五輪開催を強行したい政府や五輪組織委員会,五輪マスコット的な存在として利用され振りまわされてきた池江璃花子,この水泳選手にはJOC五輪組織委員会の汚濁状態のなかに放りこまれている自分の位置が理解できない

 JOC五輪組織委員会の意図がよく察知できる立場にない池江璃花子選手に,1年後れになっている「2020東京オリンピックの開催」のための〈起爆剤的な役目〉をになわせているその患部(幹部)たちの火遊び的な策謀には乗らないことが,国民・市民・庶民側の賢い対応

 

  要点・1 「過去の病歴」を同情を買うための材料に悪用されている「池江璃花子の立場」は,どう観ても当人にはその立場や状況がまだよく理解されていない

  要点・2 池江璃花子の周辺でなにやかやとウルサク論評する「第3者的な群衆」が数多くたむろしているが,JOC五輪組織委員会にとっては歓迎すべき社会現象であり,むしろなるべくやかましく騒いでくれることが歓迎されている


 池江璃花子 “五輪辞退” 求める声受け長文ツイート『選手個人に当てるのはとても苦しいです』」『YAHOO!JAPAN ニュース』2021/5/7(金) 21:34配信,https://news.yahoo.co.jp/articles/c34e76a13cf3f91f8f305f5103d99ac2f4eaf169(元記事は『スポニチ』)

 競泳の東京五輪代表に内定した池江璃花子(20歳=ルネサンス)が〔5月〕7日,自身のツイッターを更新。新型コロナウイルス感染拡大の収束がみえない状況のなか,自身のSNSに五輪出場辞退や五輪開催反対に賛同を求める声が寄せられていることについて,意見を述べた。

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 池江は「いつも応援ありがとうございます」と書き出し,「Instagram のダイレクトメッセージ,Twitter のリプライに『辞退してほしい』『反対に声をあげてほしい』などのコメントが寄せられていることをしりました」とさまざまな意見がSNSに寄せられていることを明かした。

 そして「もちろん,私たちアスリートはオリンピックに出るため,ずっとがんばってきました」と前置きし,「ですが,いまこのコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく,当然のことだと思っています」と五輪中止を求める声に理解も。「私も,他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても,決まったことは受け入れ,やるならもちろん全力で,ないならつぎに向けて,がんばるだけだと思っています」とアスリートとして率直な気持を記した。

 池江は2019年2月に白血病を公表。闘病生活を経て,2020年8月に実戦復帰すると,今〔2021〕年4月の日本選手権では4冠を達成し,2016年リオデジャネイロ五輪に続く2大会連続の五輪切符を手にした。五輪本番では,女子400メートルリレーと女子400メートルメドレーリレーに出場予定で,女子100メートル自由形など個人種目に出場する可能性もある。

 「1年延期されたオリンピックは私のような選手であれば,ラッキーでもあり,逆に絶望してしまう選手もいます。持病をもってる私も,開催されなくてもいま,目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています」と自身も不安と隣り合わせの日々を送っていることを明かした池江。

 そして「私に反対の声を求めても,私はなにも変えることができません。ただいまやるべきことをまっとうし,応援していただいてる方たちの期待に応えたい一心で日々の練習をしています。オリンピックについて,良いメッセージもあれば,正直,今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい,そんな気持ちは皆さんと同じように強くもっています。ですが,それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」と思いを吐露した。

 そして「長くなってしまいましたが,わたしに限らず,がんばっている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います」とつづり,5連続投稿による長文のメッセージを締めくくった。(引用終わり)

 以上『スポニチ』に掲載された「池江璃花子のツイート」に関する記事は,たとえば,「池江璃花子  辞退求める声へ,5つの投稿で複雑な思い吐露『私は何も変えることができない』」『デイリー』2021.05.07,https://www.daily.co.jp/general/2021/05/07/0014306447.shtml  などの記事として,すぐに反応が現われていた。

 

  池江璃花子自身によるツイート書きこみか(?)と疑う声も上がっていた

 さて,① に紹介した池江璃花子の5連続になるツイートについては,たとえば,弁護士・渡辺輝人「池江璃花子の厚かましいツイート,本人が考えたものではないようだ」「お前らだまっとれ,という非常に巧妙なツイート」『健康生活まとめ速報』2021/05/09 (日)  20:34:40.10  id:gkoE5Quq9https://anonymous-post.mobi/archives/8534  に代表されるように,「特定の〈やらせツイート〉ではないか」という疑心が抱かれ,つぎのようにその理由が説明されていた。

