徐々にかつ確実に衰退してきた日本の国家体制,自民・公明はむろん立憲も共産も(維新は論外),この国の未来を展望できずまともに復旧できない,人民たちがこれからもただ困窮していくばかりで,高齢化現象だけが昂進しつつ弱小後進国へと突きすすむだけの現状(その1)

 国家運営体制のあり方に対して向けられるべき,つまり最低限は絶対に必要である「国民としての権利であり義務である」「本当の怒り」を忘れた「この民たち」になりはてたままで,今後も同じに生きていけるつもりか?

 3代目のろくでもなく世間しらずの世襲政治屋たちが,国会では国民たちの日常生活感覚とはまったく無縁の別世界で,踊り狂うようにして,それも仲間うちの「毛繕いばかりである」「手前勝手の私物化為政」に専念しているが,これでいいのか,許していていいのか。

 そうこうしているうちにこの国は,彼奴等が奏でる行進曲に乗せられ後進国化へと向かう道を,足並みをそろえてこれからも確実に歩まされるほかないのか。国政選挙に半数が棄権する国民たちがいるのだから,もしかするとその行進曲が奏でる意味についてすら,まだまともに理解できていないということになるのか。


  本日:2021年11月24日の『朝日新聞』朝刊記事など

 1)「円安,加速の見方も   一時115円台」朝日新聞』2021年11月24日朝刊4面から後段(部分からで,この記事の半分ほど)の引用

 為替市場では〔2021年〕9月以降,日米の金融政策の違いなどから円安傾向が強まっている。FRBは,コロナ下で始めた金融緩和を縮小させる方向にかじを切ったが,日本は経済回復が遅れ,物価も低迷。このため,日本銀行は大規模な金融緩和を続ける方針で,今後も日米の金利差を背景とした円安傾向が続く可能性がある。

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 市場関係者の間では円安はさらに加速し,120円まで下がるという見方もある。円安は資源高などを通じて家計や国内の中小企業などの負担増にもつながるだけに,コロナ禍からの経済回復の足かせになりかねない。

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は「日本の金融政策が変わらないかぎり,当面は円安ドル高の基調は変わらない。(年内は)一気に116円をうかがう展開があるかもしれない」とみる。

 円安は輸入品の価格上昇につながり,企業の調達コストが上がったり,ガソリン価格の値上がりなどを通して市民生活に悪影響があったりする。みずほ証券の山本雅文氏は「2023年に向けては120円ぐらいまで円安が進む可能性があるが,景気回復や賃金上昇が伴えば,企業もコスト増を販売価格に転嫁でき,対処できる」とみる。

 ただ,足元では,10月の国内企業物価指数が40年ぶりの高い伸びを示す一方で,消費者物価指数はほぼ横ばい。多くの企業で価格転嫁が進んでいないことを示しており,円安がさらに進めば収益をさらに圧迫しかねない状況だ。(引用終わり)

 この記事を読んでからこの朝刊の面(頁)をさらにめくっていくと,23面「生活」欄には,こういう投稿(次段に引用する)が採用され,記事として掲載されていた。それを紹介する前に,まずつぎの図表を参照しておきたい。

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 この投稿は,この図表「平均年収の推移」に記載された「『年収・折れ線グラフ』の期間」(1990年から2018年)内に収まる〈話題〉として聞けるはずである。24年間介護職を務めてきたが,この仕事では食っていけない,まともな生活が形成できない賃金水準だという嘆きになっている。

      ◆〈ひととき〉介護職,24年続けたが ◆
        (札幌市  匿名希望  無職  42歳)
     =『朝日新聞』2021年11月24日朝刊23面「生活」= 

 

 介護の仕事を24年間続けてきた。先月末,3年間勤めたサービス付き高齢者住宅を退職した。

 

 仕事中,利用者から突然怒鳴られることもある。家族の方からストレスをぶつけられることもある。日々時間に追われつづける焦りと,書いても書いても終わらない記録の山の先にあるのが,手取り17万円だ。

