菅 義偉首相「訪米」は何点に評価されるか,百点満点で10点(元朝日新聞新聞記者・佐藤 章)だと酷評された,ならば内政は5点(以下)

 自民党は五輪開催にこだわってきたが,肝心の新型コロナ・ウイルス用ワクチンの調達・接種はまだごくわずか,まるでのんきに,国家全体の風景が漫画的に広がる2021年4月のニッポン

 

  要点・1 菅 義偉がアメリカへ外交をしにいったが,その姿はまるで幼稚園児

  要点・2 日本でするごとき〈内政〉的な政治手法がまったく通用せず,菅 義偉は〈外交〉の舞台で自身の恥をさらしていながら,それを平然と「こなせる〈亡国〉の総理大臣」ぶり 

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 補注)向こう側に座っている菅 義偉首相以外の3名は,対米交渉に堪える人物たちではない。つまり,国家官僚としては畑違いで,しかも完全に格落ちの「日本側の政府高官たち」であった。よりによって,このような連中を引きつれてアメリカに出張った菅 義偉の「政治屋としての容量」は,高がしれているとしかいいようがない。その事実を即座に理解させる写真1葉である。


  訪米はしたけれども国恥・国辱ものの哀れな姿を記録

 2021年4月17日(日本時間),「五輪開催は無責任では」という海外記者の質問を無視した日本国首相菅 義偉は,せっかく訪米した機会であったのに,早速みずから,国内流の横柄・無礼な態度を世界に向けて発信・暴露してしまった。

 菅 義偉は4月16日(現地時間,前段日本時間),米ワシントンのホワイトハウスで開かれた日米首脳会談後の共同記者会見で,東京オリンピック(五輪)の開催に強い意志を表わした。

 ところが,その後の質疑応答で外国人取材陣の五輪関連質問に答えない態度をみせた。菅はその場であえて日本国内専制風の政治手法を発揮させたつもりかもしれなかったが,世界に向けてとなれば,ただに「国恥・国辱になるほかない態度」を採った。

 その記者会見の場で菅 義偉は,ロイター通信の記者が「公衆保健の専門家らが準備できていないと話す状況でオリンピックを推進するのは無責任ではないのか」と質問すると同時に,この記者はバイデン米大統領にもイラン関連の問題を尋ねた。

 そこで,バイデン大統領が先に答えてから発言の順番を菅 義偉首相に回したところ,菅はそれに答えず無視した。そして直後,日本から同行した『共同通信』の記者を指名し,質問するよう仕向けた。菅がなぜ,返答を避けたかは明らかでないが,困難な質問を避けているように映った。

 それは,日本〔国民側〕においてはすでにおなじみの国会での光景であっても,国際政治の舞台でわざわざ,民主主義政治の基本精神とは無縁の傲慢・僭越な態度を,菅 義偉がみずから採ったとなれば,今後において外国系通信社からは,よりきびしい目線が寄せられるに決まっている。

 さて,そこで質問の機会を与えられた日本の共同通信記者は,バイデン大統領が五輪への米国選手団派遣を約束したり,前向きな意思を表明したりしたかを菅首相に尋ねた。これに対して菅は,「世界団結の象徴として東京オリンピックパラリンピック大会開催を実現する決意を表明し,バイデン大統領からあらためて支持を受けた」と答えた。

 補注)そこでは,例の「夏の東京オリンピックパラリンピックは,人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証として,また,東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい」という決まり文句は,出てこなかった。しかし,その文句がどうして「世界団結の象徴として東京オリンピックパラリンピック大会開催を・・・」などと,極端に萎縮した表現に留まっていたのか,不思議である。

 安倍晋三政権のときから,われわれがさんざん聞かされてきたその迷文句であったけれども,いまではそのように,なにかに「打ち勝った」(これは過去形の表現であった)といえるような「証し」となるべき「日本モデル」は,雲散霧消していた。結局,戯れ言であったことになる。

