治屋たちのせいで,21世紀における日本の先行きはひどく暗い,としかいいようがなくなっている。世襲政治が猛威を振るっている日本の政治のなかでは,ある種の根柢からの革命が絶対不可欠だが,いったい誰がその契機を用意すればいいのか?

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