たかが五輪の開催に「オレは勝負したんだ」といい,国民たちの生命・安全を賭け金・寺銭あつかいする菅 義偉の錯誤した判断,その「開催有無の問題」を「観客有無の問題」にすりかえた転倒性

 菅 義偉は,自身の空念仏「安心・安全のムニャムニャ……」とはまた別個に,「庶民の命」まで「賭け事の材料」に引き入れた「乱暴・無謀」を冒している,国民たちの過半の意思は「五輪不開催」や「開催しても無観客」だといっているにもかかわらず,それをがんと無視する 専制的独裁志向の政治屋

 盛夏(酷暑・猛暑)の時節にわざわざ国際大運動会を実施したとなれば,熱中症の被害やコロナ禍の感染が急増する予測が科学的になされている,けれども,こちらの困難についても完全に目をつむったまま,五輪開催に突入する「日本国総理大臣のドンキホーテ」ぶり

 

  要点・1 菅 義偉の五輪開催,有観客での実行という「重ねての無謀」

  要点・2 五輪開催を賭け事(自分の政治屋的利害のため)として強行

  要点・3 都知事小池百合子は五輪中止の判断をしないのか? このままではやはり「緑のタヌキ」状態で政治生命を終える

 

  2021年「五輪『無観客で』53%  内閣支持34% 朝日世論調査朝日新聞』2021年6月21日朝刊1面など

 1)『朝日新聞』2021年6月21日朝刊

 朝日新聞社は〔6月〕19,20日に全国世論調査(電話)を実施した。東京五輪パラリンピックを今夏に開催する場合,「観客なしで行うべきだ」53%が「観客数を制限して行うべきだ」42%を上回った。菅内閣の支持率は34%で,最低タイだった前回5月の調査(33%)とほぼ同じだった。不支持率は42%(前回5月は47%)。

 2)『TBS NEWS』JNN世論調査 https://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20210605/q1-1.html

 この『TBS NEWS』JNN世論調査は,2021年6月5,6日に実施された。つぎの図表を説明に代えておきたい。

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 3) 「五輪開催で『感染拡大が不安』は86% 無観客40%,中止は30%〈共同世論調査〉」『東京新聞』2021年6月20日 18時02分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/111746(共同)

 共同通信社が〔6月〕19,20両日に実施した全国電世論調査によると,東京五輪パラリンピック開催で,新型コロナウイルスの感染が再拡大する不安を聞いたところ,「ある程度」を含め「不安を感じている」との回答が86.7%に上った。

 開催をめぐっては,「無観客で開催するべきだ」が40.3%,「中止するべきだ」は30.8%だった。ワクチン接種に関する政府のこれまでの取り組みについては68.0%が「遅いと思う」と答えた。

 菅内閣の支持率は44.0%で,前回5月より2.9ポイント増。不支持率は5.1ポイント減の42.2%だった。沖縄県を除いて緊急事態宣言を解除し,東京など7都道府県のまん延防止等重点措置への移行を決めた政府対応については50.8%が「早過ぎた」とした。

 五輪期間中に東京などに緊急事態宣言が再発令された場合,どうするべきか質問すると,55.7%が「無観客などの措置を取って続ける」と答えた。(共同)


 4)「東京五輪『中止すべきだ』60%… 都民意識調査,開催都市で反対の声根強く」『東京新聞』2021年5月25日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/106318

 東京新聞などは〔5月〕22,23日の両日,都内の有権者に意識調査を実施した。新型コロナウイルス禍の真っただ中で開催が迫る東京五輪パラリンピックを「中止するべきだ」と答えた人が6割となり,「観客を制限して開催」「無観客で開催」と答えた人の2倍に上った。新型コロナウイルスをめぐり,政府の対策や説明に不信感が高まるなか,五輪開幕まで2カ月を切った開催都市・東京でも,五輪反対の声が根強いことが浮かび上がった。

 ◆-1 開催「観客制限」17%,「無観客」11%

 大会開催をめぐっては,菅 義偉首相が「国民の命や健康を守り,安全安心の大会を実現することは可能」と説明。これに納得できるかを聞いたところ,67.2%が「納得できない」と答え,どの世代でも「納得できる」は3割に満たなかった。

