アベノミクスは最初から必然的にアホノミクスでありウソノミクスであった,2021年10月現在,この国の経済社会はいまだに先進国意識を払拭できないまま,さらに後進国「化」

 世襲政治屋の「初老の小学生・ペテン総理」がチャイルディッシュに,「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」な為政を,スガのカスノミクスの期間にまで継続させてきた8年と9カ月もの結果,「美しい国」であったはずのこの 日本は,徹底的に崩壊:溶融された,コロナ過の第6波襲来を覚悟しつつ,あらためていま,われわれの肝に銘じておくべき政治関与のあり方は,衆議院総選挙で「岸田文雄という亡霊」に乗り移っている「自民党」に投票しないこと

 

  アベノミクスとカスノミクスのために,困窮化する速度を加速させられた「大部分の国民たち」側の,大迷惑と大損害

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   1)『朝日新聞』2021年10月14日(本日)刊1面「紙面」

 上の紹介したこの紙面(記事じたい)において,一部分が下方で切り落とされている小見出しの文字全体は,「リーマン以来の人数」であった。

 まるで,大不況の時代を象徴するかのようにも映ってきた国民生活の側面は,一部の国民たちが食うや食わずの “最低限の貧困生活” に追いこまれているその現実をもって,教えられている。

 その様相は,「リーマンショック」という「2008年9月に始まった」「アメリカの有力投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻し,それを契機として広がった」「世界的な株価下落,金融不安(危機),同時不況を総称される」以来,再び日本でも現象している。

 日本において貧困層に追いこまれた人たちの困窮ぶりは,この『朝日新聞』朝刊も1面の冒頭記事として伝えていた。以前からあった日本社会の実相のひとつであったとはいえ,新型コロナウイルス感染拡大「問題」の発生が,その事実をより明快に炙り出す原因になってもいた。

 1日3食のメシを満足に摂れない人びとが,すでに以前から大勢いたこの日本になっている。一方で世襲政治屋たち,その総代表である安倍晋三麻生太郎が毎日の晩餐を高級料亭やレストランで摂る時は,1人前を数万円以上(いったいいくらになるのか?  )もかけてゼイタク三昧の美食生活である。

 リーマンショックが発生したその2008年の暮れからだったが,「年越し派遣村(としこしはけんむら)」を設営し,生活の困窮した人びとを,一時的にでも救援するという活動がNPO労働組合によって用意され,実践されていた。当時,リーマン・ショックの影響により派遣切りなどを受けて,生活に困窮した人びとが,年末・年始の年越しをできるよう支援していたのである。

 それから12年が経った2020年になってもまだというか,再び「なんとか年越しを…『コロナ被害相談村』を都内で開催」『東京新聞』2020年12月29日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/77177  との見出しをつけた記事が出ているではないか。

 新型コロナウイルスの影響で,仕事や住まいを失う人の増加が懸念されるなか,年末年始に民間団体による食品配布や生活相談が都内各地でおこなわれる。「年越し支援コロナ被害相談村」を東京都新宿区の大久保公園で開く労働組合や弁護士らは〔2020年12月〕28日,都内で会見し「なんとか年末年始の住居と食事をつなぐ緊急的な対応ができれば」と訴えた。

 以下は,この記事内の小見出しと具体的な活動を紹介しておきたい。

 ◆-1 12年前の「年越し派遣村
 
 ◆-2「食べ物の力でつながる時間を持ちたい」
 
 ◆-3 年末年始の主な生活支援・相談

 

  ★)【生活困窮などに関する相談会や食料配布】(2020年12月,2021年1月)

 

  ・年越し支援コロナ被害相談村……29日,30日,1月2日いずれも午前10時~午後5時に東京都新宿区歌舞伎町の大久保公園。TOKYOチャレンジネットが用意する一時宿泊所への手続き支援や各日150食の食事配布など。

