制度疲労もきわまったオリンピック東京大会は中止が好ましく,五輪は廃止にするのが最適な判断,今回コロナ禍の最中に強行開催する国際大運動会であるが,主催者の日本側に隠匿されていた「他者への偏見・差別」は,完全に五輪憲章などク▼食らえの精神,五輪貴族用の運動会に21世紀的な歴史的意義など皆無

 ※- 汚濁と不信にみまれた2020東京オリンピックの開会式が,今夜おこなわれようとしている,だが,そのアホウ・タロウ的なバカらしさときたらミゾウユウ,莫大な予算をかけてこの熱暑の時節に選手たちに跳んだりはねたり走ったりをさせるのだから,スポーツ医学的・運動科学的に危険がいっぱい……

 ※- 気象条件は人間の側からはアンダーコントロールにできない点は,アベ君に訊くまでもない自然現象の側のことがらであり,当然かつ厳然たる事実である,JOCは,2013年9月に開催されたIOC総会において,「2020東京オリンピック招致」を勝ち取るために説明した「日本・東京の7月下旬から8月上旬」の気象条件について,つぎのごときに “誤りの説明” を披露していた

 「この時期の天候は晴れる日が多く,かつ温暖であるため,アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」。

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【参考画像】

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       補注)ちょうど3年前の7月23日。

 ※- この中学生が聴いてもただちにウソだと分かるデタラメを語ったJOC側も問題であったが,これを聴いたうえでなおかつ疑問を投じなかった,その総会に出席した各国OCの連中も,それ以上に奇怪かつ面妖な人びとであった。当時のJOC会長竹田恒和が招致のためにアフリカ人のIOC関係者に賄賂を贈ったという被疑が,フランス捜査当局によってかけられており,これが原因で竹田は会長職をしりぞいていた

 ※- ともかく本日「7月23日」夜に開会式が実行されるが,この2020東京オリンピックの開催ほど,準備段階からトラブルだらけの五輪はなかった。前日の22日にも「ユダヤ人差別(ホロコーストを茶化す言辞)」にまつわる五輪企画関係者の発言が,いきなり告発されるなど,しっちゃかめっちゃか状態に追いこまれた「汚リンピックないしは誤倫」の開催

【参考記事】

    f:id:socialsciencereview:20210723093448p:plain

 

    ★ 橋本会長「副防衛相の指摘ではない」 小林氏問題,早朝に確認 ★
 =『毎日新聞』2021/7/22 13:12,最終更新 7/22 17:25,https://mainichi.jp/articles/20210722/k00/00m/040/100000c
 

 東京オリンピックパラリンピック組織委員会は〔7月〕22日,五輪開会式(23日)で演出担当を務めている小林賢太郎氏(48歳)が過去にユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)をコントの題材にしていたとして解任した。橋本聖子会長は22日の記者会見で「関係者からの指摘を受けて,早朝に確認した。すぐに協議するように指示したが,それまでは申しわけないがまったく情報が取れていなかった」と述べた。

 

 米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)」は21日に小林氏の過去の発言について非難する声明を発表。中山泰秀・副防衛相は22日未明,自身のツイッターに「早速サイモンウィーゼンタールセンターと連絡を取り合い,お話をしました」と投稿し,みずからSWCに連絡したことを明らかにしている。

 

 記者から「中山氏からの指摘か」と問われた橋本会長は「違います」と否定したうえで,「情報の共有を図っていかなければいけない問題だったと思う」と述べた。

 

  要点・1 オリンピックの開催様式はナチスに多くを倣っている

  要点・2 なぜ,この期に及んで「2020東京オリンピック」に対して,あらためてケチのつく不快な話題が発掘されているのか,もっと幅広く吟味する必要がある

  要点・3 20世紀から淀みつづけてきた矛盾・自家撞着としての日本の汚泥を,一括的に吐き出すかっこうで披露するはめになった,この五輪行事のみっともなさ

 

  戦争責任・戦後補償などの問題に鈍感でありつづけている日本の立場を指摘する報道が,本日の『朝日新聞』朝刊に出ていた。

   軍艦島めぐり「遺憾」決議 犠牲の説明「不十分」 世界遺産委 ◆
        =『朝日新聞』2021年7月23日朝刊3面=

 