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 ◆-2 政府のコロナ対応「評価せず」8割

 政府の新型コロナ対策については「全く評価しない」(42.9%)と「あまり評価しない」(34.3%)を合わせると8割近くに。「大いに評価」(3.8%),「ある程度評価」(17.0%)は計2割程度にとどまった。

 ◆-3 内閣「不支持」64% 小池知事「評価」52%

 菅内閣を「支持する」と答えた人の割合は16.1%で,「支持しない」が64.4%だった。小池百合子知事については「大いに評価する」と「ある程度評価する」を合わせて52.8%となり,「あまり評価しない」と「全く評価しない」を合わせた43.2%を上回った。(引用終わり)

 以上,いくつかの世論調査の結果報告を介して,国民全体の次元および東京都民の次元における「五輪開催に関した人びとの反応」に,接してみた。いうまでもなく,五輪開催を引き受けたのは東京都である。

 こうした最近(5月,6月中)の世論調査の結果は,五輪の開催そのものについて明確に観てとれる特徴を教えている。すなわち,国民・都民たち側の立場は開催を認める場合であっても無観客での開催を望んでいる。

 調子のよい時だけはヤケに目立ちたがる小池百合子都知事は,最近,「なにもいえず動きもとれなくなった心理的状況」に追いこまれている。彼女のその沈黙に近い様相はさておき,日本政府側の菅 義偉首相は「自分は五輪の主催者でない」と逃げ口上を吐いていながら,それでいて不思議なことに,なにがなんでも「オレは〔五輪の開催に〕勝負したんだ」といきいんでいる。要は,日本国は「コロナ禍のもとでの五輪開催」に向かい突っ走りはじめた。

 口先では「安心,安全,ムニャムニャ……」といった空念仏ばかりを得意とするこの首相であるが,すでに厚生労働省ですら公表している予測,つまり「五輪の開催を予定する7月下旬ころ」までには,新型コロナウイルス感染が,新しく出現した「デルタ株」などの影響もあって急激に拡大すると予測されている事実など,そっちのけ。

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 上の2つの図表はすでに紹介したことがあるが,なによりもまず,この図表では線画の方法が奇妙かつ異様であった。なにがおかしい点であるかといえば,統計学を少しは勉強した人ならば歴然である。

 つまり,図表の上方が省略されている(切り落とされている)。絶対に省略してはいけない(そのありえない)部分をはしょっている。だから「奇妙かつ異様だ」と指摘している。コロナ禍の感染者数が7月下旬(五輪開催のころ)から,急激に・うなぎ登りに8月にかけて増加すると,この線図には表現(予測:警告!)されている。

 5) とくに小池百合子都知事に関していえる政治屋として行動の奇妙な異様さ」については,澤 章・稿「西新宿から『職員が死にそうだ』とうめき声が…… 元幹部職員が明かす,小池百合子が招いた東京都庁の悲惨な『緊急事態』」『時事通信』2021年06月15日,https://www.jiji.com/jc/bunshun?id=45897https://www.jiji.com/jc/bunshun?id=45897  がその実情を解説していた。この文章からは,ごく一部分の段落の紹介しかできないが,ともかく引用しておく。

 執筆者の澤 章は,東京都庁に30年以上勤め,知事のスピーチライター,人事課長を務めた元幹部である。澤は,築地の現状を提言し,2020年に刊行した『築地と豊洲 「市場移転問題」という名のブラックボックス開封する』株式会社都政新報社がきっかけで,都庁をクビになった。以下の引用は同書のほんの一部を抜粋である。
『ハダカの東京都庁』でも同様のことが繰り返されないことを願うばかりだ。

 同書内の見出しを拾ってみると,つぎのような文句が並んでいる。

 「五輪は道具,都知事は踏み台」  「小池マジックに惑わされるな」

 「築地跡地利用は唐突に」     「コロナ対策も政治的駆け引きの道具」

 「小池知事のコロナ対策を高く評価する人は皆無に等しい」

 記事の本文引用に戻ると,さらにこう書かれている。

 事実,築地跡地の利用は唐突に発表され,コロナ対策を所管する福祉保健局の上層部にもしらされていなかった。だから,事務方は大混乱である。築地市場跡地を接種会場とするためには,医療機関として保健所に届け出て登録する必要があるが,こうした手きはまったくできていない。ただただ,国との対抗意識に駆られた小池知事の露骨なスタンドプレーなのである。