  ・緊急相談会……29日午前11時~午後5時に新宿区山吹町362 みどりビル2階のNPO法人もやい事務所,1月2日午後2~3時,都庁前で食料も配布

  ・越年越冬活動……30日,1月1日,3日で,いずれも医療・生活相談は午後5時~,弁当配布は午後6時~,豊島区の東池袋中央公園

  ・コロナ禍:足立たすけあい村……30日正午~午後3時,足立区の千住旭公園で食品や衣料品配布,無料相談

  ・コロナ災害を乗り越える:いのちとくらしを守るなんでも電話相談会……31日~1月3日,午前10時~午後7時=フリーダイヤル0120(157)930

  ・池袋緊急相談会……31日午後3~6時,豊島区の東池袋中央公園

  ・年越し大人食堂2021……1月1日,3日いずれも正午~午後6時,千代田区聖イグナチオ教会で調理された食事を両日とも200食用意し提供

 

  ★)【生活支援,居住支援,就労支援などの相談窓口】

 

 〈男女問わず〉

  ・TOKYOチャレンジネット……一時宿泊所提供。29日午前10時~午後8時,30日と1月2日午前10時~午後5時=0120(874)225,女性専用は0120(8874)505

  ・年末年始 労働・困りごとLINE相談会……全国青年司法書士協議会が29日~1月31日の期間中,随時受け付け=LINEから「@7771 zceam」で検索し友達追加する

 〈女性対象〉

  ・東京ウィメンズプラザ……29日~1月3日は午前10時~午後4時=03(5467)2455

 2)『日本経済新聞2021年10月16日(本日)朝刊1面「紙面」

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 この紙面は「日本の年収  30年横ばい」であったが,「米は1.5倍に  新政権,分配へまず成長を」などと,ずいぶんひどく寝ぼけた提言をしている。アメリカだけでなくたとえばOECD諸国のほとんども,「年収:実質賃金」を挙げてきた。日本だけが置いてけぼりになっている。

 日経はこのような記事を1面冒頭に出すくらいならば,アベノミクスやカスノミクスに対するこの経済新聞社なりにもっと,まともに議論なり批判なりをしておくべきところであった。いちおうだが,いかにも客観報道っぽいこのトップ記事であった。もちろんこの記事はそうした「日本の特徴」に総論的に触れている。記事の左側にはその点を説明する図表がかかげられていた。

 以上の話題に関してはとくに,日本「側」にとって忌々しい現実であるかのようにみなして,日本は「購買力平価」の水準で「あの韓国にさえ追い越された」という表現がよく吐かれる。しかし,このような悔しまぎれの発言をいう前に,安倍晋三と菅 義偉が延々と8年と9カ月もおこなってきた「デタラメ政治(内政も外交も)」に対する,国民側からの審判を,こんどこそ下すことが必要なのではないのか。

 むろん,以上の日経記事にそのような批判的な論調をただちに期待する筋合いは,求めるべくもなかった。日経新聞社のもっとも基本的な立場をめぐっては,この会社なりにアベノミクスとカスノミクスを真っ向から批判する記事として,政権を交代させろとまで本気で書けないわけがない。

 そのところが,まことに哀れであった。若干,皮肉っぽく別言すると,つぎのように表現できる。

 ネトウヨ志向的に常時ひよっているほかない「非国民的な日経新聞社(!)」であっただけでなく,「アベ的である立場のほうに志向しているがために,けっして本当の意味で非反日的(?)」でもありえないこの日経新聞社は,肝心カナメである「社会の木鐸」性など問われる以前に,その付近に漂っているはずの「新聞社としての矜持・自負」についていえば,他者がけっして見逃せない「決定的ななんらかの偏倚・欠落」を表現していた。

 最近における大手紙の腰抜けぶりに業を煮やしたか,その欠損した部分を必死になって代替している,それもいまや日本のクウォリティ紙として評価さえある『日刊ゲンダイ』や,さらにはスポーツ紙の政治欄コラム,くわえて辛口を信条とする「ネット新聞」も登場している。

 そして,つぎに引用する記事となるが,大手紙のその腰抜けぶりを代替・補充するかのようにして,それも「週刊誌の方面」で,女性誌がよりまともな報道をする時代状況になってもいる。ともかく,大手紙にあっては “腑抜けた記事” しか「書けない,書かない記者」(組織面でみれば上部に位置する編集局の責任でもあるが)が多数派であるかのような様子しか感じさせない,昨今におけるこの大手紙側の内部事情が控えている。


 「検証アベノミクス  物価と税負担だけが上昇し,みんな貧乏に」『女性自身』
2020/09/10 06:00,https://jisin.jp/domestic/1892659/(元記事『女性自身』2020年9月22日号 掲載)