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は〔7月〕22日,長崎県端島炭坑軍艦島)などからなる世界文化遺産明治日本の産業革命遺産」について,朝鮮半島などから連行され労働を強いられた人びとについての日本の説明が不十分だとして,「強い遺憾を示す」とする決議を全会一致で採択した。

 

 日本政府は2015年の登録時,犠牲者を記憶にとどめるための措置をとると約束していた。世界遺産委員会は,登録遺産の保全状況などを定期的にフォローしている。

 

 今回の決議に先立ち,世界遺産センターは6月,軍艦島などの遺産を展示する「産業遺産情報センター」(東京都新宿区)に専門家を派遣。今月公表した報告書で,展示は産業遺産の「より暗い側面」を見学者が判断できるような「多様な証言」を提示しようとしておらず,犠牲者についての説明も「不十分だ」と結論づけていた。

 

 決議が採択されても,日本政府は,約束を果たしているとの立場を維持する方針だ。加藤勝信官房長官は21日の記者会見で,「わが国はこれまでの世界遺産委員会における決議,勧告を真摯に受け止め,約束した措置を含め,誠実に実行して履行してきた」と述べた。外務省幹部は「決議で日本の立場を変えることはない」と話した。

 

 世界遺産センターの報告書は「軍艦島の関連で展示された証言は,労働を強いられた例がなかったかのようなメッセージを伝えている」と問題視。「犠牲者を記憶する目的に資すると位置づけられるような展示はない」と結論づけた。

 

 決議はこの報告書を踏まえ,「犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を説明戦略に盛りこむ」ことを考慮に入れるよう日本政府に要求。一例として,こうした犠牲者の説明に特化した情報センターを設けることにも言及した。

 

 さらに,「意思に反して連れて来られ,きびしい環境下で働かされた多くの朝鮮半島出身者たちがいたことを理解できるような措置」も検討するようあらためて求めている。

 

 決議は日本政府に対し,来〔2022〕年12月1日までに報告書で今後の対応について説明するよう求めている。世界遺産委員会は21の加盟国で構成され,日本は現在委員国でないため,オブザーバー参加した。(疋田多揚=パリ,菅原 普)

 この軍艦島の話題に触れるのは,今回の「2020東京オリンピックの開催」にまつわって,IOC五輪組織委員会が巻き起こしてきた開会式企画の案件をめぐるゴタゴタ騒ぎ,それこそその前日まで世間を騒がせる材料を提供してきた事実と深い関連があるからである。

 オリンピックの開催という行事にしては,五輪憲章に書かれている基本理念とは縁遠い現実の運営ぶりが,とくに今回における「東京オリンピックの開催」をめぐって噴出してきたと形容していいくらい,メチャクチャばかりが巻き起こっている。

 さて,7月23日(本日)はオリンピックの開会式が夜に始まるが,この東京の大会開催までに至る道程で発生してきた,数々のトラブルを時系列に,以下に整理してみる。

 註記)「コロナ延期に性差別騒動 トラブル続発の東京五輪,開催までの経緯」『YAHOO!JAPAN ニュース』2021/7/20 (火) 17:11 配信,https://news.yahoo.co.jp/articles/884d8ffc9fee2357491ae90e6a14bcb905bdeefd(元記事AFP=時事)参照。

 2013年「涙と歓喜」であった。……IOCが2020年大会の開催地を東京に指名したさい,テレビのニュースプレゼンターは涙を流し,日本国民は歓喜に沸いた。というのも,2011年に起きた東日本大震災による津波や福島の原発事故で被災した人びとへの思いから,五輪は復興のチャンスになるとみられていたのである。

 2015~16年「スタジアムとエンブレム騒動」の問題。……イラク系英国人建築家,ザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏がデザインした新しい国立競技場(Japan National Stadium)は,20億ドル(約2200億円)以上に上る建設費が日本国民の反発を招き,2015年7月に計画が白紙撤回された。

 また,当初デザインされた東京五輪パラリンピックのエンブレムは,ベルギーの劇場ロゴに酷似していると指摘されて使用中止となり,2016年4月にチェック柄(市松紋様)の新デザインがお披露目された。