〔本文に戻る→〕 しかし,選手団の派遣については具体的に答えず,「わが国としては引きつづき夏の東京大会を実現させるためにしっかりと準備をしていく」と述べるに留めた。(引用終わり)

 菅 義偉は,新型コロナウイルス対策用のワクチンをアメリカ企業から早めに調達する意向も,訪米する目的の重要なひとつにしていたはずである。だが,その製薬大手のファイザー社の最高経営責任者と,まともな交渉がおこなわれた様子はなかった。

 元都知事・元参議院議員厚生労働大臣を担当したことがある舛添要一は,「菅総理アメリカでのワクチン確保は  “茶番”  。いいカモが来たと思われている」と嘲笑気味に論評するほどに,ほとんど無力に近い訪米劇「ひとり芝居」を演じた。

 註記)「舛添要一が一蹴『菅総理アメリカでのワクチン確保は “茶番” 。いいカモが来たと思われている」『YAHOO!JAPAN ニュース』2021/4/19(月) 15:40配信,https://news.yahoo.co.jp/articles/65fc879d896eab926ec7f9f32543b6f99825aa37(元記事「ニッポン放送」)参照。

 菅 義偉など一部の政治屋たちは,「2020東京オリンピックの開催」を1年遅れであっても,つまり,現状のごときに世界中がコロナ禍騒動で政治・経済が混乱する状況のなかでも,いまだに決行する意向を抱いている。もっとも「この国の宰相」は,世界情勢を的確に認識できていなかった。そのために「日本国内向けの為政」においても,初めからお話にならない展開しかできていなかった。


  2021年4月中旬,日本国内「コロナ禍」状況

 ※-1「まん延防止措置,大阪に効果薄く…  変異型拡大で収束の見通し立たず」『読売新聞 オンライン』2021/04/20 06:20,https://www.yomiuri.co.jp/national/20210419-OYT1T50278/

 ※-2「政府が監視していない型の変異株E484K,東京都内で確認多く 大学病院長『全国で対応必要』〈新型コロナ〉」『東京新聞』2021年4月20日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/99193

 この※-2の記事は,冒頭でこう指摘している。

 新型コロナウイルスの変異株が首都圏でも広がるなかで,東京都内や東北地方では政府がスクリーニング(ふるい分け)検査の対象外とする変異株の感染者数が高止まりしている。

 

 昭和大学病院(東京都品川区)では,入院患者の9割を占め,重症者も出ている。独自に監視する都によると,都内では変異株の約4割に上る。ワクチン接種が遅れ気味ななか,専門家は,政府が検査対象にくわえて対策に生かすよう求めている。

 とりわけその変異株については「従来株より免疫やワクチン効果を低下させる?」かもしれず,さらに「感染者の割合はN501Yより割合多い」という点が指摘されている。ところが,政府当局(厚生労働省)側の反応は基本的に消極的であり,鈍い。

 ※-3「大型連休前からの休業要請も視野  東京都,週内に緊急事態宣言の要請判断〈新型コロナ〉」『東京新聞』2021年4月19日,https://www.tokyo-np.co.jp/article/99182  参照。

 1年前ころであれば,東京をロックダウンするだとか,都庁やベイブリッジを真っ赤にライトアップして「東京アラート」発令だとかいってはしゃいでいた都知事小池百合子がいた。当時の彼女は,自分の地位を楽しむ(都民をもてあそぶ)ためである迷采配を振るっていた。だが,今年に入ってからは特段打つべき手段がないらしく,何日か前には「東京都にこないで!」などという始末にまでなっていた。

 とはいっても,そんなことを叫んでいるいまの瞬間にあっても,おそらく毎日,100万人単位で東京都には近隣各県から通勤客が通学生〔や外国からの人間も〕が出入りしているはずだから,小池百合子のその発言は支離滅裂どころか,たわごと・うわごとのたぐいにしか聞こえない。確か,東京都がオリンピックの開催都市ではなかったか?

