学校法人日本大学の田中英寿理事長の氏名を挙げたりそうでなかったりする各紙報道の報道姿勢,なにか遠まわしにする忖度でもあるのか,この理事長は自学になにか重大問題が生じると必らず「しらない」といいはり「逃げまわる習性」あり

本日の 話 題 に関する事前の説明】

  🌑- 学校法人日本大学・田中英寿理事長体制の問題

 本日:2021年10月9日朝刊各紙は,学校法人日本大学に関連して発覚した背任疑惑問題,つまり,東京地検特捜部が先日,2億2000万円を大学から不正に流出させた背任容疑で,日本大学の現職の理事・井ノ口忠男容疑者(64歳)を逮捕していた事件を,続報していた。

 この井ノ口忠男理事は,田中英寿理事長の “側近” として,関連会社「日本大学事業部」(東京都世田谷区)を取りしきり,大学の金を自在に操っていたとされる。また,共犯で逮捕された流出先の大阪市の医療法人「錦秀会」前理事長・藪本雅臣も,大きくとりあげられる人物となっていた。この藪本雅巳が安倍晋三との親しい関係にある事実は,すでに紹介してあったつぎの画像資料にもよく表現されていた。

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 日本の私立大学としては最大規模,学生数約7万人のマンモス私大を舞台にした〈癒着の構図〉が,あらためて浮かび上がっている。ここで「あらためて」と断わったのは,本(旧)ブログでは2018年7月からしばらくの期間,日大のあるアメフト部員が試合中に猛烈な違反タックルを,相手側チームの選手の背中側にしかけた事件をめぐって,いくつかの記述を公表していたからである。

 いまの段階になってさらに注目される事件を起こした「学校法人日本大学」の経営体質は,経営診断の要領でもって基本から質的にも分析をくわえ,解剖される余地がある。

【参考記事】

 🌑- 田中英寿理事長の存在が意味するもの

 今回,学校法人日本大学において発覚した背任疑惑問題の核心に位置する人物は,理事長の田中英寿である。が,この事実がなぜか薄まるような報道にもなっている点が気になる。

 本日,2021年10月9日朝刊各紙に報じられた日本大学背任問題に関係する記事をしらべてみると,この事件の「鍵」(⇒不可避にその中心に陣どっているという意味)になっているはずの人物,理事長田中英寿の姓名を,報道する全紙がもれなく紙面に出しているわけでない点に,特定の疑問を抱いてみてもよいはずである。

 ※-1『朝日新聞』朝刊の報道-理事長に「言及なし」

 該当記事(31面)の見出しは,「日大理事,業者に便宜か  病院設計,事前に要項  背任事件」となっている。その最後に「日大は〔10月〕8日の臨時理事会で井ノ口理事に辞任を勧告した。日大事業部の取締役は同日付で解任された」と書かれているだけで,理事長の田中英寿には一言も触れていない。

 対照的な他紙の記事としては,たとえば「日大,井ノ口容疑者に辞任勧告」『産経新聞https://www.sankei.com/article/20211008-NJMLDLQJXBNBJFZ6VZJZW4D4NQ/  が,つぎのように報じていた。

 日本大学は〔10〕8日,臨時の理事会を開催し,東京地検特捜部に背任容疑で逮捕された井ノ口忠男容疑者に対する辞任勧告を決議した。日大関係者が明らかにした。田中英寿理事長(74歳)は体調不良により欠席したという。

 この理事長は自身が学校法人日本大学では “超の字” が着くほどのワンマン経営者として活躍している。にもかかわらず,しかも自分の側近である井ノ口忠男理事が起こした今回の背任事件に関して,「知らぬ存ぜず」の姿勢で徹底的に逃げまわっている。おまけに持病の悪化とかいいわけもして,体調不良のため理事会にも出席できなかったなかで,前段の記事のごとき理事会が開催される経過になっていた。

 ※-2『日本経済新聞』朝刊の報道-理事長に「言及なし」

 該当記事(39面)には図解が挿入されているので,この記事「現物」の上部(3分の2ほど)を切り取って紹介しておく。

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【参考記事】-「理事長に言及あり

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 ※-3『読売新聞』朝刊の報道-理事長に「言及あり」

  該当記事の当該段落のみ引用する。最後部の記述であった。

 一方,日大では〔10月〕8日,臨時理事会が開催された。複数の日大関係者によると,井ノ口容疑者に対する理事の辞任勧告を決議。日大が100%出資し,井ノ口容疑者が取締役を務める「日本大学事業部」でも臨時株主総会が開かれ,解任が決定された。田中英寿・日大理事長(74歳)は,体調不良を理由にいずれも欠席したという。