 この渡辺輝人の指摘・批判を引用する。たくさんあるが,つぎに全部引き出しておく。冒頭以外については「I.D. 」と「@・・・」ははぶき,本文のみの引用である。

 渡辺輝人@nabeteru1Q78 

  池江璃花子は,電通傘下のマネジメント会社に所属してるんだね。五輪出場辞退を求める意見に対して,あんな上手な口上を本人が考えたのはすごいな,と思っていたのだが,そうではないようだ。


  別に,電通関連企業に所属しててもかまわないから,そういう企業は,選手を,もはや政治問題化している五輪を強行するための駒にするのは本当にやめてほしい。


  池江璃花子は政治の駒に使われて,国民から反感まで買ってしまい,損な役回りですよね。あなたがいいたいのはそういう意味じゃないようだけど。


  あれが池江璃花子本人の素の意見で自分の意思のみで表明したというのなら,もう成人しているし,バチバチに批判されても文句いえないでしょう。でも,そうではないと思いますよ。もっとも,自分の影響力のある政治的発言を他人に委ねたことは批判されるべきかもしれませんね。


  広報の素人が「オリンピックについて,良いメッセージもあれば,正直,今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。」と,「良い」メッセージは肯定的なものとして扱い,批判意見だけネガティブに扱い,それでいて「見守って欲しい」などと批判を封じる一言を入れるのは困難。プロの技でしょ。


  オリンピックに出たいとは一言もいわないのに,ネガティブな意見には心を痛め,お前らだまっとれ,という,非常に巧妙なツイートですよ。


  池江璃花子が炎上したので,池江自身も,他の選手を利用した巧妙なオリンピック推進論も,もはやできないと思うが,指摘をしておくのは重要だろう。


  五輪について「良いメッセージ」と「非常に心を痛めたメッセージ」を対比して扱うのは,ものすごい巧妙というか,メタ認知的な人工的なものを感じます。


  本来対比されるのは五輪推進論 vs 五輪反対論で,池江本人にとって良いメッセージ vs 悪いメッセージなはずですが,推進論を「良い」もの,反対論は池江への「悪いメッセージ」と巧妙にすり替えています霞が関の官僚が書いた政府答弁の原稿にもこの手のものがありますね。


  「わたしに限らず,がんばっている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います」は,現状に合わせて具体化すると「私を含む出場内定選手を,新型コロナウイルスが蔓延して国民が五輪開催に反対していても温かく見守って欲しい」という意味になるだろう。


  なぜなら,東京五輪が中止になったときに池江を批判する国民などいないのである。要するに,五輪反対論者は私を批判せずに黙っていて,ということにならざるを得ないのだが,そう思わせないように,非常に巧妙に書いてある。


  このツイートは,池江が「見守ってほしい」といえば,それが一定程度尊重される,という池江の社会的影響力を分かったうえで分かっていてそれをいっている。こういう厚かましいツイートも本人にはなかなか書けない類のものだ。


  下記の記事は5月7日の 21:11 に投稿され,池江の最終ツイートまで引用されているが,池江璃花子本人の最終ツイートは同日の 21:26 のようです。

  こうした渡辺輝人の指摘・批判と同様な感想・意見を述べている人はほかにもいた。そう疑われて当然である,それも「なかなか手のこんだ」「かなり上手に意を尽くした」を,池江璃花子がツイートに表現していたのだから,文章をあれこれ書く仕事にするたとえば,この弁護士の渡辺輝人が,以上のごとき分析・解釈をするのは当然であった。

 本ブログ筆者は,ここの ② の意見・批評に対しては,つぎの ③ のごときSNSに関した認識方法(反批判・反論)がある点も踏まえながら,さらに視野を広くとった立場から「五輪開催勢力側の意図」(池江璃花子の立場はこの意図のなかに全面的にとりこまれているはずである)を汲みとる必要がを感じる。

 ともかく,この ③ の反論・理解を先に聞いておく。全文は引用できないので,肝心な箇所のみ適宜に拾う引用(参照)となる。

 

 池江璃花子氏のツイートは電通の工作では?  という疑惑を検証する」『社会の独房から』2021-05-08,https://www.shachikudayo.com/entry/2021/05/08/152331