 補注)たとえば,2015年における「東京都の流入人口」は290万人であった。

 まだ正式には中止が決まっていない「2020東京オリンピックの開催」問題となるが,現時点において都知事みずからが,日本国内向けとはいえ「東京都に来ないで!」と発信するのは,いったいどういう意味なのか? この都知事の頭のなかのネジは,いくつも破損しているか,折れているに違いあるまい。

 ともかく,この※-3の記事によれば,「新型コロナウイルスの変異株などによる感染状況の悪化を踏まえ,東京都が,緊急事態宣言の発令を政府に要請するかどうかを週内に判断する方針である」とされ,この「都側は,大型連休の人出を抑制するため,4月29日より前の発令を想定している。埼玉,千葉,神奈川,愛知の4県は20日から『まん延防止等重点措置』が始まる」と伝えていた。

 ※-4「『まん延防止等重点措置』と『緊急事態宣言』どう違う? 政府の思惑と本音は」『東京新聞』2021年4月9日 13時41分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/96714 参照。この記事はつぎのように報道していた。

 「東京都が新型コロナウイルス対策の『まん延防止等重点措置』適用を要請したことを受け,政府は9日,都などへの重点措置適用を決める。1月から続いた緊急事態宣言の全面解除から半月余り。弱った経済にさらに打撃を与えないよう,宣言の再発令を避けたい政府は,重点措置の活用で乗り切りたい意向」である。

 

 「だが,重点措置が適用されている地域では感染者数が緊急事態宣言のレベルに達しつつあり,本来は宣言の前段階に出す重点措置で対応することに批判が出ている」。

 要は,あと3カ月を切った「2020東京オリンピックの開催」が本当に開催されるとしたら,「対・コロナ禍」としての防疫態勢に支障を来たすことは必至である。つまり,新型コロナウイルス感染拡大「問題」が,十全に対応されていないにもかかわらず,政府側は五輪の開催にいつまでも拘泥する姿勢をかたくなに保持している。

 政府の立場として気にするのは,「まん延防止等重点措置」ではなく「緊急事態宣言」を発令すると,五輪開催が不可能にならざるをえない情勢である。また注意しなければいけないのは,新型コロナウイルス感染は夏季に盛んになる事実である。政府は,緊急事態宣言は極力出したくない。しかし,コロナ禍の「事態」は4月の段階ですでに,その「第3波」に実質,匹敵するところまで進行しつつある。

 実に情けない国政や都政が,われわれの目前で日夜展開されつづけている。「休業は要請でき」ないが,「時短は可能,罰則も」ありうると説明されている「まん防」で,当面をやりくりしようとする気分ばかりが,前面に出ていた。

 要は,そのまん延防止等「重点措置は,緊急事態宣言に至る前に感染拡大を抑えるため,2月に成立した改正新型コロナ特措法で新設された」ものであった。したがって「緊急事態宣言のように飲食店に対し休業の命令や要請はできないが,営業時間短縮の命令や要請はできる」。

 そのさい同時に,「緊急事態宣言の前段階で私権制限を伴う措置を講じることには批判があるが,命令に違反した事業者には20万円以下の過料を科すことができる」とも説明されていた。

 なかんずく「宣言が長期化して効力が弱まったと指摘されることも踏まえ,今回は重点措置で乗り切り,再度の宣言はなんとしても避けたいのが政府の本音だ」ということである。

 ところが「まん防」は「適用しても自治体頼み… 大阪,3日連続で過去最高」という経過にもなっており,この「重点措置の効果は,はっきりしない。すでに重点措置が適用された大阪府の〔4月〕8日の新規感染者は905人。3日連続で過去最高を更新した。政府の対策分科会が緊急事態宣言の発令の目安として示す『ステージ4(感染爆発)相当』の指標が複数ある」という現状である。