  ※-4『毎日新聞2021/10/8 20:28,最終更新 10/8 20:28,https://mainichi.jp/articles/20211008/k00/00m/040/306000c10月9日朝刊・相当記事)-理事長に「言及あり」

 日大は〔10月〕8日,臨時の理事会を開き,井ノ口理事の辞職勧告決議案を可決した。田中英寿理事長(74歳)は欠席したという。日大事業部も同日,井ノ口理事を取締役から解任した。

   ※-5『東京新聞』朝刊の報道-理事長に「言及あり」- 

 日大も臨時の理事会を開き,井ノ口容疑者への理事辞任勧告が承認された。田中英寿理事長(74歳)は理事会を欠席したという。

 田中英寿理事長がその臨時理事会に体調不良で欠席しているという情報は,その点に触れている各紙は「という。」形式で間接的に聞きおよんだ事実として伝えていた。

 だがそれにしても,いつもはワンマンで専制的に,自分の思いどおりに理事会を取り仕切っているはずの田中理事長が欠席していた,という事実は解せない。出席したら取材に来ている記者たちから逃げられないとでも観念していたのか分からぬが,要は必死になって逃げまわっている彼の姿だけが,よく想像できる。

 東京地検特捜部の捜査で事情を聞かれたさい,田中理事長は「なにもしらない」の態度を貫いていた。だが,自分の側近である井ノ口理事の業務関連の行動について,田中がなにもしらないというのは,かなり不自然である。

 田中理事長の立場が今回の背任事件に関して特定の関係があることはいうまでもない。もとより,この事件の概要は理事長にとってみれば周知の事項に属していて当然であった。仮にそうではなく,井ノ口理事だけが全面的に疑惑をもたれる事件であっても,自分=田中理事長はなにもしらない出来事だと弁解したところで,理事長の立場に責任がないなどとは,いっさいいえない。

 それどころか,理事長の地位・立場は,組織管理全体に関して最終的な総括責任を本来的に有する。それゆえ,自分が理事長でありながら,理事の1名が関連する業務としておこなっていたはずの行為は,たといそれがこの理事によって勝手になされたものであっても,これをただちに「しらない」とか「関与していない」という理屈は,理事長の仕事・任務に反している。ましたや,その最高の地位に就いている人間が口にするコトバではない。

日本大学組織図】 以下の住所(リンク)から引き出し紹介してみるが,理事長と学長が2頭的に並立する大学組織図が描かれているものの,実態は理事長の全面的な独裁支配が貫かれている事実は,いままで発生させてきた諸事件を介して「理解させられざるをえない点」であった。

  ⇒  https://www.nihon-u.ac.jp/uploads/files/20181109103817.pdf

 この原図(  ↑  ↓  )をじかにのぞいてもらうのが好都合だと思う。こちらであれば,拡大してみても活字は鮮明に映る。

 ⇒  https://www.nihon-u.ac.jp/uploads/files/20181109103817.pdf 

 ともかく,この組織図では左側の上部分に,「理事長と学長」とが同じ高さの位置で並んでいる。だが,実際には「理事長」が「学長」の頭を押さえつけている経営体制になっている,そういう実際での勢力関係になっている。

 

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〔本文に戻る→〕 その組織の責任というものに関していえる「認識」は,常識的な理解でも十分に可能である。それでも,その責任から依然,逃げまわりつづけている田中英寿理事長の言動は,まったくもってミットモナイかぎりである。

 さて,本日の記述は,以上のごとき学校法人日本大学(田中英寿理事長)の経営体制なかで発生していた背任事件が,実は,起こるべくして起きたのではないか,という受けとめ方で記述していた「旧ブログ」の再登場となる。

 以下に復活・再掲させるこの記述は,日本大学が体質として蓄積してきた〈歴史的な特性〉を物語る1件,つまり,2018年5月にその具体例として発生させていた「アメフト部の悪質タックル事件」をとりあげ,議論していた当時の旧ブログのものである。