 

 くわえて申し上げれば,そもそも築地跡地は五輪の車両基地として整備が進められている。ワクチン会場としての利用は6月末までだ。本当に付け焼き刃もいいところである。その代わりとして,今度は代々木公園のパブリックビューイング会場を活用すると小池知事はいい出した。会場設営のため公園の木々を伐採することへの批判と反対の声をかわそうとする姿勢がみえみえではないか。

 

 いま,この手の小池知事による生煮え・思いつき指示が雨あられと降りそそぎ,都庁職員は疲弊しきっている。西新宿からは「職員が死にそうだ……」とのうめき声しか聞こえてこない。都庁の「緊急事態」を招いたのが小池知事ご本人であることは,都庁職員なら誰もが認める周知の事実なのである。(中略)

 

 ことほどさように小池知事の場合,コロナ対策に自分ファーストをもちこむ度合いが尋常ではない。しかも,そうした自分本位の姿勢を巧妙にカムフラージュして世間を煙に巻こうとする悪い癖が抜けないのだ。

 以上,菅 義偉の問題につづけて(並んでいる?),小池百合子というこの政治屋が五輪に関して言動してきた記録を,批判的意識をもって指摘する関係者の記述を抜きだしててみた。

 さて,ここで話題を大きく変えてみる。基本点として注目したいのは,日本社会の問題として共通する特定の課題であった。

 すなわち,五輪に向けてかけてきた多大な「経費・組織・情報など」の諸努力は,この国際大運動会のための「打ち上げ花火的・しかけ花火的な一時だけの披露」に,いわばほとんどムダに費やされるだけである。しかし,いまのこの国にあっては,五輪のために浪費されている「予算・手間ひま・人材・組織」は,別途の目的にためにこそ充てられるべきものであった。

 

  きびしい時代状況のもとでは弱い立場に置かれている人びとにしわ寄せが集中する-『日本経済新聞』本日〔2021年6月21日〕朝刊17面「女性」の特集解説記事の紹介から-

 a) この日経「女性」欄に掲載された解説記事の見出しは,「未婚者の5割『雇用安定を』 本社調査 コロナ下,4割超が結婚に意欲」であるが,なにもコロナ禍の時期になってしまった2020年以降に限られた問題ではなく,以前よりすでに明確に浮上していた問題であった。

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 厚生労働省が発表した人口動態統計によると,2020年の婚姻数は前年比12.3%減の52万5490件となり,戦後最少を更新した。日本は結婚しないと子どもをもたない傾向があり,婚姻の減少や先送りは少子化の加速に響く

 コロナ禍の収束が見通せないなかでも結婚する人が増えるには,どんな支援が必要か。日本経済新聞社が未婚の男女千人に調査したところ「雇用の安定」「新婚家庭への金銭的支援」を求める声が上位となった。

 補注)いうまでもないところだが,日本政府の社会政策の基本姿勢は,この「雇用の安定」「新婚家庭への金銭的支援」「子ども世帯の支援」を進んではけっしてやらない。ここでは,非正規雇用の立場にある20歳台の若い夫婦がいると仮定して話をしよう。

 いまどきの日本社会のなかでは,とくに若い夫婦や同居する男女がともかく意欲的に子どもを儲けられる状況にはない。女性のほうが懐妊し,出産し,夫婦で子育てをする段には,現状における平均的な話題としては,この夫婦の経済生活は非常にきびしくなる。

 「既婚率の低下」⇒「初婚年齢の高齢化」⇒「絶対的な少子化傾向」といった昨今において深刻な社会問題は,この記事に添えられていた上の図表・図解のなかに記入されているとおりである。ところが,それが今後において改善するみこみはほとんどない。この種の問題に歯止めをかけ,そのうえでいくらかでも改善・向上させる期待は,残念なことに現状ではほとんどもてない。

 〔2021年〕4月以降も出生数は減り続けるとみられ,昨〔2020〕年度の85万3214人を下回り,年間80万人を切る可能性が出てきた。80万人割れは現在の統計を取りはじめた1899年以降初めてで,出生数が前年比25%減と激減した1966年の「丙午(ひのえうま)年」以降,最大の落ちこみになる。