 という経過になっていたが,政府の方針はどうみても無方針的であり,無責任な姿勢にしか映らない。こう指摘されてもいた。「政府高官は『重点措置を適用しても,都道府県がどのような対策をするかが重要。すぐ効果が出るわけじゃない』と語り,自治体頼みであることを示した」と。

 補注)政府がこのように「自治体頼み」の路線も敷いているのに対して,自治体は政府に向かい「緊急事態宣言」を出してほしいと,それも基本的な要求をしている。いったい,どちらにどのような責任・権限がそれぞれ準備・付与されていて,またいったい,どのように関連する基本的な仕事がそれぞれの側に振り分けられ実施されているのか? おたがいがずいぶん無責任な依存関係になってもおり,なにやら「ヘンテコな縄張り・譲り(?)」的な様相までうかがわせている。

 1年前,安倍晋三がまだ首相だったとき,2月下旬に突如,全国一律で学校休業を要請し,これにすべての教育機関がしたがった。その事実はまだ記憶によく残っているが,こんどは自治体の判断に委ねる(放り投げる)かのような政府側の対応が,コロナ禍の進行状態に即して示された。

 政府が実際において対・コロナ禍に立ち向かってきた姿勢は,それこそ,しどろもどろだとしか形容できなかった。それでもってよく, “五輪は絶対に開催したい” などと欲望してきたものである。

 それゆえ「立憲民主党の泉 健太政調会長は記者会見で『レベルとしては緊急事態宣言だ。政府は飲食店対策だけでなく,基本的に政府の政策を強化するというメッセージを出しなおす必要がある』と批判した」のは,ごく当然の論理であった。

 そんなこんなの体たらくぶりばかりが目立っていた日本国の,新型コロナウイルス感染拡大『問題」に対する対策とその実行ぶりは,どう観たところで,誰もが呆れるくらいに怠慢かつ粗忽であった。

 

 「〈天声人語コンコルドの誤り」朝日新聞』2021年4月20日朝刊

 1970年代,夢の旅客機として登場した超音速機コンコルド。その開発の経緯をめぐって「コンコルドの誤り」という言葉がある。英仏両国が共同開発に乗り出したが,採算の取れるみこみが薄いことが途中で判明する。

 ▼ それでもすでに多額の投資をしたのだからあとには引けないと,事業は止まらなかった。結局,商業的には失敗に終わったと飯田 高著『法と社会科学をつなぐ』にある。返ってこない費用のことは忘れ,将来の損失を避けたほうがいい。そんな教訓を超音速機は残した。

 補注)「2020東京オリンピックの開催」に向けて日本全体がいかほど投資してきたのか,その経費はどこからどのように調達され,そしてどこにどのように流れていったのか,さらには,営利化された商業オリンピックを介して,いったいどこの誰が儲けているのか。

 この種の問題を抜きにして「コンコルドの誤り」といったごとき,既定の「命題」的な議論といっしょくたにした「2020東京五輪物語」は,不適切である。話題の次元・性質が異なり過ぎた。「コンコルドの誤り」に言及するのであれば,「原発の誤り」のほうがよほど密接した話題たりうる。

 朝日新聞社も2020東京オリンピックではオフィシャルパートナーになっており,何十何億円かの金子を提供している。それゆえ,この五輪大会に対してはたいした批判をできないままできた。しかし,いまごろにもなってなのか,「天声人語」欄のなかでは,ようやく少しはまともな議論ができるようになった。肝心の問題はこの中身……。 

 ▼ 話を東京五輪に移すと,誘致の決定以来,競技場などに多額の費用が投じられてきた。なにより選手生命をかけた努力がなされており,取りやめになれば報われないと悩む気持はよく分かる。しかしここは冷静に考えたい。

 補注)そうである。「ここは冷静に考え」ねばならないのは,五輪開催にこだわりつづけてきたために,日本の対・コロナ禍への取組が,すでに完全に「後進国発展途上国)」並みか,それ以下にまでなっていた事実がすでに記録されていた。