 なお,必要に応じて適宜に補正をくわえてある。また,2018年中に書いていた関連の記述が何編もあるので,以後も続編を採録するかもしれない点を断わっておきたい。

            

(2018年7月18日,更新 2021年10月9日)

 主題日本大学内の勢力抗争での勝利体験が日本社会の次元でも通用すると確信する理事長田中英壽の時代錯誤,この私大が日本一の規模を誇るようでは『教育界の大恥』」
 
  副題1「いまどき,これほどまで『反社会的な人物と目される理事長を置く学校法人』が,力強く生息していける『ニッポン教育社会の摩訶不思議』」

  副題2「しかも,IOCの副会長も務めていたのが田中英寿日大理事長だというのだから,笑止千万的にマフィア・チィック的な『日本の五輪支部組織』の幹部が居る」

  副題3「『人の噂』も『七十五日まであと3日(7月20日)である』ぞよ,田中英壽君……。しかし,そうは問屋が卸すまい」

  補注)この,かつての「人の噂も七十五日」は無事にやりすごせた田中英寿理事長であったが,2年以上が経った今回においては,忘れられたはずのその「七十五日」が再帰してきたとみるべきか? 井ノ口忠男理事⇔藪本雅巳の線上には安倍晋三が姿が浮かんでいるわけで,こうした関連の事情が興味深い。


  伊藤博敏稿「日大・田中理事長の『疑惑の真相』を下村元文科相に改めて質す 3年前のことは忘れたのか」『現代ビジネス』2018年6月7日,http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55995
 
 1) 下村元文科相にあらためて質す日大・田中理事長「あの疑惑の真相」

  ※ 下村元文科相が驚きの発言 ※

 「日大のドン」として支配体制を固める田中英寿理事長が,ことあるごとにとりあげられ,説明に窮するのが「暴力団との関係」である。アメリカンフットボール部の悪質タックル事件の渦中も,西の山口組,東の住吉会トップとの関係が週刊誌などで指摘された。

 「田中理事長と暴力団」を,最初に問題視したのは海外メディアである。3年前,ネット配信のヴァイス・ニュース,デイリー・ビースト,ブルームバーグなどが,山口組6代目の司 忍(本名・篠田建市)組長とのツーショット写真を掲載。田中氏が日本オリンピック委員会(JOC)の副会長でもあることから,「ヤクザが,東京オリンピックで暗躍するのではないか」と,懸念した。

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 それを受けて,維新の党(当時)の牧 義夫代議士(現・国民民主党)が,2015年4月15日,衆議院文部科学委員会で「田中疑惑」を追及。私〔記事の執筆者〕は本サイトで,牧代議士のインタビューを交えて,「日大理事長兼山口組組長の写真が海外メディアで報じられ,下村文科相が調査を約束」と,題して報じた(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43023)。

 2010年に全国施行された暴力団排除条例以降,どんなかたちでも暴力団関係者と関係をもつのは禁止されたが,田中氏には過去に親しい交際を示す当該写真のような証拠や証言があり,その親しさがどのようなものであるかは,JOC副会長という重責を思えば確認されるべきことだった。

 同時に,牧氏は『読売新聞』(2013年2月1日付)に報じられた,受注業者からのキックバック問題をとりあげた。1回あたり10万円前後で50回以上,6年間に五百数十万円を受けとったという報道は,田中氏への「常態化した上納金」を思わせるもので,見過ごせないのは当然である。

 つまり,1枚の写真があぶり出したのは,田中体制のガバナンス問題である。それは悪質タックルが,有無をいわせない内田正人監督の圧力がもたらしたもので,その背景に内田監督が日大でナンバー2の常務理事という立場にあり,その強圧は,相撲部総監督という体育会を足場にする田中氏のもとで育まれたのと同じ構造である。

 補注)2018年5月時に発生したこの日大アメフト部員による危険タックル事件の場合「田中英寿理事長⇔内田正人監督」になぞらえていえば,「田中英寿理事長⇔井ノ口忠男」という組織階梯に関する統治問題が前面に出てこざるをえない。

 2) それをまったく理解していないか,あるいは「田中擁護」のために,あえてトボけたのかわからない発言をしたのが,下村博文文部科学相である。

 2018年6月3日のフジテレビ系『報道プライムサンデー』に出演した下村氏は,悪質タックルがガバナンス問題に波及していることに関し,こう述べた。

 「アメフト問題と日大のガバナンス問題は別に議論する必要があります。(中略)  理事長の出身うんぬんと大学のガバナンスは関係ない部分。アメフトと一緒に論議する話ではありません」。