 

 やりがいを感じる瞬間もたくさんあった。利用者から「また来て欲しい」といわれるとうれしかった。命が終わる瞬間にも立ち会う仕事だ。家族の方から「ここで最期を迎えられてよかった」と泣きながらお礼をいわれると,「できるかぎりのことをしてあげられたのかな」と思えた。

 

 けれど,疲れた。けっして多くない給与のなかに渦巻く,もろもろのストレスに押しつぶされてしまった。上司に訴えても「人がいないから仕方ないでしょう」とため息をつくばかりだ。

 

 便失禁をした利用者のお掃除をしていたとき,こう声をかけられた。「私の娘にもさせられない仕事なのに,よくやるわね」。たぶん,褒めるつもりでいったのだと思う。でも,でも……。その言葉が小骨のように刺さったまま,求人誌はまだ開けない。

 この介護職の人材,24年間も勤務しつづければ大ベテランである。ふつうに考えても手取り給与が最低でもこの倍,34万円くらいあって,なにもおかしくはない。そのくらいの賃金水準であれば,この人はこの仕事を辞めていなかったかもしれない。まだ42歳の労働力・労働者である。現在は無職というが,このような人を無駄に遊休状態に追いやってしまう介護業種は,問題があり過ぎる。

 保育士の給与水準も低い。高齢社会での現実的な話としていえば,「死に近い生活空間」での仕事にたずさわる介護士〔だとみなしておくが〕も,「小さな子どもたちの活き活きした生活界」での仕事にかかわる保育士も,いずれも現状のごときこの国のなかでは,甲乙つけがたい大事なそれぞれの仕事になっている。

 ところで,パート労働に従事しているお母さんの月給額のことを「仮に月25万円として」などと,国会のなかで得意顔で話題にしていた世襲3代目のお▲カ政治屋がいた。しかも首相であった彼の口から出た発言であった。その名はもちろん安倍晋三

 ところでまた,前段に紹介した介護士が1カ月働いてもらっていた給料を,ひと晩での飲み代などえ払えるような,これまた世襲3代目で,ときにはしたり顔でわれわれに向かい「下々の皆さんと語れる」阿呆太郎的な,やはり元首相であった人物もいた。念のため添えておくと,その氏名は麻生太郎

 21世紀の現時点になってより明白になってきた日本国の現状は,ただただ貧しい国になったな,という事実であり感慨である。本日の『日本経済新聞』朝刊39面「社会」には,つぎの記事が出ていた。

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 最近はとくに単身生活をする女性の貧困化が顕著な社会情勢になっている。ここでは詳論できないので,この問題の概要を説明しているつぎの記述を参照されたい。

 最近の日本というこの国は,人びとの経済生活水準を世界のなかで比較して位置づけて観ると,いつの間にか総体的に,つまり絶対的にも相対的にも顕著に見劣りするようになっていた。その事実はあまり聞きたくない性質のものかもしれない。だが,以下に現実そのものの展開としてしってもらうおくほかない。


 「円安で日本はタイやブラジルよりも『貧しい国』に!  アメリカの大卒1年目の平均年俸は約629万円   物価高が進行する悪質な円安」『情報速報ドットコム』2021年11月23日,https://johosokuhou.com/2021/11/23/53234/

 日本の価値が下落しています。ドル円は3年ぶりに114円を突破し〔前掲の『朝日新聞』記事の図表では115円〕,実質為替レートも30年ぶりの高水準になりました。さらに円安と合わさるかたちで原油など資源価格の上昇が重なり,ガソリン価格だけではなく,輸入物全般や食品でも値上げが相次いでいます。

 『週刊現代』の記事にはタイやブラジルよりも日本は貧しいと書かれているほどで,1991年に約447万円だった日本の平均賃金は2020年になっても433万円。これは他の国と比べてみると非常に異常な状態で,過去30年で約2.5倍(約700万円)となったアメリカやドイツ,同じく約2倍の成長となった韓国の約430万円とほぼ同じレベルです。