 2019年「賄賂疑惑とマラソン競歩の開催地変更」を余儀なくされる。……当時,日本オリンピック委員会(JOC)の会長を務めていた竹田恒和は,東京五輪の招致活動で総額230万ドル(約2億5000万円)の賄賂を支払った疑いで,フランス当局の捜査対象となった。竹田氏は潔白を主張していたが,その後会長を退任した。

 秋には東京の猛暑を懸念し,マラソン競歩の開催地が北海道・札幌市に変更になった。この突然の動きに,東京都の関係者は不快感をあらわにした。

 2020年3月24日「史上初の大会延期」となった。……新型コロナウイルスパンデミックで,日本とIOCは史上初の延期を決断した。

 新しい日程では2021年7月23日に開幕することが発表されたが,大会は引きつづき「東京2020」と呼ばれることになった。

 2020年12月「ウイルスの感染防止規定」。……新日程での五輪開催を誓う主催者は,安全な大会実施に向けた計画の大筋を発表。

 補注)この点はすでに反古状態。

 アスリートは定期的な検査と接触の制限が義務付けられることになった。また,IOCは可能なかぎり多くの参加者にワクチンを提供すると約束したが,接種するかどうかは個人の自由とした。

 補注)IOCは単なる口先介入だけ。

 2021年1月「ウイルスの急拡」。……冬に新型コロナの感染が急拡大したことを受け,東京都などで緊急事態宣言が出され,国内の世論調査では大会の支持率が急落した。

 しかし,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)とIOCは大会の開催を明言し,菅 義偉首相は大会が「コロナに打ち勝った証し」になると強調した。

 補注)五輪の開催に関係づけて「コロナに打ち勝った証し」などといえる発想が,そもそもにおいて狂っていたスポーツ観である。両者の問題は本来,まったく別物である。たまたま時期が重なった感染症流行という医療問題を,オリンピックの開催によって「コロナに打ち勝つ」などと発想するほうが,根本的にどうかしていた。

 2021年2月「性差別騒動」。……大会組織委員会の会長を務めていた森 喜朗が,「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」と発言して猛批判を浴び,辞任に追いこまれた。後任には夏冬計7回の五輪出場経験があり,当時の内閣で2人しかいない女性閣僚の1人だった橋本聖子が選ばれた。

 補注)森 喜朗はこの国の首相経験者であったが,その脳ミソのことを「サメの・・・・」と形容されていたが,橋本聖子はいわゆる筋肉脳であって,最近また五輪関連の場にチョロチョロと姿を,それも亡霊のごとく現わしはじめた森君と(「最高名誉顧問」の肩書きと着けてだとか……),このセクハラ・オバサンの聖子チャンとに対して,なにか切れ味のいい采配ぶりを期待したら大間違いは,必至。

 その後,東京五輪パラリンピックの開閉会式で演出を統括するクリエーティブディレクターの佐々木宏が,人気コメディアンの渡辺直美さんにブタの耳をつけて「オリンピッグ」として登場させようと提案していたことが判明。橋本は就任からわずか数週間で,同ディレクターの辞任を認めることになった。

 2021年3月「海外ファンの受け入れ断念。……感染リスクを抑制するため,五輪では史上初めて,海外客の受け入れ断念が決まった。

 3月25日には無観客の中で聖火リレーの出発式が福島でおこなわれ,桜をモチーフにしたデザインのトーチに火がともされた。聖火は全国47都道府県を回ることになっていたが,最終地の東京など感染者が急増している一部地域では,公道でのリレーが中止された。

 補注)このトーチだが,リレーの途中で火が消えるとか,トーチじたいが発火して燃えるといった騒動も起きていた。盛夏リレーに参加して走った人たちは,そのトーチを7万円で “譲られる(買わされる)” との由。

 そして4月には,北朝鮮がアスリートをコロナから守るとして,大会への不参加を表明。五輪を機に,核武装を進める同国との対話を再開しようとしていた韓国の期待は打ち砕かれた。

 2021年6月「海外選手団の第1号到着」。季節が春から夏に移り変わったが,パンデミックは依然として猛威を振るい,同時に変異株が出現するなかで,五輪を計画とおりに開催すべきかどうかの議論が高まった。

 しかし,一部のテスト大会は成功裏に終わり,トラブル続きの東京五輪にとっては大きな一歩となった。そして6月1日には海外選手団の来日第1号となるオーストラリアのソフトボールチームが到着した。