 想像力の欠如というしかないが,個人の見解としては許されるかもしれない。ただ,下村氏は牧質問のさい,文科相だった。元塾経営者の文教族として第2次安倍内閣以降,約3年にわたって文部科学行政を司り,牧氏の質問に対しては逃げなかった。

 「今回の事案を初めてしりましたが,文科省のなかにつくるか,あるいは大学のなかに第三者委員会をつくるか。いずれにしても私自身で調査をし,判断したい」。

 実際,動きは速かった。下村氏は,JOCと日大に対し,「田中副会長と反社会的勢力の関係について必要な調査をおこなうように」と伝え,それを受けてJOCは,(中略)牧質問の13日後の4月28日,常務理事会を開いて,第三者委員会を設けて調査を実施。文科省に報告することを決めた。また,常務理事会に出席した田中氏は,山口組の司6代目など反社〔反社会的勢力〕との関係について,「事実無根」と否定するとともに,写真は「合成して作られた」と,偽造の認識を示した。

 3) 田中氏の複雑な人間関係

 私学界はもちろん,教育行政に携わるものの間で日大抗争史は,3年に一度,札束と怪文書が乱れ飛ぶ総長選とともに,長く語り継がれてきた。

 「66名の総長候補者推薦委員を,総長候補を擁立したそれぞれの派閥が,カネとポストをチラつかせて奪いあう。総長選には数億円のカネが必要だとされていました。私は,ある総長の祝勝会に招待されたのですが,向島の料亭に50名以上が呼ばれ,1人にひとり,芸者がつけられ,それこそ『酒池肉林』の宴会でした。それだけ散財しても惜しくない権力と権威と資金力が,総長にはあるということです」(元理事)。

 日大紛争の最中の1969年に日大を卒業した田中氏は,体育会枠の職員として奉職。アマ相撲を引退後は,スポーツ部を束ねる保健体育審議会を足場に出世,2008年,理事長に上りつめた。

 その過程で,田中氏は買い占め騒動が起きる『暗黒の日大王国』(坂口義弘著)で指摘されるようなカネとポストの争奪戦を生き抜き,常務理事時代には「親密業者からのキックバック」,「工事業者からの謝礼3000万円」,「許 永中氏など反社との関係」が,特別調査委員会の報告書で暴かれた。

 田中氏は,50年の日大抗争史を生き抜いたやり手であり,辣腕ゆえに敵が多く,反対勢力はカネとポストで封じこめ,手足には内田正人氏のような保健体育事務局の側近を使った。文教族の下村氏が,そうした日大の “特色” をしらなかったとは思えず,たとえ3年前の文科相時代に,初めてその深淵に触れたとしても,調査を命じた時点で,田中氏の複雑な人間関係とガバナンス問題には気が付いていたはずである。

 4) 悪質タックル事件は,調査を命じ,修正を促す立場にあった下村氏が,「そこで改善を図らなかった自分の責任」と,受けとめてしかるべきだった。なのに,「ガバナンス問題は別」とは,なんたる言い草か。

 今回の「下村発言」を受けて,国会で追及した牧氏が嘆息する。

 「下村さんは,日大に特有の問題ではなく,『同じような体質の大学は他にある』とまでいった。呆れましたね。個別の問題だから,また日大に発生した。3年前に,個別対応しなければならなかったが,下村さんは調査を約束したのに,私のところには文科省からなんの報告もありません」。

 下村事務所には,

   イ) 田中氏への調査結果はどのようなものだったのか,

   ロ) 3年前に指摘された田中氏のガバナンス問題がいまも根底にあるのではないか,

   ハ) 日大固有の問題と捉えて個別対応すべきではないか,

という3点を質したが,締切までに回答はなかった。

 5) 大学自治とはなにか。

 全共闘時代の問いかけはいまに続き,その本質を理解しない行政と組織が,大学の正常化を阻んでいる。発生から1ヵ月に及ぶ悪質タックル事件で,本質にもっとも迫ったのが,20歳の宮川泰介選手の証言であったのは,保身の日大経営陣はもとより,下村氏を含む教育界全体を司る大人たちが反省すべき点だろう。