 補注)さて話の相手が,つまりこの日本に対して比較する国が「韓国」になると,ともかく気に入らないんだ,といった風情で「あの韓国に日本が・・・」という表現が頻繁に,とくに最近は聞かれるようになった。

 もっとも,その比較の相手は韓国のことだけではなく,以上の記述でも分かるように全世界の各国になっているともいっていい。ともかく比較の対象が韓国になると,途端に冷静さを失うのがニッポン人ということになるらしい。なにかもの悲しいと形容したらいいような〈ヤマト民族のサガ〉である。

〔記事に戻る→〕 もっと具体的な数字として,アメリカの大卒1年目の平均年俸は約629万円であるのに対して,日本の平均は約262万円しかないいと記事中に掲載されていました。毎年公表されている「ビッグマック指数」だともっと悲惨で,日本の値段はタイやブラジル以下の水準となっているのです。

 補注)この「ビックマック指数」については説明しないので,読者自身でしらべてほしい。

 少なくとも賃金の水準で日本は先進国から転落したといえ,名実ともに衰退国家と評されるほどに低迷が深刻化しています。この流れを変えるには賃金を上げるくらいの景気回復が必須で,合わせて円安政策から円高政策に変えて,物価上昇も抑えこまなければいけません。

 仮に円安のまま景気だけ改善しても賃金が増えたことで物不足が加速し,物価が急激に跳ね上がる恐れがあり,円安の封じこめと景気回復は組みでおこなう必要があります。いずれにせよ,日本の低賃金と景気低迷はコロナ以前から酷く,もはや先進国とはいえない水準だと自覚するべきです。(引用終わり)

 「日本の低賃金と景気低迷はコロナ以前から酷く,もはや先進国とはいえない水準だ」という事実が経過してきた日本の国力(とくに経済面での実力)の低下傾向は,21世紀にはいってからというもの,確実に現象してきており,われわれが日常生活面でも実感できている。

 百円ショップの旺盛じたいは,だれしも喜ぶべき販売業界の現況とはいえそうだが,その裏面において色濃く反映されている「われわれの生活水準の実質的な低下傾向」に気づいていないといけない。

 労働者の年収が21世紀になって確実にと形容するほかないほどに,それも “伸び悩む” どころか,実質的に “減少してきた” のだから,それこそ,なにをかいわんやの労働者の生活経済面での衰退・劣化現象が持続的に進行してきた。

 いまとなっては「古証文にもなりえなかった」あのアベノミクス(アホノミクス)のリフレ政策目標〔インフレ・ターゲット論:2%に設定〕は,ジェット機にセスナ機で追いつこうとするような想定になっていた。長年にわたるデフレ現象を払拭できないどころが,それを定着させることしかできていなかった。

 ところが最近は,いよいよというべきか,それともとうとうというべきか,コロナ禍の悪影響も加重する方向として「コスト高を基因とするインフレ現象」が,「デフレ現象の克服」としてではなく,われわれの生活面を直撃する動勢が世界経済情勢のなかでのありようとして,すでに醸成されている。

 もしかするとスタグフレーション,つまり「不況下なのに物価上昇が起きる現象」が,デフレ経済傾向の生活環境に慣れてきたわれわれの立場に,これからもろに振りかかるごとき気配が現われている。

 

 「円安が進む日本は,タイやブラジルよりも『貧しい国』になっていた」
 『現代ビジネス』2021年11月20日https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89451(この記事は ② に似た内容の記事である) 

 円安が止まらない。10月に入り,為替相場は3年ぶりに1ドル=114円を突破し,その後も加速している。

 日本は,新型コロナウイルス感染拡大による経済ダメージからの回復が遅かったうえに,原油など資源価格の上昇が重なった。それで円が売られている……新聞などでは,そうした説明がなされている。