   「アベノミクスは買いだ」。世界にそう喧伝していた安倍晋三首相。だが,〔2020年〕8月28日の辞任会見で「アベノミクス」という言葉は最後まで使わなかった。『アベノミクスの終焉』の著書がある同志社大学商学部の服部茂幸教授が話す。

 「アベノミクスが中途半端で終わったことを表わしています。アベノミクスは,日本銀行国債をたくさん買い入れることにより,市中に大量の通貨が供給され,金利は下がり,企業活動が活発化。物価の上昇とともに賃金も増え,消費も拡大すると謳っていました。その景気回復へのシナリオはすべて頓挫したのです」。

 7年8カ月も続いた第2次安倍政権の根幹政策だったアベノミクス。その実態を検証しよう。

 ※ 物価上がるも賃金下がり ※ 

 『ツーカとゼーキン 知りたくなかった日本の未来』の著者である弁護士の明石順平さんはこう語る。

 「確かに,物価は上昇しました。消費者物価指数は2012年から2019年までに7.2%,食料品に限っては約11%も急上昇。ところが,物価が上がっても名目上の賃金はほとんど変わっていません」。

 賃金が上がっても,それ以上の勢いで物価が上がっていれば,買えるものは少なくなり,実質的に賃金が減っているのと変わらない。

 2012年から,物価の影響を考慮した実質賃金指数は5度にわたり下落している。アベノミクスで “給料” は上がる(図解:ウソ1)どころか,下がったのだ。安倍首相は “雇用の改善によって賃金の低い新規雇用者が増えて,平均を押し下げた” と主張してきたが……。

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「だったら名目賃金も下がるはずですが,こちらは下がっていない。明らかな嘘です。仮にそれが本当なら,新規労働者が増え続ける限り,実質賃金が下がるということになりかねない」(明石さん)。

 さらに,これらの数字すらかさ上げされた可能性がある。2018年から調査対象の「常用労働者」の定義が変えられていたのだ。

 補注)なお,2016年度あたりからアベとアソウのゾンビ的コンビは,日本経済の統計の改竄・捏造に手を着けはじめていた。アベという首相がウソしかいわない世襲政治屋であった事実は,いまでは日本国民たちが等しく認定してよい罪業である。

 一国の最高指導者が国家の統計を変造し,その数値を狂わせる行為は,絶対にいけない。というのはそうなった国家の運営の基本となる統計や資料から信頼性が失われてしまい,国家の運営そのものも狂わせる結果した生まなくなるからである。

 ところが,この2人は実際にそうしたのである。とくにGDPを多め算出させるゴマカシを官僚に命じた結果の悪影響は大きかった。しかし,そこまで悪い企みをしたとしても,この日本経済の現実が根本からゴマカせるわけではなかった。

〔記事に戻る  ↓  〕

 「『常用労働者』から賃金の低い日雇労働者を除外した。結果,平均賃金は高くなりました。そんなことまでして,アベノミクスの失敗をごまかそうとしたんです。本来,賃金が上がり,続いて自然に物価が上がるというのが正しい経済成長。物価上昇を目標としているアベノミクスは最初から誤っているのです」(明石さん)。

 給与が下がった一方で,負担は増えた。今〔2020〕年3月,財務省は,税や社会保険料などの負担が所得に占める割合である「国民負担率」が過去最高となる44.6%になる見通しだと発表。それにともない手取りである可処分所得が減りつづけている。アベノミクスで生活が豊かになる(図解:ウソ2)ことを期待した多くの国民を裏切ってきたのだ。

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 前出の服部さんが語る。

 「アベノミクス失敗の原因をコロナ禍に求める人がいますが,2018年10月には景気が後退局面に入っていたことが今〔2020〕年7月になって明らかになりました。成長率も1%程度と低く,効果がなかったんです。国民はアベノミクスという幻想から目を覚ますべきです」。

 

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 しかし,自民党総裁選への出馬会見(2020年9月2日)で菅 義偉官房長官は「アベノミクスをしっかりと引き継いで,前に進めていきたい」と語った。悪夢は “スガノミクス” として引き継がれていくのか。(引用終わり)

 といったごとき “しだい” であったゆえ,そのスガノミクスはスカ(カス)ノミクスになりはてていた。ここまできたら,アベだとかスガだとかは,一国の宰相としては2人とも「完全なるカス(スカ)」であって,そうであったがゆえに国民たちがこうむってきた実害の甚大さは,腹立たしいほど広範囲・大規模になっていた。