 「池江選手のツイートは政府と電通のシナリオという噂」について「その発端から書いていく」と,2021年5月7日21時01分のツイート(前掲)から始まった池江璃花子氏による五輪反対派からの辞退求める声への反応。5つのツイートで語られ,最後のツイート投稿時間は21時26分。

 a) 問題になっているのが BuzzFeed によるこのツイートを記事にする速さ。残念ながら BuzzFeed は記事の投稿時間を掲載していないたま,正確な時間は不明。Twitter や Yahoo ニュースなどを確認して一番早かった投稿が,

 神庭亮介 on Twitter: “池江選手「辞退」「中止」求める声に訴えた思い https://t.co/Unyzbe8cbm @togemaru_kより” で, 21時39分。池江璃花子氏の最後のツイートから遅くとも記事は13分後には投稿されていた。

 この記事投稿が速いから,池江璃花子氏のツイートじたいが電通及び東京五輪開催派によるマスコミを使った工作では(?)という疑惑がネットを中心に広がっている。

【参考記事】

 逆にいうと,池江璃花子氏のツイートが怪しいという疑惑の原因は「記事作成の早さ」しかないので,本当に BuzzFeed の記事はほかに比べて早いのか。検証していきたい。

 まず,大前提にあるのは池江璃花子氏の発言は注目されていたということ。そして本題。

 まず,早すぎると疑惑になっているこの記事は,池江璃花子氏の一連のツイートをコピペしているだけの完全なコタツ記事なので読まなくてもいい。

 記事内容じたいは本当にツイートのコピペでしかない。記事作成に5分もいらないと思う。こういったコタツ記事と呼ばれる手抜き記事がネットでは氾濫している。

 たとえば,後藤真希氏のコロナからの復帰。13時に投稿したが,13時3分には記事になった。約3分である。ほかにも,大塚千弘氏が第1子出産を報告,14時4分だが,こちらの記事は14時9分。

 こういう報告ツイートは事前に関係各所に連絡していた可能性もある。

 ある意味,伝説のツイートがある。こちらのツイートが19時59分に投稿。そしてニュースになったのが20時6分。ニュースになるまで7分である。吉本興業の不祥事なので松本人志に注目が集まっていたのだろうが,それは上にも書いたように池江璃花子氏も同じである。

 以上から BuzzFeed の記事はその品質は置いておき,スピードじたいは特別早くないことが分かる。とくに今回は池江璃花子氏の最初のツイートから締めくくりのツイートまで25分という長い時間が空いているので,リアルタイムで追いながら記事を作成することもできる。これで早すぎて怪しいというスピードではないだろう。

 b) それともう一点,噂されているのがデイリースポーツの記事の速さ。デイリースポーツ 2020/5/7 (金)  Yahooニュースには21:11配信と書いてある。21時11分では池江璃花子の一連のツイートの途中になってしまう。

 このことから,デイリースポーツは予め,池江璃花子のツイート内容をしっていた(!),電通及び東京五輪開催派の工作だ(!)という噂が広まってしまった。これは完全にデイリースポーツと Yahoo ニュースが悪い。この記事,なんどか更新されている。

 BuzzFeed とは違い,池江璃花子氏のツイート途中である21時11分で記事を書き上げアップし,リアルタイムの実況形式で記事を付けくわえていった。

 Yahoo ニュースの投稿時間は更新したあとではなく,最初の投稿時間が表記されるのであとからみると差異が生まれてしまう。〔その〕過去の記事が確認できた。

 以上から,デイリースポーツが内容をしっていたと決めつけるのは現状では無理といえるだろう。加筆表記がないからこういう問題が起きる。

 c) また,他大勢のマスコミが今回のことを取り上げ過ぎという意見もあるが,上記でも書いたように「そろそろアスリートの側から発言しないと」のピークともいえる時期で,注目度も高かったのでマスコミが取り上げるのはある意味必然。

 そこまで盛り上がる結果になった原因は「アスリートも声を上げろ」といってた東京五輪反対派,アスリートを盾にしている政府やIOCではないだろうか。

 私は社畜であり,毎日満員電車に揺られている。「密の状況を作っているのはお前ら社会人だ!」といわれてもこっちも好きで満員電車に乗っているのではなく,仕事で仕方ないんだから「文句は会社にいってくれ!」と思ってしまう。それはアスリートも同じなのではないかと僕は思う。