 註記)なお引用は転載先の,https://cotayell.com/社会/下村元文科相に改めて質す日大・田中理事長「あ/  から。

 補注)日大アメフト部の危険タックル事件を起こした当該選手宮川泰介に対して,事件後に大学側の「いうことを聞かないと『日大をあげて潰す』と脅迫した」のは,井ノ口忠男理事であった。ところが,日本大学は2019年12月,この井ノ口忠男元理事(当時)を「日大事業部」に復職させた。事実ならば,日大アメフト問題に関しては,反省の色すらもともと示さなかったことになる。この理事会人事を采配した責任者は,いうまでもなく田中英寿理事長であった。

 

 ガバナンスの問題(学校法人として統治に問題がありすぎる日大)とそのコンプライアンスの問題(日大の反社会的な理事長の存在)

 a) 2018年5月6日の「対関西学院大学」との試合において起こされた「日大アメフト部員危険タックル」事件に関していうが,「人の噂も七十五日」の要領にしたがい「その期限の75日を迎える日付」は,同年7月20日であった。日大理事長田中英壽はこの日付が待ち遠しいかったはずだと推察してみたが,そうは問屋が卸させないかたちでもって「言論界側の関心」はまだつづいている。

 補注)この記述(旧ブログの文章)を書いていた時点では,そのように「『言論界側の関心』はまだつづいている」と表現できていた。だが,さらにその後になると,やはり「人の噂も七十五日」という諺が妥当する顛末を迎えていた。しかし,2年以上も経っていたところで,どうしても「火のないところに煙は立たぬ」現象が勃起した。

 ① の『現代ビジネス』の記事でジャーナリストの伊藤博敏は,日大理事長田中英寿という存在を,アメフト部員危険タックルの問題発生を契機に,あらためて認識しなおすべき「社会的に黒の:black な人物」である事実を指摘していた。

 しかも,安倍晋三政権のもとで文部科学相を3年間務めてきた下村博文までが,なにやらうさん臭くも「日大問題」に対する不徹底な姿勢しか示してこなかったというごとき,文科省側における「過去のとり組み姿勢」も指摘してもいた。

 とりわけ,田中英寿日大理事長がJOC副会長を務めている現実をみると,一方で,警察庁の立場からすれば,反社会的な集団である暴力団組織幹部との付きあいがこの理事長にあるといった疑いが3年前には,すでにかけられていた。にもかかわらず,他方で,うやむやにしておくというよりは問題にすらしたがらない下村博文側の態度は,なにやら深い暗闇的な事情がが背景に控えているかのようにも疑わせる。

 JOC(日本オリンピック委員会)の副会長だという田中英寿日大理事長にまつわる暴力団幹部との薄暗い疑惑問題がはっきり解明され,そのかたをつけることもないまま,今回の「日大アメフト部員危険タックル」が発生していた。そして,世間を大騒ぎさせる事態になっていた。アメフト部監督で田中の腹心の部下である内田正人前常務理事は,関係して就いていた職位である常務理事を去ったあと,いまは特別の肩書がない立場にある。

 だが,昨日〔2018年7月17日〕夜,TBSテレビのニュースに解説のために出演していた石渡嶺司は「田中理事長は半年たったら内田を戻す」,つまり世間の「ほとぼりが醒めたら戻す」のではないかと語っていた。この点については,最新の報道を最後の段落で紹介するかたちで再確認してもらいたい。

 補注)内田正人のその後については,ウィキペディアがつぎのように解説している。「不起訴・解雇無効の訴訟と和解成立」という項目の記述である。

 2018年11月13日,警視庁は200人以上の関係者から話を聞き,試合映像なども分析した結果,内田正人前監督が実際にはプレーをみておらず,反則行為を指示した言動は確認できず,悪質タックルの指示はなかったと認定し,起訴を求めない意見書を付した上で,傷害容疑で書類送検

 

 2018年11月15日,内田正人前監督が日本大学を相手取り,解雇無効などを求めた民事訴訟の初公判が東京地方裁判所で開かれ,2019年12月6日,東京地方裁判所から和解勧告を受けた日本大学は懲戒解雇を撤回し,前監督の退職とすることで和解が成立した。