 ところで,その菅 義偉のあとを襲って自民党総裁となり,首相となった岸田文雄は当初,あれこれ独自の政策をかかげていたはずであった。ところが,2021年10月31日に実施される衆議院総選挙の目前にして,その路線のほとんどを〈先祖返り〉させていた。その具体的にみっともない実体については,つぎの ③ に移って,いまや日本ではもっともまともで健全な野党として評価されていい,日本共産党が発行する新聞の解説に聞いてみたい。

【参考記事】

 

 「『反省なし  聞く耳なし』岸田首相の所信表明演説」『しんぶん赤旗 電子版』2021年10月9日https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-09/2021100903_01_0.html

 この記事の全文を引用する。長くなるが的確な批判を具体的に説明しているゆえ,あえてそうする。

 --〔2021年10月〕8日の岸田文雄首相の所信表明演説では,これまでの自公政治への反省がまったくなく,安倍・菅政治を引きつぐという姿勢があらためて鮮明になりました。

 1) 感染爆発招いた失政ふれず-コロナ対応-

 岸田首相は所信表明で,新型コロナ対応を第1の政策としましたが,感染爆発や多くの在宅死をもたらしたPCR検査抑制,「Go To 事業」,東京五輪の強行開催,「原則自宅療養」方針の押し付けという4つの大失政にはなんら反省を示しませんでした。

 岸田首相自身は昨〔2020〕年4月,自民党政調会長として『週刊東洋経済』のインタビューで「検査を拡大した場合,陽性という結果が出た後の対応が重要。陽性だった人が症状の軽重にかかわらず大病院に集中すれば,医療崩壊につながる」と主張するなど検査抑制論の中心人物でした。

 所信表明には,憲法にもとづく臨時国会召集の要求に応じず,責任を果たしてこなかったことへの反省もありません。

 医療提供体制の整備・拡充は,具体的な方針や目標を示していない一方で,公的病院の統廃合計画も推進のままです。3回目のワクチン接種の準備や経口治療薬の年内実用化,ワクチン接種証明の活用などとワクチン頼みを強調するだけにとどまりました。感染対策の要である検査でも,「予約不要の無料検査の拡大」と述べましたが,総裁選時に掲げた政策からPCRの文言が抜け落ちています。

 所信表明では「なにが危機管理のボトルネックだったのかを検証する」と語り,これまでの対応を分析するとしています。そのなかで,「司令塔機能の強化」や「人流抑制,医療資源確保のための法改正」などとしており,地方の自主性や人権の抑制につながる可能性もあります。

 経済支援についても,事業規模に応じた給付金や非正規,子育て世帯などへの給付金をうたいましたが,これは野党が要求してきたものです。

 2) 安倍政権と同じスローガン-「新しい資本主義」-

 「私がめざすのは,新しい資本主義の実現だ」。岸田首相はこう打ち出しましたが,「マクロ経済運営」政策として挙げたのは「大胆な金融政策,機動的な財政政策,成長戦略」の3本柱。9年間続けたアベノミクスそのものです。貧困と格差を広げたことへの反省がまったくありません。

 総裁選では「新自由主義からの転換」をかかげていましたが,早くもトーンダウン。「新自由主義的な政策については,富める者と富まざる者との深刻な分断を生んだといった弊害が指摘されている」と述べながら,「新しい資本主義」の「起動」を呼びかけ,安倍政権とまったく同じ「成長と分配の好循環」というスローガンをかかげました。

 岸田首相が創設を表明した「新しい資本主義実現会議」には,首相と「哲学が一致している」と自負する経団連の十倉雅和会長が参加を申し出ています。

 「成長戦略」では,「温暖化対策を成長につなげるクリーンエネルギー戦略を策定する」と述べましたが,同戦略は岸田氏の総裁選政策で「原発再稼働」を含むと明記していたもの。しかし,所信表明では原発推進に批判が強いとみて「原発再稼働」には一言も触れていません。

 岸田首相はまた,「多様で柔軟な働き方が拡大している」と述べ,不安定雇用の拡大を容認。75歳以上の医療費窓口負担2倍化の来〔2022〕年度後半の実施などを内容とする「全世代型社会保障の構築を進める」と宣言しました。