 ここまで大会の開催に断固として反対していた世論の声は,少し和らいできた様子をみせた。

 補注)この段落の指摘,「世論の声は,少し和らいできた様子をみせた」という解釈は,あくまで寄稿者の個人的見解ではないか? 本ブログ筆者は先日,地元の駅近くでそれらしき5~6人の外国人選手たちとすれ違ったさい,彼らには悪いが一瞬,自分の足が止まった。

 どうしてか? 彼らに対するコロナ禍的な偏見ではなくして,これまでのなんとなくマスコミ報道(五輪開催にかかわるその点)などで伝えられてきた状況証拠的な関係(主観的な観じ方)にとらわれてしまい,思わずもそうした反応になっていた(と,事後に自己分析してみた)。

 2021年7月「大半の会場は無観客に」。……より感染力が強いデルタ株の増加を含め,ウイルスの再拡大で緊急事態宣言が出されたことから,首都圏1都3県などの会場では無観客とすることが決まった。

 補注)2020東京オリンピックが開催されたら,無観客試合で実行されても,これを機会に日本から「新型コロナウイルス」の「変異株」が,イプシロン型とでも名づけられるかっこうで登場するのではないかと心配するむきもあった。

 以上,いってみればケチばかりついてきた2020東京オリンピックの開催「問題」であるが,その開会式が執りおこなわれる前日になるまでもまだ,以上に一覧した出来事につづく面倒が発生していた。

 a)小山田圭吾」の問題

 東京五輪の開幕を目前に控え,大会はまたも大きなトラブルに見舞われた。開会式の楽曲制作を担当するミュージシャン,小山田圭吾氏が学生時代,障害者を差別していた事実が表面化し,辞任に追いこまれたのだ。

 開会式の演出をめぐっては,差別的アイデアを提案した統括責任者がすでに辞任している。「多様性と調和」をかかげる大会組織委員会の人権感覚は,いったいどうなっているのか。人選も含め,主催者の危機意識にも疑問を抱かざるをえない。

 註記)「開会式の楽曲担当者が過去の障害者差別で辞任。『多様性と調和』の理念は虚飾の看板か:東京五輪の課題(14)」『YAHOO!JAPAN ニュース』2021/7/21 (水) 14:03 配信,https://news.yahoo.co.jp/articles/2b55a1e0e10d84bbc25655c6ae8f2d14284a76a1(元記事 nippon.com)

 b)小林健太郎

 東京オリンピックパラリンピック大会組織委員会は〔7月〕22日,五輪開会式が翌日に迫るなか,開閉会式でショーディレクターを務める元お笑い芸人の小林賢太郎氏(48歳)を解任したと発表した。

 小林氏は過去にお笑いコンビ「ラーメンズ」として活動していた。1990年代のコントで,第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人などのホロコースト(大虐殺)を揶揄(やゆ)するようなセリフがあったことが最近になって浮上した。

 組織委の橋本聖子会長は都内で記者会見を開き,「小林賢太郎氏が自身の公演で過去に,歴史上の痛ましい事実を揶揄するセリフを使用していたことが分かった。これを受けて,本日小林氏を解任することにした」と述べた。

 註記)『BBCNEWS JAPAN』2021年7月22日https://www.bbc.com/japanese/57925143 https://www.bbc.com/japanese/57925143

 小山田圭吾は障害者差別,小林健太郎ユダヤ民族差別をそれぞれ演じ,直截に公表していた。いずれも昔の記録になっているが,いまとなってはきれいに抹消できる「彼らの人類・人間観や民族・国家思想」ではない。だから,五輪開催の企画・立案にかかわった人物として,その過去の重大発言が思いだされ問題にされた。

 ここで,前段で触れていた「軍艦島の話題」に戻る。五輪の問題に通底する中身があった。つづけては『日本経済新聞』に報道された記事を紹介することで,こちらの話題に戻りたい。

 

 軍艦島で日本に『強い遺憾』採択 世界遺産委」日本経済新聞』2021年7月23日2面「総合・政治」

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【パリ=白石透冴】 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は〔7月22日,文化遺産明治日本の産業革命遺産」をめぐり,日本の対応に「強い遺憾」を表明する決議を採択した。朝鮮半島出身の労働者をめぐる説明が不十分だと指摘した。同遺産は長崎市端島(通称・軍艦島)などで構成する。