 それにしても,そうした田中理事長側の横柄で傲岸な基本姿勢を許してきている,それも,ふだんはなにやかや大学側にはうるさく行政上の指導をするはずの文部科学省,その大臣だった下村博文側の態度にも反映されているように,この日大理事長の存在は甘めに許容されつづけている。そこには,安倍晋三〔元〕政権側の “なんらかの統一的な意向” が,露骨なかちで控えていたとしか思えない

 補注)以上で下線を引いた文章は,本日(2021年10月9日)の記述として新しくくわえた後段の内容に関して,密接に関連する含意を示唆しているはずである。

 b) 要は,日大理事長田中英壽は21世紀に生きる人物としてみる時,時代錯誤も甚だしい「学校法人に関する経営感覚」を把持している。それは,19世紀後半からせいぜい20世紀の半ばまでに相当する程度のものである。

 日大闘争(紛争)が発生したのは,1968〔昭和43〕年から1969〔昭和44〕年にかけてであったが,そのときにおける日大経営陣(当時は理事長ではなく総長を中心とする法人体制)の体質は,田中英壽日大理事長のもとでかたちを変えて「そのまま続いている」。

 補注)田中英寿はこの日大紛争の時代にこの大学に入学・卒業していた。

 本日〔2018年7月18日〕の『朝日新聞』朝刊には,つぎの ③ のごときコラム記事が掲載されていた。ここまでの記述にぴったり合った議論をする内容であった。

 

 「〈経済気象台〉 大学理事長の専横と改革」『朝日新聞』2018年7月18日朝刊10面「金融経済」

 疑惑の多い獣医学部新設をめぐって後手に回る学校法人加計(かけ)学園理事長の対応,レスリング部監督のパワハラ問題発覚時の至学館大学理事長兼学長による独善的な対応,そして,アメフト部の悪質タックル問題での日本大学理事長らの稚拙な対応など,大学理事長の適格性が問われる事案が続発している。

 補注)ここで指摘・形容されている「大学理事長の適格性」という表現は,これをごく率直にとらえて表現するならば,日大の事例では「大学理事長の悪質性」と書いたほうがより適切である。

 加計学園理事長加計孝太郎などは完全に「安倍晋三の陰に隠れて」〈悪だくみ〉をしてきたという印象しかもてない。至学館大学理事長谷岡郁子は自学内でのセクハラ問題をまるで他人事のように語っていた。いずれも大学の経営者としてはその風上にも置けない人物たちである。

 〔記事に戻る→〕 東京医科大学をめぐっては,文部科学省のエリート官僚を巻きこんだ汚職事件に発展し,理事長と学長が辞任した。最高学府とされる大学において,質の高い研究と教育を支える大学執行部の脆弱な態勢が一気に露呈したかたちだ。

 補注)この「大学執行部の脆弱な態勢」とは,学校法人日本大学にもよく妥当する。というのは,大学生だけでも7万人を収容している大学であり,この日本一の規模である学校法人理事長が「ワンマン体制」を,それも金力を駆使しつつ組織の権力も悪用した圧政的な舞台のもとで,維持・展開してきている。

 端的にいってのければその事実じたいからして,大組織の現代的なあり方としては失格である。しかも,田中英寿日大理事長の右腕とも形容すべき常務理事内田正人が「アメフト部員危険タックルを惹起させた張本人」だった事実も,そうした判定を支持してくれる材料である。

 補注)過去において内田正人は常務理事として田中英寿理事長の右腕だと形容されてよかったと表現されているが,2021年10月に,新しく今回における背任事件の問題となって浮上した井ノ口忠男理事も,内田と同様に田中理事長の右腕的な理事であった。

 こうしたリスクを事前に防止し,あるいは速やかに是正策を講じることを学ぶ危機管理学部が,日大と加計学園系列の2大学にしかないという事実は,皮肉としかいいようがない。危機管理学部の教員が英知を結集して危機管理の活きた見本を示すべきだった。

 補注)加計学園も日大も「反面教師」的にその悪い見本をみせていた(!)というわけか?  “嗤うにも笑えない” この2つの大学法人はともに,安倍晋三との因縁が深い。

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 付記)これは「知る人と知る」有名な画像1点で,右に安倍晋三,左に加計孝太郎。この2人は血統上つながりがあるとの指摘もなされている。1説によると異母的な系譜においてだが,その父の息子(孝太郎)と孫(晋三)との間柄だという観察もある。