 だが,市場のプロたちの多くは,この円安に,もっと根深い日本の「病巣」を見出している。

 「一言でいえば,日本の国力の弱体化が明確に表面化した結果が,今回の円安です。企業の稼ぐ力も衰え,賃金も上がらない。この30年間,日本は他の先進国につぎつぎと追い抜かれ,いまや途上国の立場に陥落しようとしている」。(引用終わり)

 本ブログを読んでくれている人たちは,筆者がときどき「日本はもう後進国だ」と強調するのを聞いて,もしかしたら反発を感じる時があったかもしれない。しかし,この理解「日本はもはや後進国家である」という理解は,

 以上の説明のように「日本は他の先進国につぎつぎと追い抜かれ,いまや途上国の立場に陥落しようとしている」のであり,この点を基本に据えて説明するほかない日本国内の経済社会的な諸情勢・諸事情は,いくらでも世間に転がっているしだい……。

 だから,そのあたりの「リアルな日本認識」については,つぎの ④ のように〈割り切って〉表現する識者もいる。


  内藤 忍「新興国だからと思えば理解できる『安すぎる日本』」『BLOGOS』2021年11月22日 10:51,https://blogos.com/article/570988/ (「内藤 忍の公式ブログ」2021年11月22日からの転載記事)

 義妹が駐在していたイスラエルから帰国したので,親戚6人で久しぶりに集まりました。西麻布の中華のお店の個室を予約。有名シェフがプロデュースするお店で,全員に大好評でした。

 注文したコースは,トリュフのかかったブランドポークの前菜や,上海蟹のスープ,さらに点心やマーボー茄子,さらに坦々麺にデザートのプリンまで全部で8品。食べ盛りの高校生も途中でお腹一杯になるくらいのボリュームでした。

 これがなんと1人4000円税別です。3時間近くゆっくりご飯を食べて,お酒や中国茶も楽しみ,会計は1人6千円足らずでした。もし,ニューヨークのマンハッタンやパリの街中で食べたら,チップも入れて1万円は軽く超えるでしょう。

 「安すぎる日本」が話題になっていますが,東京にもランチタイムの客単価が5万円以上といった高級店もあります。しかも,半年先まで予約が取れない人気だったりします。

 つまり,このような高級店と,ローカル価格の格安店が2極化しているのが,現在の東京の飲食店の現状だと思います。これは,東南アジアの新興国に行った時に感じる「二重価格」と似ています。

 バンコクやクアラルンプールのような新興国の中心都市にいくと,外国人が利用する高級ホテルでは,先進国並みの価格であるにもかかわらず,ホテルを出るとローカルの飲食店では激安で食事をすることができます。

 日本もすべての飲食店が安すぎるわけではありません。外国人や一部の富裕層を対象にした高級店も存在し,予約が取れないくらいに人気を集めているのです。

 安すぎると感じているのは,日本人ローカルのレストランだけです。ミシュランガイドなどに掲載され,グローバルにしられている飲食店は,価格もグローバルスタンダードになっています。

 だから「安すぎる日本」ではなく「2極化する日本」と考えるのが,正しい理解といえるのです。日本人にとっては,なんだか悲しい現実です。(引用終わり)

 以上の話で「2極化する日本」という表現が意味するのは,前述に登場させた人物であれば,政治屋安倍晋三麻生太郎などが「上級市民」の分かりやすい代表者だとすれば,これに対する「われわれ:下級市民」側への階層化(階級分化)現象は,「かつて後進国と呼ばれてきた国々」であればよく観られたものだったが,いまではこの日本でも観られている,という認識にあいなる。

 筆者は先日(11月21日),親族の男の子:〇〇君の三五七のお祝いごとがあって,都心もそのど真ん中にある某高級ホテル内の中華料理店で昼食(バイキング注文形式?)を摂る機会があった。