 拘束力はないものの日本が対応を迫られる可能性がある。同委員会は日本政府に2022年12月1日までに取り組みを報告するよう求めた。

 決議は過去に適切に対応すると表明してきた日本について「まだ十分に対応していない」と言及した。「多くの朝鮮半島出身者などが意思に反して連行され,きびしい強制労働に従事したことの理解を助ける方策」などを取るよう要求した。

 同委員会が同日採択したユネスコの報告書は産業革命遺産を紹介する展示施設「産業遺産情報センター」(東京)などに触れた。「全体像を伝えていない」「強制労働者についての理解を助ける方策が不十分」と記述した。

 韓国外務省は22日の声明で「日本政府が約束を履行してこなかったことを国際社会が明示的に確認したことに意義がある」と論じた。「日本に対して速やかに忠実に履行することを促していく」とコメントした。

 この報道に関しては,韓国側のいいぶんも聴いておく必要もある。以下の引用するのは1年前に韓国通信社が配信した記事である。結局,このいいぶんが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会に採用されていたことになる。

      ▼ 韓国文化相  日本政府の軍艦島「歴史歪曲」を批判 ▼
  =『聯合ニュース』2020.07.24 20:45,https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200724004100882

【ソウル聯合ニュース 韓国の朴 良雨(パク・ヤンウ)文化体育観光部長官は〔2020年7月〕24日,日本政府が長崎市端島炭坑軍艦島)であった強制労働を公式に認めなければ,国際社会から非難を受けると指摘し,歴史を歪曲するならアジア諸国と共同で対応すると言明した。米ブルームバーグ通信とのインタビューで述べた。


 朴氏は「強制労働を否定するのは不正直なこと」とし,偽った歴史は歴史とはいえないと主張。「この問題については,指摘を続けていき,今後日本との交流にも影響を及ぼすと考える」と強調した。また「日本は韓国人が自発的に志願したかのように,強制性がなかったかのように偽りの事実を話した」と説明した。

 

 そのうえで,これは深刻な歴史の歪曲であり,軍艦島などを含む「明治日本の産業革命遺産」(23施設)が国連教育科学文化機関(ユネスコ世界遺産に登録されたさい,国際社会と交わした約束に背くものと指摘した。

 

 朴氏は〔2020年〕6月25日にフェイスブックへの投稿で「日本政府の約束履行を引き出すことができるようユネスコをはじめとする国際機関や国際社会を対象にさまざまな対応策を講じていく」との方針を示していた。

 

 同遺産をめぐって日本政府は2015年の世界遺産登録の際,朝鮮半島出身者などが意思に反して一部の施設に連れて来られ,きびしい環境で働かされたとしながら,犠牲者を記憶するための情報センター設置などを進めると表明した。

 

 しかし,今〔2020〕年6月15日から一般公開が始まった産業革命遺産を紹介する産業遺産情報センター(東京都新宿区)には強制徴用犠牲者の被害じたいを否定する証言や資料が展示されるなど,約束が守られていない。

 このところにおける日本側の関連する動きとしては,たとえば東京都知事小池百合子が,関東大震災発生直後に虐殺された朝鮮人の慰霊・追悼式典に対して否定的な対応をみせてきた点も,みのがせない。東京都の場合,石原慎太郎元知事でさえ認めていたその慰霊行事を,小池は徹底的に排除する意向,つまり歴史修正主義に立つ彼女のイデオロギーを示してきた。

     ▲ 小池知事,今年も追悼文送らず 関東大震災朝鮮人虐殺 ▲
  asahi.com 2019年9月1日 19時27分,https://digital.asahi.com/articles/ASM914GYYM91UTIL00J.html

 

 関東大震災から96年を迎えた〔2019年9月〕1日,震災の混乱のなかで虐殺された朝鮮人犠牲者らを追悼する式典が東京都墨田区横網町公園で開かれ,約700人(主催者発表)が参列した。小池百合子都知事は3年連続で追悼文の送付を見送った。主催者からは「事実の風化につながる」と批判の声が上がった。

 