 くわしくは,上の『AERA dot.』2021/04/13  07:00,https://dot.asahi.com/dot/photoarticle/2021041200056.html  の記事を読んでほしいが,この記事の表題は「日本のコロナワクチン接種率『世界60位』の衝撃!  アリバイ的に高齢者開始も医療従事者の接種は2割」と付けられていた。冒頭の記述のみ,つぎに引用しておく。

 

 新型コロナワクチンの日本の人口に占める接種者の比率は1%未満で,世界と比較して大幅に低いという衝撃の事実が,AERA dot. が入手したデータでわかった。政府は当初「6月末までに全国民に提供できるワクチン確保をめざす」としていたが,その目途は立っておらず,政府関係者からは「日本の敗戦」という声もあがる。

 補注中の 補注)訪米した菅 義偉は,ワクチン確保に関してなにも〈外交の戦果〉を上げられていなかった。コロナ禍との闘いに打ち勝てるはずだった「日本モデル」というものを,五輪開催とわけもなく関係づけていた安倍晋三および菅 義偉であったが 彼らの脳内細胞のあちこちが血栓状態になっている,とたとえておくのがいいかもしれない。

 

 ▼ 大阪府の吉村洋文知事が3度目の緊急事態宣言を政府に求めるという。変異ウイルスの拡大に対抗し,百貨店や飲食店,映画館などへの休業要請で人の動きを止める考えだ。大阪の現状は少し先の東京の姿だと専門家は指摘する。

 ▼ 住民へのワクチン接種,さらには急増する感染者の治療という仕事が重なり,医療従事者にのしかかっている。そのうえ五輪のために医療資源を割くという「三正面作戦」が現実的とはとても思えない。もしも五輪がさらなる感染拡大の契機になれば,命や暮らしの損失は計りしれない。開催の中止を検討すべきときではないか。

 ▼ 「東京五輪の誤り」。将来,そんな言葉が生まれないことを切に願う。(「天声人語」引用終わり)

 東京五輪開催に当たっては,オフィシャルパートナーの一社になった朝日新聞社である。そのせいか,ようやくいまごろにもなって,このような「正論」を多少だが,吐いていた。1年前に同じことを披露していればまだしも,いまごろ,このようにおしとやかに言上したところで, “なにをいまさら” の印象を避けえない。

 

 日本経済新聞』2021年4月20日朝刊3面「コロナ禍」関連の国内外記事

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 この画像資料にしてみた日経紙面をみればすぐに了解がいくように,日本が梅雨明け後,一気に盛夏になる東京都で五輪を開催するなどとは(もともとコロナ禍の災厄が襲来していなくとも酷暑・猛暑の時期である),どだい狂気の沙汰であると批判されて当然であった。

 要は「2020東京オリンピックの開催」が無理である事実を早く認めて中止にし,コロナ禍対策に専念したほうがいいに決まっている。いつまでも五輪,五輪……とこだわっているようでは,日本という国じたいがゴリンジュウの時期を早めかねない。

 

  本日『朝日新聞』朝刊「オピニオン」には,天声人語の内容に調和させたらしい投書が2件採用されていた。片や五輪問題,片やワクチン問題を語っているが,双方の問題ともに,徹頭徹尾,ちんちくりんな国家采配しかできないこの国最高指導者の資質を問うている。

 ※-1「〈声〉なし崩しの五輪開催でよいか」(無職・漢城皓一,神奈川県 87歳)

 「まん延防止等重点措置」が適用される地域が拡大し,コロナ禍真っただなかでおこなわれている聖火リレー。リレー実施に対する世論はもちろん,リレーをてこに開催しようとしている東京五輪そのものへの世論も,大きく分断されている。国民がもろ手を挙げてその成功を願うというコンセンサスが形成されているとは,とてもいいがたい。