 日本の大学は独善的な学部教授会,閉鎖的な教職員組合などが壁となって,迅速な改革の手を打てないといわれて久しい。しかし,大学は公的な補助金を受領し,少子化に向けた経営改革も求められている。自治を守るといった錦の御旗のもと,改革を遅らせることは破綻につながりかねない。

 補注)日大の労組組織率は4%とのことである。つぎのツイートは,首都圏大学非常勤講師組合の関連でネットに出ていたものであった。日大では理事長だとか常務理事が本来の役職(最高経営陣)としてその任務を果たさず,姑息にも逃げまわる基本の態度を維持してきた様子がうかがえる。

  日本大学関係・組合ツイート ★

 ただし,2018年5月ごろの書きこみだけだが,⇒ https://twitter.com/nichidai_union/
status/996197476871778304

 いわば「日大大学における自治」とは,理事長田中英壽ただ1人のためならばあるものである。だから,なんのことはない,「田中の独裁的な執行体制」を堅持するための自治(?)以外は,なにもないことだけはたしかである。

 〔記事に戻る→〕 一連の不祥事は教育内容に関わる問題ではなく,課外活動ないしは大学執行部のガバナンス上の問題といえる。大学は公開企業と同様,社会の公器であり,企業不祥事の対応に真摯に学ぶべきだろう。

 理事長の専横を食い止め,上場企業並みの厳格なガバナンスを実践するためには,監視役の評議員は当然ながら,執行を担う理事も過半数を外部の独立・公正な倫理観の高い人材を充てるといった大改革の断行が喫緊の課題である。(惻隠)(「経済気象台」の引用終わり)

 このとおりである。日大にかぎらぬが私立大学の場合,このガバナンスとさらにはコンプライアンスに関した根本的な視座が不在である事例が多い。一見,民主主的な基盤を整えているような学校法人であっても実質では,このガバナンスやコンプライアンスがほとんど介在・機能していない私立大学のほうが多数派である。

 なかでも日大のように,田中英壽がワンマン体制で専横的に権力を行使し,法人全体を壟断的に支配しているよう大学〔など〕では,ガバナンスやコンプライアンスがいっこうに働かない実情にある。というよりは,組織内においてそうした経営感覚を形成できるような学内の風土が,もとより皆無である。

 
 「日大・田中理事長が仰天発言『半年後,内田を戻す』 日大アメフト部は新監督就任で再生なるか」zakzak2018.7.18http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180718/soc1807180006-n1.html

 田中英壽日大理事長は世間の批判などまったく意に介していない。この点は「アメフト部員危険タックル」の責任者であった「前常務理事の内田正人」を復権させる意向を,心中では強く抱いている事実からも容易に理解できる。この問題が,本日のこの記述の中心論点であった。このことは,あえて最後に紹介する,つぎのこの『zakzak』の記事からも明瞭である。

 補注)内田正人については前段でその後,2019年12月中に退職していたた旨に言及した。以下の記事はその点を踏まえて読んでほしい。

 日本大学アメフト部の悪質タックル問題をめぐり,大学の権力構造の頂点に立つ田中英寿理事長(71歳,当時)から仰天発言だ。アメフト部監督や大学の役職を辞任した内田正人氏(62歳,当時)について,「半年たったら戻す」と述べたというのだ。

 〔7月〕16日放送のフジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」が報じた。田中理事長の発言があったのは,内田氏がアメフト部だけでなく日大の要職も外されてから数日がたった6月11日。田中理事長は,複数人の日大職員との会合で「半年たったら内田を戻す」と自身の思惑を打ち明けたという。

 スポーツライターの小林信也氏は「『このやり方でここまでやってきたんだ』という自信があってこその発言だろう」と指摘する。「内田氏も世間の反応に対して,やむをえず監督辞任などの処分を受け入れてきたのであって,当然本意ではない。合意のうえでの発言ではないか。内田氏が戻るとすれば,アメフト部ではなく大学組織の内部だろう」とみる。(後略,引用終わり)

 本ブログ筆者が「人の噂も七十五日」論でもって,田中英寿日大理事長の心中をとらえたつもりで批判を重ねてきたのは,こうした,いまどきの大学経営者としては「ガバナンスもコンプライアンスもなにも・へったくれもない」ような人物が,あの日本一大きい学校法人の最高責任者であり,いいかえれば「この国にとってみれば〈真実である不幸・不都合〉」の実例を,大学経営のあり方として問題にしてきたからである。