 池江璃花子氏は電通に操られているというのは現状,ソースがなにもない陰謀論にしかならないので,あまりそっちの道に行くのオススメしない。批判をいうことじたいは悪いことではないが,批判をいう矛先が正しいのか,批判をいう前に考えて欲しいなと思う今日このごろ。

 補注)この陰謀論という解釈は疑問あり。陰謀論の「ある・なし」という論点が,批判を放っては「いけない,あるいはいい」という点の判断基準にはなりえないからである。その解釈のように,提示された疑念を簡単に一蹴できるのであれば,なにも問題はない。だが,いろいろと疑問が示唆・暗示される状況証拠は確実にある。この点まで封印したがるのは,いいすぎであり,極端な立論である。

 以上,この ③ の指摘・批判は,一定限度は説得力ある説明である。だが,池江璃花子自身が「自分が置かれている立場・状況」を,本当に理解・認識できているかという点については,疑問が残されたままである。

 池江璃花子は2000年7月4日生まれの年齢20歳であり,水泳選手として少女時代から生きてきた人物である。ツイートで語っていた発言は,正直に自身の真情を吐露していいたと解釈されていい。

 だが,電通との関係をとりざたされる筋道までみとおして考えるに,彼女は自分という存在が「2020東京オリンピックの開催」に絡めとられた状況のなかにあって,いかにも適当に政府や五輪組織委員会が用意した舞台において振りつけされ,演技させられてきた事実を,いったいどの程度にまで客観的に自覚できていたのかという点には,基本的に回避できない疑問があった。

 彼女をかこむ “より大きな背景・事情・文脈” としては,電通という会社から目をそらすわけにはいかない。彼女の兄は電通社員である。彼女の所属事務所は「株式会社ジエブ」であるが,この事務所のHPを開くと,このジエブという会社名の上に電通という漢字がより大きな活字で乗っかっている。

 電通はいまでは第4の権力と目される社会集団「マスコミ・メディア」の,そのまた上部に君臨する広告代理店になりあがっている。大手新聞社であってもまともにモノをいえないほど,その権力水準の卓越性を誇れる「広告代理店」になっているのが,この電通である。

 その電通が五輪行事の全般をとりしきっている,つまり牛耳っている。池江璃花子「自身の発言」をそれなりに操作し,すでに中止の瀬戸際まで追いこまれている「2020東京オリンピックの開催」に向けて,できれば起死回生になりうるような世間の反応を創る作業は,電通の営業品目にとってみれば〈お手のもの〉ともいえる企画になる。

 そのなかで,池江璃花子はもともと東京五輪では金メダル獲得が大いに期待できる選手として復活したゆえ,コロナ禍の現状にあえぐ日本社会も五輪を開催できれば,この池江のようになんらかの復活が期待できるのではなか。そのように思考回路に即して現実の窮状を開削し,その期待を五輪の開催に向けて世論操作をする仕事は,電通にとってみればまさしく「本来的な業務」であった。


 ※-1 たとえば,こう報道する記事があった。「『第4波に入った」都医師会長 変異株急拡大で五輪は『無観客でもむずかしい面も』」『東京新聞』2021年4月13日 22時20分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/97880 は,こう伝えていた。

 「(競泳の)池江璃花子選手もあれだけがんばっている。私〔都医師会会長,尾崎治夫〕もスポーツを見るのは大好き。無観客であっても,やれる道を考えてほしい」と個人的な心情を吐露しつつ,国に対しては「精神論的に,やる,やらない,という話は十分に聞いている。こういうかたちでやるという具体案を示してほしい」と注文した。

 ※-2「日本人が五輪嫌いになる日  IOCや組織委・政府への反感募る」『日刊ゲンダイ』2021/05/11,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/288904 は,この記事のなかで,つぎのように批判していた。

 IOCや日本政府,東京都は選手にワクチンを打って五輪開催に突き進もうとしている。バッハ会長やジョン・コーツ副会長の「大会は必らず開催される」との発言も国民の反感をさらに募らせている。

 ちなみに,東京五輪開催の是非をめぐり,弁護士の宇都宮健児氏がオンライン署名サイト「change.org」上で〔5月〕5日に始めた大会中止を求める活動署名は,9日午後30万人を突破した。

