大学教育体制の極端な貧困さ,自民党政権のゲスさ加減は高等教育体制問題の軽視に端的に表現されている,日本人研究者がノーベル賞を授賞されたのは四半世紀前までの研究成果の賜物,21世紀にその種は尽きたこの国(その2)

 「教育は国家百年の大計」という標語はダテではない,だが,その意味が皆目理解できなかったこの国の「安倍晋三や菅 義偉の政権」は,なかでも高等教育体制を生殺し状態に放置してきた,だが,教育体制の劣化・衰退は国家そのものの凋落・弱体化を意味する

 すでに格差社会になっている日本社会であり,貧乏人が大学までいけない経済力水準に留まったままだとなれば,この実態に向けては国家が意識して網をかけて支援し,より学力のある生徒・学生が「経済の心配などなく」,大学(大学院)への進学を取れるよう国家が挙げて助力しないといけない,しかし,現状は教育機会の均等など実質なくなっている

 要点:「住宅・教育・医療」の諸課題で,国民たちをまともに社会保障できないこの国家体制,日本の自民党+「下駄の▲ソ」政権は,後進国になりつつある「この国と民」を扶け,活かす為政が皆目できなかった

 

 コロナ過中の平然たる放置死・処置をみよ,「亡国の執権」を,とくに “嘘つき首相である安倍晋三” と “盲目的な専制強権しかしらない菅 義偉” が強行しつづけてきた結果としての「いまのこの国の惨状」


 私立大学の定員充足率が再び悪化(低下)した理由・事情

 1)「平成31〔2019〕年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)」同年9月11日の関連

 画像資料で紹介するこの「私大の46%,店員割れ-今春入学,人口減・コロナ過で,充足率,初めて100%下回る」という見出しの〔記事に戻る→〕は,これまである意味では紆余曲折もあったのだが,一時は定員割れしていく私大の増加が収まったものの,「18歳人口の低減傾向」という基調,時代の大きな流れには絶対的には抗すべくもなく,やはり,いつかは来ると予測(予定?)されていたこの問題に直面させられている。

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 2016年まで高まった私大の定員割れ傾向は,文部科学省がこの 1) の標題に充てた文部科学省の2019年9月11日文書 補注)によって,私大でも主に一流大学どころを意識したかたちにおいて,それもだいたいに定員が大規模である諸大学に対して効いてくる措置となっていたものだが,入試後に受け入れる実員を極力定員(ピッタリ)に近づけるようきびしく指導しだした。

 その結果:効果はそれ相応に生まれていた。いわばその点滴(トリクルダウン)的な効果は,一流大学の「以下の階層」に位置する非一流大学の多くがすでに定員割れを起こしていたけれども,なかでも首都圏・大都市圏内に立地する中小・零細の大学においては,再び定員の充足ができた実例が多く出ていた。

 補注)当該の文部科学省「通知」は,つぎの文書である。
  ⇒ https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/__icsFiles/afieldfile/2018/09/19/1409177.pdf

 昨日(2021年10月18日)の記述で紹介した『朝日新聞』2021年10月4日朝刊の記事「私大入学100%割れ 今年度 コロナ過背景か」は,前段のごとき文部科学省の指導がしばらくは効いていた事実を教えていた。この記事に添えられていた図表をもう一度,かかげておく。

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 とはいっても,文部科学省のその種の指導があくまで,一過的な効果しか期待できなかった事実は,日本社会内では18歳人口の傾向的な低下そのものが “不可避な時代の趨勢” であったゆえ,結局,なかでも私大の入学実員数が定員割れしていく比率が増えてきた事実は,否定しようがない。

 2)「韓日の地方大学事情  学生の大学選び  国内の就職事情を反映」『統一日報』2021年09月22日 00時00分,http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=89182&thread=01r04

 この在日韓国系の新聞紙は,日本よりもはるかに合計特殊出生率が低下してきた韓国における大学の定員割れ問題を,それも国立大学に関連する話題として伝えていた。この記事を読むと,日本の大学の実情もからめた説明になっていて,興味深い。つぎに引用する。〔 〕内補足は引用者。