 

  安倍晋三における暴力団との関係筋

 1) 最後に参考にまで。

 「山本太郎が安倍首相にあの放火未遂スキャンダルを質問! 『暴力団と繋がる人物に選挙妨害を発注する人間が総理なのか』」『リテラ』2018.07.1http://lite-ra.com/2018/07/post-4132_3.html  という記事のなかから,つぎのように描写されていた「安倍晋三自身の問題」に関する段落を引用しておく。

  〔安倍晋三が〕「『私たちは被害者である』という以前の問題で,暴力団員と繋がりがあるような人物に対して,民主主義の根底を覆すような選挙妨害を発注するということは大問題であると。当然じゃないですか,これ。当たりまえですよ?

 

    汚れ仕事を堂々と発注できるような人間がこの国の総理であり,そして博打を解禁するということにおいて,『しっかり暴力団員とかかかわらないようにするね』という監視役,その元締めであるカジノ管理委員会を任命する立場にあるなんて,笑い話でしかないですよ。現実なんですから,悲劇でしかないですね」。

 この国会での発言主は,山本太郎議員であった。日本におけるその種の悲劇の現実は,安倍晋三という首相によって数多く触発されている。日大理事長田中英壽が常備してきた「反社会的勢力」との親しい人間関係に似た実体が,安倍晋三という首相の圏内にもあった。それだけのことである。

 同じ穴のムジナ同士か? つぎの関連する記事は,当初(2018年7月段階で)引用してあった記事(『週刊現代』2018年7月7日号に出ていた「安倍晋三暴力団」関連の記事)は,すでに削除されていたので,その代わりにかかげたものである。

 2) 「参考記事」の紹介

 少し長めの表題だが,「選挙妨害を暴力団に発注する人間が,クリーンなカジノをめざすなど意味がわからない。カジノを止めるか,総理が辞めるかどっちか決めろ」(山本太郎)・・・よくいった!!& 5日の宴会は『良いことだと思っている』(麻生太郎)・・・いい歳してしょっぱい野郎だ!!」『くろねこの短語』2018年7月18日,http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/post-0223.html  から以下を引用する。

  (前略)  国会では,突貫小僧・山本太郎君が,ついにペテン総理と反社会勢力との関係を暴露!

 

 「選挙妨害を暴力団に発注する人間(安倍晋三)が,クリーンなカジノをめざすなどといってる意味が分からない。カジノを止めるか,総理が辞めるかどっちか決めろ」と迫られて,ペテン総理は「いずれにしても,私は被害者」とシドロモドロ。ところが,これを報道した新聞・TVは皆無なんだね。

 補注)というしだいで,ここでは前述,⑤ の 1) における『リテラ』の記事,「山本太郎が安倍首相にあの放火未遂スキャンダルを質問! 『暴力団と繋がる人物に選挙妨害を発注する人間が総理なのか』」が参照されていた。

 

  山本太郎 議員 内閣委員会 質疑(2018/07/17午前)※

 この新たなスキャンダルについては6月27日のエントリーで書いたんだが,要するに〔安倍晋三が自分の〕対立候補の選挙妨害を暴力団に依頼したのはいいけど,その後暴力団との関係が悪化してペテン総理の下関市内の自宅などに火炎ビンが投げ入れられたって事件なんだね。

 

 暴力団との関係があったことは事実で,森友・加計学園疑獄なんかふっ飛んじゃうほどの大スキャンダルだ。それを国会でまくしたてられたんだから,ペテン総理の股関節はさぞかし痛みが増したことだろう。

 

 文中のリンク先。……「ポスト『モリカケ』」か?  安倍首相に浮上したもう一つの『重大疑惑』」(←リンクあり。HARBOR BUSINESS Online』2018.06.26,https://hbol.jp/168997

 

 こんな薄汚れた男が総理大臣だもの,そりゃあお友だちのひょっとこ麻生が性懲りもなく馬鹿をさらけ出すはずだ。それにしても,こんな総理大臣と酒食をともにするメディア幹部の神経ってのは,さらに輪をかけて狂ってるってことなんだろうね。お前らみんな「死刑!」(コマワリ君)なのだ。

 

【参考画像】

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【参考記事】------------------------------