 なぜ,いま,五輪なのか。なにを訴え,そしてどんなかたちの「復興五輪」を世界に見せようとしているのか。国民は多くの疑問を抱えている。

 だが,菅 義偉首相をはじめ,大会組織委員会など大会関係者から,積極的な発言は聞こえてこない。そんな状態で開催へ突き進んでよいのか。被災者の複雑な心境を,また,五輪を人生の目標に努力してきたアスリートの心情を思うと,胸が痛むのは私1人ではあるまい。

 コロナ対策を腕を振りふり自分の言葉で語ったメルケル・ドイツ首相の姿が印象的だった。日本のリーダーたちよ,最後のチャンスだ。大会成功に不可欠な国民のコンセンサスを形成するため,賛成・反対両派の共感や納得がえられる所信をしっかり発信してほしい。

 補注)菅 義偉君,これになんらかは応えよ(「答えよ」とまでは,どうせ無理になりそうだから,要求しない)。

 ※-2「〈声〉抽選のワクチン,電話かけたが」(無職・野村忠孝,愛知県 88歳)

 高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種券と,続けて予約案内が届きました。ワクチンの供給量が限られるなか,私の住む市はまず抽選で選ばれた人に集団接種をおこなうとのこと。さっそく抽選受け付け開始の1日午前9時に指定のコールセンターに電話しましたが,1時間余りかけつづけてもつながりません。

 私は手押し車を,妻は杖を使っています。接種会場は3カ所から選んで申しこみますが,一番近い所でも自宅との往復にタクシーを利用せざるをえず,2回接種なのでかなりの金額になります。個人単位での抽選のため,私と妻がそろって当たるとは限りません。抽選は公平かもしれませんが,ほかの方法はないものかと感じました。

 電話はその後も何回かかけましたが一向につながらず,あきらめました。近所の医療機関で個別接種が始まるのを待つことにしました。一日も早く接種を受け,安心・安全の日を迎えられることを祈っています。

 以上,2件の投書を紹介してみたが,実は本ブログ筆者の住む市の公報(HP)には,高齢者向けに用意されている(らしい)その「新型コロナウイルスワクチンの接種券」のことを「クーポン」と称している。

 このクーポンということばを聞いて首を捻った。クーポンはフランス語で coupon と綴るが,本来「利札」のことを表わし,現代では,切り離しができる金券,割引券などを指して用いられるというのだから,ワクチン接種の案内関係でこのクーポンという単語が当てられ,使われるのは奇妙である。

 それにしても,日本の新型コロナ・ウイルス用ワクチン接種の状況はベタ遅れであって,前述に指摘されていたように「世界60位」に着けていた。それでいて,安倍晋三君や菅 義偉君は,この「夏の東京オリンピックパラリンピックは,人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証として,また,東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい」などと,自分だけ悦にいって,それこそ勝手にオダを挙げていた。

 彼らは,なんともいいようがないくらい,馬鹿らしい発言をしていた。五輪が開催できなかったら,この日本がどうなる(?)というのか。より重要な問題は,コロナ禍のほうにあるはずである。彼らは,世の中に起きる出来事に関して「その中身の順序,因果関係のあり方」というものを,まったく理解する能力がない。

 そもそも「3・11」からの復興など,本当はできていない。東電福島第1原発事故の後始末すらまだまだの状況に置かれている。それなのに,よくもまあ,こんどは五輪を開催できれば,ホイホイと日本のフクシマ復興が達成できるのだなどと,それも軽いノリでいい放てるものである。

 おい,コラ,オマエ ら……。ほらを吹くにしても “てぇーげぇーにしろ” と,どなりたくもなるわい。

 このごろは,識者たちが盛んに「日本はもう後進国だ」と断言するに至っている。その「患部中枢がまさしく自公民政権」にあった。しかも,その表面にかさぶたとして浮腫状態になっているのが,安倍晋三君や菅 義偉君などの非一流の政治屋たちであった。

 2021年,これからのあと8カ月ほどは,いったいどのように経過していくのか,心配ばかりである。

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【参考記事】

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