 

 人口問題など未来予測の研究をしている経済産業研究所の藤 和彦コンサルティングフェローは,「女性は非正規雇用が多く,コロナ禍で解雇や雇い止めが増えたことも,ボディーブローのように効いてきている」。

 

 「ただ,出生数の激減はコロナをきっかけに,5倍,10倍の早さで顕在化したに過ぎず,もともと先送りしてきた問題だ。これをきっかけに,早急に超少子高齢化社会に備えた社会システムをつくるしかない」と話した。

 註記)「コロナで出生数激減 『産み控え』の先にあるべき社会は」asahi.com 2021年5月30日 8時00分,https://digital.asahi.com/articles/ASP5X5DBQP5WULEI00R.html

 補注)ここでの指摘・意見,つまり,コロナ禍「をきっかけに,早急に超少子高齢化社会に備えた社会システムをつくるしかない」点とは,「もともと先送りしてきたその社会問題」を徹底的に意識しなおす必要性,いいかえれば,コロナ禍の最中でこそ,ヨリいっそう深刻に理解されるべき「少子化問題の非常なる重要性」をあらためて教えている。

 「この年収で結婚できるのか」。埼玉県に住む30代の観光業の男性会社員は,そう話す。コロナ禍で会社の売り上げが減り,年収が4割近く下がった。月の手取りは十数万円だ。結婚願望は強く,子どももほしい。だが「共働きしたとしても,満足な子育てができるのだろうか」と不安が募るという。

 b) 日本経済新聞社は6月3~4日,インターネット調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)を通じ,20~40代の未婚男女1000人に,結婚についての調査をおこなった。

 「コロナ禍でも婚姻数が増えるには,なにが必要だと思うか」という問い(複数回答)に対し,54.4%が職業訓練の充実や正社員化の促進など「雇用を安定させるための支援」と回答した。つぎに多かったのは「金銭的な支援(新婚家庭への資金支援,住居補助など)」(42%)だった。

 東京都在住の32歳の男性は「給与が減る一方で税金の負担が重く,家庭や子どもまで考える余裕がない」と回答。他にも「男性の正社員雇用の増加が必要」(32歳女性)などの声が寄せられた。

 育休や時短勤務など「男女ともに家庭と仕事が両立できる職場の制度づくり」(34.9%),「長時間労働の是正や休みをとりやすくするなど,働き方改革」(32.8%)も多くの人が必要と訴えた。

 足元での結婚への意欲はどうか。昨〔2020〕年から今〔2021〕年にかけて結婚願望に「変化があった」のは全体の13%。「コロナ禍で結婚願望がでてきた(強まった)」(7.4%)人が,「コロナ禍で結婚願望がなくなった(弱まった)」(5.6%)人を上回った。

 結婚願望が出てきた理由(複数回答)として最も多かったのは「2人のほうが健康面で何かあったときに安心」(48.6%)。一方で願望がなくなった理由は「コロナの影響で収入が減り,結婚して生活していけるか経済的に不安になった」(39.3%)が最多だった。特に男性では47.4%が経済的不安を挙げた。

 結婚願望に変化はない,と答えたのは86.8%。そのうちもともと結婚願望がある人は36.5%,ない人は50.3%だった。もともと結婚願望がある人と,願望が出てきた人を合計すると43.9%で,コロナの感染拡大という状況下でも,未婚者の4割超は足元で結婚への意欲をもっていることが分かった。

 「このまま結婚も出産もしない人生はいやだ」。関東地方に住む臨床検査技師の女性(28歳)はそう話す。外出自粛で将来のことを考える時間が増え,強くそう思うようになったという。自由回答でも「家族以外と会える機会が格段に減り,寂しさを埋める存在が欲しくなった」(24歳女性)などの声が寄せられた。