 政府の中央防災会議が2009年までにまとめた報告書によると,震災後に「朝鮮人が略奪や放火をした」などの流言が広まり,各地の「自警団」などが朝鮮人らを殺害する事件が多発した。1千~数千人が殺されたと推計し,「虐殺という表現が妥当する例が多かった」と記している。

 補注)その虐殺数は,信憑性のある範囲内では2千人〔未満〕から6千人〔台〕までのバラツキがあるが,いつの時代のどこであっても「100人殺されれば」,大量虐殺である。

 

 式典は,虐殺された朝鮮人らを追悼するために市民団体などが毎年開催。今年の式典では,河野洋平・元衆院議長が「歴史を銘記して語り伝えることによって,民族差別とは無縁の社会を作っていきたい」とするメッセージを寄せた。

 

 歴代の都知事は式典に追悼文を寄せており,小池知事も就任直後の2016年は送付した。だが翌2017年からは「震災の犠牲者すべててを対象とする法要で哀悼の意を示している」として,取りやめた。小池知事は虐殺についても「さまざまな見方がある」とあいまいないい方を続けており,式典の実行委員会が8月下旬に抗議声明を発表していた。

 補注)「さまざまな見方」とは,歴史を相対化させる詐法を使い,その核心に控える問題を最大限にまで希薄化させるための便法を意味する。その「さまざまな見方」という表現のなかには,関東大震災発生直後の朝鮮人虐殺(くわえて日本人の社会主義者や中国人も殺されている)を直視したくない感情(の底に秘められた価値観としての他民族差別)を,正直に吐露している。

 

 江戸川区の会社員男性(45歳)は「小池氏はダイバーシティー(多様性)を標榜(ひょうぼう)しているが,追悼文を送らない姿勢はそれを感じさせない」と語った。

 

 同じ公園内にある都慰霊堂ではこの日,震災の犠牲者を悼む大法要も開かれた。小池知事の追悼文が代読されたが,朝鮮人の虐殺には触れなかった。

 2020東京オリンピックの開催,とくに開会式関連の行事を企画・立案・実行する部隊の指導者たちのなかには,人間差別や民族差別を平然と口にしたうえで,それを五輪行事の編成のなかに刷りこもうとしたり,過去における「自身の五輪憲章に真っ向から逆らったユダヤ民族差別観」を披瀝したり,自分が過去に犯してきたイジメ加害行為を自慢げに雑誌に公表したりしていた人物たちがいた。

 それもともかく,本日夜に開始される「2020東京オリンピックの開会式」を目前したいまにになってだが,「その種の狂気・錯乱に浸っていながら」「当人たちはまったくその自覚症状がなかった」作品の存在が,その前日においてまで暴露される始末になっていた。

 安倍晋三の大ウソ,「東電福島第1原発事故現場」は “アンダーコントロール” という発言から始まったともいっていい,それも,福島県被災地の「復興」のためを標榜していた「2020東京オリンピックの開催」であったものが,コロナ禍の影響のためにその「本当の素性」が完全にバレてしまった。

 

  本日『日本経済新聞』の社説は「東京での開催を五輪再生の出発点にという標題をかかげていたが,この意味不明の表現には驚くほかない。本ブログ筆者にいわせれば,ただの国際大運動会でしかない,そしてとくに五輪貴族のための今回における「東京での開催を」転轍点にして,むしろ「五輪廃止の出発点に」すべし,と考えるのが妥当だと思う。

 もっとも,前段のごとき日経の社説は,論説の題名は指摘したように奇妙な印象を与えているものの,内容そのものしてはよりまともな議論を展開していた。そこで,その前後を構成する “冴えない記述” の段落は無視して切り落としておき,真ん中の大部分を紹介することになる。こちらは標題との違和感を強く抱かせる中身になっていた点が残念であるが,その中身じたいは傾聴に値していた。 

 

  ※ 肥大化のひずみあらわ ※

 振り返れば,8年前に東京開催が決まって以降,この日まで,実にさまざまな課題が目の前に現われては,対応を迫られた。国立競技場のデザイン変更,エンブレムの使用中止,招致をめぐる贈賄疑惑。大会組織委の会長は女性蔑視発言で内外からきびしい批判を浴び辞任に追いこまれた。