 「分配戦略」では,「賃上げをおこなう企業への税制支援」の強化に言及する一方,肝心の最低賃金の引き上げには一言も触れてていません。

 コロナ禍にあえぐ国民の声や野党の提案に押されて,教育費や住居費への支援強化や看護師,介護士,保育士などの収入増を打ち出しましたが,具体策はこれからです。

 「新自由主義からの転換」は,安倍・菅自公政治から野党連合政権への政権交代でこそ実現できます。

 3) 被爆者・沖縄に顔を向けず-外交・安保-

 「被爆地広島出身の総理大臣として,私がめざすのは『核兵器のない世界』だ」。岸田首相はこう強調しましたが,肝心の核兵器禁止条約に言及せず,「核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め」ると述べるだけでした。

 岸田首相の親戚である広島の被爆者のサーロー節子さんは,岸田首相に送った手紙で,「核兵器のない世界をめざすという発言が本当なら,いまこそ行動に移してください」と条約参加を求めました。にもかかわらず,条約に背を向けるのは被爆者の切実な声を無視する恥ずべき態度です。

 一方,岸田首相は「わが国の外交・安全保障政策の基軸は日米同盟だ」と日米同盟強化をうたいました。沖縄県辺野古新基地建設計画について,「工事を進める」といい放ちました。沖縄県民は選挙や県民投票で「新基地反対」の意思を繰り返し示しており,県民の声を聞かない姿勢が如実に示されました。

 岸田首相は「経済安全保障推進のための法案を策定する」と表明しました。経済安保に関する法制定は,自民党の新国際秩序創造戦略本部が提言していました。本部長を岸田首相,座長を甘利 明幹事長が務めています。

 経済安保を重視する背景には米中の技術覇権競争があります。同本部の提言は,半導体や宇宙,サイバーなどを「重要技術」と位置づけて技術強化や基盤の確保を主張。米国と歩調を合わせて,軍事的優位性を確保するために経済面で中国との対決を強める狙いです。

 岸田首相は,国家安全保障戦略と中期防衛力整備計画の改定を表明。これまで軍事費に関しGDP(国内総生産)1%枠にこだわらないと明言しており,軍拡強化を狙っています。

 補注)岸田文雄を背中のうしろには,亡霊のごとくに安倍晋三とこのアベが噛ませ犬議員として使役する高市早苗がいて,とくにこの極右議員には「防衛費2倍論」を叫ばせている。

 ところが,岸田は,このアベのやり方や高市の冒険主義的国防イデオロギーに向かい,なんらまともな対応(議論なり批判なり)ができないでいる。自民党内では本来ハト派であったはずの宏池会の伝統は,もはやそのカケラさえみつけにくくなった。

 4) 説明を放棄,一言も語らず-疑惑・ジェンダー

 岸田首相は,安倍・菅政権下で相次いだ「政治とカネ」問題や政治の私物化への反省にはまったく触れませんでした。岸田政権で大問題となっているのが,不正な金銭授受の疑惑がある甘利 明氏の幹事長就任です。

 各社世論調査では甘利氏起用を「評価しない」が多数を占め,野党が同氏の疑惑をめぐる調査チームを設置するなど,「政治とカネ」問題が岸田政権を直撃しています。それにもかかわらず,岸田首相は疑惑に一言も触れず,国民への説明を放棄しました。

 補注)この甘利 明は,自分に都合が悪い時だけは「睡眠障害」と称して逃げまわっていた政治屋の1人であったが,岸田文雄政権では幹事長として,いまごろ狂い咲きした。

 国民・有権者たちからも “収賄容疑がきわめて濃厚である” と認められている,この素っ頓狂な国会議員:甘利は,自身の悪業を一般大衆が忘れてくれたなどと舐めていたら,そのうち(とくに間近に控えた選挙)では痛烈なひっぺがえしを受ける可能性がある。

〔記事に戻る→〕 再調査が求められている森友・加計学園問題についても,いっさい語らず,疑惑にふたをする安倍・菅政権の姿勢を引き継いでいます。

 5) 国民の声聞かず

 総選挙の大きな争点でもあるジェンダー平等についてもなんの展望も示していません。

 コロナ危機で男女間の賃金格差による女性の困窮など,構造的な女性差別が浮き彫りになるなかで,ジェンダー問題に一言も触れないのはきわめて深刻です。急務となっている選択的夫婦別姓の法制化や同性婚,LGBT平等法の実現への言及もありません。