 2020年は出生数も84万832人と過去最少になった。今回の調査では「子育ての費用を国に援助してほしい」(22歳男性),「教育費は無料にできないか」(28歳男性)など,結婚後の子育てを見据えた要望も目立った。 

 c) 昨〔2020年〕春の感染拡大以降,交際相手がいた219人への質問では,コロナ禍の影響で結婚を「先延ばしにした」「やめた」人は10.5%だった。中央大学文学部の山田昌弘教授(家族社会学)は「背景には健康不安と経済不安がある。健康不安はコロナ禍が落ち着けば減るだろうが,経済不安は支援などを充実させないと解消されない」と指摘する。

 調査では出会いについても聞いた。コロナ感染拡大以降,交際相手がいなかった人のうち「出会いは求めていない」人を除いた449人に聞いた結果では,37%が「コロナの影響で出会いが減った」と答えた。具体的には「飲み会が減った」「在宅勤務で,仕事を通じた出会いがなくなった」「婚活イベントが相次いで中止に」などが挙がった。

 「20代の貴重な時間をコロナで無駄にした」。東京都内に住む会社員の女性(29歳)は焦りをにじませる。マッチングアプリに登録し出会いを探すが,感染リスクを考え,対面には至っていないという。「コロナが収まるまでは婚活どころではない。若い世代にも早くワクチン接種を進め,安心して人と会えるようにしてほしい」と訴えていた。(引用終わり)

 少子化の原因の足元のその遠くには高齢化社会という構造的要因が控えていた。けれども,現状における少子化の様相は,遠心力が強く働くかたちで加速され進行中であった。そこへコロナ禍が襲来した。

 まずいことに「男女の出会い機会,結婚(同居),出産,育児」が必要だったり,一生懸命にやってもらいたい人たちの気分を,逆に諦観的に落ちこませるほかない「経済社会の仕組」が,自民党政権のもとではなんら改善されることもないまま,10年周期ごとに本格化するばかりであった。

 要は,21世紀におけるいままでのような政治状況のなかで,ただひとつ「2020東京オリンピックの開催」にわざわざこだわりつづけてきた「安倍晋三⇒菅 義偉」の自民党政権は,どのようにいいわけをしようとも,この国家を「人口統計」面において確実に衰退・滅亡へと向かわせてきた。

 いまごろ,貧乏人の一点豪華主義かしらぬが,営利のための「商業五輪を開催したところ」で,そのあとのこの国と都は,どうなるというのか? 国民・市民・庶民たちの日常生活にはたいして役にも立たない競技関連の箱物施設が,あちこちにポツン,ポツンと残されるだけである。もしかすると事後,その種の施設が廃墟となって取り残されるかもしれない。過去において五輪を開催してきた諸国がすでにその証拠を提供してきた。

 五輪を開催などしたがために,われわれの生活の水準や環境がなにも変わらないどころか,いままで以上に劣化していく今後を覚悟しておく必要がある。つづいては,つぎの最近の記事を紹介しておくが,この内容をよく読むとなれば,背筋が寒くなってもおかしくないはずである。この指摘を,もしかしたら,菅 義偉が首相の立場に就いていながらなんとも感じていないとすれば,この国はすでに没収試合も同然……。

    ★ 2020年の出生数,統計史上最小84万832人…出生率も低下し1.34 ★
 =『ReseMom』2021.6.7 12:15,https://resemom.jp/article/2021/06/07/62123.html

 

 2020年の出生数は,1899年の調査開始以来もっとも少ない84万832人。前年,過去最小となった86万5239人からさらに2万4407人減り,5年連続で減少している。

 

 出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると,45歳以上で前年より27人増加したものの,44歳以下の各階級では前年より減少。とくに30~34歳の出生数の減少幅がもっとも大きく,前年より9148人減少した。第1子出生時の母の平均年齢は,2015年から6年連続で30.7歳。

 

 調査年次の15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので,1人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子供の数に相当する「合計特殊出生率」は1.34で,前年の1.36から0.02ポイント低下。母の年齢(5歳階級)別にみると,もっとも合計特殊出生率が高いのは30~34歳で,40~44歳,45~49歳においてもわずかながら出生率が前年より増加した。

 補注)この合計特殊出生率じたいに関連した「出産年齢階級そのものの〈高齢化〉」には,断わるまでもなく,もとより限界があった。それでもともかく,この傾向をできるかぎり逆方向に変換させるためには,抜本的な,それも国家規模での努力集中が不可欠である。合計特殊出生率の最多値が記録される年齢階級が,できるかぎり20歳〔前半〕台にまで「戻る」ことを期待するのは,いまのところほとんど不可能である。