 --9月に入り,韓日も大学入試へ向けて受験生や教育機関が動き出す時期になってきた。今〔2022〕年〔度〕も昨〔2021〕年〔度〕同様コロナ下での入試となることは,ほぼ間違いない。両国の深刻な少子化はもちろん,コロナ感染拡大が大学進学にどのような影響を与えているのか。韓国で深刻化している地方大学の志願者減の問題を取り上げ,韓日の状況を探ってみた。

 さきに『統一日報』がかかげていた画像資料から,韓国における18歳人口の数値を紹介しておく。ちなみに,2019年の韓国の合計特殊出生率は 0.92,出生数は30万2600人,2020年のそれらは 0.84,27万2300人にまで減少し,とりわけ出生率のほうは世界で最低になっていた。

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 さて,日本の18歳人口(総人口は韓国のほぼ 2.25倍)は,文部科学省公表による2018時点の統計では,以下のとおりである。

  2018年 118万人
  2019年 117万人
  2020年 117万人
  2021年 114万人(この年度に「私大入学の46%が 100%割れ」となった)
  2022年 110万人

 a) 進む地方大学の定員割れ

 少子化の影響で,韓国では大学の定員割れが進んでいる。今〔2021〕年の定員に対する入学率は91.4%で,4万586人の欠員が出た。一方で,ソウルと京畿道及び仁川を含める首都圏の大学は99.2%を確保した。つまり,地方大学が苦戦を強いられたことになる。

 補注)韓国ではこの記事によると,このように全大学の平均で計算しても,「定員に対する入学率は91.4%」に落ちているというわけである。この実情はその中身に関して詳細は吟味がなお必要とはいえ,粗っぽくいっても「すでに不要な大学(あるいは定員)の1割」は不要になっているとみなせる。

 問題としてはそう単純に議論できない性質をもつものの,このように1割ほども不要な,余剰の定員があるというのは,しかも国立大学に関心が向けられた説明となっているゆえ,相当に切迫した状況・事情が生じている,すなわち,国家による高等教育体制全体の問題として,大学定員のあり方を緊急に再検討・再配置する必要があるというほかない。

〔記事に戻る→〕 教育部〔日本の文部科学省に相当〕によると,来〔2022〕年の全国の大学の新入生募集定員は約49万2000人だ。これに対して満18歳の学齢人口は47万3000人で,軍入隊,就職などを除けば,実際に大学入試を受ける学生は41万2000人と推定される。新入生が8万人足りない計算だ。相当数の地方大学が大規模な定員割れになることが予想される。

 補注)この段落での説明も韓国における全大学の総定員を挙げている。

 このような地方大学の新入生不足は慢性化する見通しだ。今〔2021〕年,全国10の拠点国立大学のうち,ソウル大学を除く9大学が追加募集を実施した。地方の名門と呼ばれる釜山大,慶北大まで定員割れを避けられなかった。編入を通じて首都圏に移っていく学生も毎年増える傾向にある。

  補注)ここで「全国10の拠点国立大学」とは,以下に挙げる諸大学を指す。なお,韓国には私立大学として有力な,世界水準に到達しているいくつもの大学がある。だが,それらは考慮外にした国立大学にかぎったその「全国10の拠点国立大学」の一覧である。これ以外にも世界水準の国立大学があるが,その大学名はここではいちいち挙げない。

  首都圏:ソウル大学
  江原道:江原大学
  慶尚道:慶北大学,慶尚大学,釜山大学
  全羅道:全南大学,全北大学
  忠清道:忠南大学,忠北大学
  済州島:済州大学

〔記事に戻る→〕 大学教育研究所が今〔2021〕年7月に発表した報告書は「いまの状態が続けば,地方大学は高等教育機関として競争力があるかどうかの問題を離れ,初めから選択肢として考慮されなくなる」とし,「首都圏の大学中心の学閥主義が深まり,私教育費問題,首都圏の住宅価格問題,地方空洞化など社会問題もさらに深刻化する」と指摘している。