 「特技は人の話を聞くこと」と豪語する岸田首相ですが,国民の声をまったく聞かない姿勢が早くも露呈しています。

 補注)すでに批評されてきた点であるが,このように岸田文雄が自分の「特技は人の話を聞くこと」と豪語するのは,噴飯モノ。アベに申しつけられたコトバや用件にかぎってとなれば,そのような特技が上手に発揮できる程度のそれであった。

 どだい,政治家が人の話を聞くというのは,政治家として基本中の基本になる作法であった。それを特技としなければ,人の話をよく聞けないという説明は,見当違いもはなはだしい。だいたい,この種の〈発想〉じたいがトンチンカンなのであり,奇妙奇天烈な発言はたいがいにしておけと,一言のもとで片付けられるのがオチ。

 要は,いま現在の岸田文雄君はアベやアソウのダミー(お面)でしかなく,いいかえれば,操り人形である。すなわち,どうみてもてなんの新鮮味も魅力もない。即刻,退場を願いたい,とだけいっておくのが妥当・適当。そのようにいえる理由については,さらにつぎの ④ の解説に耳を傾けることにしたい。

 

  鮫島 浩「あっという間に公約を撤回… 岸田新政権の『新しい日本型資本主義』に期待できないワケ 結局は『アベノミクス』と変わらない」『PRESIDENT Online』2021/10/12 15:00,https://president.jp/articles/-/50846?page=2

    
 この鮫島 浩の議論からは,適宜に拾って紹介する。

 ※-1 ぼやける衆院選の争点

 岸田首相は10月8日に衆参本会議でおこなった就任後初の所信表明演説でも,富の分配によって中間層を拡大させる「新しい資本主義の実現」を表明。新自由主義的な政策が「深刻な分断を生んだ」と主張し,「成長と分配の好循環」というキーワードをかかげて「分配なくしてつぎの成長なし」と訴えた。

 このような主張は,安倍政権が進めた経済政策「アベノミクス」が貧富の格差を拡大させたと批判し,所得の再分配を唱える野党・立憲民主党衆院選公約と重なる。マスコミ各社は岸田政権が「成長」より「分配」を重視していると報道しており,与野党の対立軸はぼやけつつあった。

 ※-2 分配の目玉政策は早々に先送り

  岸田首相はキングメーカーである安倍氏麻生太郎副総裁の強力な支援を受けて自民党総裁選に勝利したため,安倍氏と麻生氏に完全支配された傀儡政権」と指摘されている。

 安倍・麻生両氏と親密な甘利 明氏を政権の要である自民党幹事長に起用。内閣・自民党の主要ポストは「安倍,麻生,甘利の3A」に近い人物で固められた。

 金融所得課税見直しの撤回は,3Aが推進してきたアベノミクスを否定することは絶対に許されない岸田首相の限界を早々に露呈することになったのである。

 注記)以上,https://president.jp/articles/-/50846

 ※-3 岸田新政権の狡猾な戦術

 岸田首相が所信表明演説で強調した「成長と分配の好循環」は,安倍氏が首相時代に繰り返したフレーズである。「岸田首相は安倍氏に刃向かえず,アベノミクスを否定できない。

 岸田政権にはオモテとウラがあり,内実をみきわにくい。「安倍支配」を覆い隠して衆院選の争点をぼかす狡猾な戦術といえる。

 アベノミクスは,「大胆な金融緩和,機動的な財政出動規制緩和による成長戦略」の三本の矢を柱とする第2次安倍政権(2012年12月発足)の経済政策である。なかでも3本の矢の1つ目である「大胆な金融緩和」は,円安誘導やゼロ金利・マイナス金利政策を大胆に進める「異次元緩和」と呼ばれ,海外輸出で稼ぐ大企業に巨額の利益をもたらし,株価を大幅に上昇させた。

 第2次安倍政権発足直前の2012年12月25日の日経平均株価は1万80円だったが,安倍首相が退陣する直前の2020年8月28日には倍以上の2万2882円になった(今〔2021〕年9月14日にはバブル崩壊後以降,31年ぶりの高値水準である3万795円に達した)。