 開会式まで1週間を切り,楽曲担当の音楽家が学生時代のいじめ行為などで降板。さらに,土壇場になってショーの演出担当が,過去にユダヤ人の大量虐殺をコントの題材にしたとして解任された。人権上,重大な問題であり,誰がどのような基準で人選したのか,経緯などの検証が必要だ。

 補注)ここで「検証が必要だ」といわれている点だが,事後に本当にその経緯などについては調査したうえで,なんらかの措置が採られなければ,なんの意味もない。

 問題が発覚後,世論の批判を受けながらも先送りし,海外の指摘などを機に,やっと解決に動きだす。この間,多くの人が「またか」とあきれたにちがいない。国民の五輪熱が,なかなか高まらなかった一因だろう。

 補注)われわれは「『またか』とあきれ」ているけれども,それ以前に,そもそも五輪(誤倫)大会に関心がなかった。すなわち,汚リンピックの本質を理解できるようになっていたからには,われわれの誤倫に対する基本姿勢はそう生やさしいものではありえなくなった。

 なぜ,こうも醜態が繰り返されたのか。背景には五輪が肥大化し,準備や運営に膨大な作業ときめ細かな目配りが不可欠となった現状がある。「スポーツを通じて国籍や文化の違いを越え,平和な世界を実現する」。近代五輪の父,クーベルタン男爵がかかげた理想だ。

 しかし,時代を経て,競技がもつ躍動感や幅広い層へ訴えかける力が注目され,五輪とビジネスの結びつきが強まった。さらには,ナショナリズムの発露としてできるだけ多くのメダルを獲得し,かつ五輪を機にインフラを一気に整備したい思惑も重なり,政治の関与も深まった。

 くわえて,環境保全の啓発,多様性の尊重といった運動を前進させる役割も担い,五輪は複合的な巨大イベントとなった。しかし,これまでの東京五輪をめぐるさまざまな動きを見るにつけ,大規模で多面的な大会を切り回すのにふさわしいガバナンスが発揮されたとはいいがたい。

 大会組織委や国,東京都の任務の分担や使命の共有が徹底せず,監視役,最終責任者の姿もみえにくい。内輪の論理で種々の決定がなされ,混乱に拍車がかかった場面もあった。

 「復興五輪」「ウイルスに打ち勝った証し」などのスローガンを国や開催都市のトップは口にした。しかし,飲食・観光業が苦境にあえぐなか,開催の意義について,人びとが心から納得できるような明確な発信は最後までなかった。

 トヨタ自動車など協賛する企業が関連CMを取りやめ,トップが開会式を欠席する動きも,一連の経緯を反映した面があろう。招致時には「コンパクトな大会」がうたわれたが,延期に伴う支払いやコロナ対策などで,開催費用は1兆6千億円以上と夏季大会では最大に膨れ上がっている。

 補注)その開催費用は3兆円になるという推算がなされてもいるし,閉会以後にはその総額はもっと増していくはずだという指摘もある。いまの日本国にとってはムダ遣いを意味するほかない。東電福島第1原発事故現場の後始末・廃炉作業がムダ遣いであるのと同質である。もっとも,後者のほうが厄介度で比較したらはるかに深刻な要素があるゆえ,同質とはいいにくいが……。

 簡素化をめざしながら,聖火リレーに4カ月もかけた。当初の理念や改善の目標とかけ離れ,人びとと五輪のあいだに隙間ができた。(引用終わり)

 いまや完全に商業化しており,その営利追求を原動力に駆動する「汚リンピックの誤倫」的性格をみせつけられ,教えられた一般庶民にとって,以上のごとき日経社説は,〈五輪の車軸〉じたいが,「経済の論理:金儲け」という潤滑油を注入されていてこそ,円滑に回っていたはずの事情:仕組をしらないわけではあるまい。

 要するに『日本経済新聞』は, “毒にも薬にもならない” 単なる駄弁の社説など語る必要などない。なお,日本経済新聞社は2020東京オリンピックのオフィシャルパートナーである。

 そもそも,IOC会長がボッタクリ男爵だと蔑視されてやまない国際組織体が実施する国際大運動会に,いったいどのような歴史的な価値や意義がみいだせるというのか。後生の歴史においてどのように記録されるかも,一度は考えておいたほうがよい。

【参考記事】

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