 補注)韓国の場合,首都であるソウル市圏への人口集中が極端である。昨年(2020年)の時点ですでに,つぎのような報道がなされていた。

 このような人口現象がソウル市を中核に集中してきた動向に対応するかたちをとって,大学(ここでは国立の各大学)の入学者数も大きく影響されてきた事実は,しかも18歳人口の減少をじかに反映する方途として現われていた。

 さらに,18歳以上の男性に義務づけられている兵役の問題も,韓国の場合では考慮されるべき関連の要因であった。要は,大学問題は単に大学関連の問題に限定されずに,経済社会の全般的な領域にまで深くかかわると説明されている。

     ▲ 首都圏人口初の50%台,都市部への集中鮮明 ▲
 =『NNA ASIA アジア経済ニュース』2020/08/31,https://www.nna.jp/news/show/2087496
 
 韓国統計庁が〔2020年8月〕28日発表した人口住宅総調査によると,2019年の韓国の総人口5178万人のうち,50.0%にあたる2589万人が首都圏(ソウル市・京畿道・仁川市)に居住していることが分かった。首都圏の人口が50%台を突破したのは初めてで,都市部への人口集中傾向が鮮明になった。

 

 首都圏の人口は前〔2018〕年比で18万人( 0.7%)増加した。内訳は京畿道が1,330万人(25.7%=人口割合),ソウル市が964万人(同18.6%),仁川市が295万人(同 5.7%)となった。

 

 全地域の人口増加率は,中央官庁が集積する世宗(特別自治)市忠清南道・北道の一部にまたがって,新しく造られた市〕が8.2%増ともっとも高かった。京畿道( 1.5%増)や仁川市( 0.5%増)も高い伸び率を示した。ソウルの不動産価格の高騰で住居を郊外に移す動きが広がったことなどが影響した。

 

 一方,減少率が高かったのは大田市( 0.8%減),釜山市( 0.7%減),大邱市( 0.6%減)などだった。

 b) 政府対策は逆効果の懸念

 これに対して政府は「首都圏大学定員削減」を打ち出した。しかし,入学定員を減らしても生徒が首都圏へ集まる傾向を防ぐことはできないと予想されている。地方大学に対する社会的差別と偏見がいまだに根強いだけでなく,若い世代が好む半導体,インターネット,情報技術(IT)など,先端企業の雇用は首都圏に集中していることが背景にある。

 最近の受験生の間では「イン(in)ソウル」という概念が,必らずしも上位圏大学を狙うという意味ではなく,「ソウルにある大学にいけばいい」というように変わってきたともいわれる。「首都圏の難関大学に入れないので地方大学へいく」という単純な図式にはならないのだ。入学枠が狭くなれば競争率はさらに高まり,浪人生が増えるだけとの指摘もある。

 補注)このあたりの韓国的な大学進学事情は,それなりに個別・特殊な事情を有しているようである。日本であれば大雑把ないい方になるが,「東西に分かれている」といっていいような大学勢力の分布があって,それほど極端な現象はもともと起きていない。

 そのさい,東京大学が一番だとはいっても,京大が二番手に位置してどうのこうのという話題は,それほどこだわって強い関心はもたれていない。東大と京大とはいいとこ勝負ができる同士である「この2つの大学」だといった,一般社会側からの観方があるはずである。

 だが,異常とみなせるくらいに一極集中的である韓国大学事情は,北朝鮮北韓)との統一でもなされて平壌市に配置される大学もあって〔といったふうな〕の勢力図(平壌大学が日本の京都大学に相当する位置を占めるとか)にでもならないかぎり,現状のごときソウル首都圏に立地する大学群が絶対的に優位でありつづける大学事情は,そう簡単には変わるみこみがもてない。

 c) 大学の捨て身の対応策

 危機に直面した地方大学は,破格的な特典をかかげて新入生獲得に乗り出した。政府が来〔2022〕年,国家奨学金の拡大編成を決めると,各地方大学は独自の奨学金を増やし,新入生は事実上授業料を払わなくてもよい「無償教育」を打ち出している。教育用スマート機器購入のための「人工知能(AI)人材奨学金」を設け,新入生には71万5000ウォンを支給する大学もある。