 補注)その後の数字は,「東京五輪中止,署名35万筆超  IOCや都に要望書-宇都宮氏」『時事通信』2021年05月14日15時37分,https://www.jiji.com/jc/article?k=2021051400727&g=soc  とのこと。

 池江にもとばっちり。ワクチン優先接種の問題で苦しむアスリートが「コロナ禍五輪」の犠牲者なら,彼女もそうだ。白血病による長期療養から奇跡の復活を遂げて五輪代表に内定した池江璃花子(20歳)だ。自身のSNSに代表辞退や五輪への反対を求めるメッセージが寄せられていることを明かし,「とても苦しい」と胸の内を語った。

 スポーツファンで作家の吉川 潮氏は「池江選手にメッセージを送る人たちは完全なお門違い。常識に欠けている」と前置きし,こういう。

 「なぜこんなメッセージを池江さんに送ったのかと考えれば,組織委や政府に問題があるからです。IOCや国は問題を先送りにし,大会開催の可否についての明確な基準すら決めていない。『なにがなんでも』と世論を無視して開催へと向かっている。なにをいっても意味がないと思い,五輪代表になった池江さんを頼ったのです」。

 「たとえば国は,『6月中に高齢者の60%のワクチン接種が終了しなければ五輪をやめる』などと,中止の基準を打ち出す必要がある。そうしなければ競技以外のことで選手は苦しみ続け,時には攻撃の対象にすらなってしまう」。

 日本の国民は夏季も冬季も五輪になると深夜でもテレビにかじりつき,日本代表の活躍に一喜一憂し,メダル獲得に歓喜する。

 「日本人は世界でもっとも五輪好きの国民といわれていますが,その考えをあらためることになるかもしれません。組織委員会は五輪のために看護師やスポーツドクターもかき集めている。現在も高齢者や医療従事者などのワクチン接種さえ遅れているのにです。これ以上,感染者や死者が増えたら国民の不満や怒りはますます五輪に向かいますよ」。

 補注)事実,日本国民たちも五輪という国際大運動会の本性,そのうさん臭さ,具体的には「感動詐欺」「ブラック・ボランティア」「五輪貴族」など,基本的には詐術的な民衆だましの問題が隠されていた事実に気づきはじめている。

 もしもコロナ禍の影響が発生しないで,2020年盛夏に予定どおり東京オリンピックが開催されていれば,国民・市民・庶民たちはいっさい気づくこともないまま,IOCやJOC(五輪組織委員会)の魑魅魍魎については,いままでどおり無知・無縁でありつづけたに違いあるまい。

 なかでも,森 喜朗(前JOC五輪組織委員会会長)の女性差別に関して記録したもろもろの発言内容は,五輪組織の中枢を占める関係人士たちがけっして紳士・淑女たちではない事実を教えた。橋本聖子なる現・JOC五輪組織委員会も,男子選手に対する猛烈なセクハラ事件を起こしていた,ある意味では,たいそう悪質なパワハラオバサンである。その子どもが何人もいるオカンが,いま,五輪組織委員会の会長? 森も森なら,聖子も聖子であり,ともて話にもならない五輪向け人的資源の品質水準であった。

〔記事に戻る→〕 「(開催は)強行突破にしか思えないところもある。なぜ,できると思うのか説明がないから,私も国民も謎です」(新谷仁美,33歳)。恨めしや,オリンピックでは,アスリートは浮かばれない。

 ※-3「国とコロナに絶望と諦め   “目の敵五輪”   出場選手がお気の毒」『日刊ゲンダイ』2021/04/22 17:00,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/288287  も,コロナ禍との関係で五輪開催を批判していた。この記事からごく一部のみ引用しておく。

 さすがに,このコロナ拡大に自民党の二階幹事長も「無理ということであれば,スパッとやめなければならない」と発言している。なのに,菅は「五輪への影響はない」「人類がコロナに打ち勝った証しとして実現させる」と繰り返しているのだから度しがたい。国民の多くは「イカれている」と感じているのではないか。

 補注)菅 義偉は,5月に入ってからは「人類がコロナに打ち勝った証しとして実現させる」とはいわなく〔いえなく〕なっているので,一言は差しはさんでおきたい。

 a)「パフォーマンスさえしてくれればいい」が政権の本音

 いまや,なにがなんでも「五輪開催」という国民は,ほとんどいないのではないか。世論調査でも「反対」「中止」が半数を超えている。国民から歓迎されない五輪に出場させられるアスリートも,気の毒というものだ。実際,内心は複雑だろう。