 株式を大量保有する大企業や富裕層は労せずして巨額の利益を手にする一方,株式を持たない貧困層はほとんど恩恵を受けることがなく,「持てる者と持たざる者の格差」は急速に拡大したのである。

  注記)以上,https://president.jp/articles/-/50846?page=2

 ※-4 この4年間で “豊か” になったのは誰か

 安倍政権の円安誘導によって,実質賃金はぐんぐんと下がったのである。企業の懐はみるみる膨らんだのに,労働者の財布はどんどん痩せ細ったのだ。アベノミクスがもたらした企業の巨額の利益は労働者に還元されなかったのである。大企業や富裕層がアベノミクスの果実を独占したといっていい。

  ※-5 恩恵を受けたのは「勝ち組」だけ

 注目すべきは給与所得者の年収の格差だ。年収200万円以下は2012年には1090万人だったが,2018年には1098万人へ微増した。一方,年収1000万円超は2012年は172万人だったが,2018年は249万人へ大幅に増えた。労働者の大部分の賃金が上がらないなかで一部の「勝ち組」の年収は大幅アップしたのである。

 補注)「勝ち組」? どこかの国には「喜び組」というものがあったかとか……?

 円安で企業の利益は増えているのに労働者の賃金は横ばいが続く。労働者は「賃金が上がらない」と不満を募らせているが,実際にはもっと深刻な事態が進行している。日本円の価値が下落しているのに賃金が据え置かれているということは,気づかないうちに「実質賃金」は下がっているのだ。

 実質賃金が下がるとどうなるか。わかりやすい例は,海外旅行や輸入品購入をきわめて割高に感じることだ。日本円の実力を測る「実質実効為替レート指数」は,小泉政権発足前の1990年代中ごろと比べると半分以下になった。

 1970年代の水準に下落したのである。大企業や富裕層が円安株高で潤う一方,現代の日本人の多くはいつの間にか半世紀前と同じくらいの購買力しかもたなくなってしまったのだ。

 注記)以上,https://president.jp/articles/-/50846?page=3

 ※-6 アベノミクスを否定できない岸田政権の曖昧さ

 ※-7 岸田首相「新自由主義からの転換」の狙い

 注記)以上,https://president.jp/articles/-/50846?page=4

 ※-8 結局,アベノミクスの主導権争い……

 岸田政権の「新自由主義からの転換」は,安倍政権が進めたアベノミクスを「竹中氏や菅氏を排除して麻生氏や甘利氏が主導するかたち」で進めるという,きわめて政局的意味合いが強いメッセージである。

 岸田政権が衆院選を乗り切り,竹中氏や菅氏の影響力を一掃したあとは「新自由主義からの転換」という看板は,その役割を終えてしだいに色あせ,「分配」重視の経済政策はなりをひそめていくのではないか。

 金融所得課税見直しの撤回は,岸田政権の「新自由主義からの転換」が看板倒れに終わる未来を早くも予感させたのだった。

 注記)https://president.jp/articles/-/50846?page=

 ここまでの記述・議論をありのままに読み,その内容・含意を適切に理解し,受けとれる人であれば,10月31日の衆議院総選挙で自民党公明党,そしてその “第5列の政党” である日本維新の会や国民民主党などの雑党に票を入れる行為は,たとえていえば,「自分の首にかかっている縄を,みずから引っぱって締め上げる結果」しか生まないことを,よく承知していると思う。
 
 前段のごとき意見は,「あなた方のほとんどが『勝ち組』には属していない」という前提で打ち出している。昨日(2021年10月15日)における本ブログの記述は,いまの日本は完全に連続性を欠いた格差社会⇒階級社会になっていると指摘した橋本健二『新・日本の階級社会』講談社,2018年を引照していた。

 いわゆる「3A=アベ・あそう・甘利」の日本政治における迷惑トリオの存在は,この「美しい(はずの)国」を,ここまでひどくぶち壊してきた。そこへくわえてなのだが,こんどは,「岸田文雄という幽霊」が体よく彼らのダミーに使われるかたちとなって,この国をもっとズタズタのボロボロにしていく「国家的な事業」(?!)が開始されようとしている。

 まさか国民たちは,そうした事態の出発進行を,指をくわえ黙ってみすごすわけにはいくまい。

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【参考記事】

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