 これで大学経営がなりたつのかと心配する向きもあるが,新入生誘致には学校の存続がかかっていることから,地方大学は財政を検討できる状況ではないと関係者はコメントしている。

 補注)さて,ここまで『統一日報』の記事を読んだところでだが,韓国の教育部(1990年以前は文教部と称していた官庁,日本の文部科学省に相当)は,国立大学の総定員数に関して,私立大学の定員問題も当然絡むはずだが,大学すべてを調整する意向はないのか?

 その点は,この記事の内容で汲みとれるかぎりでは,はっきりしない問題である。ともかく,私大も国大も併せて全体としてあつかい,その将来の方向性を考慮しつつ,一国における大学全体の構造改革が必要とされていることは,確かである。この種の疑問=問題意識は,日本の大学に対してでも妥当することは,いうまでもない。

 d) 日本は地方回帰が進む

 日本でも当然ながら少子化の影響は避けられない。2021年の国立大学のケースをみても,志願者数は前年に比べて1万1261人減少した。しかし都市部と地方という対比でみると,韓国とは真逆の現象が起きている。

 コロナ禍で感染者の多い都市部が敬遠され,経済的な理由で学費の安い国公立大学が選択された結果,地方の国立大学を受験する学生が増えたのだ。コロナ禍の影響で,地方在住者に対する就職の機会が広がったことも大きい。

 国立大学で志願者数がもっともも多かったのは千葉大学で,前年より1353人増加した。順に,山口大学(前年比1045人増),神戸大学(同921人増),茨城大学(同652人増),九州大学(同388人増)と続く。この傾向は2022年度も変わらないとみられる。

 補注)ここでちょっとした疑問がある。千葉大学神戸大学九州大学はそれぞれの地方においては大都市圏に収まっている大学であるのだから,前段のように「コロナ禍で感染者の多い都市部が敬遠され,……」と説明した点には,違和感を抱く。
 
 痛手を受けたのは私立大学だ。全国の私立大学の志願者数は,前〔2020〕年比12%減で過去最大の減少幅を記録したという。都心の有名校も例外ではなかった。

 ところが,このような状況でも入試制度を改革し,従来よりも受験しやすい環境を整えて志願者を増やした大学もある。立教大学は英語の独自試験を廃止し,民間試験か共通テストのいずれか高得点の方を合格判定に採用した。

 受験生にとって負担が軽くなるメリットが生まれた。さらに,同じ学部を複数回受験できるという全学部日程方式を導入。その結果,前年よりも志願者は4167人増えたという。

 韓国とは異なり日本ではコロナ禍が地方大学への回帰を促したかたちになったが,両国とも少子化対策ならびに地方都市の活性化は解決すべき喫緊の課題だ。韓日の知恵の結集が求められている。(引用終わり)

 はたして,日本と韓国の大学問題に共通する話題(課題)と関しては,18歳人口が漸次減少していく現実が進行中である。大学の教育・研究全体にもかかわる問題である学生の受け入れ方として,日韓の大学に共通する現実的な要因として,どのような学生をどのように確保するかという難題に直面している。

 とはいえ,ともかく学生の「定員数」じたいを確保する問題はもちろん,個々の大学にとっては重要かもしれない。だが,一国の視点における高等教育体制の問題次元から観れば,大学全体の定員をどのように調整していき,しかも教育力と研究力を同時並行的に減退させずに昂揚させうるかは,基本において確実に維持されねばならないはずの,より重要な任務・課題である。

 --ところで,昨日から本日におけるこの記述は,大学進学(など)でかかる教育費の問題をとりあげるつもりであった。しかし,その問題の部分を本日のブログなりに記述しようとするとだいぶ分量が多くなりそうになったので,本日は諦めて明日に順延することにした。