 多くのアスリートは,このコロナ禍で五輪を開催することに葛藤を抱いているに違いない。「必らずやる」と目をギラつかせているのは,政治家だけだ。

 「政府の発想は『ワクチンを打ってでも競技させる』『パフォーマンスさえ発揮してくれればいい』ということなのではないか。政権浮揚のため,なにがなんでも開催したいのでしょうが,もっと選手を尊重すべきです」。

 どこがアスリートファーストなのか。選手よりも政治的利益。五輪開催を強行すれば,選手に批判の矛先が向いてしまう恐れもある。すでに批判を招いているのは,選手へのワクチン優先接種だ。いったん優先接種が浮上し,批判を受けて,政府は慌てて否定しているが,選手への優先接種を検討しているのは明らかだ。

 しかし,アスリートを優先したら,「なぜ高齢者より先に打つのか」と怒りが噴出するのは間違いない。

 「さらに批判を招いているのが,大会期間中に1万人の医療従事者を集めることで」,「今後,夏に感染が拡大し,大会期間中に医療逼迫が起きても,コロナ対策の前線から1万人を引きはがさなければならない。国民を犠牲にするのか,と批判の声が一斉に上がるのは避けられない」(組織委関係者)。

 「本来,五輪とは,世界中からトップアスリートが集まり,選手同士が交流し,観客との一体感をつくる祝祭で」あるが,「しかし,このコロナ禍でそれが実現できる」のか?

 「ワクチンの普及の違いによって,選手間に差が出てしまう問題もあり」,「満足に練習できる選手と,そうでない選手で不公平が生じている。政府や組織委は,目立つ選手をヒーローやヒロインに祭り上げ,機運醸成に躍起で」である。

 「結局,自分たちの政治的利益しか頭にない」。 “自分ファースト” ということだ。

 b) 池江選手まで政治利用する悪質

 それでも菅政権は,アスリートを政治利用してでも五輪開催を強行するつもりだ。自民党の世耕参院幹事長は,議員総会で「(世論調査で)水泳の池江選手の活躍に期待するかの質問の後,五輪を開催すべきかと聞けば,9割の人が開催になるのではないか」と公然といい放っている。

 世耕発言を聞くかぎり,白血病を克服した池江選手も,五輪開催のための道具に過ぎないということなのだろう。この先,池江選手をトコトン利用するに違いない。

 補注)さきほど言及したが,電通の出番がまさにこの局面にあったという解釈も可能である。「池江璃花子はトコトン利用する(される)」という観点に密着して考えようとすれば,SNSの次元においてツイートへの反応速度をもって,池江が自身でツイートを書いて “発言している” とか “いない” とかいった「問題性」は,単に目先だけの問題だという理解にもなる。

 政治利用しようとする菅政権に対し,アスリートも怒りを強めているはずだが,幹部から「余計なことはいうな」と圧力がかかっているのか,五輪が近づくにつれ,発言が少なくなっている。本当は,口にしたいこともあるのではないか。いったい,誰のための五輪なのか。

 補注)つまり,そうした五輪関係問題推移のなかでの池江璃花子のツイートによる発言であった。

 つぎに,以上の記述よりも,もっと強烈な批判をくわえているネット記事もあるが,ここではそのくわしい内容は引用しないでおく。住所(アドレス)は下段に添えておくので,興味ある人はさらに読んでもらいたい。

 この記事は,以下の3点を筋書きに立てて,批判的に議論した中身である。

 ☆-1「この1年間は,池江選手を東京五輪開催の象徴・広告塔として,矢面に立たせてきた」

 

 ☆-2 五輪強行派は,コロナ下で五輪反対の声が高まるなか,その批判の声を封じるために,池江選手の闘病と復活を利用してきた」

 

 ☆-3「医療崩壊の一方,五輪への医療資源投入・ワクチン優先の “五輪優先主義” が国民とアスリートを分断」

 最後に,昨年中に本ブログ筆者が池江璃花子に関連させて書いていた2つの文章がある(上方の2つの記事がそれで,さらにつづく2つの記事は事後に追加した別の記事)。本日のこの記述の前哨に位置する内容に相当する。いつものとおり長文である。以下にかかげておく。

 【本ブログ内・参考記事】

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