 そして,そのさい手にとってみた〈メニュー〉の中身のそれぞれの〔ふだん提供されている〕値段とみたら,それはひとつひとつが,もう目ん玉が飛び出る(これはあくまで質素な生活をしているつもりである筆者の個人的感想だが)ほどにりっぱな金額であった。

 筆者としてはめったにない,そうした高級ホテルの中華料理店で食事を摂る機会であったゆえ,そうした祝いごとがあって招待でもされなければ,とてもではないがこのような機会(体験)はなかなかもてない。

 さて,筆者が暮らしている東京への通勤圏内に位置する「地方都市の駅ビル」内に入っているある居酒屋(チェーン店)が,一月ほど前からだったが,コロナ禍が落ちついたということで営業を再開していた。ところで,5日前にその居酒屋の前を通る機会があったおり,店頭にこういう張り紙が出されていた。

  『1杯目の生ビールは ¥100 です……』

 上級市民向けの中華料理店を見学できた身としては,こちら側の下級市民向けの「客寄せ用の呼びかけ文句」に接したところで,なんともいいようのない気分になった。ついでにふれると,

 この駅前の周辺には居酒屋のたぐいの飲食店がもちろん数多くあって,駅前のあるほかの居酒屋のチェーン店は,「生ビール(ほぼ中ジョッキの話)を¥190- の価格で提供します」という文句を書いた大きなノボリを出し,客寄せに工夫している。

 こうなると,付近の飲食店も同じ生ビールを出すにしても高い価格はつけられなくなっている。先日いってみた,この近所のイタ飯屋風の飲食店では,生ビール1杯が290円であって,かなり安めだという印象を抱いた。

 アルコールを中心メニューの一群にして商売をする飲食店間で生まれている競争圧力は,コロナ禍の悪影響もあって非常に強くきびしくものになっていると観察できる。

 というような話題にもなっていたが,つぎの ⑤ のごとき話題にほうにも,必然的に連なっていくほかないわけが理解できる。

 

 「値上げラッシュが家計直撃…『モノが安い国・日本』はいよいよおしまい」日刊ゲンダイ』2021/11/17,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297510

 ※ 日本では「かけうどん並」が320円 ※

 a) いま日本は「モノが安くて過ごしやすい」状態だ。

 寿司チェーンの「くら寿司」は,日本では1皿 110円の商品が主体だが,アメリカで展開する「くら寿司USA」は,1皿 3.15ドル(2021年11月13日現在の為替では359円)と3倍以上に設定されている。

 補注)地元のくら寿司に食べにいく機会が時々があるが,最近のくら寿司のメニューには百円寿司から外れる値段,つまり2百円を付けた寿司も増えている。最近のコスト高が反映されざるをえない経営状況の現われだと受けとっておく。

 「くら寿司」は値段の開きについて,「(日本と比べて)人件費が高い」からだとする。同様に,うどんチェーンの「丸亀製麺」は,日本では「かけうどん並」が320円,アメリカのカリフォルニア店では「KAKE」が5.75ドル(655円)と約2倍だ。

 日本で「かけうどん」が600円を超えたら,高すぎて「えっ」と感じてしまうだろうが,アメリカでは安すぎて「えっ」と消費者は驚きの声をあげるのだという。マクドナルドの「ビックマック」は,日本では390円,アメリカでは5.65ドル(621円)だ。アメリカのマクドナルドではいま,ドリンクやポテトも頼んで1食1000円で済ますのは不可能だろう。

 過去20年の消費者物価指数(モノの値段がどれぐらい上がったかを示す)をみると,日本はわずか2.6%だが,アメリカは54%,中国は60%,ユーロ圏では40%も上昇している。

【参考図表】-これは,日本以外の各国では,物価が上がってきたが賃金も上がってきた,というその相関を説明する図表-(すでになんども紹介した図表であるが,ここでも参考になる)

 