 その代わり本日の記述最後の話題として,つぎの ③ に大学授業料(納付金)の問題を,関連する論点として言及しておきたい。

 

 「大学授業料の国際比較をさぐる(2021年時点最新版)」『YAHOO!JAPAN ニュース』2021/3/4 (木) 11:34,https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210304-00224178(執筆者は不破雷蔵
 
 以下にこの記事を引用する前に断わっておきたい点がある。日本においてとくに,給付型の奨学金制度が不備であることである。日本も韓国も私大は授業料が高い。しかし,そこを補うための奨学金制度,それも貸与ではなく給付をしてくれる奨学金の制度が,各国においては,どのくらいととのえられているかが関心事となる。

 その点で日本は,日本学生支援機構のように貸与型の奨学金を基本事業にし,しかも有利子の奨学金制度も置き,おそらく世界のなかでも(ここではとくに「先進国意識」をもつ国々ということ),相当に異型だとみなされるほかないその制度を運用している。

 ということで,そのあたりの論点,貸与型奨学金が優勢を占めるこの国のその制度のおかしさが目立っていた。関連する議論はある程度詳細にならざるをえないゆえ,さらなる議論は「本稿(その3)」に譲ることし,この ③ の記述に移りたい。

  --不破雷蔵の記述を引用する。

  高等教育機関の大学は,国の文化や教養や科学の水準を維持し高めるため,そして優秀な人材を育成するのに欠かせない存在。日本ではその大学の授業料は国際的にみて高いのだろうか。OECDの公開値で確認する。

 a) まずは国公立大学。公開されている値は平均値だが,グラフ上で値が存在しないのはゼロ,つまり授業料が無料を意味する。データそのものがない国(該当する大学がない)はグラフには反映していない。

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 アメリカ合衆国アイルランド,チリ,カナダ,日本,オーストラリア,韓国などでは国公立大学の授業料は高いと判断できる。日本は値が公開されている国に限れば上から5番目。

 国ごとの傾向をみると,デンマークフィンランドノルウェーなど,ヨーロッパ諸国,とくに北欧諸国では授業料が無料なのが分かる。またドイツやフランス,オーストリア,スイスのような授業料が安い国も,だいたいはヨーロッパ諸国。これらの国はおおよそ,いわゆる「大きな政府」に属しており,大学での勉学にかかる費用もまた,一般政府がサポートする姿勢を示していることが分かる。

 b)〔つぎに〕私立大学ではどうだろうか。

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 アメリカ合衆国が群を抜いているが,おおよそ国の序列に変わりはない。ヨーロッパ諸国,とくに北欧諸国では低い値に留まり,それ以外の国では高い傾向にある。日本はアメリカ合衆国,イギリス,オーストラリア,韓国に次いで高い値。

 高等教育機関の制度は国によって大きな違いがあるため,一概に単純比較はやや難があるものの,日本の大学授業料は国際比較の観点でも高い水準にあることは間違いなさそうだ。

 なお今件値に限れば,日本の私立大学の授業料は国公立大学の約1.68倍。文部科学省の学校基本調査の最新値,2020年度分で確認すると,国立大学生59万8881人,公立は15万8579人,私立は215万8145人(学部学生,大学院学生,専攻科などを合わせた人数)。大学生の約74%を占める私立大学生は国公立大学生より高い授業料(今件値から概算すると約1.7倍)を支払っているのが実情ではある。(引用終わり)

 こうしたOECDの加盟する各国大学の授業料比較に関していえば,ただこのままの金額を念頭に置いた比較ばかりしてはいられない,さらにその「裏面に控えているはずの問題」があった。それは,奨学金制度の整備・充実がそれぞれの国々によってどういう実態になっているかの問題であった。

 この奨学金の問題をめぐっては,日本の制度には問題ありすぎであった。この付近の議論はつぎの「本稿(その3)」でおこうなうことになる。

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