 

 合計特殊出生率都道府県別にみると,「沖縄県」1.86がもっとも高く,ついで「島根県」1.69,「宮崎県」1.68,「長崎県」1.64,「鹿児島県」1.63が続いた。一方,もっとも低かったのは「東京都」1.13で,「北海道」1.21,「宮城県」1.21,「京都府」1.22,「神奈川県」1.25などが低かった。

 

 死亡数は137万2648人で,前年の138万1093人より8445人減少。死亡率は11.1で,前年の11.2より低下した。出生数と死亡数の差である自然増減数は53万1816人で,前年より1万5962人減少。自然増減率は4.3で,前年より0.1ポイント低下し,数・率ともに14年連続で減少かつ低下している。 なお,死因別にみたさいの「肺炎」は7万8445人で,前年より1万7073人減少。そのうち新型コロナウイルス感染症による死亡は3466人であった。

 

 婚姻件数は52万5490組で,前年より7万3517組〔率では12.3%〕減少。平均初婚年齢は,夫31.0歳,妻29.4歳でともに前年より0.2歳低下している。一方,離婚件数も前年より1万5245組減少し,19万3251組となった。

 一時だけ開催される「五輪貴族たちの商業的な国際大運動会」のために,膨大な国家予算・都予算・企業予算などが調達され執行されている。しかも,それでいて大衆に対しては,うわっつらだけの〈感動詐欺〉が与えられるだけである。それらの予算を無駄に費やすだけである五輪の開催に比較すれば,少子高齢社会の根本構造を少しでも改善・向上させるための努力傾注のほうが,21世紀における今後の日本にとってどれほど有益であるか特別な説明は要しない。

【参考記事】

 「宮本亞門さん『私が一番心配なのは国民の心が折れること』 私が東京五輪に断固反対する理由」『日刊ゲンダイ』2021/06/20,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/290718 から


 私がIOCや五輪関係者への疑問をもちはじめたのは,2016年,リオ五輪にいったときです。航空機のエコノミー席の周りには,五輪の選手たちが鍛え上げた大きな体を小さく縮め,リクライニングを倒すこともなく座っていた。

 

 ところが,トイレへいこうと近くのビジネスクラスのカーテンを開けると,そこは大宴会場。選手の雰囲気とはかけ離れ,背広を着たIOCや関係者がワインボトルをいくつも開け盛り上がっていた。

 これは初めていいますが,東京の招致決定後,あるトップの方とお会いした時,招致が決まった会場で,裏でいかに大金の現金を札束で渡して招致を決めたか,自慢げに話してくれたのです。驚いた私は「それ本当の話ですか?」といったら笑われました。

 

 「亞門ちゃん若いね。そんなド正直な考え方で世の中は成り立ってないよ」。

 

 それからです,透明性のない現実の恐ろしさをしったのは。お金や利権の場所に集まる人はいます。でも,五輪は美辞麗句を盾にした,生半可じゃない利権だらけの集合体だったのです。

 

 途上国に対する対応や,反対意見を聞かない独裁的な判断。IOCこそが選手を守るべきはずなのに,選手も不安を感じながら,コロナ禍の強引なルールできびしく取り締まられる。

 

 もう一度,いいます。なぜコロナ禍のいま,五輪をおこなわれなくてはならないのですか?

 

 コロナによって亡くされたご家族の思いは,1人でも同じような悲しみを味わって欲しくないはずです。この世界中が苦しんだコロナ禍の一年,われわれはなにを学んできたのでしょう?

 

 僕は,どんな宣誓がおこなわれようと,誰が金メダルを取ろうと,なにも感じないと思います。それがとても残念です。 

 ところで,小池百合子都知事は「五輪を中止する決断」をしないのか? 五輪の開催など,21世紀の歴史のなかでは一瞬の出来事でしかない。少子高齢社会の問題は,これからも継続していく切実性を有している。どちらがどのくらい大事かと問われるまでもない,つまり比較する余地もないくらいに「明白な課題」が目の前にあるではないか。

【参考記事】

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