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 b) 日本であまりに長期間にわたって起きたデフレによって,企業の「価格転嫁(値上げ)するメカニズム」が破壊されてしまったようだ。

 商品・サービスの値上げができないと企業は儲からず,賃金が上がらず,結果的に物価が上がらない。安い賃金で働く人が増えた結果,他国では絶対になりたたないような格安のファストフードチェーンが誕生した。

 しかし,最近,家計を直撃する値上げラッシュが起きている。日本銀行が実施した「生活意識に関するアンケート調査」(2021年9月)によれば,「商品やサービスを選ぶさいにとくに重視すること」は,「価格が安い」がトップの47.6%で,機能が良い(33.7%),アフターサービスが充実している(13.4%)を大きく引き離す。いかに価格に敏感がよくわかる調査結果だ。

 c) 気になるのは,「物価」に関する調査結果だ。1年前と比べてかなり上がったと考える人は,8.9%,少し上がったと感じる人の52.6%を足すと,実に61.5%の人が「物価が上がった」と感じているのだ。

 さらに,今年10月,農水省は製粉会社への小麦売価を20%近く値上げした。これにより,「山崎製パン」は食パンの「ロイヤルブレッド」や「超芳醇」「ふんわり食パン」などで平均9.0%,菓子パンの「高級つぶあん」「ナイススティック」などで平均6.8%それぞれ値上げする。

 欧州で問題になっている天然ガスの高騰で,ガソリン代は冬の到来で今後さらに高くなる可能性は高い。牛丼チェーンの「松屋」も牛丼並を320円から380円へと値上げした。「吉野家」もその動きに追随。100円ショップでは,300円,500円の価格帯の商品が今後ますます増えていくだろう。

 d)「安くて過ごしやすい天国・日本」はいよいよ終わり,「給料は上がらないが物価だけ高くなる地獄」の門が開かれつつある。(引用終わり)

 こうなると,日本国のこの現状をまともに理解しようとする人間であれば,つぎの井筒和幸のように激怒して自然・必然・当然である〈なりゆき〉は,多分,文句なしに同感できる。

 

 「岸田政権はカネ以前にドタマが回っていない  下層庶民をナメるなよ!〈 井筒和幸の「怒怒哀楽」劇場〉」日刊ゲンダイ』2021/11/20,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/297684

※人物紹介※ 井筒和幸は映画監督。1952年12月13日奈良県生まれ,県立奈良高校在学中から映画製作を始め,1975年にピンク映画で監督デビューを果たした。『岸和田少年愚連隊』1996年)と『パッチギ!』(2004年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞,歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し,現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

 a) 岸田政府は,庶民に給付金をまだ払わないで,世帯主の収入がどうだこうだとほざいてる。そんなこと選挙前に決めてたんじゃないのか。ドタマが悪いヤツら。社会は相変わらず沈滞したままだ。株や金融経済などどうでもいい。

 一番多い下層庶民にいま,金を配らないでいつ配るんだ。正月の餅代じゃないぞ。いま現在,金に困りはててまともに生活していない庶民がどれほど多いことか。われら映画屋などその日暮らしもいいところだ。持続化給付金も出ない。役所は芸術のなにをしっているのか。

 1年前の年末,オリックスの元社長も,躊躇なくあらゆる人たちに最低限の生活資金を配ることだといったのを思い出す。企業は貯めこむだけで,金は家計にいきわたるわけがないのは政策の失敗だから,すぐ変えなければならないと。

 正規雇用は賃金が安過ぎるし消費に回らないと中学生でも分かるように「とりあえず毎月1人10万円でも配ったらどうだ」といっていた。たった1回の10万円がなんの役に立つんだと,財務大臣も皮肉られた。企業人に喝を食らわされて1年経つのに,まだ金は配られない。政府はカネ以前にドタマが回っていない。そ れ で 為 政 者 か

 b) 一刻も早く給付金を配らないと,またジョーカーもどき殺人事件が起きそうな毎日。でも,家賃6万円で専門学校の学費が10万円かかる女子は,ガールズバーにバイト出勤だ。でないと退学だ。退学したら人生がまたみえなくなる。

 都内の某私立大学ではひもじい学生に,無料で食料や文具や生理用品を配るのも3度目で,バイトもない1000人以上が並んだとか。こんなにモノがあふれて豊かなのにこんな貧しい国なのだ。

 補注)つまり,「階級的な社会格差」というものがすでに定着したみなしていい,この日本国になっている。

 毎月の食費を1万円に切り詰めて夕飯を食べない学生も多い。いまの青春モノの邦画で100円のパン1個で暮らす学生など描かれることはないだろうが。最底辺は広がっている。金持ちは税金をまけてもらっている。政府は根本から考えなおすことだ。

 補注)あの “育英機関であるはず” の日本学生支援機構は,単なるローン会社になりはてている始末だから,相当に始末が悪い。

 しかも,その事実をなんとも感じていない「日本社会全体の教育環境」そのものも介在している。その事実は以前からの確固たる既成事実となってもいて,この日本学生支援機構のかかえる「根本からの本来的な矛盾性」が,教育社会における深刻な問題としてまだ十分に共通認識になっていない現状は,教育環境のあり方としては最悪の条件だといわざるをえない。

 c) 〔ところが〕腹が減っては戦も勉強もできぬと立ち上がる学生はいない。デモをして反乱を起こすこともない。皆,おとなしいもんだ。生まれた時から親の期待に沿おうと無理して自分を殺してきたし,クソな大人の政治も元から信用していないのだろうが。

 われらが若者だった1970年代は,大人どもに疎まれるだけで上等だった。「造反有理」「連帯を求めて孤立を恐れず」で,いつでも闘うぞと燃えていた。ピンク映画の映倫審査でも検閲者にカットされそうになると怒鳴りつけて抵抗した。

 いま,20代の若者が不憫でならない。自由な未来を切り開いてやろうと親身になって思う政治家はどこにいるんだ。打算の政治屋に出くわしたら,怒鳴りつけてやりたい。

 d) 貧しい庶民に毎月10万円,給付したらどうだ。セーフティーネットもヘチマもあるか。誰もの人生が壊れかけてるんだぞ。セコい政治屋ども! 下層庶民をナメるなよ。(引用終わり)

  井筒和幸みたく本気吠える識者が増えないことには,これからも日本の政治・経済・社会は,さらにますます冴えなくなるどころか,本当に「第2のタイタニック号」になりかねない。

 ところで最後に,話が大きく飛ぶようでも現実的な話題をする。「南海トラフの巨大地震の発生」は,そのうち確実に起きると予測されている。

 すなわち,「東海地震東南海地震・南海地震の3地震」のうち,ひとつでも近いうちに起きたら,この日本は本当に「沈没はしないまま」でも「沈没したに等しい国家」になるかもしれないと,予想だけはしておく余地がある。

 その前に,この記述で議論した日本国の経済関連の「復旧」問題そのものに対して,もっと真剣に取り組んでいかないようだとしたら,「3・11」の東日本大震災・東電福島第1原発事故の発生とは比較のしようがないくらいに,南海トラフ関連の巨大地震発生によって,この国家は決定的な打撃を受ける可能性が大きくあると心配する。

 そのさいは本当に,本物の日本沈没:壊滅が起きるのではないか? もしかしたら,その後にこの国が中国の属国になるという事態が起こりうるのかもしれない。いままでのアメリカによる属国状態の,いわばさらなる軍事的な支配の本格的な強化ではなくて,中国の「それの発生のこと」である。 

 いままですでに「米国の属国であった日本の国情」のことだから,これが「中国の属国である日本」になるとしたも “大差ない” などとヘリクツをいう人が出てくるかもしれない。この種の懸念までさせる現状の日本国である。

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「本稿(その2)」は以下の記述である】

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